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週刊てーて　ひらく農園から

「お金を稼ぐということその二」

　先日、何気なくテレビをつけたら、美輪明宏さんが出演されていて、給料をもらうということは我慢料をもらうということ、とおっしゃられていた。自分の好きなことをやって仕事にしている人は贅沢だ、皆自分の好きな仕事を出来ずに我慢料をもらっているのよ、と。ふーん、そうか、そういうものなのか。大きな会社に入ればそれだけ多くのことを我慢しなければならないから、お金をたくさんもらうんだ。省みて、僕たちのようないわゆる有機農業家は、ほとんど自分が望んでこういう仕事をしている。これは贅沢な仕事なんだ。だから、お金はなくて当然なのか？そして、我慢料をたくさんいただいている方々に、贅沢な野菜を買っていただいている、という図式なのだろうか？このことをきっかけに、ちょっと考えてみたくなった。

　有機農業家であってなおかつこの仕事を長く続けているひとは、一応に研修生に農作業を手伝ってもらう、という形をとって体の負担を少しでも減らそうとしている。アルバイトを雇って、恒常的に七百円という時給を支払い続ける能力のある人は、かなり少ない。これもやはり、贅沢なことなのであろうか？やり方が悪いのだろうか？大きな会社を運営されている方々ならば、もっと楽に仕事を推し進めることができるのであろうか？楽に大きな規模でやるのならば、きっと農薬や化学肥料を使うだろう。それが効率を求めるものの極みだ。

　一つの考え方がある。化学肥料や農薬を使い続けて、効率的になった野菜やお米やパンを食べ続けることが、人間や地球にとっていいことだとは到底思えない、という考え方だ。自分の親や連れ合い、子供たち、というような身近な人々に、できればまっとうなものを食べさせたい、と願うのはごく自然な考え方だと思う。これも贅沢であろうか？食べ物は餌ではない。人間はストレスを抱え過ぎた生き物なので、食べ物を薬として食してきたという歴史もある。地球の循環のシステムに近い部分で農業をしようとしたら、有機農業になってしまうのである。できるだけまっとうなやり方を求めることが、自分や他者への礼儀だと考える、そのことが贅沢であるとは到底思えないのである。

　人間は、意志のエネルギーの塊であると思う。生まれた時から、人間は自分の意思に忠実であろうとする。そして死ぬまでできれば自分の意思を通したい、と考える。それがわがままであれ何であれ、そのこと自体が人間の証であるとさえ言えるだろう。いやなものはいやだ、と言える環境を長い歴史の中で築いてきた。封建的な時代ではそうではなかったが、現代では少なくとも、独裁体制が敷かれていない限りは、いやなものはいやだ、と言えるほうがよいとされている。だから、化学肥料や農薬はいやだ、と言いたければ、究極の選択が農民自身になるということになる。そうでなければ、化学肥料や農薬を使っていない生産物を買うことで、その生産者を応援するという手段をとる。これは、人間の根源的な問題である。もちろん、それは農産物だけの問題ではない。さまざまな分野で、同じような場面が存在する。人間の根源的な部分を選択する余地が仕事の中にもなければいけない。これは決して贅沢なことではない。地球を長生きさせることは、決して贅沢ではないのである。

2006年4月27日　寺田潤史

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今週の野菜
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)

	新着	野菜	品種名	科	種播き日	収穫開始日
1	New	白菜あおな	ミニ黄作	アブラナ科	2006年3月2日播種	2006年4月23日から収穫
2	New	さやえんどう	絹小町	マメ科	2005年11月10日播種	2006年4月22日から収穫
3		なのはな	レタサイ	アブラナ科	2006年9月22日播種	2006年1月27日から収穫
4	New	ニンニクの芽	上海早生	ユリ科	2005年10月28日播種	2006年4月23日から収穫
5	New	しろな	京の四季	アブラナ科	2006年3月2日播種	2006年4月20日から収穫
6		サニーレタス	レッドファイヤー	キク科	2006年1月12日播種	2006年3月17日から収穫
7		フリルレタス	グリーンフリル	キク科	2006年1月12日定植	2006年3月17日から収穫
8		葉ねぎ	わかさまパワー	ユリ科	2005年11月24日播種	2006年4月2日から収穫
9	New	水菜	早生水菜	アブラナ科	2006年3月2日播種	2006年4月20日から収穫
10	New	春菊	さとゆたか	キク科	2006年3月2日播種	2006年4月20日から収穫
11	New	葉大根	しずむらさき	アブラナ科	2006年3月16日播種	2006年4月7日から収穫
12	New	壬生菜	早生壬生菜	アブラナ科	2006年3月2日播種	2006年4月20日から収穫
13	New	べかな	はまみなとべかな	アブラナ科	2006年3月2日播種	2006年4月20日から収穫
14	New	新玉葱	浜育ち	ユリ	2005年9月12日播種	2006年4月4日から収穫
15	New	法蓮草	ブレード	アカザ科	2006年3月16日播種	2006年4月23日から収穫
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20
21
22		卵	赤鶏	平飼自然卵

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