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用語集

 法律用語の解説です。


当番弁護士

 逮捕・勾留されている人、つまり起訴前の身柄拘束を受けている人の要請により、弁護士が1回だけ無料で出動して接見し、必要なアドバイスを与える制度です。

 当番弁護士の出動要請は、警察官、検察官、裁判所のいずれに対して伝えてもよく、伝えられた捜査機関や裁判所は必ず弁護士会に連絡してくれるはずです。

 出動する弁護士は、弁護士会があらかじめ名簿により当番日を決めて事務所等に待機させておくため、この名前があります。

 接見に来てくれた弁護士に対して、弁護人になってもらうよう依頼をすることも可能です。その際には弁護士会で定める基準による弁護士費用がかかります。

 東京の場合、簡易な事件で被疑者段階の着手金が15万円とされています。

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特定調停

 特定調停というのは、従前「債務弁済協定を求める調停」と言う名で運用されていたものが正式に立法化されて、昨年4月から施行されている制度です。簡単に言えば、借金が支払えない人が調停制度を利用して、支払い可能な返済条件の設定を求めるためのものです。

 債務者にとっての重要なメリットは、裁判所の調停委員が債権者に対し、ある程度強力に「利息制限法引き直し計算」による元本の事実上のカットを要請してくれることです。

 もちろん弁護士から見ると任意整理でも同じようにサラ金業者には引き直し計算を求めているため、敢えて特定調停を求める意味はあまりありませんが、訴訟行為の代理人を行えない司法書士が債務整理の相談を受けた場合に(これ自体問題がないとは言えませんが)、特定調停の本人申立を勧める場合があるようです。

 また、立法趣旨からすると、多数の債権者を相手に特定調停を起こした場合、相手方である債権者を一堂に集めて手続を同時進行させることで、債務者の便宜を図ることも考えられているのですが、東京簡易裁判所ではなぜかあまり同時進行を行ってくれず、一債権者一期日を原則にしておりますので、この意味でも弁護士にとっては使いにくい制度です。

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免責

 破産の宣告を受けただけでは借金は棒引きになりません。債務の支払義務を免除されるには、破産手続終了後、免責の申し立てをして(最近は破産申立と同時に申立ができます)、裁判所から免責決定を得ることが必要です。

 免責手続きは通常、裁判所による債務者の審尋を経て、裁判所が判断します。審尋手続は、裁判所によっては、「集団進行方式」といって、同時に多数の債務者を法廷に入れて、裁判官がお説教をして終わり、というものもあります。

 しかし、審尋期日には債権者も出頭して意見を述べることができますので、債権者が出頭した場合には集団とは別に個別に行われることになります。

 免責審尋から1ヶ月間の間を「異議申立期間」といい、免責に異議のある債権者はこの期間内に異議を申し立てないといけません。期間内に債権者から異議が出ないときには、裁判所が期間経過後に免責を認めるかどうかの結論を出すことになります。

 債権者から異議が出され、その異議に破産法所定の理由があるときには裁判所は免責決定についてさらに双方の反論を聞くなどしますので、結論が出るのは遅れます。

 免責決定を得るには「誠実な債務者」であることが必要です。免責決定を得るのに問題となるのは、

 ・生年月日を偽る、他人名義で借り入れをするなど詐欺的な行為を行っている場合

 ・借り入れたお金をギャンブルなど浪費に使用している場合。

 ・支払い不能状態になってから、特定の債権者にだけ返済している場合

 などです。しかし、このような場合でも「問題となる事情を裁判所に自分から正直に申告した」場合には、その点の誠実さを買って裁量による免責決定は可能です。

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利息制限法引き直し計算

 貸金の利息の上限については、利息制限法という法律により、
   元本が10万円未満は年率20%以内
   10万円以上100万円未満は年率18%以内
   100万円以上は年率15%以内
と定められています。

 しかし、現実の多くの消費者金融(サラ金)業者の貸付金利は年率25〜29%程度で、利息制限法を上回る利息を平然と取っているのが実情です。

 なぜこんなことがまかり通るのか?

 実は日本にはもう一つ、貸金業規制法という法律があり、こちらの法律の上限金利は年率29.2%とされているのです(ついこの前までは年率40%でした)。サラ金業者はこちらの法律に従って、一見「合法的」に貸し付けているわけです。

 しかし、貸金業法による高金利の利息の請求が許されるためには、
   登録業者であること
   個々の貸し付けの際に所定の事項が記載された書面を毎回交付すること
   個々の返済の度ごとに所定の事項が記載された書面を毎回交付すること
等の条件が揃っていることが必要です。

 現在、大手サラ金の貸し付けや返済のほとんどは無人式機械端末で行われており、ここで交付されるレシート類は所定の事項を厳密には記載していないものがほとんどです。

 従って、厳密に言うと、ほとんどのサラ金は18%以上の金利を取る条件を満たしていないにもかかわらず、約定の高金利を取っていることになります。

 弁護士が債務整理をする場合には、この点に着目し、まず債権者に対し、当初からの全ての取引の開示を求めます。その上で、利息制限法による引き直し計算を行います。

 例えば、約定の金利を25%とする債権者のある回の取引で、債務者が1万円を返済したところ、債権者がそのうち
   5000円を25%分の利息として充当し、
   残り5000円を元金の返済として処理していたとします。
 この場合、利息制限法上は18%の金利しか認められないわけですから、
   本当に許される利息分は3600円であるはずです。
   つまりこの回の返済では、実は6400円が元金に充当されるべきであるという計算になります。

 すると次回の返済時には、利息計算の根拠となる元金残高自体が1400円分減るため、さらに発生利息も減っていきます。つまり、取引が長ければ長いほど、計算上の元金は減っていくのです。仮に5年以上も取引があった場合、かなりの可能性で残高は半分以下になっていると見ていいでしょう。

 弁護士はこの計算結果に基づいた残高を基本に債権者と和解交渉をするわけです。

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