業務日誌(2003年5月その3)

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5月30日 裁判の迅速化は強制できるのか(1)

 本日の朝日新聞に、裁判迅速化法案に絡む特集が組まれていました。裁判迅速化法案は、第1審裁判を2年以内に終わらすことを目標に掲げ、国、裁判所及び当事者にその責任を負わせる内容です。

 紛争の解決を図る民事裁判や、国家の刑罰権を行使する刑事裁判は、迅速な方がいい。それは当たり前のことです。

 しかし、裁判は同時に「手続き保障の場」でもあります。当事者の持つ「充実した裁判を受ける権利」が、裁判のスピードのために後回しになってしまってはいけませんね。

 例えば、裁判迅速化法案の話題でよく引き合いに出されるのが、松本被告人についてのオウム裁判の「長期化」。しかし、裁判迅速化法案で謳われている「計画審理」や「連日開廷」は、実は松本被告人の裁判では相当程度行われています。相当先までの審理計画が定められ、通常の刑事裁判であれば、月1〜2回程度の公判が、週2回という現在の弁護士の体制からは限界に近い頻度で行われているのです。それでもなかなか終わらないのは、起訴された事件数及び検察側の証拠の多さ、被告人が弁護側に協力しないために弁護側で争点を予め絞ることができないためといえます。

 松本被告人の事件に限らず、オウム裁判で国選弁護人を務めている弁護士は、現在の弁護士会でも相当刑事弁護について良心をもって取り組んでいる方ばかりです。仮に裁判迅速化法が施行されたとしても、これらの裁判がより短期で終わった可能性はほとんどないように思われます。これらの事件は、社会の側の処罰感情が強い分だけ、同時に「適正な裁判を求める必要性」が強いからです。

 とはいえ、現実に、もっともっと迅速に処理できるのではないかと思える裁判は数多くあります。弁護士としてもそれは実感しています(この話とかね)。ではどうすべきなのか?具体論についての意見はまた明日にでも。




5月28日 プチ日誌

 天候不順のせいか、どうも今週に入ってから体調がイマイチです。
 仕事をさぼるわけにも行かないため、夜早く就寝です(^^;
 日誌の更新もままなりませんが失礼します。




5月25日 債務者を騙す手口

 4月2日の日誌で最近のヤミ金の手口について書きましたが、もはやヤミ金でも何でもない、単に多重債務者を狙った詐欺にしか過ぎない手口も横行しています。

 先日、私のところにもう債務整理を終わってしばらく立つ元依頼者から電話があり、「先生、弁護士から脅されました」とのこと。

 よくよく聞いてみると、家に突然どこぞの弁護士を騙るものから電話があり、「あなたとあなたの家族の個人情報が流出しようとしている。いったん流出してしまうとヤクザから取り立てが行く。流出を止めるために、私の口座に明日までに5万円を送金しろ」と言われたそうです。

 幸いにもその依頼者は不審に思い私に電話をしてくれましたが、さすがにそんなことをやる弁護士はいません(名前もインチキに決まってます)。というより、そいつはどうやって個人情報を手に入れたのか、どのような方法で流出を止めるのか、ちょっと落ち着いて考えて頂ければ、あまりにもつじつまが合わない話だと気づくはずです。

 この他、破産宣告を受けた方に、「免責の官報広告費用としてお金を振り込め」と要求する手口もあるそうです(官報広告費用は申立時に裁判所に納めていますので後から請求されることはありません)。詐欺師もいろんな手口を考えつくものです。

 残念ながら、債務整理をした方のブラック情報は、サラ金等から流出している可能性があるのは明らかです(これは個人情報保護法が施行されたとしても、あまり防止に実効性はないでしょう)。対応策は、くだらない詐欺には動じない。しつこい者は警察に動いてもらうよう証拠を集める、これしかありません。




5月21日 プチ日誌

 最近受けている被告側の民事訴訟事件に、なぜか、私のセンスからして「なぜ訴えられるのかわからない」ものが増加傾向で、ちょっとぼやき気味です。
 当然裁判所もすぐに審理終結で当方勝訴の判決が出るわけですが、それでも控訴されたりして、なかなか解決しません。なぜ、センスの悪い弁護士が相手になってしまう巡り合わせなのでしょうか?