2010夏   ことば悦覧 in うるとらまんchin々  (仮想領域 大坂・京都)
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  水野大二郎 博士 「デザインイーストを語る」                聞き手:佐藤敏宏
  
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その03

佐藤
:ここのところは微妙な進展をするしかないよな〜
水野難しですよね  だから日本におけるアーテストの立場が社会的に低いっていうのと同じような考えなんですよ僕は

要はアーテストはまず最初は貸し画廊で自分でお金を出して場所を借り自分のお金を出して作った作品を展示し  みんなに観てもらうと。

そういう
広報活動から企画画廊の人に来てもらって、ちょっとお金を出してもらえるようになって。ないしは公共の美術館からお金出してもらえるようになったり。

で アーテスティンレジデンスみたいなのにいって
細々と暮らしながら制作する。やがてどっかの巨大資本の画廊とかが付いてくれて、自分の作品が突然高い価格で売れるようになったりすると。そうすると成功と。 あはははは 岡田先生どうもありがとうございました、多摩美すごく面白かったです

岡田:よかった


きみこ
鍵掛けてますけど 大丈夫ですか
佐藤:はい 鍵い貸してただいてますので 中に入って話をつづけます ありがとうございます。終わったら四条に行きます
きみこ:は〜い 鍵締めておいてくだ
佐藤:もちろん締めていきます いってらっしゃーい
水野:行ってらっしゃーい

佐藤:すっかり 岡田さんの家は俺の家状態になっております ふふふ じゃ中に入りましょうか ほらほら虫居るから 
水野:こらー
佐藤:なんだこれは
岡田:今朝の奴とは違うな
きみこ:そうね〜

岡田:朝 赤かったんですよ背中が今白くなっている ほらほら行こう
みのりうむち むし 
佐藤:ふんむき 何
きみこ:あおむし ね〜
佐藤:あ ぁ 青虫か ほら ほら ただすくんお母さん行くよ
みきこ:おいてかれちゃうよ ただちゃん
 
佐藤:もう虫に  集中しちゃっています だだすくん
水野:ふふっふははは
佐藤:お母さんの声が聞こえなくなって おります
みきこただすちゃん いきますよ〜

ただす:やだ やだ〜
佐藤:嫌だっていってるよ〜 じゃ行ってらっしゃい後でいきます、京都の四条でしたっけ
岡田条川端かな 川沿いになるんですよ
佐藤:わかりました、いってらっしゃい
岡田多田さんはやらないんですか
佐藤:多田さん大阪だっちゅうの 知らなかったんですよ  京都だとばかり勘違いしていたんです
岡田
佐藤:ここに呼ぶかな とおもったんですけど 水野さんと話している最中なです、あとで考えます いってらっしゃい じゃばいばい 


 

佐藤:ということで 前半は うるほらまんchin chinに襲撃されてしまいましたが やっと静寂が戻ってきましたので、二人で呑みながら 岡田さん お家に入って 話を続けますか




水野
:ああいいですね〜

佐藤:ということでやっと屋外から岡田邸の中に入ってきました、ようこそいらっしゃいませ水野さん
水野:O邸

佐藤:
O邸は俺の家になりましたね よおうやく 喋るのは中断して呑みはじめましょうか

水野
はい 
佐藤:外から来たので 手を洗ってないので、まず手を洗ってください
水野そうですね 
  はい

佐藤:シャワーはいってもいいですよ
水野:うふふふっふふ これは凄い すごい〜

佐藤:水野さんと佐藤がシャワーを浴びながら ホモ状態で語りますか 
水野:ふたりで浴びなくって いいじゃないですか すごいへーえ

  佐藤台所で くだらんこといいながら 水割りをつくっている

水野:土地のポテンシャルをフルに使ってますね
佐藤:そうですね がしゃがしゃ お酒は色々ありますが これじゃないと呑めないってのはあるんですか
水野いや 
佐藤:この 高濃度焼酎で いいですか
水野じゃそれで  はい

佐藤:はい 水ももってきて 置きますから
水野そうですね
佐藤:水は冷蔵庫に入っているので
水野そうですか 

佐藤:水で割るの 割らない方が美味しいですよ
水野:ふふふふ 割っちゃいます

佐藤:酒と水  別々に呑んで胃袋の中で割るんです
水野わかりました

 っじーじっじじ蝉が鳴いている

佐藤:もうすっかり 岡田先生の家  使い慣れてしまいました
水野ふふふふふ 凄いですね
佐藤:本当 静かになったな〜
水野:そうですね〜


佐藤: 食堂のドアの前当たりが風が通って気持ちがいいんですよ、その代わり蚊にも喰われますけどね
水野ありゃ〜〜 さすが 隣 神社
佐藤:今年 水がすくないので蚊少ない酢よ じゃはい 
水野お疲れ様です 
佐藤:テーブルガタガタするから 足に馬をかいましょう こっちかな〜はい


水野:何の話してたんでしたっけ あそうだ 若手アーテストが経済体系の中に巧いこと取り込まれて、何か微妙に虐げられっ放しの人たちが・実は気の毒だな〜と思って。で若手デザイナーの人たちも、凄い大変じゃないですか。

自分の作品作るっていうようなことの前に、デザインだから物をちゃんと売らなければいけないっていうことで。でもそういう時代でもないような気がするんですよね。要は大量生産、大量消費っていう

佐藤:アーテストやデザイナーが不遇な状況に おいやられているというのは、日本だけじゃないじゃないんですか

水野日本だけじゃないです。ただ問題なのが虐げられかたがちょっと凄いな〜と思う。
佐藤:具体的には
水野貸し画廊という仕組みって画廊のオナー怠けているっていうことじゃないのかな〜というふうにも思うんですよ。
佐藤:才能有る若手を発掘して売れと

水野売るのが仕事じゃないですから場所貸しだったらアパートのオーナーと同じじゃないですか。僕それはさすがにイギリス行ってて、ほとんどみなかったので
佐藤:日本の画廊は場所貸屋に成り下がってしまい アーテスト発掘して育てたり若手を売る努力がすくないと怠けているんじゃないかと

水野:そうなんですよね。だからそれはちょっとな〜とは思いましたけど。もちろんね歴史をみてもパトロンみたいなことをしている人たちが多い訳ですから。ヨーロッパにはそれは一概に簡単には比較は出来ないとは思うんですよ。

でもそうかと言ってそのままじゃー若手のデザイナーとかアーテストは厳しい状況下でやり続けなければいけないのか っていうことでもなくって。大量生産と大量消費みたいなことじゃないやりかたとして

例えばインターネットの社会をアナロジーにして巧いこと物を作って巧いこと人に伝えて 巧いこと売ると。それで生計をたてるような場所とかも在ってもいいと思うし。 デザインイーストみたいにただで参加出来て、やたらとお前頑張れみたいな感じでふふふふふ

主催者側からしごかれて あはははははは 2週間でデザインしてこいよ〜みたいな ふふふ酷いことを言われてえーみたいな。なんでだ〜みたいな感じの中で アイデアが炸裂するというのも あってもいいかな〜と思うんですけどね

佐藤:日本の場合は行き詰まると 精神論になって 食料や経済的フォーローしないというね 悲しい伝統がありますけれどもね それと 反省し合わない沈黙しちゃう伝統ね  やましき沈黙 という言葉が有るけれど。 気合い入れてなかったから戦争負けたみたいな話に似てますよね

水野:ふふふはははは 本当に、僕ちょうど今31才 なんですけど。30ぐらいで多くのデザイナーとかアーテスト志そうとしていた人に時期が訪れるじゃないですか、もうこれ以上続けられないなみたいな、システムとして無理みたいな感じで

佐藤:結婚して子供育て暮らしたと思うよな
水野そうなんですよそうそう、それで無理がある
佐藤:営々と営み続けてきた 単なる生活 人間としての生活がなりたたないよね、アーテスト年金くれればいいけどね

水野そうなですよね
佐藤:アーテストと認証したら みんなで つまり国として作りあげる ので アーテスト年金を毎月は100万円支払うとかね ところが逆で 名声を極め尽くした 銭もある人に名誉と文化・芸術年金をあげているよね 有名になってしまったら若い芸術家を育てるために 寄付していくこと しないとね

水野:そうなんですよ、有名な人がお金をもっとくれてもいいのにな〜と あはははははは
佐藤:高額で売れるような日本画でも 彫刻でもいいけど、そういう地位を確保した人に年金あげずに 若手にアーテスト年金迂回 配分をして〜 名をなしたらアーテスト年金に寄付するという構造になればね いいね  お金の流れ上がり アリガタヤ勲章だけですよね
水野:もうちょっとうまいこと システムが機能したらいいのにな〜というのとかもあるんでうけど。それはねアーテスト同士とかでデザイナー同士とかであるのかも知れないですけれども。

例えばね あれどこだったかな〜ロンドンだったか京都だったかで、伊東豊雄さんが話してたんですけど。

日本のクライアントとヨーロッパのクライアントと2種類いるとして。ヨーロッパとかアメリカのクライアントは伊東豊雄さんがデザイン設計したものをまず観るに当たって。どんなことをしてくれるんだろうと。


そのアイディアを凄い面白く解釈するか、汲み取ろうとする訳ですよね。こういうことを考えているのかと。それでこういうことなんだと。なるほどなるほど。って、高いな〜って言う話はおいといても、まずはそこからじゃないですか。という話をしていたんです。

一方で日本のクライアントだと伊東先生が何かをすると。それは何でもいい素晴らしいものであるに違いないと、いうことなので だからアイディアよりもリスペクトみたいな部分っていうのが無い分 本人のモチベーションがちょっと下がるろうな〜というふうに思ったんですよ。

そういうふうにして例えばクライアントとかっていうエンドユーザーとは言いませんけども。そういう実際に使う人たちがもっとデザインとかアートに関してリスペクト出来るような話は。ああこういうアイディアねっていう、イメージだけじゃなくってアイディアを評価するようなプラットフォームが出来て来ると本格的にいいな〜と思うんですけどね。

なんか原研哉さんが日本人のいいところっていうのは美意識の高さだみたいな感じ、それ分かるんですよ、確かに工芸品とかよく出来ているじゃないですか。他の国に比べても凄い、高いと思うんですよ。

だけど、それだけみいたな。物が綺麗だというのは凄い重要だと思うんですよ、でも物の背後のコンテクスト とが同じくらい重要だと思うんですよ

そこを評価出来るような知識とは言いませんけど、ねたじゃないですか、みんなねた求めてテレビだったり ネタ提供しているの一杯あるじゃないですか。

NHKとか、それだったらお前らもっとうめりゃいいじゃんと思うですよ

そういう場としてもデザインイーストがあったらいいのにな〜

佐藤:アーテストというと 訳の分からんことをやっている人々、分からないことは芸術だ  になっている  そこが違うね。人間が特別な領域に入りこんで そこで面白いことを考え上げる行為をしているのがアーテストとう位置づけとは違うじゃないですか 。おかしなことをやっていて 理解出来ない人をアーテストと言ってそっとして置こうと まだまだ ははははは

水野:本当 そんな感じですよね〜
佐藤:身近から溢れ上がる力や情報に 最初から回路を閉じようとしてる 制度的欠陥が刷り込まれすぎ で暮らしている よね 、人間の特異な能力を面白がって   まつ理解しようとする態度 興味深々好奇心が少ないように思います 
 
日本の特質はおおよそ 分かっているけれども グローバル化した資本の自由化と 金融いい加減 博打場にしてしまったな〜迷走中に似てる。世界市場と 同時に意識・社会が流動化していますよね。 ますます 考え方が揺さぶられて 訳分からない 層が分離しちゃっている   下層はまとまならい。

だから偉い先生を連れてきて 上意下達ふうに アートとまちづくりをセットしたり 農業と体験をセットしたグリーンツーリズムで村おこしだとか言いだして 巧いことやろうぜ 役人様が背中を押すわけじゃないですか。 

もっと複雑な状況が進行していると思う 誰が何をどういう意図でおこなっているか分からない   が何か似たような状況が そこかしこで生まれ起きている 地力分散混迷期 

これを どのように語るのか。 編集する人とかジャーナリストとか、まちづくりとアーテスト兼ジャーナリスト 同時並列一人行進編集人しかなさそうだ それか 言論空間をセットにして編集提示するジャーナル型アーテストになっていく人が いない  貧乏は辛いけど 若さで ばんばろう〜だけじゃ やれんよ

水野:まさしくそうだと思いますよね〜

   45分

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