ことば悦覧 in 東京 2010(4/3〜4 版 記録集        home  

    ベラ・ジュンさん    伊庭野大輔さん   平塚桂さん    藤井亮介さん


佐藤敏宏  ベラ・ジュンさんに聞く (2010/04/03 pm13〜16
          その 01  02  03 04  05  06  07 08 

   その04

 先生自身に「建築は嫌いだ」と言われ悩む

ベラ:先生に話を聞きに行ったんですけど。その時のこと話していいのか分からないけど
佐藤:話してください、
ベラ:シラハマ先生という人がいて。僕は楽しい話が聞けるかもしれないと思って。
佐藤:建築を沢山みてたし 建築に対する希望に胸を膨らませてわくわくしながら研究室へ行ったと
ベラ:彼と二人で行って。研究室へいきなりば〜んと二人で入った

佐藤:どーんと扉を開けたと
ベラ:大学院生とか、この二人は 割と風貌も
佐藤:日本人離れした顔だし ふふふふ
ベラ:割とへんな格好してたのもあった。
佐藤:髪の毛染めていた赤くとか

ベラ:そこまでじゃないですけど、わりと変だったかもしれない。もう一人の彼は高校時代ラグビーをやっていたので、基本的に凄い
佐藤:マッチョな奴で
ベラ:ぴたぴたのティシャツで断然!建築学科の雰囲気じゃない。二人が入って、なんだ この子たちは??おろおろ

佐藤:北斗の拳のような者どもが来たと
ベラ:先生がとことこ
佐藤:君たちが来るところじゃないよと追い払われたわけ
ベラ:じゃないんですけど、じゃーなに話します?かと言われ。その彼も面白いやつで、地球の話とかして生態系の話とかして。興味有ること聞けば何か返してくれるんじゃないかと。日頃の謎をいきなり喋り始めて。こいつ何を言い始めているんだ??みたいな
佐藤:研究室のみんなは唖然として

ベラ:唖然としている
。いきない変な質問されて、先生もどう応えようかな〜とふふふふとりあえずそれらしく答えをしてくれるんだけど、全然咬み合わないんですよね会話がおかしいな〜と思って。でそんな感じでチョロチョロ話しているとき。その先生がぽろっと「まあでも僕は建築嫌いなんですよ!」と。ポロッと言って。その一言は結構僕もと思って。建築嫌いなんだ??なんでだろうって。ずーっとその後それを聞いてそのまま。

佐藤:理由は聞かず 印象だけが残ってしまった
ベラ:残っていて、聞くに聞けない雰囲気で嫌いってどういうことなんだろうな〜?と。そのあとずーっとボンヤリ引きずっているというか。何で嫌いって言ったんだろと。悩みというかちょっと引っかかっていた。

今思えば1年生にそういうことは言うべきじゃないのかな〜と思ったんですけどね。

佐藤:建築を目指そうと思って入学してきた1年生に向かって、その学科の先生が建築嫌いだと言うなと。うざいから嘘付いていたのかもしれない
ベラ:今思えばその人のスタイルというか。生き方の姿勢がちょっと斜に構えるのか
佐藤:建築大好きだと言えないバブルで恥ずかしい状況もあるし、ニヒルな感じでね
ベル:そういうニヒルな感じなんです

佐藤:本音は晒さないでね、それを真に受けた
ベラ:そうですね、真に受けちゃって。しばらくそれで何でだろうと。今よく分かる
佐藤:建築って広範囲に関わる仕事だから単純に好きとか嫌いとか言ってもななかなか意味を成さない。建築の定義すら難しい
ベラ:建築はみんな悩みながらやっているんだな〜というのが漠然とこう理解した

佐藤:1年生で建築嫌いだって先生に言い放たれると色々悩むはな〜嫌いなやつ 何で教えてるんだ〜 もっと建築イケイケのオジサンじゃないのか?
ベラ:そうですね。夢を語って、あそこだ〜って指さして
佐藤:はははは地球だって逆回しに建築家は出来るぞみたいな話を聞きたかったと

ベラ:ゴールはあそこだぞという答えを期待して行ったら 全然違った??みたいな
佐藤:建築は嫌いだと言い放たれたしまったと。なるほど。2,3年生はその辺の答えは出ず。
ベラ:で わりと悶々



 (3年生をダブる 南米へ)

佐藤:どこでダブったの
ベラ:何か4年に成る時に。一般教養とかも色々単位を取るんですけど。ほとんど課題、3年になるともう毎日課題に打ち込んでもう!ほとんど授業に行かないんですギリギリ テストだけ受けるみたいな。
佐藤:模型作ったりスケッチ描くの好きだから、もうそれだけやっていて、他の授業を受けないで、忘れていた??
ベラ:そればっかりずーっとやっちゃうんでもう、全然他の授業行かないですね。英語とか、そうい授業行かなくって。それで色々組み替えがあって、組み替えて申請しなくちゃいけない。その組み替え方を間違えていて。2単位、3年の頭の段階で登録し終わった段階で全部単位を取っても

佐藤:落第は間違い無しと
ベラ:そういう登録の仕方になっていてふふふ
佐藤:建築模型のことばかり考えていたから 他の授業の登録のことはずっこけていたと
ベラ:考えてないずっこけた。で4年になるときに、4年になるなと思っていた。
佐藤:あれないぞ??
ベラ:あれ僕の名簿が??名前がない!先生たちもあれ何で お前ないぞ??って。慌てて教務課へ行ったら。あれ足りてません
佐藤:もう1回3年生やれと

ベラ:2単位しかなくって。2単位だけ取れば上がれるんで。1年間丸まる空いちゃったねすね。

佐藤:2単位だけだけか。空いた時間模型バンバン作れるじゃない

ベラ:そこでせっかくだから、それまでもちょこちょこ休みの間に海外行ったりして。色々見てたんですよ。ちょっと長期的にせっかくだから色々
佐藤:どこへ行ったんですか 放浪の旅は
ベラ:放浪しようかな〜と思って。


 奨学金を受ける南米を旅する

佐藤:2単位は簡単にとれるし 時間はタップりあるし 銭はあったの?
ベラ:お金 無いんですけど、で、またこれあれなですけど。
佐藤:言って、まずいところ俺削るから
ベラ:で、奨学金の申請というのがあって、何か作文みたいな書けばお金が下りるとうのが。作文の内容として母親が一人で

佐藤:涙物語を書いて
ベラ:書いたんですね。で建築も凄くやりたいんだけどバイトしてると建築課題がこなせないというのをつらつらつらつら書いて
佐藤:しっかりしているね

ベラ:それで60万ぐらいふふふ
佐藤:頂いて
ベラ:いただいて。それを持って旅行しに
佐藤:いいじゃないそういう金の使い方って。それは多少の作り話でもなんでも相手がチェックしてこれはいいことだから奨学金をあげようというんだから。建築の勉強のために世界中旅行してこいと。それに受かったと。

ベラ:その時はベネズエラの国籍しか無かったんで、色んな国に行くのにピザが必要だったりとか。アメリカに入るのにビザがそれも色々建築の勉強のためにと書いて、そしたらいきなり。普通ベネズエラ人って3ヶ月とか掛かるんですけど、いきないり10年自由に出入りできるピザもらったりとか。それで。基本的には遠い所からいこうかなと思って。

佐藤:ビザ申請するときに面接はないの
ベラ面接あります
佐藤:この若者は建築をやりそうだと、説得力があったわけだ
ベラ:あとは学生だということが決定的に大きかったですね。
佐藤:神奈川大学の学生だったし
ベラ:そうですね。

佐藤:それでアメリカには行かず どこへ行ったんですか。遠いヒマラヤですか
ベラ:いやいや、アジアよりも南米の方が普段いけないな〜と。アメリカから入ってロサンゼルスから入ってずーっと南下して。メキシコとか、色々遺跡見ながら、ロサンゼルスとかはフランクゲーリーとか いわゆる形態的に興味があるものを
佐藤:メキシコの遺跡をほとんど巡ったと
ベラ:巡りましたね〜山にも登ったり色々遊びながら

佐藤:メキシコの遺跡 広いし数も多いしね
ベラ:ティオティワカン、そこは凄いもう あれは衝撃的な感動ですね
佐藤:軸線もしっかりしているし、シンメトリー。参道も上り下りして。じょじょにピラミットが大きくなるように仕掛けてあるし

ベラ:
またアプローチが凄い印象的で、ジープでガタガタ山道を行ってぱっと抜けてジャングル抜けるといきなり芝生があって。

佐藤:ティオティワカンへは そんなに道悪かったかかね
ベラ:悪かったです
佐藤:メキシコシティーから行ったけど舗装だったなふふふ ルートが違う
ベラ:違うルートですね。一杯あったんで幾つか、同じ様なつくりじゃないですか。で印象的だったのは一番上に行くとジャングルのトップが全部水平にばーっと広がっているのを見たときは凄いわーっとなんか。単純な感動だったんですけど
佐藤:強いよね同じ形態が並んでいて

ベラ:単純な感動に向けて作った
佐藤:ははは〜と言うしかないよね 内部はほとんど無いし
ベラ:言うしかない。ふふふ一直線に並んでいて
佐藤:何qも続いているしね 
ベラ:本当にわかりやすし

佐藤:
周辺には満足な草木もなく 食いもの採れない荒れ地のような、こんな場所に作ったものだという。南米はどこへ行ったですか。マチュピチュにも行ったんですかクスコとか

ベラ:マチュピチュは行かなかったんですね。あとはコロンビアとかカリブ海とか。遊びつつも。
佐藤:その当たりには見るべき建築はあるんですか 観光
ベラ:観光も半分ベネズエラにも寄りたいな〜と思ったりして、その時は寄らなかったんです。

佐藤:10才で日本に来てからほとんどベネズエラには行ってないということですか
ベラ:一回戻りました。2ヶ月ぐらい戻って。父親と一緒に過ごしたですけど。それはそれで面白かったですけど。色々見たんでだいぶ忘れちゃいましたね〜。
佐藤:写真は撮ったんですか一杯

ベラ:たまに撮っているんですけど。
佐藤:何ヶ月南米にいたんですか
ベラ:3,4ヶ月ぐらい回ってましたね、アルゼンチンとか行って
佐藤:行き当たりばったりですか
ベラ:行き当たりバッタリですね。まあ居心地良かったらちょっと長くいて。そういう感じで、なので見逃した建物けっこう

佐藤:一人で旅したんでしょう
ベラ:そうですね。一人で回ってした
佐藤:南米はスペイン語でしょうから 
ベラ:そうですね、そのときにだいぶ復活したんですね
佐藤:体の奧から思いだして言葉が吹き出したと
ベラ:思いだして来て

佐藤:懐かしい言葉 これ!これだみいな
ベラ:そうですね
佐藤:なるほど
ベラ:写真も一杯撮ったんですけど。結構なくしたり、現像するお金無くってフイルムのままふふふ
佐藤:フィルム高かったしね 現像代もかかるし

ベラ:出そうと思ったらもう、凄い金額になる
佐藤:当時 1本 スライドフィルムだと1000円ぐらいして、現像すると500円とか100本だと現像だけで5万円だ。フィルム入れて100本で15万円だ。2,30万円使ってしまうよね
ベラ:そうですね、どれがどれだかも分からないんで。とりあえず撮りっぱなしですね

佐藤:感光したしちゃって 像が浮かび上がらないかもね
ベラ:そうですね
佐藤:でも大丈夫かもしれないけど カラーですか
ベラ:カラーと白黒でカメラ二台持って、こう撮っていたんです。たまにしか撮らない
佐藤:現地の風俗を撮ったり、めぼしい造形を撮ったり。観光しつつ写真を撮っていたと。
ベラ:そうです、あとは本を見ながら。メキシコ現代建築とかそうですね、ひたすらこれとこれは見たいなと。
佐藤:現地に行って調べてこれ見に行こうと

ベラ:現地に行って、色々探すんですけど、全然なくって
確実にこのへんなんだけど 誰に見せても知らないって言うし。何でこんなに知られていないだろうと思いながら。ひたすら探し回った。凄い印象的だったのはメキシコだっけかな。教会古い崩れた教会の中にスチールとガラスで作った礼拝堂みたいなのを作っている建物があった。どうしても入れないんですね

佐藤:元々あった崩れた教会のなかに ミニマリズムふうの箱が置いてあるということ    30:17

   その05へ