2001年〜飼育

実験室で飼育・観察しているカブトガニの状況

1.1992年産の幼生

 成長のようすは、いくらかの研究者による卵からの飼育や干潟での幼生の調査でかなりのことがわかってきている。1999年、笠岡市立カブトガニ博物館では日本のカブトガニを卵から成体にまで初めて人工飼育に成功した。11年目16齢で雌であった。自然の干潟ではもっと早く成体になると考えられる。幼生は1回脱皮すると約1.3倍に成長する(体積は2倍以上になる)。 私が自然産卵された卵を持ち帰り、以後飼育しているものについては次のとおりである。このペースでは成体になるまでに10年はかかることになる。

       '92年   卵──(ふ化)──→1齢──(休眠)──
        '93年 ─1齢──(脱皮)──→2齢──(脱皮)──→3齢───(休眠)─
        '94年 ─3齢──(脱皮)──→4齢──(脱皮)──→5齢───(休眠)─
        '95年 ─5齢──(脱皮)──→6齢──(脱皮)──→7齢───(休眠)─
        '96年 ─7齢──(脱皮)──→8齢──(脱皮)──→9齢───(休眠)─
                            └─────────────(休眠)─
        '97年 ─9齢──(脱皮)──→10齢────────────(休眠)─
             ─8齢──(脱皮)──→9齢──(脱皮)──→10齢───(休眠)─
                            └─────────────(休眠)─
        '98年 ─10齢──(脱皮)──→11齢────────────(休眠)─
            ─9齢──(脱皮)──→10齢────────────(休眠)─
        '99年 ─11齢──(脱皮)──→12齢────────────(休眠)─
            ─10齢──(脱皮)──→11齢────────────(休眠)─
        '00年 ─12齢──(脱皮)──→13齢────────────(休眠)─
            ─11齢──(脱皮)──→12齢────────────(休眠)─
        '01年 ─13齢──(脱皮)──→14齢────────────(休眠)─
            ─12齢──(脱皮)──→13齢────────────(休眠)─

   丸9年で14齢、全長はまだやっと約40cmにしかならない。成体の雌は約60cm程である。成体になるにはもう少しかかりそうである。

  実験室で飼育している幼生の大きいものは、1992年産のものです。’01年5月下旬から食欲があまりなくなり、脱皮モードに入りました。そして7月5日朝に12齢1匹が脱皮。12日朝にやはり12齢1匹が脱皮していました。24日朝までにすべての幼生が脱皮を終えました。したがって13齢3匹、14齢が7匹となり、水槽は過密かな、の状態です。右写真は13齢がの脱皮の最終段階です。何度見ても殻から出てきた新しい幼生の大きさにびっくりします。新14齢は体長が40cmほどです。
 11月中旬までゴカイを食べていましたが、その後は動きも少なくなり、休眠に入りました。 


2.豊浦高校科学部

  部員の生徒たちが’00年産れ、’99年産れ、’98年産れの幼生を飼育しています。えさはアルテミアを与えています。’98年の幼生(5,6齢)は7月末に干潟へ放流しました。
 ’01年の7月7日産卵された幼生は、ほとんど1齢としてふ化してきました。気温が高いのか、40日でふ化を始めました。
 幼生たちは、泥を入れた容器で休眠しています。春までは、世話とすれば時々蒸発した水を足したり、海水を全量交換するくらいです。

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