口腔ケア

『お口の中の細菌が、肺炎の原因になることをご存知ですか?』

人間のお口の中には通常300~400種類の細菌が住んでいます。一人のお口の中に、歯をよく磨く人で1,000~2,000億個、あまり磨かない人は4,000~6,000億個、そしてほとんど磨かない人は1兆個の細菌がいると言われています。この細菌の中には、歯や歯茎の上だけでなく、上あごや舌の上、ほっぺたの内側それに入れ歯の裏側などに住み着いて厚い層を作るものもいるので、「私は総入れ歯だから大丈夫」と安心してはいけません。

肺炎は、お年寄りにとって命にかかわる重大な病気です。肺炎で死亡する人の92%は65歳以上の方です。高齢者の肺炎に特徴的なものとしては「嚥下性(えんげせい)肺炎」があります。嚥下性肺炎とは本来入るべきでないものが肺に入ってしまうことが原因で起こる肺炎です。病気や加齢などで身体が弱くなってくると、飲み込んだり咳き込んだりする力も弱まり、知らず知らずのうちに細菌を含んだ唾液が気管を通って肺に達してしまうことがあります。こうして肺に入ってしまった細菌なども嚥下性肺炎を引き起すのです。

   

『当院では、毎日の口腔ケアを大切に考えています。』

当院では平成22年2月より入院患者様を対象とした口腔ケア回診を開始いたしました。

歯科医師、歯科衛生士の指導の下、歯だけでなく、舌、上あごなどお口の中全体を清潔にすることでお口の中の細菌を減らし、嚥下性肺炎の予防に努めております。

それと同時に、口腔ケアはお口の力を付けるためのリハビリとしても力を発揮します。口腔ケアの適度な刺激は舌や口唇(くちびる)の間接的な訓練にもなり、弱ってきた飲み込む力を取り戻すことに役立ちます。

食べるということは、味、温度、かたさなど様々な刺激を与えてくれます。噛むことにより脳に行く血流が増えることもよく知られています。口腔ケアを行ない身体の入り口であるお口をきれいにすることは、健康のためにもとても大切なことと考えております。