ことば悦覧 in 東京 2010(4/3〜4) 春版 記録集 home ベラ・ジュンさん 伊庭野大輔さん 平塚桂さん 藤井亮介さん 佐藤敏宏 ベラ・ジュンさんに聞く (2010/04/03 pm13〜16) その 01 02 03 04 05 06 07 08 その03 一浪時代 予備校 行かず ベラ:そろそろ受験をしなきゃなーって思いはじめて 佐藤:大学いかないと資格とれないって分かったんだ ベラ:そうですね、高三のときですね。高校の先生も建築学科一番難しいからやめとけって言われて 佐藤:お前の成績じゃ無理だと言われたふふふふふ ベラ:お前受験するのか?!と 佐藤:その時はどこの大学を受けようとしていたの。大学沢山あるじゃないですか。東大いこうなんて思ったわけじゃないよね ベラ:いやいや、何も、不可能なんで 佐藤:なんでもいいと ベラ:なでも とりあえず入りさえすればどうにか成るなと思ってたんで。 佐藤:それは良いね。なくって神奈川大学へとふふふふどこでもいいやと ベラ:いちばん近かったんで。家から徒歩10分だったんで。 佐藤:そんなに近いの!じぶんちの庭に大学在るようなもんじゃない ベラ:そういことですね そこでいいや!っていうのがあって。ちょうど絵が。結局1浪したんですけど。一浪というか受験もままならない、ほとんど勉強してなかったんで。大学も何がどこにあるのかって分かんなかったし。高校のときの友達はみんな真面目でほとんど相手にしてくれなくって。で、勉強もみんな必死にやっていたんで。こりゃ完全に取り残されたな〜と思って。 佐藤:あ そうなの 遊び仲間はみんなどうしたの。 ベラ:遊び仲間はまた全然違う、高校の連中とじゃなくって。 佐藤:中学時代にグルッテた奴らと遊んでいたと ベラ:とかですね。高校ではあまり 佐藤:友達ができず ベラ:一人二人しかできなくって。ギリギリの出席率だった。 佐藤:ギリギリの出席率 二日酔いで学校行かないで寝てんでしょう ベラ:そうですね 佐藤:なるほど。一浪したと ベラ:一浪して で、 佐藤:浪人中は何をしてたんですか。 ベラ:昼間は友達とサッカーとかやっていた 佐藤:昼は体を鍛えていたと ベラ:そうですね。予備校通っている友達とか中学の友達とか、色々また集まるんですよね。それで 佐藤:もうケイタイありましたか ベラ:そうですねPHSとかギリギリで 佐藤:ケイタイあるし遊びの連絡はすぐ付くし ベラ:つくし、ばっと集まってサッカー。ちょうどぼく予備校通っていなくって。予備校行くお金を親に出してもらうのが申し訳なないな という思いがあり。 佐藤:珍しいことを言い出すね へえ〜 ベラ:で、参考書とか適当に買って。 佐藤:昔の日本の若者みたいなことを言うね!今そういうことを言う若者 居ないんじゃない 少子化と就活時代には。ベラさんは お母さん苦労しているのをずーっと見ているからな ベラ:そうですね。 佐藤:参考書ぐらい自分で買って勉強しようと。 ベラ:あとは授業に行くって、そのペースがどうも苦手だったんですね。何か。この日に行って 佐藤:要するに我が儘だと、社会になんか合わせないで生きていたと。ふふふ ベラ:自分のペースで勉強する、自分のタイミングで勉強したいなと思っていたんで。予備校行っても無駄になるなと。 佐藤:社会が勝手に作ったシステムに俺の人生を合わせてもしょうがないと ベラ:まあそんなこともまで思ってないですけど。たぶん行ってもどうせサボったりして行かなくなると思ったんで。 佐藤:そうなりゃ授業料溝に捨てることになるね ベラ:そうですね、。なんで参考書買えばいいやと。 佐藤:予備校行かずに自習したと ベラ:そうですね、それで図書館に行くんですけど。だいたい午後ぐらいに行くじゃないですか。そうすると予備校通っている友達は午前中授業終わって、午後フリーになるので、そっからサッカーが始まるんですよね 佐藤:ふふふふ ベラ:誘われると行っちゃう、結局夏がすぎ秋ぐらいまでずーっと毎日サッカーを 佐藤:まず体力だと サッカーやるような場所はあったの ベラ:グランドが在るんですよね 佐藤:勝手に使ってもいいようなグランドがあるんですか ベラ:ありましたね〜ちっちゃかったんですけど。で、秋ぐらいになるとちょっと段々このままじゃ拙いなと思って 佐藤:せっぱ詰まらないと やらない人なんだね ベラ:そうですね。ちょっとやり始めようと。サッカーの友達にも勉強するからここまでって言って。 佐藤:裏切り者とか言われながらふふふふふ ベラ:急に勉強始めちゃってふふふふいきなり勉強始めて。絵を描ければ大学に入れるって知って。B方式とかあるんですね。 佐藤:絵が描けるってどういうこと。人物デッサンってこと。何でもいいの ベラ:課題が出るんですね受験の時に。B方式A方式とかっていのがあって。B方式だと絵描いて あと数学と英語。で色々配点を見たら神奈川大学ちょうど150点なんです絵が。数学と英語が100点で。 佐藤:絵の評価比率が多きと ベラ:おおきいこれはチャンスだと 佐藤:俺の大学が庭にあって、向こうから歩いて来たとふふふふこれは行ける ベラ:いけると。赤本みたいのな買ってきて。絵は毎年変な課題で。一発勝負だなと思って。それはあまり対策しても意味がない。 佐藤:絵は出たとこ勝負で描いてしまえと。 ベラ:数学と英語を見ると割と同じ範囲を毎年出している 佐藤:なるほど。 ベラ:ここだけ集中的に 佐藤:そういうとこは賢いねふふふ ベラ:戦略家なんで、通るな〜と思ってそのジャンルの参考書だけを買って。そこだけ集中的にやって。で絵は一発勝負で。距離も近いんで通わなくなることはないだろうと。 佐藤:ふふふふふ学校の庭に家が建っているようなもんだし。神奈川大学って住居地に染み込んで建っている、溶け込んでいるという感じだもんね。 ベラ:廻りも地元の友達が一杯いるし。 神奈川大学に 佐藤:で目出度く合格したと ベラ:そうですね。そこからは割と建築を 佐藤:神奈川大学のその当時の授業っていのは どうだったですか、1年生になって、そこから4年間、6年間いたんですか ベラ:5年ぐらいですね 佐藤:修士もいって途中でやめたってこと ベラ:いや。学部だけです。1年ダブったんですね 佐藤:予備校含めると6年間 建築の勉強してたと ベラ:6年ぐらい掛けてね 佐藤:いきない建築の授業って面白くはないんじゃないの、そうでもなかったの ベラ:そうでもなかったんですけど。割と廻りの建築に対する姿勢とちょっと温度差が有った。それまで自分で悶々と考えていた。 佐藤:もう悶々と考えていたの ベラ:わりと建築の本とか読んだり、見に行ったとか。 佐藤:建築は銭儲かるから 入っていったわけじゃないものな。お父さん造形家だし ベラ:そうですね。基本的には作るって、そういう楽しみは当然あるなかで。 佐藤:廻りの学生と姿勢が違うわけだね ベラ:それ強く感じて。一人だけ友達が出来て。 佐藤:はっきり言うとみんなレベル低いなと ベラ:そうですね。あとは最初戸惑ったのは先生との会話、コミュニケーションのとりかたが1年生のときは凄い苦労した。まあ分からなかったですね。もっと色々話たいんだけどどうしたらいいのか 佐藤:ああ どう表現したら先生と会話が成り立つのか悩んだと ベラ:そうですね (ひたすら建築を見て歩く) 佐藤:自分の聞きたい内容で会話したいんだけど、先生にどういう言葉を投げかけて会話したら良いのか分からないと ベラ:分からないし あまりにも範囲が広いし。もう何から読んでいいのか分からないし。とりあえずまあ、何から手を付けていいのか分からないし。とりあえず建築マップみたいなものを見て、建物ひたすら見ていこうって言って。1年生の時にその友達と二人で色んな所を回って。 佐藤:あふたりで建築弥次喜多してたんだ 弥次喜多って知らないか ベラ:分かんないです 佐藤:2人の大人が一緒に東海道を旅して知見を広める 人生を語り合い成長するみたいな話があるんだけど ベラ:そうですね 佐藤:建築マップを持って二人で建築を見てあるき、ああでもないこうでもないと。一人なら会話できないしね。 ベラ:ああでもないこうでもないと言いながら、スケッチ描いてみたりとか。これは良い建物だから描いてみようなんて言ってね。描いてみたり。 佐藤:建物の中に入れてもらったりもしたわけ、一応外観だけ ベラ:そうですね外観だけ、入れる処は入りましたけど 佐藤:当時印象深かった建築はなんですか ベラ:塔の家は一番感動しました 佐藤:東さんの自邸ね ベラ:東さんの (絵 ネットより) 佐藤:今でも戦後住宅建築ナンバーワンだと思うけど。使われて現存している ベラ:そうですね。 佐藤:40年前 俺が18ぐらいに建った建築んじゃないかな、相当強く長持ちしてる存在だよね。塔の家の荒々しい造形に触れ ベラ:そうですね、あの質感とかサッシの雰囲気とか、凄くいいな〜と。廻りの建物と全然違うんで。成り立ちというか材料の成り立ちから、立体的な造形も含めて、あとプロポーションも。意味が有るのか無いのか分からない突起とかあるんですけど、それが全体を引いてみると凄くバランス取れている。そういうのもなんとなく。ああそういう感覚は共有出来るな〜と。 佐藤:大学に入ったばかりなにの東さんと感覚が共有できるな〜と思ったとふふふ、一応フォルム派建築家なんだね。 ベラ:そうですね 佐藤:理屈にじゃなくって形に反応するタイプなんだね ベラ:そうですね、完全もう そういうタイプですね。 佐藤:あの建築は思想的にも都市に住むという考え方でも成り立っている、狭く小さな土地に ベラ:社会的背景も含めて、ありますあります。 佐藤:巨大なニュータウンに暮らす政治的住宅制度圧があるなかで 抗って都市内の狭い土地に暮らすことを実証した 強いメッセージも持っている建築だよね。ベラさんはそのフォルムに反応して、これはなかなか良いなと ベラ:そうですね。ふふふ。 佐藤:それから その他はどんな建築でしたか ベラ:あと何があったかな 佐藤:そんな事を大学1年生で語っても廻りは反応しないだろうね、なにそれって。 そいう反応しかなかったのかな ベラ:そうですね。 佐藤: たった一人の友達とはよく建築を語り合うに足りる友達だったの ベラ:そうですね割と 佐藤:打てば響く間柄だったと ベラ:そうですね打てば響いたので面白かった、割とテンポも良かったし。手も動いてスケッチ描けたんで割と 佐藤:気が合ったと。課題とかは1年生では与えられないでしょう ベラ:まだ無いですね、授業1年生の時は詰まらなかったですね〜。製図とかやらされたりとか。影を描かされたりとか。 佐藤:パソコンはありましたか ベラ:無いです 佐藤:手書きですね、模型も1年生では作らないんでしょう ベラ:そうですね、作らない。作ったかな〜 住吉の長家作りましたね。でもまだ模型の作り方も分からなかったんで。あとは相変わらず課題の直前でしか動かないんで。ギリギリでした。 佐藤:サッカーやっていて、課題期限が迫る過剰反応して出したと。 ベラ:そのかわり わりと自分で興味有る、展覧会に行ったり 佐藤:建築マップで建築を見続けつつ、興味がわく展覧会に出掛けては 目を肥やしていたと ベラ:そうですね。あるとき 1年生の時に研究室に顔をだして 2−15:07 その04 |