「春休みのお手伝い」

　昨日も六ミリの雨が降った。もうお手上げである。しばらく乾燥するだろう、という予報が出ても、すぐにまた雨になる。三月はずっとそんな感じだった。そして、気温の低い日々となった。今朝は四度を切った。日中の風も冷たい。ここ二，三年は、日差しは痛いくらいに熱く、風は冷たい、そんな気候が続いている。

　こんなに寒くては、サツマイモの種イモも伏せこむのに躊躇する。南瓜やズッキーニの種も、ようやく播いたところである。何もかもが、例年に比べて遅い作業となっている。しかしながら、玉葱の収穫は早く始まった。超極早生の玉葱の品種通りの収穫時期である。これは、暖冬の影響だと思う。このあとの早生の玉葱が、この寒さの影響を受けて、収穫が遅くなるのかどうか？

　雨が多いということもあって、仕事は山積み状態だ。一つ一つこなすほかはないのだが、春休みの子供たちはあてにできない。そう思っていたところへ、今度中学生になる長女が、
「何かやることない？」
と言ってきた。本気で手伝う気があるのかないのか、アルバイトでお金を稼ぎたいのか？暇つぶしのようでもある。ちょうど玉葱の収穫をしていた恭さんを指さして、
「お母さんのところで手伝ってきな」
と向かわせた。遅れて、玉葱畑に行くと、長女は従順に仕事を手伝っている。コンテナに一杯になった玉葱を、コンテナごと持って運ぶこともできる。そういう年になったというか、そういう体になってきたんだな〜、と感慨。そのあとは、玉葱あとにそのままキャベツを植えたのだが、それも手伝ってくれた。今日も、夕方、何かやりたい、というから、人参の畝で、「たがやす」という草を攪拌して土寄せする道具、を使って仕事をしてもらった。いろいろと、仕事ができるようになったので、
「今日はもうアルバイトにしておくよ」
と伝えた。そのうちに二女も三女もやってきて、似たような仕事をしてもらった。四月から三年生と五年生になるが、年相応の働きである。

　兄弟(姉妹)というのは面白いもので、誰かが何かをしていると興味を持つ。一緒のこと、あるいは似たようなことをしたがる。実際にやってみて、自分に合わないようなら、３０分もしないうちにギブアップする。ひとりひとりできる仕事が違う。年齢によっても違う。小学生の月の小遣いは、学年当たり４０円と少ない。２年生で８０円、６年生でも２４０円だ。だから、アルバイトをしないと、という気になる。無理やりアルバイトをやらせる、無理やり手伝わせる、そういうことは僕が嫌いなので、自主性を持つ人間がその気になったときだけアルバイトをさせるのだ。アルバイトというのは、農作業の仕事のこと（出荷準備作業も含む）で、家の手伝いはアルバイトではない。アルバイトをさせることで、ひとりひとりがどんなことに向いているのか、少しずつ親としても理解しやすくなる。春休みは、気候もおだやかになってきたところで、外の作業にももってこいの季節だ。　

2009年3月26日　寺田潤史

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