大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

 井戸健治さんことば悦覧 2008年 5月13日午後 高津 ビルの5階井戸さんの事務所にて   
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   その02 16分 38秒〜 

佐藤:それは何故か、情報が多すぎる オレンジのシャツ着ていたとかさ 全部落ちてる このICレコーダーには入ってないから 言っている事だけが 純化するって言うのかな 現実に在る多量の情報は 非常に整理されて音としてしか残ってないので 意外にこちらの方が ここで聞いているより理解が進むんですね そう言うことがあると言うのがよく判った来たと 

と言う事は時間が経ったり 機械で記憶させたりすることの方が 人間を介すよりは よっぽど伝わると言うか コアな大切なものはちゃんと残る と言う気もするね インターネットってそう思うんですよ その辺の所はあと20年経ってみないと もっと明確いに 読んだらすぐ判っちゃって と言うのは20年後じゃないと判らない。

 とりあえず僕のそういう仮説をもとに やって行きたいな〜と そうすると200年前の人の話も、さっきの仮想人間じゃないけれども、想像力は 歴史を縦横に往き来する能力と言うのを、文字起こししたり 記録・観察することによって獲得できるような気がする。 意識的にやっている人がいないので 出来ないんだもん自分の言葉を全部文字の起こして記録するなんて出来ないんだもん 

考えただけでも記録するなんて行為は 金掛かったじゃないですか。時間も要るし紙代も要るし 権力が伴わないと成り立たなかった


井戸:外国の人やったら 居るんです 
佐藤:ああ いるの
土井:脱線していいですか 
佐藤:いいですよ 自分の言葉を記録し続ける人は頭がおかしい人とか 記憶力が0の人、そう言う人しかいないような気がするよね。 

井戸:おもしろくって今読んでいるんですけど 
佐藤:井戸さんが面白くって今読んでいる。これなんですの
井戸:ハッンス・・って言う
佐藤:これ記憶出来ない人なんですか

井戸:この人自分自身が言っているんですけど  デュシャンのインタビュー集出ているじゃないですか 。あれ読んで感銘を受けて ようはアーテストとか建築家にインタビューしまくろうと。言って、それがぜーんぶ。インタビューをずーっと記録して 

佐藤:すごいね〜これ自分で文字起こししているの 
井戸:自分でやっているかどうか分かんないです スタッフがやっているかも判らんですけど 
佐藤:すでにやっていたと 
井戸:ほんで インタビュー読んで
佐藤:知らなかったね 
井戸:インタビュー読むの好きで この辺そんな本 見付けてきて
佐藤:へーえ

井戸:なんて面白い事している人なや〜と 
佐藤:ハンスなんて言うのかな

井戸:ハンス ・・ビン・・
佐藤:ドイツ人ですか
井戸:何人やろ 
佐藤:カタカナに起こすの難しいねはんす
井戸:オブリ ヒオブリスト

佐藤:リストと言うぐらいだから ジャーナリストとかそういうたいぷいなのかな もともとはどういう人なんですかこの人は 
井戸:もともとキューレター ですわ
佐藤:ああそうかそうか 
井戸若手のキューレターで コールハースと ようは若いときインタビューしまわっていた 
佐藤:この人何歳ぐらいの人ですか 
井戸:65年うまれやから 
佐藤43才だ 随分若いね 
柳原:68年だ 
佐藤:ああ いるはな〜 やっていそうだ

柳原もうすでに有名な人ばっかりだから
佐藤:無名な人ばっかりねらっているから
柳原:だから佐藤さんの方が上ですよ
佐藤:有名な人ね・・ 偶然 で会うのはしかたない

井戸:この人は有名な人ばっかりなんですよ 
佐藤:俺 30前後の無名で まだ会った事無い人間に対象を絞ってインタビューしているからな 
柳原:建築家からアーテストまで 
佐藤:有名じゃないというのが 重要だとおもうんだよね 
柳原:これちょっとミーハーかもしれない
井戸:ミーハーやけど ミーハーなんが好きな僕にとっては これが一番格好の好物になんや〜  わらい

佐藤:そうかそうか
井戸:読むのには 
佐藤:そうか
柳原これ面白いから買おう〜 
井戸:すご〜いおもしろいで これ 読んでいたら 

佐藤:まあ 俺のことば悦覧も同じくらい面白いよ  ともにおおわらい 
井戸:なんかライバル心をもやしてる 
佐藤: わらい だれか来たよ 宅配やさんが来る これは何て言うタイトルですか 

柳原・・のインタビュー 
佐藤:インタビューと言わないとこが 俺には重要なんだな
井戸:ははははと わらう
佐藤:これはマイク。オイラはICレコーダー 
井戸:だから有名な人ばっかりなんで 

佐藤:本にするって言うのは売れなければいけないからね 
井戸:インタビューしたりする処も公開したりするですよ 
佐藤:そうか こういう前例があるのはいいよね これいつやったか判んないけど
柳原:最近ぽいですね 

井戸:この10年ぐらいですよ。この人 やり出したんは まとめたんは5年ぐらいです
佐藤:建築あそびと同時代だな なるいほどね 
井戸:ほんで 今年横浜トリエンナーレ なんかの メインのキュレター

佐藤:そうか 俺 パクったみたいに思われる可能性あるな まあいいや
柳原:無名だから 
土井:決定的に違う 共にわらう 
佐藤:それに会った事無いと言う人達だし でもこれはこれで いいんじゃないですか、成功談議

井戸:成功談と言うか 例えばあの時の作品は どう言う状況で作ったか とかどういう 気持ちだったの? 
佐藤:振り返り集か 
井戸:半分ドイツ語。半分英語 トランスレーション とか今何に興味もってますかとか 何したいですかとか 一通りのインタビューするんです 

佐藤:何を聞くかって難しいですね 井戸さんはやったことありますか 
井戸:ないです
佐藤:僕は初めてやったんですけど 何聞いたらいいか良く判らない わらい なぜ独立して活動するのって言う話は聞いてるし 

井戸:さっきの話ですね
佐藤:聞いたから良いんですけど 言葉の話に発展して行ったので 面白いですね井戸:本でも確かに、僕もインタビューばっかり読んでいるんですけど インタビューば読むのには一番面白いと思う  

佐藤:モノローグはだめですか 
井戸:批評とかですか 批評は批評家の作品じゃないですか 
佐藤:なるほどね
井戸:批評家の作品であるから意味があるじゃないですか その人独自の解釈があるからね と言うことは 一次情報から距離があるじゃないですか 
佐藤:ありますね 
井戸:だから作家の息づかいが分かんない。何に対して一番その人が興奮してんのかって。

佐藤:そうだね
井戸:その人独特の興奮してるとことがあるから、ずーっと続けて。10年掛かる作品つくたりするわけでしょう 
柳原:何処まで聞くか〜って
佐藤:難しいですよ 考えていることを引き出さなければいけないし 、聞きすぎると人生変わっちゃうからどこまで 聞き出したら良いかと言う問題が ある

井戸:それで人生変わってもお互い様だ と言うか それはその人の問題だ 
佐藤:そうですね 結構むずかしい。意外に真剣勝負というか
柳原:そうね 井戸さん 日本人でもやってますよ インタビュー
井戸:なんとかっていうコールハースインタビューやっている 
柳原:色んな建築家とか 

佐藤:人の話を聞くと言うことが流行っているのかな
井戸:そんなん有名どころだけですよ 
佐藤:あんあん 日本の建築家へのインタビューで拙いな〜と思うのは、建築家になり損なった人が聞いたりするじゃないですか 
井戸:なり損ねって言うより若手の人でしょう 

佐藤:劣等感とか憧れをもって聞くのは 
土井:なんか奉っている感じは しますね
佐藤:それは よくないと俺は思う 対当で聞くというのが重要だと思うけどね 恐れていない、尊敬しないで聞く 普通に聞けるというか そう言う条件が重要で それが無い限りは何も追求し聞き出せないじゃないですか 。尊敬してたらこんなこと聞いては失礼かな〜なんて考えてはいけない 。失礼な事でもじゃんじゃん聞かなければイケナイ ここ聞き逃してはいけないな〜と ツボがあるじゃないですかね 。あんた失敗しますよ〜なんて聞いてはいけないなんてことはない 、。失敗するからこそその問題の因が照らし出される。成功というのは現状にあっちゃうから 成功するわけであって、成功によっては根本の問題が顕在化しない。

自分が挑戦して失敗すると言うことは、挑戦の意味と社会が求めている 何かが違うから失敗するわけで、だから意味がある 。そこで初めて両者の違いがわかってそこで初めて社会というものが少し透けて見えだすわけだよね 成功した者から あまり社会の根源的な問題は見えてこないですよね 合っているだけだからやがて滅びる 佳かったねって話で 情報としては大して役立たないと思う 

成功話を聞いてね なぞっても時代はもうすでに変わっているわけだかさ〜 成功しないんですよ 

土井:そう言う意味ではこれは成功談かもしれません 
佐藤:それは害になるかもしれない あんまり良いと思わないね 成功談を読んで 意欲湧かせて行動しても失敗するよね 。そういうのではなくって 

柳原:これ5年後変わらないかもしれないですね。佐藤さんの場合5年後ちがう
佐藤:中身が違うと思う 俺自身は年老いて 行く
井戸:これは別の意味があるんです 作品との距離を少なく 一つのルートで結ぶために まず批評 でなくって本人のキャプションか 本人の言葉が

柳原:これはマレーヴィッチの ・・一緒ですね
井戸:マレーヴィッチのキャプションは 芸術の価値の意味の問題だと言うふうに 価値をどこに どう言うふうに発生させるかちゅう 構造の問題やと思うやけど これは違うもん 

佐藤:芸術に意味を発生させるって 凄い難しい話ですね
土井:これは単に 僕みたいなミーハーな アートをちょっと 囓りだした人間からすると なんちゅうかな ちょっとと っかかりが出来させてくれる のに最適や。それは構造の意味やと思う わらう どっちがエラとかでなくって それぞれにはそれぞれの意味があると言うこと 

佐藤:
近代の芸術運動が始まってまだ100年ちょぼちょぼしか経ってないので 100年ぐらい前にこういう 過激な 意味を剥奪する その構造の激変が起こってそれが記録されている と言うのは面白いです ね それは何回も 繰り返し繰り返し 考えなければいけない問題だと 思いますよね 

土井:この人から出ている人 この人の向こうに行っている人 僕居ないと思うんですけどね いまだに 
佐藤:それは美術の均一空間と同じじゃないですか もっとこっちの方が凄いですか。この人は考え方としてはね ミースの方が 商業ビルにもなるし、アパートにも成るし 

井戸:あれは表層の出てきたやつを どう応用すると言う話 じゃないですか。ミースは元々もっと複雑ですよあの人は やっていることは なんちゅうたらいいかな 僕にはもっとドロドロしている様にみえる。そんなシンプルで いろんな言葉で片づけられるようなもんじゃないと

佐藤:奥さんも発狂しているし 二人目かの 女性との関係も面白いじゃないですか 変人だから時々しか会いにいかないとか 

井戸:結局ドイツに残したまま 
柳原:後ろのファンズワース邸だってそうだよね 
佐藤:オバサンはお医者さんで 
井戸:もっと愛人が 投げかけて 裁判になったんですよね
佐藤:これは そのごお金持ちの人が美術品のように買ったんじゃなかったっけ

柳原:今売却してますよ  
井戸:ここまで行くとアートの作品と一緒で 投機物件で次から次へと 行くだけでしょうね 
佐藤:坪500万円か かってもそんなに高くはないよね そういう意味では最初に建築がアート作品のようになり 投機の対象になったものかもしれない 建築がアートに変わって転売され続ける そういう意味では近代というのも いろいろ面白いな〜  ドンドン話が発展してきましたね〜 

柳原:ぼく 帰るタイミング  うしなってる 爆笑 

  33分 49秒   次のページへ