2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
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2010年8月1日夜 in岡田栄造さんの家 満田衛資 さん 「えいぞうさんの家」を語る 聞き手・文字起こし 佐藤敏宏 その 01 02 03 04 05 06 |
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その01 | |
以下すべて 画像提供 満田衛資 永岡弘 さん |
佐藤:今日は岡田先生の家中で 岡田邸の構造についてのお話しを聞かせていただこうと思っているんです。構造家が意匠の人々と関わるときに、どういう話で満田さんのところに 構造依頼というか 相談があったんですか 満田:一番最初はですね、中山さんと僕との関係から それは説明しないと駄目なんですけど ふふふ。 佐藤:何か秘密の園の仲間 ですか ふふふ 満田:彼は伊東豊雄さんの事務所にいてて。僕は佐々木睦朗さんの事務所にいてて。 要するにボス同士が仕事をしてて、スタッフ同士っていう関係なんですよね。松本市民芸術館っていうのが長野の松本市にあるんですけど、そこの担当者同士。で、現場常駐とかも お互いにしってっていう。そういう間柄なんですよね。 で、その時点で、よく終電で帰れなくって、東京に戻れなくって。彼の当時常駐してた下宿に泊まるみたいな関係だったりもして。 その次ぎに会ったのは建物で、多摩美術大学図書館っていう建物があって。そこでも佐々木事務所のスタッフとして設計の段階から関わっていたんですけれど。そういう流れがあったんですよ。 で、初めて岡田邸の話を聞いたのは実は多摩美大図書館の現場だったんですね。 佐藤:岡田先生の家族の人は 今 二階で寝ているので 話の内容が家全体に響くから ここで話していて五月蠅かったら 外にで隣の神社で音録してもいいんですけど 岡田:いや全然対丈夫です 佐藤:そうですか じゃ続けさせていただきます 満田:その多摩美大図書館の現場小屋で、当時 免震層の掘削なんかやっているときに僕と佐々木さんで現場に行って。帰るときに ちょっとタクシー呼ぶ待ち時間があったんですよね。ちょうどその頃に この岡田さんの家の話があったらしくって。 中山さんの方から「ちょっと 京都でこういう建物の依頼が来ているんで、見てもらえませんか」という話があって。 佐藤:模型はまだ無かったのね 満田:もちろん。そのときは中山さんもまだ伊東さんにどういうふうに仕事があってっていう、話をしようってまだドキドキして、伝えてないくらいじゃないかなと思うんですよね。一応最終的に彼はこれをやって、良いよって言ってもらったのか・・・ちょっとその辺 ふふっふふ 僕も分かってないんですけど。そこがスタート地点だったんですよね 。何かほそーい敷地だし。 佐藤:O邸1っていう物件ですか 満田:そうです、O邸1の方なんです。彼の中には真ん中に柱を立てるということがどれくらい、ありか?っていうこと さがしてて。僕の仕事場 多摩美大図書館の時は 表参道に事務所が在って勤めていたんですけど。そこに帰る電車の中で聞くと。電卓叩きながら「だいたいこんな形でいけるやないですか」っていうのを。一応その東京の事務所に戻ったときに帰りの電車の中ではじいた、電卓の答えをさっとメールで返してみるっていうようなかたちで、やったのは覚えているんですけど。それが出発点なんですよね 実は今日は用意しているんですけど。こういう敷地なんです。 佐藤:O邸1の敷地ですか、間口2mちょっとしかない 狭い感じですね 満田:だから 岡田さん これだし、奥さんこれだし、これは立っているときですけど 佐藤:みのり君まだ こんなちっちゃかったんだ 満田:みのり君まだこんな感じです 佐藤:車2.3だとすると3mぐらいだね 満田:3mですよ、で最近 こないだ行ってきたら、売り地になっている ふふふふふふふふ 佐藤:岡田先生 売りにだしていると 満田:家 建っていると あれだけど、除けると よけい狭いというか 佐藤:そういうことだよね 満田:町中だからよく通るんで 通ったときに写真ぱちっと撮って、ああやっぱりまだ売れてないな〜ふふ 感じながら 佐藤:何坪あるんだろうね 岡田:奥行き20mある 佐藤:60uざっとね18坪ぐらいか〜 満田:奥行き20mだったら豪邸ですけど実は幅が2間もないという |
佐藤:その計画を担当して 計算やったと 満田:そこがスタート地点だったんで 佐藤:O邸1は構造計算してんですか 満田:しましたよ。提出した計算書ちゃんと ここにある ふふふふ 佐藤:設計図も全部出来てと 満田:出来てますよ。一応 佐藤:O邸1のダイヤグラムですか 構造図 岡田:初めて見るよ〜 満田:当時は いまみたいな 佐藤:こんな構造でしたって見ることができる模型のようなのないの 満田:えーとね 構造解析図っていうのが、これですね 佐藤:先っぽ 丸くなっているんだね 満田:そう こう丸くなっているんです 佐藤:O邸 はO邸1を引き継いでいるんだね なるほど 満田:で これが 佐藤:わかりやすい、この絵いいね〜これはO邸1の真ん中の柱が周辺に分散配置されて、ちょいと湾曲しさせたっていうのがよくわかるね。 これが実際の構造図ね これもいいね 満田:前の家の構造計算。 佐藤:構造の種別はなんだったんですか 満田:鉄骨造です 佐藤:鉄骨造でキャンティレバー! 外壁は構造になっていないと 満田:外壁は基本的に構造じゃないですね 佐藤:真ん中の柱 5本か 5本でO邸は頑張ると 満田:短手の軸組図っていうのも 佐藤:練習しちゃったんだね これ建たなくって よかったね 満田:ある種ね、建ったら ここ(O邸)には辿り着いてない 佐藤:設計料 無駄になってないね 満田:これはこれで設計料頂きましたよ 佐藤:こんな 太い柱を入れているのね 満田:埋め込みですから、しかも敷地幅一杯一杯に 掘らなくってはいけなくって、またここがね、ちょっと 佐藤:真ん中の柱のオダーは 満田:これはね、650H 佐藤:デカイね 満田:600Hでもいいんだけど。550でもちょっと厚いやつでいけたんですけど。なんで650にしたかっていうと、ここにスッポリ冷蔵庫が填るから ふふふふふ いろんなことも ここで起きてくるから。へんに550とかで無理して細くして。余分に物が出っ張るくらいだったら、スポットそこにはめるということで650に 佐藤:なるほど 満田:H型鋼で両脇にCチャンがびゅーっと入ってるんですよ。ここの部分に 佐藤:カカシが手を広げたようなところにね 満田:そうすると ここにスタンスが生まれますから、 佐藤:やじろべいみたいな 満田:それでここが片持ちとして反力がとれるようになるんで、 佐藤:Cチャンのピッチはどのぐらいの間隔で入っているんですか 満田:そっちはね 根太的にはいっているんで。中山さんはけっこう 佐藤:360pピッチじゃないですか 端は何でつないでいるんでかB4かな 満田:ちゃんとリストも用意しているんでお待ち下さい 佐藤:弥次郎兵衛の指先は つないだ方が揺れないですよね 満田:そうです、そうです 個材の揺れを防止するっていう B4はアングルの65の5 佐藤:小さいね 満田:あ横向きに受ける根太は125とか |
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佐藤:なるほど 満田:端つなぎは 根太に対してこういう感じで先端にぺたっと貼り付けて、それに対して留めるような。だから完全に設計としては完成してたんで。ふふふふふ 中山さんは松本市民芸術館もそうなんですけども。舞台の上に付けている簀の子と言われている、基本的にそういう角パイプとかを並べてっていうを経験しているのも関係あるんじゃないかな〜。ような気がしてますね。その前の彼のデビュー作の2004というのもそういうことやっているで。彼の中にインプットされいてるんじゃないかなという気はします 佐藤:そうは言って も揺れますよね、揺れはどうやって止めるんですか 満田:それはもう全体で端つなぐことで、だから心配なのはメインのキャンティレバーの揺れですよね。そこはもう僕もドキドキはしてました 佐藤:ぶっとくして 厚くするしかないと 満田:H鋼の剛性をがーっと突き刺してやるしかないわけでから。だから局所揺れがどれぐらい全体で納まるのかっていうのは僕も正直それは分からなくって。一応大丈夫だろうというふうな気持ちでやりましたけど。 それが実際「揺れるやん」っていうクレームになるかどうかって、ちょっと正直分からなかったんで。その揺れっていうのは最初の一番下のモーメント掛かっている一層なんで。本当にこれは「生活にならいよ」という話になったときにはもう、きゅっと伸ばしているところから何カ所かアンカーしてその揺れ止めるしかないな〜というふうには思ってましたね、うん。 佐藤:実際建たなかったので、その不安は体験出来なかったと 満田:そうなの、地震のときに関してはもう絶対壊れないっていうのはあったんですけど、どっちかというと普段の生活のときに、どれくらい何か。ちょっと風の強い日はとても寝れないみたいな話になるとか。そこまではちょっと読み切れない部分があったので 佐藤:風酔いね 奥行き20mだから風圧受けるよね 3階建てだから。廻り2階だとして 1層高いからね。ぶんーぶーび 風が当たると 満田:だし、やっぱりキャンティレバー造っていうのは僕自身も実際の処は経験してないんで、そこは多少の心配はありましたよね。 佐藤:なるほど 満田:うん。ただ最初の初層の揺れを (電話が入る)もしもし、はいはい ちょっと今ね 佐藤:いいよ話して 満田:うん、はいはい。うんうん。何でした。 親です 佐藤:電話続けていだたいて 大丈夫ですよ 。O邸1の基本的な考え方と実際できたら色々構造的な不安は いきなり生活の部分に支障を生じて、全て否定される危険性はあったかもしれないな。 けど。それはそれで、建たなくってよかったねみたいな 満田:これは これで見てみたい。在ったら在ったで。このときはね少しこの基礎が 佐藤:この基礎深さ何pですか 2.6×1.5Hぐらいかな 満田:そうですね 1.55mの深さ 佐藤:奥行きは 満田:ずーっと繋がってます というのは転倒に対する重石っていう、重石にしなきゃいけないんだけども、地盤が弱いっていうもの凄く矛盾した土地で。この基礎って言われている そこ改良して 佐藤:地盤改良は どうしてしたんですか 15:14 その02へ |
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