ことば悦覧 in 東京 2010(4/3〜4 版 記録集        home  

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佐藤敏宏伊庭野大輔31)さんに聞く2010/04/04 pm10〜12:30 曇り

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      その06

  LRAJの活動 

佐藤ことば悦覧の活動では独立系建築家やアーテストなどを主にインタビューしてmyHPに記録を公開していたんだけど。今春の聞き取りはすこし変えて LRAJ2010の人々に焦点を当てようとしているんです。

 LRAJの活動3回はイナックス銀座で行ってきたわけですね。チームのメンバーのなかで藤村さんだけが目立ってているような空気があると思います。プロフェッサー建築家の道を歩むために皆さんがサポートしているかのような 誤解有るかも?の単義的様子になっていると思うんだけど。

伊庭野:
そう感じているっていこことですか?

佐藤:2年前の竹屋旅館でのワイワイ記録ががあるけど。その後の結果を見るとそう思う。俺以外にもそう感じている人が多いと思います。伊庭野さんのことは大方知らないだろうし他のメンバーのことも同様でしょう、そう思うんです。

チームはメーンが6人いて各自得意な場所を担当して動いている。

その中で藤村さんは司会、それから舞台正面で6人で作ったプログラムに乗って行動している。皆さんで議論し決めてLRAJを行って、その場でフリーペーパー作って手渡したり。議論の場を設計し実行したり。と多義的な行為

チームの皆さんとサポーターの方々が参加し、ああいう活動をしていたんだという裏や内実を。参加したり、USTで見たり プリーペーパーに接した 観客のみなさんも裏の事実も知っているほうが好ましいと思うんだよね

伊庭野:そうですか

佐藤:どうしてかと言うと、LRAJのような活動は各地そこらじゅうで行ったほうが建築界隈のためにいいと思うから。一人のスーパーマン藤村さんが居て彼が全て組織して、軍曹と言われ、分かり易いような命令形で成り立っているようんじゃないんだが、そう勘違いされている誤解している人が多いと思うんですよ

伊庭野:誤解じゃないですよ
佐藤:ふふふふ、その通りなの
伊庭野:ふふふふふ
佐藤:伊庭野さんはそう感じているかもしれないけど。全てのチームの人・人を聞き取った訳じゃないから、伊庭野のさんの声だけでは決めつけられないよだからどう感じているのか聞き取りを開始したんだ

伊庭野:実際そうなっているんじゃないですかね
佐藤:今年 10回発行し フリーペーパーは終わったんだよね
伊庭野:そうです
佐藤:最初は1号2号合併版で間に7本出されて。今年で10回目の発行と。ひと区切りついたと。伊庭野さんは最初から関わっているんだよね、巻き込まれたというか。

伊庭野:だから結局最初は、本当のことを話すと、藤井松島
佐藤:その話は竹屋で話したことだね
伊庭野:それは省略して いいです

佐藤:松島さんと藤井さんが最終電車に乗ってくつろいでいると藤村さんが建築議論を吹っかけて来て マンガを楽しく余暇を奪われたいったって話

伊庭野:そういうふうに思っているわけじゃないですか

佐藤:だってそういう話してたじゃない

伊庭野:僕は言ってないですよ、だってそれすらが作り話っていうか
佐藤:はははははそうかはははは、じゃ伊庭野さんの話を聞こうじゃないか

伊庭野:僕と松島藤井仲良くって同級生でいつもつるんでいた という、建築の話をしていたいんです

結局そのときに、その3人が社会人になったときに、それぞれ別の道を歩んでるから。それぞれ別の事務所に入ったから。社外の他の事務所がどういうことをやっているかを集まりながら、お互い見せ合いこしようみたいな。そういう軽い気持ちでやっていて。そこで 藤村さんに最近会うんだよねっていう話を松島と藤井がしててじゃちょっと呼んでみようかっていう話になったのが始まりなんです

佐藤:なるほど
伊庭野:僕は終電で 会っているわけじゃない
佐藤:なるほど
伊庭野:帰り道 違うし

佐藤:ということは、大きな組織事務所と、有名アトリエ建築事務所に3人が勤めていて、お互いが、そこに浸かってしまうと身に付かないような情報をお互いに共有しあって補強していこうという話が始まりだったのね

伊庭野:そうです そうです
佐藤:それぞれの事務所についての勉強会を開いていたのね
伊庭野:勉強会です
佐藤:今年のようにあそこまで他者まで巻き込んで派手な勉強会しようとは思っていなかったと
伊庭野:僕は全く思っていなかった。それをやりたがっていたのは藤村さん。ぼくは自分の考えを世界中に広めよう!そういう野心は全く無いんですよ
佐藤:ふふふふふ

伊庭野:自分の身の回りだけ、生きる範囲だけ整えればいいぐらいにしか思ってない
佐藤:伊庭野さんが違う方向に巻き込まれていくって、実際は巻き込まれて派手に活動しちゃったんだから

 ははははそれどうして? 消極的だった伊庭野さんがそうなったか?っていうのは興味深いね。面白いよ。実際活動していると面白いの?

(絵 LRAJ2010伊庭野)

伊庭野:
やっていて面白かどうかですか面白いですよ!結局そういうふうな巻き込んでくるっていう人も、自分の条件の内の一つなんで。それをむげに断るんじゃなくって、うまいこと、それに対して全て尽くすっていう訳じゃなくって。自分の回りにあるそういう状況を楽しむっていうか。

佐藤:今回LRAJを見てて、伊庭野さんは会場係と印刷係りと両方、各方面に連絡したりとか、楽しそうに気合は入れて!動いてたよ
伊庭野:楽しんでやっています
佐藤:そう見える
伊庭野:やっぱりそういう状況を
佐藤:自分の出来る範囲は集中して行動し、出来ない範囲は他者に任せると
伊庭野:そう そう
佐藤:凄い集中して行動しちゃっている伊庭野さん、と思っちゃったけど、気合入りすぎているじゃんと ふふふ

伊庭野:やるときはしっかりやらないと気が済まないんですよ!
佐藤:なるほどな
伊庭野:2ヶ月集中する話ではないですけど、その時だけは集中してばーんとやる
佐藤:会場係の学生にもの凄い気合いれていたし

(絵 左会場係りの学生さんに 気合いを入れる伊庭野)

伊庭野:そうそう、気合は入れすぎ こしたことはない

佐藤:傍で見てたけどそういう印象があって。さっきの発言では活動には気合はってないような言葉が出たんで??? あれ違うなと思ったんで。 気合入れたり抜いたりしながら楽しんで活動しているってことだ。伊庭野式対応!、状況に合わせて、気合い入れて活動したい処は気合い入れて行動していると
伊庭野:そうそう
佐藤:器用に活動しているってことだよふふふふ
伊庭野:不器用とか言いながら〜はあははは
佐藤:自分にとっては器用に立ち回っているんだけど、外部評価としては不器用に見える場合もあると。そういうこともあると。それはしょうがないよね。

与えられた状況を拒否するわけでもないけど、自分が能力を発揮できる場で集中して活動していると。藤村さんが藤村主義を広めようとするのは許すけど、お手伝いは伊庭野さん自身が楽しんでお手伝い出来る範囲だけを集中して活動するとそうしてますよと
伊庭野:そうですそうです

佐藤:藤村さんが有名になっていくことに対してはいいじゃん!という態度だね。伊庭野さんは楽しかったしと。それでいいのかな
伊庭野:まったく良いですねそれで藤村さんは有名になりたいっていう、希望があって。僕はそうなりたいと思っているわけじゃなくって。成りたいと思っている人を邪魔する必要もないので。
佐藤:成りたい人には、なってもらいたいよね。なって良かった良かったと
伊庭野:そうそう
佐藤:俺も そう思うよ
伊庭野:おめでとうございますと。逆に有名になりたいか?っていうのはあんまり、誤解があるとは思いますけどね。分かんないですけど結局なんなんですかね、藤村さんのああいう野心というのか。自分の考えを社会に広めようとする態度は

佐藤:旧来の建築家の王道を歩んでいるように思うよね。建築家というのは順序を踏んで成長していくと。議題設定をして、コルビュジェもそうじゃないですか。新し雑誌を作って、自分の考えを広めて、社会貢献をしたり、社会の趨勢を誘導したりする態度。何度も繰り替えされている 建築家の王道をを自分なりに拓いていく。プロフェッサー建築家になって、学生を鍛えて弟子を育て、自分の考え方と領土を領民を拡張していく。いいじゃない

伊庭野:歴史の教科書に残る人になりたいみたいな
佐藤:過去にそういうモデルが有るんで。それをなぞるのは分かり易いのでいいと思うけど。 今世紀に旧来の建築家王道で産まれる建築家が必要なのかどうかは分からないけど。 過去にある成功モデルを踏襲して、そうなっていきつつあると。、そういう感じはするけど。それが今世紀にどういう意味をもたらすのかっていうのはまだ分からないよね。

伊庭野:だから藤村さんはそういうこともしようとしているんで、全然 OKです
佐藤:OKだよね
伊庭野:僕は逆に言うと、そこまでするための、犠牲にしているものがあまりにも藤村さん見ていると多すぎるので。

佐藤:内容は分からないけど。そう思うのは伊庭野さんの勝手な考え方、見方だと思う。彼は犠牲にしていない、そう思ってないかもしれない
伊庭野:藤村さんは犠牲にしてると思ってないかもしれないど仮に僕が自分が藤村さんみたいな生き方をしたときに、自分、犠牲にしているものが多すぎて何かこうまあ、そういうのは自分には向いてないなと。結局歴史に残る残らないの話死んじまったら変わらないじゃないですか

そうなると自分がいかに自分の状況を楽しめてて。ストレス無く生きていけるかということの方が大切なのかな〜という気がしているんで。 もちろんだからてホームレスになって欲しいとか言っているわけじゃなくって。自分の置かれた状況の中で一番高見を目指しめるような状況っていうのがあれば、自然と

佐藤:楽しむ中身が分からんけど。伊庭野さんの場合は自分の守るべき生活というのがあって、生活を楽しく保てて、それから建築いう領域のなかに入っていき、淡々と進んでいけばいいと。普通に暮らせばいいと。
伊庭野:そうです、何か、フクオカ・シンイチ の本かな、読んだのは。ある目的に対して、例えば地図で、ここの場所に行きたいというときに。地図をしっかり読んで、こう行ってこう行って、行くみいたいな、ルートを正確に頑張ってなぞるタイプと。目標がこっちにあって、なんとなく町の状況を楽しみつつ、ここらに在るだろうなと、行き当たりばったりで何となく辿り着くタイプ2種類いるらしいんですよ生物っていうのは。

佐藤:考えないのに、そこへ行ってしまう人もいるんじゃないの
伊庭野:そうそう、気づいたらそこに。だから僕はけっこう地図を読むのよりも、そうやって、行き当たりばったりで何となく行く方が好きなんですよ
佐藤:オジサンになったから言えるのかもしれないけど。どっちでも、その人間らしさに到達してしまうと思う。その人らしくしか成らない。自分がサクセスストーリー作ってその通り歩んでいると思う方法で満足するのもいだろし。行き当たりバッタリでそうなって行いき 満足できるのも いい。

その人間の可能性の中にしか目標と結果は無いと思う。自分の個性がつくり出す範囲にしか収まらない到達しない。自分を脱出して全く異なる自分になるなんて狂者なら到達するかもしれないが そうはならないと思う

目標を見付けたっていうことは個性の中に納まっている だからそこに行くだろうし。個性に合わなかったら外れてしまうし。好きに進めばいいと思う。オジサンになって思うのは。好きにやりなさい、その場その場主義でいい。

伊庭野僕もちっちゃい頃は結構地図読みタイプだった。で、その目標どおりしっかり行かないと気が済まない
佐藤:そういうのってストレス貯まる、疲れ多いよね
伊庭野そうなんですよね、だからね、だんだん自分がステップを踏み外す。人生で何度か踏み外す。そのたんびに、あ、目標どおりに、目標掲げて失敗するとダメージも大きいし。結局なにか失うことも多いみたいな。そういうのを段々学んで来た。 製氷器五月蠅いですねふふふ ドンドン五月蠅く成ってくる
佐藤:ほんとうだね、唸っているわ

   製氷器 がががががががが唸る〜

佐藤:でもいい 音は入っているから続けましょう
伊庭野入ってますか?もう少し近くで喋りますか
佐藤:そうだね。それはどっちでもいいじゃないかなと思うんだよね、自分が考えた通り人生が進んで満足出来る人もいいし。自分が考えてなかった人生を歩いたけどまあ、良いジャンでもいい。伊庭野さんは今のようにストレスが無い方が合っているんだから。ストレスが有り続ければ生活が破綻するで、精神疾患に罹るからね。当たり前の生活でいいんですよ。飯喰って彼女をつくって、友達つくって

ががががお   お!氷が落ちたな

伊庭野:氷落ちましたねは ははは
佐藤:友達作って、時々喧嘩して悩んで〜みたい
伊庭野:お!
佐藤:製氷器の音が消えました ふふふ 素晴らしい! 静かになった
伊庭野このまま騒音が続いたらどうしようと思いました

佐藤:どっちでもその人の個性の中にしか人生はない。達成出来る可能性は最初からそこに埋まっていて自分が発見しするしかない!そんな気がするね。だから好きに行動してもそうなってしまうと。好き勝手におし!ってことですね
伊庭野:何か抽象的な話になって来てしまいましたね

佐藤: この店の 製氷器が 五月蠅いからだね 15:19

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