第2回 toshi chan の いる建 いるけん  home 
      松川昌平さん 初建築 in 砺波  インタビュー記録  

11月中旬 松田達さんの日記に 以前 建築あそび に参加していただいた 
松川昌平さんが 砺波に「初建築を完成させた」と書いてあった。 早速 見学可能かどうか 問い合わせメールを松川さんにした。 好運にも! 松川さんに案内していただけることになり。 写真撮影・見学・インタビューが実現。 その時の記録である。 

 01 ネット縁  02 建築はインターフェスの集積だ   03 ハイブリット行 
 04 実現     05 コンペ案    06自己組織化   07経歴   08 ワインバー
       

2005年 11月23日 曇り時々晴れ AM11:30〜PM1:30  富山県砺波市 松川昌平 初建築 休憩室にて佐藤敏宏がインタビューし頁を作成した 校正完了06年2月14日
 撮影・画像・写真・ダイアグラムの画像は、顔写真を除き 全て  松川昌平さん提供です
 

 01 ネット縁! 

休憩室のテーブルを 貸していただき インタビューの準備をしている佐藤  
松川 発注者の方がたに 話しかけている
 

松川:休日などお客さん 多いんですか

発注者:土日の方が 平日より多いですね

松川:順調ですか

発注者:はい 微笑む

佐藤:インタビューです。デジカメで松川さんの顔を撮っておきましょう。笑う

共に笑う・・デジカメで撮る佐藤

佐藤:喋っていると写真撮るの忘れちゃうんですよ

デジカメのシャッターを切る佐藤

松川:インタビューとか・・緊張気味の松川

佐藤:そうですね・・・聞き手は インタビューのための教育を受けていない 素人なので じゃー・・一つよろしくお願いします
  

松川:よろしくお願いします

佐藤:まずは 初建築の完成 おめでとうございます

松川:ありがとうございます。

佐藤:そうですね〜いきなりこの建物から始めますか、それとも徐々に脈絡無く

松川:脈絡無くで・・

佐藤:この建築のような感じで四方八方に行くというなことで

松川笑う

佐藤:じゃ〜だいたいこの建築の事を、松川さんなりにお話ししていただきましょう

松川:どうしようかな・・簡単な経緯から。

s:そうですね、この建築を見た人はわかるんだけど、記録を読む人は判らないだろうから、どういう経緯で出来たかを話して頂いた方がいいかな〜

松川:まずは、クライアントは先ほどの女の方で・・声ちちゃくでもいいですか

s;声チッチャくても大丈夫でしょう

松川:クライアントの方は先ほどの女性の方なんですけど。知り合いでも何でもなくってですね、いきなりホームページを見て、一昨年か・・去年の6月頃にいきなりメールが来まして、で「設計をしてほしい」と。

s:ネット繋がりの ご縁ですか!!

松川:去年の9月頃に初めてお会いし、その三週間後ぐらいに、プラン持っていったんですけど。、一番最初の要望というのは、道が三叉路になっていて高速道路も通っていて、凄く車から目立つというのが第1条件で。とにかく外観を見たとき目立つのが唯一の条件みたいなもので。あとは美容室をやりながら 泊まれるような「住居も併設した美容室建ててください」ということで。要求面積が130平米ぐらいですね。敷地自体は一寸変形の台形みたいな形してるんですけど、敷地面積自体は330平米ぐらいなんけど、丁度半分位のボリュームなんです。最初 御施主さん2階建てを要求していたんですけど、「これだけ敷地が贅沢なので平屋がいいな〜」と最初っから思ってまして。

最初に言われてた予算が税引きで1300万円。結局 最終的に結果から言うと、税込みで1680万ほどなんですけど。平屋なので(笑)おおくかかってしまったというのがあるんですけど。この面積で。坪で言うと40万円強でやったというのが一個あって。

まず最初に僕たちが提案したのが、美容室って、壁に向かっておっきな鏡があってみんな同じ方に向かって座っているじゃないですか。「あれをなんか ヤメよう!」と

佐藤:それは どういうことでしょうか 

松川:美容室ってどこへ行っても ビルディングタイプというか プロトタイプあるじゃないですか

佐藤 わらう

まずそこを疑え!」みたいなところから。あれをやっちゃうと どうしてもワンルームのでっかいのが、ボーンと空間があって。で事務室があって 空間の構成がそれより いじりようがなくなってしまうような 気がして。あとは装をどうするかという話に陥りがちなので。まず最初に「根本的な処から疑ってやろうという」というのが僕にはあったんですよね。

もう一個は。そこから個室っていう話が出てきて。個室にしながらも、完全に個室にしちゃうと、こんどは全体の繋がりがなくなってしまうので。「個室にしながらズルズル全体が繋がっている ことをやりたいな〜」というのがあったりと。

あとは 北陸は凄く雨が多いんですよね〜。だから個室それぞれに庭が併設していて、天気が良いときは外で切れるような。

s:ふんふん

松川:「そういう開放感がある美容室がいいじゃないか」と。それで気に入っていただいて「じゃこれで是非やろう!」ということになって。

s:過去にあった美容室のビルディングタイプ。壁に鏡ついてて、並んでいる一般的な美容室のイメージは一気に消え否定され、松川さんの提案がすんなり受け入れられたと。たまに モメなかったんですか。

松川:お客さん自体はむしろ、「そういうのが嫌だ」と言う。アグレッシブというか

共に笑う

お客さんに僕もすごく救われているんですけど。そこはまったくモメずに むしろ喜んで頂いてましたよね。

s:騒音が入りやすくなりそうなのですが、二階を要望されたというのは どういうことだったんですかね。

松川:最初は、個室とか、ビルディングタイプを疑えみたいな考えはなかったので。単純に一階に店舗で、二階に住居という。

s:いまインタビューで使わしていただいてる控え室というか 休憩室のようなものを二階にあげて造ると

松川:ゴクゴク普通の要望だったんですけど。

s:それから 「目立つ」というのは 内容が分からなかったんですけど。確かに変則 交差点がありその上に 高速道が通過しているので 騒音が一杯入ってきて、条件的には厳しいというかダーティーな場。そういう環境だと感じるのですが。いろいろ乗り越える方法はあると思うのですが

m:そうですね。

s:それをマズどういう風に考えられたんですか

松川:あまり目立つということに、実は御要望はそれだけだったんですけど。あまり考えてなかったんですよね。目立つイコール 何んなのか という。結構 定量的に考えちゃうと答え 出ないので あんまりそこは。目立つから こうしたという論法は全然考えてなかったですね。

s:松川さんにネット縁で頼まれた。なにか実作があって見て、頼まれた訳でもないのに「目立つ」というのは 単にこういう立地条件、敷地のある条件からきて、「目立った方が お客さんの入りがいいのかな〜・・」そういう感じだったのでしょうかね・・。

松川:だと思いますね。僕の作風みたいなもの当然判って頼まれてきたわけではないのでたま たま キット頼まれてきたと思うんですよね。何十人か 建築家をピックアップして という話をされていましたけど、けど全員チエックされている訳でじゃないので。 たまたま僕の処にいらっして、たまたま僕が提案したのが、気に入っていただけてという。本当に いい縁とうか。そういうものの固まりだと思うので。最初のそういう「目立つ」「目立たない」とかいうのが途中から どうでもよくなって。

s:どうでもよく なっちゃっていった。最初にプランを出され 話が展開しつつ、初期条件が消えて無くなってしまった。

松川 ;そうですね

s:次の段階はどんな話になっていったのですか。


松川:え〜と ですね。先にじゃー 簡単なコンセプトをやってから、その 計画段階から実施の段階まで いろいろ問題点が有ったんですけど。その話やっていたほうが良いと思うので。

持参のノートパソコンを操作し始める松川

s: 同業者の人が美容院をつくり慣れた建築家を紹介してという展開というのが、一般的でしょうが。松川さんのような若い世代は ネットにて いきなり仕事に展開 というのが当たり前か〜みたいな。

松川笑う。いや判らないですね。廻りでそいうこと聞いたことないのですね。たまたまだと思います。

s:たまたまと言うか、来るべきして松川さんに来たという気もするんですが。その事を どういうふうに自分のなかで考えているんしょうか。

松川000スタジオという名前にしたときに、ゼロ・ゼロ・ゼロと三つ

佐藤 大笑いする 

そうすると 名前順の検索では必ずトップに来るわけですね。それは 最初の方には戦略がありました。

s:なるほど 笑う 

発注者のかたが入ってくる

松川:すみませんおかりしてます

発注者:はい。寒かったら つけてください。

松川:はいありがとうございます。

s:建築家がスタートする時には自邸から 始めるみたいな。過去にはあったと思うのですけども そうじゃない展開 なので・・いろいろ どう発展していくのでしょうか

松川:そのへんは僕も わからない。まず設計をするにあたってですね。こういうソフトウエアーを作ったんですよ。

s;こう言う ソフトウエアーと いうのは

松川:いま お見せします。
      PCを操作する松川 モノターを見る佐藤

s:室名を入れていくと

松川:これを選択して、という領域にして、面積を与えOKする。これを同じような方法を繰り返して行くんですね。

s:まず室名と面積を与えると なるほど。

松川:AとBという領域が なにかしら の関係性があるときに線で結んであげるんですよ。そうすると、お互いが重力をもったみたいに

s:引き合い くっついていくのね〜

松川それを同じように 順次いろんな部屋を入力していく 

s:引力をもったように 関係性の中で 互いに勝手にくっついて 並んでいく。なるほど。

松川:こういう作業の繰り返しで設計をすると

s;このソフトウエアーの基本的な構造というのはどうなっているんですか。

松川:これフラッシュというソフトで作ったんですけど。 ボリュームというか領域みたいなものがですね、それぞれつながっている。 例えばAという場が廻りに5つの場とつながっていたら、「Aという場はその5個の場とつながっているよ」 という情報を持つわけです。そうすると今5個の場がどこにいるかというのを同時に計算して、その5個の場が互いに より近づこうとするわけですよね。

s:フラッシュって、アニメをつくるフラッシュですか(笑)オモロイ動きwebで表現できる。

松川:そうです。あういうのには興味がなくって、あいう変なソフトをこんな変な使い方をするという。

s:笑う・・なるほど

松川:全部 ベクトル均衡態 とか ボロノイ分割とか・・、

s:わかりませんね〜 笑う 

松川: そういう 数学的には、いろいろな言葉がある みたいなんですけど。僕も専門じゃないので 解らないですけど。そういうのを一寸考えながらやっていたんですよね。

よく コンペとかやるときに要求条件が出されて、その部屋の面積とか何分の一に紙に書いたりするんじゃないですか。 エントランスがあって ホールがあって、そこを線で結んだりするんじゃないですか。そういう ダイアグラム というか「トポロジカルな位相的な関係を まず書 いちゃ えい!」と。それをそのソフトウエアーにポンと投げると、

s:PCが 勝手に組み合わせる〜

松川カ・カ カカカ〜と組み上げてくれるみたいな。そういうことを最初に


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