「じゃがいも、ごぼう、にんじんのたねまき」

　予定通りに、日曜日の夜中に確定申告を早々と済ませた。時期を前倒しすることができ、時間の自由、余分な紙もいらない、おまけに５千円の控除まで特典されているこの電子申告だが、ソフトのバージョンアップの関係はお粗末だ。去年と同じＰＣを使っていたのならば、問題はなかったのだろう。去年よりはソフトの重さが軽減された。しかし、ＰＣを変え、ＯＳをＶＩＳＴＡに変えたので、それ相応のソフトにバージョンアップしている。そこまではよかった。電子署名するための公的個人認証サービスソフトがややこしい。詳しくは書かないが、ＰＣに詳しくない人であれば、とても難儀するであろうし、あきらめてしまう可能性のほうが高いと思う。電子申告なんて、電子署名ができなければ何の意味もない。公的個人認証サービスという名前の通り国や自治体がバックについている方面の方々は、殿様商売を相変わらず続けている、という印象を受けた。

　時間のやり繰りを何とかしようとしているので、こういった公共機関のサービスがひどくて時間をたくさん費やしてしまうと、ついつい悪態をつきたくなってしまう。とにもかくにも確定申告が終わって、実践的な農作業へと体がシフトしている。農業というものがこれから有望かどうか知らないが、少なくとも冷凍餃子の一件もあるし、食事の大まかな真土不二という性質は見直されなければならないだろう。二酸化炭素削減の観点から言っても、空輸で大量に燃料を消費する輸入野菜を買うことは極力控えて、自分により近い距離の国産のものを選ぶように勧めたい。そして、農作物をあれこれ右から左へと動かすだけでは、何も見えてこないことも強く言っておきたい。農作物は、農民の手に土や草や農作物そのものを抱き、おひさまのあるところで見て収穫し、相応の手を加えて（洗ったり包んだり）出荷されるものである。そこに農民への信頼がなければ成り立たない性質の取引なのである。日本の農家は、その信頼関係を良く保ってきたとおおざっぱには言えるだろう。それほどに農民はあかのまんまであったはずである。しかし、今では、自家用野菜を無農薬で作り、出荷するものは農薬をかけて出荷する、そういった二枚舌が公然とまかり通っている。自分の口へ入るものと人様の口に入るものが別々であってはならないのである。

　いけない、今日はどうも自分の書きたいことと違う方向に行ってしまう。ひらく農園の畑に戻して、久し振りに手伝いのＭ君が来て作業をしていった。にんにく畝の草取りをやってもらって、そのままにんにく畝に鶏糞堆肥を散布してもらった。今年初めてのジャガイモの植え付けもしてもらった。自家採種の「あいのあか」を３０ｍほど。「きたあかり」も同じくらい植えつけることができた。彼は、生分解マルチフィルムを張り終えて帰ったようだった。こちらは、それらの準備と、にんじん、ごぼうの種まきの準備をした。堆肥も散布し、畝も立てて、明日種を播くばかりだ。ホウレンソウの種もまき、大根の種もまいた。培土の仕込みをし、夜には葉もの類の種まきもやった。これらのことは、僕が大地やおひさまと接した、その実践結果である。そういったことを理解してくれる、そんな方々に野菜を届けたいと思う。