オンラインショップオンラインショップ。無農薬野菜の産地直送です。玉葱をはじめとして、旬の野菜や自然卵などをセットにしてお届けしています。


「週刊てーて」ひらく農園から、バックナンバー 週刊てーてのバックナンバーと、サイト内検索が行えます。


雑事とレシピと掲示板「いどばたけ」 いどばたけ


ヒメパセリさんの詩集 ヒメパセリさんの詩集


サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」です。野菜中心のメニューを、簡単な方法で料理できるやり方を提案します。


「週刊てーて」ひらく農園から、語りと映像 語りと映像。視覚障害のある方でも畑の状況を聞くことができます。また、畑の様子をビデオで見ることもできます。


草子の演奏は草子ドットネットへお入りください。草子ドットネット。mp3やビデオで、無料の音楽を配信しているグループ「草子」のサイトです。


このサイトについてひらく農園の紹介です。


リンク集リンク集です。

最新版の「週刊てーて」はこちらからどうぞ。

★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。

週刊てーて ひらく農園から

レタスに付いたアブラムシを食べるテントウムシの幼虫

「田舎に住んで二十一年 その2」



 二十一年前の九月いっぱいで東京を辞した僕は、今は亡き親父の小間使いをしながら、畑を開墾しはじめた。使っていない土地の草刈りなどが主な仕事だった。一刻者の親父は、自治会などには一切顔を出さず、そのくせ町議会議員の選挙になると、必ず誰かを応援するのだった。典型的な昔風の長男だった親父を見て育った僕は、違うキャラクターになろうと考えたのは言うまでもない。祭りなどにも一切かかわりを持たない親父を尻目に、僕は中学生のころから祭り気違いとなった。高校の三年間では、親父と口を聞いた記憶すらない。そのかつて反発した親父のそばで、帰農して丸一年は小間使いをしていたのである。

 今から九年ほど前に他界した親父だが、あの小間使いの一年は僕の良い思い出となった。そしてまた、晩年の十二年を親父の近くで過ごしたことで、親父の苦しかったであろう胸の内を少しは垣間見たような気もする。今は親父を思い出すこともたまにある程度だから、忘れているに等しいが、帰農してからの二十一年間の半分以上の時間を近くで過ごしたことは、帰農したことの別の意味でのよかったこと、だと改めて思う。

 人の一生は、専門性の表現である、と言うことができる。餅は餅屋、のあの専門性である。具体的には、母親としての専門性、父親としての専門性、職人としての専門性、ライフワーカーとしての専門性、生命の潤滑油としての専門性、など多岐な専門性があると思う。どんなに職人として専門的な技を持っていたところで、その専門性の中に人間味を盛り込まなければ、専門性は完成されない。そういう意味では、矛盾するかもしれないが多面性の中にこそ専門性は生きる、と言うこともできるだろう。親父は、第一に長男としての専門性をもって生を全うした、とも言える。昔ながらの長男、という今となっては古い体質の、その専門性をして生を全うしたのだ。

 帰農して数カ月の頃、親父は僕に小型船舶四級の免許をとらせた。あの頃は、たしか僕の中にも、自給自足的な生活をするには船の免許も必要だろう、そんな考えがあった。しかし、結局免許をとってから、いまだに一度も船に乗っていない。親父はあの頃、盛んに「マリーナをやる」という昔からの夢を膨らませようとしていた。川の中に土地を所有している、というけったいな事実は、ボートを上げ下げするモーターの設置まで自力でやらせる原動力になっていたのかどうか?まさか本気で僕が有機農業をやり続ける、とは思っていなかったようだ。

 僕の赤ん坊の頃、親父と祖父は、ダットサンつまり荷台付き自動車を自力で組み立てている。そういうキットがあったのかどうか?祖父はテレビまで自分で作ってしまうような人だったから、親父もそんなものづくりの資質を受け継いだのだろう。その資質は、僕の兄が受け継いでいる。親父のダットサンは、結果的に一念発起しての自動車教習所の設立と経営へと姿を変えた。そしてそれらの専門性は、すべて長男としての専門性へとつながっていた。もっと自由に生きてみたい、そういう思いもあっただろう。だからこそ、僕たち子供には好きなようにやらせたのだ。それこそが父親としての専門性であろう。あれほど似たくなかった親父に、ちょっと似てきたような感覚を覚えるとき、一瞬ヒヤッとするのはなぜ?

2010年10月21日 寺田潤史


バックナンバーへ



ご意見、ご感想、お問い合わせは、下記よりどうぞお寄せください。

お名前
メール
ご意見、ご感想、お問い合わせ


今週の野菜
(すべて農薬、化学肥料を使用していません。ここに記載のないものもあります。)




★ ひらく農園の野菜の入手方法

☆ このページの最初に戻る

1 葉大根味わらべ アブラナ科 2010年9月19日播種 2010年10月11日から収穫
2 ししとうつばきグリーン ナス科 2010年2月1日播種 2010年6月21日から収穫
3 ピーマン京みどり ナス科 2010年2月1日播種 2010年6月21日から収穫
4 バジル スィートバジル シソ科 2010年3月6日播種 2010年5月18日から収穫
5 オクラ スターライト アオイ科 2010年5月1日播種 2010年7月5日から収穫
6 玉葱 七宝早生7号 ユリ科 2009年9月23日播種 2010年4月26日から収穫
7 なす 黒陽 ナス科 2010年2月1日播種 2010年6月14日から収穫
8 ニンニク 上海早生 ユリ科 2010年2月17日播種 2010年5月20日から収穫
9 にら サンダーグリーンベルト ユリ科 2007年2月14日播種 2010年2月25日から収穫
10 葉ねぎ わかさま黒 ユリ科 2009年10月14日播種 2010年3月20日から収穫
11 New サニーレタス 晩抽レッドファイヤー キク科 2010年8月18日播種 2010年10月15日から収穫
12 New フリルレタス ダンシング キク科 2010年8月18日播種 2010年10月15日から収穫
13 New さつまいも にんじんいも ヒルガオ科 2010年4月1日播種 2010年10月15日から収穫
14 New さつまいも 鳴門金時 ヒルガオ科 2010年4月1日播種 2010年10月15日から収穫
15 里芋 土垂 サトイモ科 2010年5月10日播種 2010年10月1日から収穫
16 じゃがいも メークイン ナス科 2010年2月25日播種 2010年6月14日から収穫