ThinkPad 600E(2645-5BJ)

  →製品仕様  PC Watchの記事

<STORY>

 ThinkPad 600シリーズは、1998年5月に発表されました。フラッグシップ・モデルの700シリーズに迫る品質・機能と500シリーズの可搬性を両立させようとしたコンセプトで、13.3インチ液晶、2スピンドルながら厚さ36.5mm、2.5kgという、当時としては軽量薄型スタイリッシュノートに仕上がっているのが特徴でした。当時のSONYのVAIO700シリーズが12.1インチ液晶ながら厚さ37.6mmあったことを考えると、当時としては本当に薄いと感じられました。

 IBM自身も発表当時、600のスタイルには相当自信があったのか、新聞の一面広告で「トップモデル」というコピーを誇らしげに掲げて宣伝していました。ソフトバンク社の「All About ThinkPad 1991-1998」の89ページ付近に、IBMの方が「次はスポーツカーみたいなThink Padを考えている」旨話していましたが、時期から考えるとこの600が「スポーツカー」だったものと思われます。

 600のもう一つの特徴が、高い評価を得た560シリーズを凌ぐと言われたキーボードです。月刊ASCII(DOS/V Issueの方だったか忘れました)のROADTESTでも、テスターが「560のキータッチを『空気のような』と表するとすれば、600は『蜜のような』」と宣っています。

 しかし、私自身は600が出た当時はまだ560系列しか眼中になく、560無印が故障したときにも、横にある600を尻目に560Xを購入してしまいました。600がまだ高かったというのもありますが、当時はまだ600のキータッチも560に比べると、ちょっと柔らかすぎるかな?と言う違和感が多少ありました。

 その後、600無印は1998年秋に600Eにマイナーチェンジし、DVDドライブ、セカンドHDD、セカンドバッテリー等のオプションに対応しました(セカンドバッテリー以外は無印でも後付可能)。私の買った5BJは、1999年6月頃に登場した600E最後のモデルです。

 買ったのは1999年暮れ頃。米国では既にPentiumV搭載の600Xが登場していましたが、日本では扱われていませんでした。560シリーズは570シリーズにモデルチェンジしましたが、ウルトラベースをつけると厚みが5cm以上にもなってしまう点が気に入らず、あまり食指が動きませんでした。そこで、570を買うくらいなら、値下がりして手の届きやすくなった600Eの方が満足度が高いだろうと思い、遂にOTTOの店先で、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ってしまいました。

<SPEC>

・初期導入OS  Windows98  →  現在導入OS  WindowsXP Professional SP1
 2003年11月、XP導入に踏み切りました。

CPU  PentiumU 400MHz
 モバイルPentiumUでは最速のクロックです。買った当時は既にモバイルPentiumVの500MHz(SpeedStepがつかない奴)が出ていましたが、このCPUを搭載した600Xは日本国内では発表されていなかったため、このモデルが最新のままでした。

LCD  13.3’TFT(XGA)
グラフィックチップ NeoMagic2200(ビデオメモリ2.5MB 最大表示色1677万色)
 600シリーズが出た当初は十分ハイエンドのサイズの液晶でしたが、99年頃には14.1'インチがA4ノートの主流になり、やや見劣りがするようになっていました。

メモリ  SD-RAM(PC66) 標準64MB(公称最大288MB)  →  現在メモリ搭載量  352MB
 標準搭載メモリはオンボードの32MB+増設32MBです。増設の32MBを外して、128MB×2を増設した場合が公称の最大値ですが、メモリを選べば256MB×2の増設(合計544MB)が可能らしいです。私自身は2001年5月に256MBメモリを1枚購入して増設し、さらに2003年1月に、X20のお古の64MBと最初からついていた増設メモリ32MBを交換しています。

HDD  10GB(DCXA-21000)  → 18GB(DARA-218000) → 30GB(DJSA-230)
   → 48GB(IC25T048ATDA05) → 80GB(HTS548080M9AT00) → 100GB(HTS541010G9AT00)
 1999年12月に18GB(DARA-218000)に、さらに2001年5月に30GB(DJSA230)に換装し、2003年11月に48GB(IC25T048ATDA05)に換装と同時にXPをクリーンインストールしました。2004年12月、一気に80GBに換装。2008年1月、T23でかつて使っていた100GBに換装。

バッテリ  Li-Ion(公称3時間)
 実際には2時間半程度持ちました。2001年秋にバッテリーがへたってしまったため、交換済みです。

重量  2.5kg

価格  IBMダイレクト価格429,000円    購入価格319,800円
 600シリーズが登場した当時から比べれば、相当勉強したダイレクト価格ですが、それでもパソコンの急激な低価格化の波の中では割高になってしまいました。

インターフェイス  VGA、パラレル、シリアル、PS/2、モデム、外付けFDD用コネクタ、PCカードスロット(typeU×2)、USB×1、セレクタベース用コネクタ、ウルトラスリムベイスロット(2倍速DVDドライブが付属)
 

<HISTORY>

1999/11
 購入

1999/12
 HDDを早速換装しました(DCXA-210000→DARA218000)。
 若松通商でセカンドHDDアダプタを購入し、パーティションマジックのパーティションコピー機能を使ってデータを移動しました。

2000/12
 無線LANを導入しました。

2001/4
 メモリ増設(64MB→320MB)。
 若松通商で256MBメモリ(PC100)を購入(29800円)。わずか数日後に14800円に値下がりしていて大ショック。PC66と混在していても、大丈夫なようですね。

2001/5
 HDDを再び換装しました(DARA218000→DJSA230)。

2001/5
 ウルトラスリムベイドライブの純正DVDドライブを東芝製コンボドライブに換装しました。
 若松通商で東芝のバルクSD-R2002を購入し(34800円)、ついでにOEM用のB'sRecorderGoldが500円で売っていたので買ってきました。
 ベゼルの付け替えにちょっと手間取りましたが何とか成功。
 しかし、付け替えた後、イヤホンジャックが不調に………?

2001/8/14
 今更ながらポートリプリケータがIBMアウトレットで安かったので買ってしまいました。

   ポトリ写真1
   セレクタベース600が正式名称。結構重たいです。

   ポトリ写真2
   後ろから見たところ。傾斜をつけるために足をつけてます。

   ポトリ合体写真1
   600Eをドッキングしたところ。

   ポトリ合体写真2
   560系のポトリやA/T/X系のポトリと違って底面部にまで広がっています。
   そのため、パームレストの位置が若干高くなってしまいます。
   これはウルトラスリムベイが前面についていて、
   本体に傾斜がつくと開閉時にデスクにあたってしまうからなのでしょう。

2001/9/7
 バッテリーが急におかしくなりました。
 公称3時間、実際も2時間半以上持っていたのが、40分程度でだめになってしまいます。
 しかも、バッテリーメーターが90%前後から突如5%に急降下してアラームが。
 典型的な末期症状のようです。

2001/9/9
 2日間、放電と充電を繰り返してみましたが、バッテリーは改善されず。
 充電時も20%前後から急に100%になってしまい、明らかに寿命かも。
 あきらめて、CLUB IBMで注文してしまいました。1万7000円余り。

2001/9/12
 バッテリー納品。
 CLUB IBMのWeb上の表示では「納期3週間」と書いてあったのに、もう届いちゃいました。
 即納じゃん(^^;

   600E用バッテリーと箱
   一番下にあるのが、梱包されてきた箱。
   その上にあるのが、中に入っていた箱。
   さらにその上が、バッテリー本体。
   めちゃくちゃな過剰包装です。

2002/1/22
 職場で使っていたX20がクラッシュしたために、急遽職場用の役目も負うことになり、毎日通勤に運ばれることになりました。

2002/1/28
 毎日持ち歩いていたら、今までかろうじて持ちこたえていた600Eのパームレストの塗装についに亀裂が入り、破けてしまいました(;;)。

   
 EMSが切れるまでには修理に出さなきゃ。

2002/1/30
 X20が入院から帰ってきたので、自宅用に戻りました。ご苦労様。

2002/2
 新しく買ったT23に自宅用のメイン環境をお引っ越し。よく考えると、業務日誌では(1)だけ書いて、その後未報告(^^;
一応、2月中にはお引っ越しを終えました。
 引っ越し後の600Eは、引き続き嫁さん用メインマシン&私のもしものとき用バックアップマシンとして第2の人生を送ることが決定。

2002/8/31
 またもバッテリーがへたってしまいました。交換してから1年弱とはちょっと情けない。
 充電回路の設計がいまいちで、バッテリーがへたりやすいという報告が会議室等にあがっていましたが、600シリーズの最大の欠点ですね。

2002/9/1
 と、いうわけでCLUB IBMで再度注文。1万6800円也。

2002/9/3
 バッテリーが到着。写真は撮りませんでしたが、前回に比べて過剰包装が緩和され、最初から小さな箱に入ってます。
 

2002/12/7
 ふと気がついたら、EMSの期限まであと2日!やばっ!!契約期間内に修理に出さなきゃ。

 修理箇所の第1は、もちろん剥げてしまったパームレスト。1月の時点からどんどん症状は進行して、見るも無惨な有様に………

   
 こーんなになっちゃってるんですよね。

 第2は、液晶ヒンジが緩んできて、角度がつくと何かの拍子にぱたんと倒れかねないようになってしまっていること。
 この2点を修理項目としてIBMWebサービスセンターに注文。
 取りに来る日はEMS期限後の12/8だが、申込は期限内なので、大丈夫でしょう。

 さて、そのまま修理に出してしまうと嫁さんがメールも受けられなくなってしまうので、嫁さんの環境緊急避難を考えないといけません。事務所で隠居中の560を持って帰ってきて、老骨にむち打つ(笑)。メールの中身とインターネット関連を環境移行しました。

2002/12/16
 修理から帰ってきました。
 修理伝票によると、パームレスト、液晶ヒンジのほかに、「起動時液晶が赤い不具合があったため、液晶を交換」とありました。
 うーむ、当方には自覚症状はなかったのですが(液晶が赤くなるのも600系に散見される症状らしい)、無償で交換してくれたのだから、喜んどきましょう。

 最も肝心のパームレストは新品に還ってこんな感じです。

   

 いやいや、めでたい。
 底面を除いて、外装ほぼ総取っ替えで生まれ変わった600E、まだしばらくは現役です。

2003/1/3
 X20のメモリ増設に伴い、余った64MBメモリ(PC100)を600Eに払い下げ。最初からついていた32MB(PC66)と交換し、352MBまでこぎ着けました。

2003/6/13
 久しく嫁さんのメインマシンと化していましたが、「突然起動しなくなった」と苦情が。
 見てみると、起動直後に190のエラーを吐いて電源が切れてしまう。これは電池切れです。
 電源回路がいかれたかと思ってあせりましたが、念のためX31のACアダプタをつないでみたら充電が始まり、無事起動できました。
 どうやらつないであったX20用のアダプタが断線しただけようです。

2003/11/2
 一念発起して(今更ですが)、48GBのHDDに換装し、XPのクリーンインストールを敢行しました。方法はだいたいX20のときと同じようなものですですが、
1 BIOSを最新のもの(といっても2年前のものですが)に更新
2 新HDDに換装、WindowsXPのCDから起動、XPをインストール
3 各種ドライバをインストール(予め元のHDDにダウンロードしておき、セカンドHDDアダプタにそれを取り付けてウルトラスリムベイに入れ込み、新HDDにコピー)
4 無線LANカードのインストール
5 ソフトのインストール

 ところが、なぜか初回は3のあたりで、換装後の新HDDがEドライブに固定されてしまい、レジストリをいじってCドライブにしようとしたら起動しなくなってしまいました(^^;で、最初からやり直し。2回目は何とかうまく行きましたが、なぜかFn+F12でハイバネーションに入ることができなくなっています。これは原因不明(ハイバネ自体はできるのですが)。

2003/11/17
 HDD換装前から、液晶ディスプレイのバックライトの調子が悪い(時々点かなかったりする)症状が出ていましたが、本日朝、完全にダウンしてしまったらしいとの報告が嫁さんから。
 Fn+F7キー(外部ディスプレイとの切り替えキー、このキーでバックライトが復活したりすることがよくある)を押しても、瞬間点灯するだけで、すぐに暗くなってしまうため、一度は観念して修理に出すことを考えました。
 ところが、修理を前提に、とりあえず前のHDDに戻しておこうとしたところ、なぜかバックライトが復活。
 どうやら、換装したHDDが回転速度の高い電力食いのものなので、セカンドHDDまで入れてHDD2台を動かしていると、電力の供給が追いつかずバックライトが不調になりがちである可能性が。
 とりあえずHDD1台のみにしたところ、現在は何とか使えています。

2003/11/28
 また液晶バックライトがダウン。結局液晶インバータがお亡くなりになりかかっているようです。
 うーむ、もはやEMSが切れ、有償修理になってしまうので最低5万円はかかるのですが、仕方なく修理に出しました。

2003/12/8
 本日修理から戻ってきました。

2004/2
 嫁さん用マシンとしての任務を終え、今度は実家の母用に貸与していた560Xの代替わり品として貸与されました。
 このマシンを持ち込むと同時に、実家をADSL&無線LAN化し、一気にIT化最前線へと進歩させました。

2004/12
 T23のHDDクラッシュに伴い、実家から急遽呼び戻されました。そのついでにHDDをHGST最新の80GB、5400rpmに換装しました。

2005/7
 560のバッテリーをベイサンのバッテリー内蔵電池交換サービスに出すついでに、600Eのへたっていたバッテリーも出しました。

2006/1/3
 実家に帰省ついでにこのマシンのメンテをした際に、3代目のバッテリーも持続時間5分程度と瀕死の状態になっていることが判明。以前、Club IBMの在庫処分サービスで買っておいた4代目に交代です(これがだめになったらいよいよ昨年7月に再生したバッテリーの出番ですね)。

2008/1/3
 実家に帰省ついでにHDDを換装。新品が手元になかったため、かつてT23で使った100GBを使いました。お古ですが、3年も使ったHDDよりはマシでしょう。
 旧来のPartitionMagicでデータ移行をしようとしたら、またこけてしまい、こちらもacronisのお世話になりました。
 また、4代目バッテリーも既にへたりまくっていましたので、ついにベイサンの再生バッテリーの出番です。


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