ことば悦覧in 神奈川大学 2009年10月29〜11月01日  home   

 学生 小金丸信光 村上敬祐  長谷川明  坂本友里恵 杉山聖昇   

 社会人  丸山美紀・新田有平 本間義章  松野由夏 
 番外編  松田朋春  

 松野由夏さん 10月31日 夕方  曽我部昌史さんの家  晴れ
         その01  その02  その03  その04 

  その04

松野:柚耳とかよく触られています
佐藤:気持ちわるいやつだな 日本の柚耳もね

松野:私は気持ち悪いなんて言ってませんよ
佐藤:鼻の穴にいきなり指入れて、これなら新型エンフルに罹ってないとか言うんじゃないかねあぶないね
松野:気をつけましょう!それで今に至ったかんじで5年経ちました

佐藤:建築にいくのかインテリアにいくのか
松野: 建築ですね
佐藤:建築の方が面白いですか
松野面白いですね
佐藤:どうして

松野:まじめな話になってきましたけど、ついに。 そもそも家具をやろうとか。インテリアをやろうとか思ったのも、たぶん人の空間つくりたかったんですね。場というか。それでたぶん人の動きとか、感情とか。生活とか。そういうことをやりたかったんですよ。だから私としては家具を作っていようと 建築をやっていようと、ぶんやりたいことは変わってないんですよ、そのときから。やろうと思ったことは。作っている物の大きさがちょっと大きくなった。それで、実務として仕事をしていくなかで、建築の方がやっぱり面白いです。

佐藤:面白いところをもうすこし具体的にお願いします
松野:こういうとインテリアデザインとかインテリアやっている人たちに対してちょっと何か批判的になっちゃうんですけど。どうしてもインテリアデザインだと商業空間になってくるじゃないですか。商業空間っていうのが多くて。そうなってくるとどうしても人の行為だとか感情だとか行動だとか、そういう事よりももっともっと商業的なものになって来るんですよねキャッチーなものだとか、売れるようなだとか。あとは更に言っちゃうと施主との関係とかでも、別にここち良いとかそういう事ではなくって、売れればいいからとか。かっこよければいいからとか

佐藤:目的が定まったような行為だけになっちゃうと
松野:すごくお金が絡んでくるんですよね。インテリアデザインって
佐藤:建築つくるも お金絡んでくるじゃん
松野:建築はそうです、確かにお金が絡んで来るんだけど、でも例えば住宅とかやると、お金どうこうって言う問題じゃなく、施主との関係で作っていくっていうのが多いのかなと。設計者としてお金をもらっているからやっていると言うよりは、気持ちで作っているような処

佐藤:また気持ちとか気合とかですか、気持ちがいいとかじゃなくって、そこをもうちょっと、誰にでも判るように、俺今 松野さんが言った気持ちで作るってことがどういう事なんか分からない。もうちょっと
松野:わかりました、気持ちのいいとか、そういうことではなくってうーん。う〜ん例えば最近の話で言うと、住宅を担当していたんですけども。業務、設計者の仕事以上の事をしてあげたくなっちゃうんですよ。なので住宅を発注した御施主さんはみかんぐみに設計料を払ってたまたま担当したのが私だったんですけれども。でもその施主さんと私の関係っていうのは、そういう設計者と施主という関係ではなくって、もうひとつ、一つの物を作り上げるための、一緒にやっていく協力者というか。パートナーと言うか。旅は道連れみたいな。関係になりえるんですよね。

佐藤:
建築を作る旅に在る同行二人みたいな感じでね、
松野:詩人みたいですね
佐藤:建築を作る旅に一緒に出ていたら時が経つほどに離れられなくなっちゃって。ということわだよ、松野さんはリアルな人間を相手にしてしか建築を作れないって話になるよね。

松野:ああそうなってくると、かなり狭い人かもしれないですね
佐藤:広いって言ってみたところで全人類は相手に建築を作ることはない、常人には出来ないから
松野:でもそうかも知れないです。みかんぐみ入って、建築をやった物件は5件ぐらいですかね。インテリアは1,2,3,4,4件か5件か同じぐらいだと思うんですけど。建築でもインテリアとかでも、う〜ん。

佐藤:インテリアの場合の方が人間との関係の抽象度は高まるよね
松野:そうです、だから、だから定まらないのかもしれないですね、自分の中で。誰に対して何をやっているのか?たぶん作り終えるまでよく分からないまま
佐藤:自分に対してやってるんだろうね、今意地悪な質問をしたのは 結局松野さんが生きている内しかその作品は成立しないって話になるじゃないですか。
松野うんそうですね

佐藤:松野さんが死んだ後に それを評価されるっていうことに対してあまり興味が今はないって話になってしまうわけだよね。
松野:そうですね〜
佐藤:または、会話で得ない他領域、まだみぬ将来の発注者に対しては成り立たないって話になると思うから
松野:はい

佐藤:世界の人々のためにっていう建築も作り得ないし、そんなことは無いんだということで 今の処はいいのかな
松野:そうなっちゃいますね。土着的ですね。
佐藤:枠を広げてみたらって事をどういうふうに考えているのか、聞いてみたかったんです。たった一人の生きている人のために一件しか作らないって言い切ってもいいと思うですけど。どっちなんだ?と今聞いてみただけです

松野:なるほど、そこまで考えた事が無かった。今言われてみると そうなると私が巨匠になるえるチャンスというのが 共にふふふっふふ狭まって来たのでこれは遺憾と思って来たので。
佐藤:反省しちゃった〜?!俺よけいな質問したやったね。ちょっとまずいね

松野:と数年後に、とある人にこう言われたふふふふふふある人にですね土着的で
佐藤:ローカルな世界だけに生きる グローバルといい 均質空間みたいなことはやろうと思ったら出来るでしょうけどね。世界中の災害仮設建築はこれですみたいなでもいいし、抽象的は話だと。物は作らないで建築を作ることは出来るか?って話になっていくだろうけど
松野:ふふふふふふふ

佐藤:今のところは一人の発注者と一人の設計者の関係から同時代を共に生きている関係になっていくといいな〜っていう処だよね
松野:そうですね。でもそれで
佐藤:それで巨匠になるチャンスを逃しているとね
松野:やばい!!みたいなでもそういう関係で沢山つくれるのがいい

佐藤:一生寝ないで考えたり作ったりしなければなくなる、人間が出来る限界は出て来るよね
松野:そうですね、でも
佐藤:そこでどうやって自分の能力を見限る能力を身に付けるかだよね
松野ふふっふふふ
佐藤:全部出来っこないってことだからね
松野:そうですね 

佐藤:一件一件親密な関係性の内では不可能の部分もあると、67億人と親密なのはいやだよね
松野:そう思います、そうか〜
佐藤:そのあたりはどあかなと思ったからね
松野:はいなるほど、巨匠になるチャンスが〜


 (巨匠という名称のトマト)

佐藤:松野さんが言っているのは従来的・近代的な巨匠像だから、これから一身上の都合で巨匠になっちゃいましたっていうのとは違う像だよね
松野:そうですね
佐藤:巨匠になるべくしてなって 巨匠を演じている人っていう像だよね、それってこれからの多文化社会では あほらしい像だよね
松野:そうですふふふふふ

佐藤:だから一身上の都合で巨匠のような、本来は巨匠と呼ばれそうなんだけども、巨匠は一身上の都合でやめちゃった 未来の巨匠像みたいな感じでいい。巨匠という言葉は死語になっているでしょうが、ただのおばさんですと言って好いんだと思うけど。だれでも巨匠になれる社会であるという話でいいと思うんですけども
 電話がなる 曽我部邸中響く  今の話を聞くと将来は巨匠にとね

松野:ああ
そう言われる また困っちゃう
佐藤:そう 言っていたよ
松野:言ってました言ってました、ちょっと考えます ふふふふふふ

佐藤:5年後インタビューすることになっているから するから
松野:わかりました
佐藤:そんな感じで、とりあえず巨匠を目指すは今日で断念して、あしたからまた違う何かになっていくということで
松野:そうですね、5年後たぶんお会いするときに

佐藤:巨匠はトマトだったということだと嬉しいね。食べ物の名前になかにしか残ってなかったとね
松野:ああおもしろいですね
佐藤:毎日わたし巨匠喰ってますみたいな話がいいね、巨匠を喰う松野ってのはいいじゃないですか
松野:いですね、今年は豊作だよ
佐藤:私の将来像は巨匠を喰う女ですと

松野:かっこう いいですね
佐藤:何言ってるんだろうと言われるだろうが、巨匠ってトマト知らんのかいと逆質問してやると ふふふふふふ
松野:うん、それ5年後の目標でですね、頑張ります。そうすると趣味が野菜を作るんですけど。頑張ります

佐藤:建築という野菜を作って 巨匠というトマトを育てて、毎日建築と巨匠喰ってます〜!!今日の建築は新鮮だな〜とか ツイッターに書と
松野:何でもくう

佐藤:よろしい! 人間って何でもくうものね
松野:そうですね
佐藤:喰えないものって何だろうね
松野:土とか食べられるらしいですね

  (便所で食事する人々)

佐藤:喰えないものはあんまりないけど、喰う場所は選ぶでしょう、便所で喰う文化は世界には無いでしょうね
松野:流行って居るみたいですよ
佐藤:ほんと〜?聞いてみるもんだな〜
松野:大学とかで、学食とかで、みんなが楽しく食べているじゃないですか、その輪に入れない人が何でこんな話になるのだろうふふっふうふふ

佐藤:巨匠を喰う話からだよ、ふふふふふふ
松野:あそうです 巨匠は食べ物だっていう話から
佐藤:巨匠をどこで食べるか?って話になって来ているんですよ、巨匠は便所でも食べられるし学食でも食べられるしって話で、空間の使い方を考える人だから、如何に使うかって言う 文化的な なななな 会話をしているんですよ

松野:ふふふふふ
佐藤:文化的に巨匠を喰う場所を語り始めているわけでしょう、上空30kmでしょうとか
松野機内食ですか
佐藤:浮きながら、30mkだったら死ぬな〜
松野:ふふふふふ
佐藤:4千mぐらいだと高山病だけど、宇宙服着てないと死ぬね、宇宙ハウスを作ろう死ぬのは嫌だから、まあ取りあえず今日のところは巨匠を喰う場所は想像空間の宇宙ハウスでしか 叶わない! っていうことにしておきましょう

松野:ふふふふふふ
佐藤:5年後の松野由夏像ってのは出来ちゃったね、どうズレるか楽しみだね いいな〜 早く5年後来ないかな〜 どうもありがとうございました、終わりバーベキューパティに行きましょう ましょう

松野:ふふふありがとうございました
 

 曽我部昌史先生の家の屋上で pm8時ごろまで 大勢で パーティをするのでありました。 曽我部先生、そして奥様ありがとうございました



 松野由夏さんの2009年10月31日の記録はこれで終わりです
 読んでいただきありがとうございました、続きは2014年です

 文字起こし・文責:佐藤敏宏