「この暑さは長期戦」

　疲労は蓄積している。この暑さでは、致し方ない。毎日収穫するオクラやキュウリがあるし、井戸水もまた出し続けているから、夏休みがとれないという農家の厳しい一面である。今朝は、からだがどうしようもなくなってきたので、足裏のマッサージを敢行した。マッサージ棒を使って、足裏のつぼを片っ端から圧していくのだ。

　足裏のつぼがからだのどこに効くか、図を見ながら押していく。インターネットで検索してみると、微妙に効く場所が違って書かれているものがあって、見解の違いを感じるのだが、素人としては、圧して痛くて気持ちの良いところであればよいのだ。足の裏は、もうどこを押しても痛いところだらけなのだが、ちょっと押しただけでも痛い場所がある。そういったところを重点的に圧していく。収穫や仕分けの合間にも、ちょっと一息、圧していく。一日中押し通して、何とか体が軽くなった。熱が出てからでは遅いので、もうからだがピークと感じた時、それが今日だったのだが、マッサージするとよく効くし、休もうという気にもなる。

　この暑さは、もう長期戦の様相を呈している。子供が、一日中部屋にこもって何かしていたならば、顔中汗疹だらけになっている。８月の初めのこの時期で、すでに８月下旬くらいの暑さに辟易した時期の印象になっている。こう暑くては睡眠も浅い。人間のからだは、気温２５度を下回らなければ、ぐっすり眠ることができない、と思う。２５度や２６度の気温で、夜中に４歳の長男が寝返りを打ってまとわりついてきたなら、えいやっと無意識のうちにはねのけたくもなる、てなもんだ。日中の暑さの積み重ねと、睡眠の浅さが日々積りに積っていく。疲労が蓄積するのは当然だ。

　秋に向かって、人参の種を播いた。すぐにかん水チューブを設置し、井戸水をたっぷり散水。一日置いて、また井戸水をたっぷり散水。発芽まで乾かさないのがこつだが、この時期はたっぷり散水しなけりゃ発芽しない。この時期は、どこでも人参が少ないのか、人参がよく売れる。今売っている人参は、２月に種を播いたものだ。現在は、草に埋もれている。この暑さでは、草の陰になっていたほうが畑で長持ちしてくれるのである。草がなかったら、もうとっくに人参は終わっているはずだ。砂地の畑に人参はあるのだが、よくぞ生きているものだ、と掘るたびに感心をする。今年の野菜の売り上げの中でも断トツの１位の人参、できるだけ切らさないようにしていきたい。

　秋風を夕方に感じるようにはなったが、暑さは当分収まりそうにない。秋冬が早いかどうか、ちょっと判別が難しい。きっとまた、中庸な天候は少ないのだろう。夏が長く、秋が短く、冬が長い、そう想定できるが、どのような時期にいろいろな種を播いていくのかは、思案のしどころだ。思い描いたイメージと、自分たちの体力を調和させなければいけないね。今朝は、マッサージ棒を使って、足裏をマッサージしたが、やはり恭さんの手で足をマッサージしてもらうほうが効く。恭さんも疲れているから、お互いにマッサージをして、この長い夏を乗り切らなければいけない。片方が倒れると、より大変な夏になるからね。

2010年8月5日　寺田潤史

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