2010夏   ことば悦覧 in うるとらまんchin々  (仮想領域 大坂・京都)
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 2010年8月1日夜 in岡田栄造さんの家 満田衛資 さん 「えいぞうさんの家」を語る

 その 01  02  03  04  05  06  
 その05









佐藤:円錐形に成る屋根、この部分木造だったりするんじゃないの。
満田:このの部分は木造ですよ最後

佐藤:そうだよね 蕪束 当たり はそうだよね。
満田ここは木造
佐藤:この円錐の部位はおれが即席包丁コテで仕上げたんだけど、生クリームと生地細かく崩して円錐造った

満田:ここは木です

佐藤:出来ました真ん中メーンのフレームの連続が。
満田元々は2006年の2月とか3月から話してますから、この段階でもう3年経っているわけですよね ふふふふふ  やっと来たって
佐藤:鉄骨の錆止めと新緑の対比が美しいですね

満田うん良かった、本当にこの時はね

佐藤:これは ビデオ撮っちゃうよね、吹きつけでない手塗りのサビどめだとモット美しかったろうけど。
岡田この時感動したね〜 綺麗だったなと思って



 

佐藤:時々 むらがあるのはなんですか
満田:メーンフレームと胴縁的なやつとのむらですけど 配筋が終わって基礎梁も打ったでしょう 
佐藤:建て方精度チェックして これで満田さんの仕事は終わりですよと
満田というふうになるはずだったんですよね
佐藤:ふふふふ、まだ土間コン打ってませんね

満田:基礎梁も打設して、最終的に精度検査したんですけど。また精度が悪かったんです
佐藤:風も吹くしな〜 コンクリート打設してす こし歪んだんですか
満田:打ったこと で曲がったのか、元の材料の問題 ちがうか みたいなのは、なんかその辺は
佐藤:どのぐらい違ったんですか 2,3pですか

満田:普通建て入れって千分の一とかそういうこと言っているんで、まあo単位なんですけど、これ背が高いし
佐藤:ブレース無理矢理感があるけど頑張っている感じでいいじゃないですか
満田:それでまた、こう建っていくと段々分かっていくんですけど。下屋が取り付くじゃないですか。下屋、あの壁は出来ている状態でこれが建っていて。鉄骨だけ建っている。そうするとこの下屋の(梁)が行ったところに有るべきガセットの向き変ちゃうとかっていうのが けっこう有るんですよこの段階で

佐藤
:叩いて直すしかないじゃない
満田:もちろん叩いて直せばいいよとかもあるんですけど、
佐藤:もう そっぽ向いちゃっているのがあるのかな
満田受け材って書いているようなこの辺っていうのは、ここは木造の話ですけど。木造持ってきたときに どう見ても填らんよっていうような部材が幾つか有ったんですよ、あさっての方向を向いているようなガセットが何個か出てきたりして、その辺をどうしようみたいな、やっぱりやり直してとかで時間が喰うんですよね
佐藤:ボルト付いてないものね

満田:焼き直した後 なんですけど。一回ここに有ったやつを切ってここに持ってきたりとかっていうのを、その辺を図面で先に出せって言ったのを 最後まで出さなかったんで。けど、やり直しますからっていうことで何か、何を急いだのかっていうの有るんですけど。

佐藤:元請け鉄骨屋さんと下請け鉄骨屋さんと加工図書く人がみんな別々に仕事していて ガバナンスがないんだろうね。設計屋さんとしては 現場で調整なんかやりたくないんだけど そうなると
満田:やりたくない僕らとしては、気持ち良くないんですねそういう処って

佐藤:それはそうだろうけど、業界の多層構造 体質もあるから 見込んで処理方法を設計しても ヨサゲな感じはある。 そうい問題が、現場で切った貼ったをすると 溶接の精度も落ちるしね それが起きないために加工図書いてチェックしているんだからね
満田:そう 1:04:50


佐藤:受け材なんか構造上は問題ないんだろうけど きちっと作り上げたいからね
満田:ぴしっとやりたいし、メーンの部材じゃないんんだ、本体の話じゃないんだけど、繊細なことをやろうとしているっていう意思統一が引かれてないっていう時点でもう、ストレスになりますよね そこは  ははははは
佐藤:スーパーゼネコンに請け負わせてるわけじゃないし 面倒みんといかょ〜とも。ゼネコンに設計に居たんで思うのかもしれないけど 小さな部材でトン数も少ないのに手間ばかり掛かるのは普通の鉄骨屋の人情から言えば請け負いたくないよ。歩留まり悪いし 儲からないもん

満田そう、その辺が若手の いけないところでもあるんですけど
佐藤:坪単価高く発注者に話して スーパゼネコンに請け負わせる準備をしていて設計はじめれば問題ないんだけど。建築家が建築も安さで勝負みたいなアホなこと言うから コスト負担を下請け鉄骨屋に回しているだけの構図になるんだよね。鉄骨トン数が少ないけど  トン当たり単価は4倍とかにしないと 家具並の鉄骨の精度は保たないでしょうね 請負師の本音は

満田(コストは)あがるでしょう
佐藤:単価上げないと本当の品質をたもった処理が出来ないんだけど 一般通常単価で 「今回はバンバッて」肩叩いたりするから 高い単価払ったから出来る業者が居るとも思えないんだが 高級高度な細かな細工の鉄骨だけ請け負って飯くっている鉄骨屋さんて居ないでしょうからね

満田そこを熱意でと勝手に言う、駄目なんですよ
佐藤:日中戦争 15年戦争と同じやないかい 気合で敵をやっけるって 兵糧は現地調達してなんて アホな精神論でかたづけるなんて。 日本の体質は何も変わっちゃいないよね。 ワンセット仮に造って 建ててみて手間単価決めるのがいいと思うけどね。俺はやったことない型枠沢山造らせたたけど 4分の一とか仮組して 型枠やさんと相談して 型枠単価を決めていたけどね それでも足が出たらまた相談と、設計者が鉄骨単価とか設定し 加工図代いくらだと加工図業者を提案サポートしないとだめだよね。 加工図書く人を提供して原寸書いて 組み立て調整まで面倒見るつもりで単価決めないと。その基本の処理をしないで気合・論精神論に堕ちてしまい  けっきょく業界の技術力保全されぬまま 何も解決せず建築の事態は流れてすぎて終わるよね
満田:うん

佐藤:満田さんが加工図まで請け負うしかない 原寸建て方まで請け負うしかない時代がやってくるでしようね。 下請け業者消えて無くなる 京都でも風前の灯火の時代状況になってしまったからね 単価数倍にあげても たぶんその問題は解決しないですよ 自分で構造設計者が構造請け負う社会になるしかないんじゃないですかね 分業化社会は溶け出しているんだから この記録のこしても下請けはキチンと出来ないと感じますよ

満田だから僕がグレード指定っていうことするんですよ。要するにそんな単価で受けないから。だけどそれ外すのは建築家なんですよ結局。今の佐藤さんの話だとこれはこのくらい金掛かるからこうやってくれっていう
佐藤:余ったら返せと言っていたけど 俺は
満田余ったら返せと出来ればいいけど。僕ら(構造家)は直接交渉権が無いわけですよ、そこで

佐藤:そうだよね、満田さんは意匠設計者の下請けだからね 指示飛ばしても 限界があるよね。俺は意匠設計者だから 指示できたちゃってたもんで。ここで余ったらストックして 次の工事現場のとき 200百万使うぞとまで 金額まで指示してたね
満田:どっちかと言うと、グレード落とすけど管理しっかししてねって皺寄せだけ来るんですよ

佐藤:銭も現物の図面も支給せず 精神論で解決しようとしちゃうわけね、汗流せ論に堕ちてしまうとね 高校野球じゃないんだから プロでしょうが
満田:だからそれをあからさまにやる人は僕嫌いですそれは
佐藤:社会の人の動かしかたが分からないですよ それは 鼻つっままれるだけだよ 設計者の全体の世界にも悪影響をあたえる 建築家は押し付けがばりするって 画餅は食えんよと揶揄されるよね、それで技術力が上がるんであれば もうとっくに何でも作れる鉄骨屋さん出てきているよ そうなっているはずだ

満田それを さも自分がコントロールしているかのように、思っている人は僕ははっきりいってこの人だめだなって思いますし
佐藤:そりゃだめだよね 建築業者 動かないよ 指示しなくっても動くように建築作業の環境アーキテチャーを設計するんですよね。精神論は 環境監視型社会にふさわしい建築家の在り方手法ではない 古いやり方。 精神論では戦時中そのままだよ そやつは、もの知らなすぎるよね

満田:それを何かさも自分がコントロールしているかのように、思っていたりすると、だからそこは建築家の態度の問題なんで中山さんは良い方ですよ。うん。彼は偉そうにしないから絶対に。

佐藤:下請けに支払った伝票チェクはしたけどね俺は ゼネコン育ちなんで でもいくらでも操作出来るんだよ建築業界の銭廻りは ここが難しい建築業界の銭 そして面白い 

面白い建築造るためには 面白い銭の流れも設計しないと もちろん技術のストックもどうするか考えないと 地方で小さなゼネコンと協同して作るって 面白くって難易度の高い建築は造れない だから地方でその気になって 造り始めると 奧が深いくって 銭の流れまで設計しないと 成り立たないところが 凄くいいよね

 書生臭い建築家や大都会の建築家とは違う点だよね 俺は 何んにでも 人事から銭金から 滅茶苦茶ゼネコンに手を突っ込んでやってた。エア建築家になって戻したけど 実建築家のときはゼネコンの株主にも成っていた よ。投資金の2割の配当も もらっていたよ ふふふふ 当然だよね それはそうしたよ地方のショボい建築蚊の俺は。

そうしないと総合的な技術のストックの連続が起きないし 一人の田舎建築家はそこまでしないと オモロイ実建築作りの環境の支配ができないんだよね

満田いいじゃないです かそれは
佐藤:地方の 弱い建築家の知恵だよね。ゼネコン株主=設計者が考える明朗会計 原価伝票 総チェックしまくりまでイクいくよね もちろん利益も出すと 請負師を潰しちゃmy技術のストックが消えるので。 癒着って言い始めるに決まっているで 面白い、スリル満点なんだよね 実作建築環境を積極てきに監視し設計する世界は 書生建築家の世界とはまるで違う力が要るんですよね 株主になっても、その先に3段の防波堤は作らないと 田舎の建築蚊に処理はできないんだけど web記録なんで ここで 

満田:そこまでしないと 結局、しわ寄せが誰かに行ってるだけってのは最低じゃないですか
佐藤:うん 尻ぬぐわせ 合戦だね
満田:それを みんなで、その内容を共有できてたらいいですけど
佐藤:後で仕事やるからなんて 軽い空手形はだめでね、そこで決めてあげないと進まないんだよ
満田そこの男気も含めてなんですけど
佐藤:建築業界育たないよ 銭と技術と相対的な動きで 指示しないと。 一度請け負って出来たら あとは 縁が切れてしまうよ 

満田:だけど東京と違って地方、京都も地方ですから。その辺は狭いですから。やり過ぎはよくないし。
佐藤:手当てを放置してると 「構造家ね〜 こうぞう〜 満田ね あいつの仕事は〜」って みんなが鼻摘む 知らないのは満田さんだけ状態になるよ それは
満田うん 僕はそれを配分する権限無いんでは  はははは  無いから あれなんですけど、単にあいつ細かいこと言うやつやって言われるだけに終わるリスクしか背負ってない、やですよねそれはね ふふふふふ

佐藤:それは 建築家の責任だから 背負うことはないんだけど そうみんな請負師にされるよね ふふふふ
満田:だけど結果的に、そこまでやったらちゃんと評価に乗るものにするよっていう、評価させる
佐藤:交渉の仕方があるんだけど 満田さん意匠屋さんじゃないんで コントロール不能だよね
満田そこだけが 難しいところですよ ローコスト自慢する人って良くないですよね

佐藤
:ローコスト自慢ね あほちゃう いいとは思わないな〜
満田:交渉力は あるのはいいんですけども、交渉力の行く末。落とした
佐藤:金額がかからないのは誰でも いいだから 自慢して吹くような問題ではないよね 
満田言います 人 安いっていますよね

佐藤:馬鹿なんだよ だれも仕合わせにならないよ 高度な建築にコスト掛けないで安く造りますなんていうのは アホだよ 千万家っての造ったことあるけど 安い建築なんて言ってない。 安いて一切言ってない。 新聞とかは千万家安いという扱いで報道するけど 巷にアホを増産しさせているだけだ  マスメディアの記事の内容に俺は手を入れたり 触れることが出来ない 書く人の責任なんでね

満田貴方 自身の首しめるから言うの やめなさいって
佐藤:そういう 人たちは実建築を造る才能が無いんだよね
満田:うん


佐藤:岡田さんの家は建て方検査して 微調整し 建具入れて 後は仕上げに入るわけだね 
満田:その辺までくると僕らはもう
佐藤:それから 下地が付いてからは時々見にこなかったの、それで終わり

満田:木造部がちゃんと出来ているかと。プレート入っているかとか というのはチェックしたときの写真ですけど
佐藤:どんどん現建築に近づいてきました、お満田さんがおるぞ


満田:僕の中ではここの、柱梁とこの
佐藤:下屋の軒桁かな集成材で変形してるね、つくたんだ
満田:でこっち側から行くと 繋がってないじゃないですか。だけどちゃんと入れなきゃいけないし ここの継ぎ手をちゃんと噛み入れさせなきゃいけないから こう削りつつ入れているっていうのは うちの事務所の中では今後も採用しようと。みんなこれやりたがるんですよ これだけが見えている

佐藤:軒桁と母屋別のものだけど一体に集成材でつくったんだね
満田:それをちゃんとどう噛ませるかっていう意味では今のところベストディテールは岡田邸なんですよ、うちの事務所では

佐藤:ここの複雑な継ぎ合わせは現場合わせだよね 
満田そこは完全に現場合わせです。とくにこれ 7番目のこの棟梁とかばーっというの、どうのせるかって。
佐藤:ケーキで仕上げした俺も難しかったろうと 思った
満田:ふふふふふふ難しかったでしょう

佐藤:ふみゃふみゃして 棟が踊っていた、まだ踊ったよこの棟ってもんで
満田ラフスケッチだから正確な角度でもないし。僕らはそれ求められているから、そこどう納めるのって
佐藤:木材 設計者の都合に合わせて曲がらんしね この棟は無理やり感が出てていいすね ふふふふ
満田:これは離れだけは いいということで隙間空いててもプレートで留めておけばいいよというような
佐藤:昇り棟のムリムリ感が この当たりはケーキに似てるね うふふふふふ
満田:壁の裏側こうなっているんですよ

岡田:これ初めて見ました
佐藤:しょうがないけど構造的には問題ないからね
満田僕らにとって拙い状況は何かというと外れることなんで。外れないようになっていりゃそれで あとはタッチしているからいいし。そこの隙間も許せる訳ですよね

佐藤:屋根の下地材打つから ずれなくなるしね。出てきましたこれで玄関の扉が付きました階段付きました

満田この辺でああできたやっとできたここのデティールってやっぱり中山君も拘ったし。
佐藤:お目でとうございました
満田この棚に対して、あそこに部材ポンと出てないことがどれだけ良いかって

佐藤:それで 擁壁上の小壁の部分棚ができてる訳だね。柱と梁を兼ねて一体に造ってると

満田:それをどんだけださく見せないかっていう処の、メーンはここ(居間)のフレームだからここ(下屋)は誰も注目してないですけど。僕らとしてはここ成功だっていう意識が

佐藤:はい おもろいね 下屋の部分はサブだけども取り合い継ぎ合いが難しよね
満田難しかったですよ、意匠の人もぼくらがここ難しいからっていう 言い続けて。2本一辺にやろうという態度 最初は。だけど最後に現場 見て難しいっていうことがよく分かりましたって 難しかったですね〜
佐藤:下地を貼るとパキンとするよね
満田:この下屋つけることで、メーンフレームこれだけだと揺れるんでよね。さっき佐藤さん言ったように この辺の諸々を付けて安定してくると いうようなことをやってまあ 

佐藤:おめでとうございました
満田本当におめでとうございました、これが8月ですよね お盆の直前でこの頃から見学者が増えだしてるんですよねふふふふふ 色々 

佐藤:一旦休憩して 出来上がった時の感想をお聞きしますので
満田:はい


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