第2回 toshi chan の いる建 いるけん  home 
  松川昌平さん 初建築 in 砺波  インタビュー記録   

 01 ネット縁  02 建築はインターフェスの集積だ   03 ハイブリット行 
 04 実現     05 コンペ案    06自己組織化   07経歴   08 ワインバー
      

  06 自己組織化 

松川:これもまたフラッシュで。こっちはデレクターなんですけど、。デレクターはフォトコラージュでやってありますけど。これをこう最初のレイアは自分で初期設定しなければいけないんですけど、これで線ひいて、生成開始とすると

s:計算してくれると

松川:計算して。青いのが今こっちで書いたやつで、赤いレイアが今こう〜・・どんどんドンドン下のレイアを見ながら、自動的によさげな所に

 共に笑う 

ラインを置いていってくれているんです。

s:なるほど。実際こういう建築が具現化するといいよね。一つぐらいね

松川:はい

s:そうじゃないとPCの中でだけで作っていると風雨にさらされない。それは残念だな〜


松川:ちょっと本気で行きたかったんですけど。(校正時 追記:現在違うプロジェクトで実現化に向けて進行中)

s:そうだよね本気で。藤本さんは有名になりきったし〜ね(笑)いまさら〜最優秀賞しゃなくってもね〜・・そういう問題じゃないか・・(笑)。 この美容院もそうですけど、実際 内部も外部も判ってしまうわけじゃない。

松川シュミレーションが出来るってことですね。はい。

s:それと現実に出来たときのズレというのは何かありましたか。

松川:いや〜一杯ありますね〜。佐藤さんが先ほどおっしゃった所ですね。そこが建築家の経験だと思いますけど。例えばライティングなり窓の納まりなり

:それもプログラムにぶち込めないの〜

松川:出来ないことは無いと思いますけど

s:複雑になるだけか

松川:そんなに手間かけていたら〜

;:手動でやっていたほうがいいな

松川:手動の方が早いとおもいますね〜

s;これが最初の

松川:最初のプレゼンシートです

s:オジサンから見て〜、複雑なPCを使い、プログラム言語を使いきり、操作をして、なんでこなに〜原始的な事態になってしまうのか〜ということが魅力的なんだよね。

松川:そうですよね。自然界でも 凄く複雑に見えるものでも裏側に潜んでるのは単純なルールだったりするじゃないですか。そいういうのがいいな〜

s:フラクタルという、相似形が極大から極小まで同じだ〜というような。マンデルブローが本に書いていることと、建築家が言っていたフラクタルって 随分違うな〜と以前思ったことがありますけど。

松川:建築家が言っていることは自己相似性というか、そっちのほうが。

s:自分の世界に寄せて都合良く解釈しすぎてるとはあるよね。松川さんのコンペ案の総体を拝見すると、そうでもなさそう〜

松川わらい。これフラクタルとは違いますけど、自己組織化!と言いたいですね。

s:普通の建築は壁なり内部に構造体が収まっちゃったりしているんだけど、コンペ案は構造体が外部に出てて、内部として使える部分が申し訳なさそうに出来ている。巨大な構造体の中に小さな空間という おかしみもあるかもしれないけど

松川:だからみんなウニとか鳥の巣とか

s:ウニってなんであんな棘がある、触手というか。、あれはなんのために あんなになっているかと言うと中身が良い味だから食われちゃう〜。で 外部から身を守るためだと思ったりしますけど、食ったら口のなか痛いぞ〜と思わせるために〜粉飾的威嚇〜

  共に 笑う 

ウニは一寸違うだろう観客! 見た目だけで判断じゃなくって、違うアプローチを案に対して してくれや〜と思うよね。

松川: ここでも説明でも書いたんですけど。僕が面白いな〜と思っていたのは、昔よく公園の砂場で砂の山を作ってからトンネル掘るじゃないですか。これ逆で予め掘るトンネルを想定しておいて、そのトンネルが成立するような砂場を自律的に生成出来る。だから同じ内部空間でも違う敷地に持っていったら

s: (笑)とアウトプットのしかた全然違って面白いよな〜。時代にマッチしそうな、よさげな〜 これは。 同じ内部でも外部は環境に対応して 以前に異なる〜・・これいけるじゃんみたいな〜

  共に笑う 

s:これ実現するときに、技術的な問題とか新しい素材を開発しないとか出来ないとかにならないのかな〜。

松川:これ多分接合部のところが問題で、当然。さっきのモックアップはネジでねじ込んだんですけど、ネジのめりこみもあるし〜。木の反りだったり。こんときは一番 その・・木の腐食ですね。問題になったんですけど。そういう技術的なところは当然あるでしょうね。

s:素材も開発したり マティリアルも発明していかないと、こういうのもは具現化出来ないだろうし。そこが また一番面白い課題だと思いますよね。

松川:「これ〜木材三年で腐る」と言われたんですよ。それに対して僕たちが持っていた提案っていうのがあって、人間の皮膚って約3ヶ月で細胞が全部入れ替わるらしいですよね。それと同じ新陳代謝建物にも取り込もうと思っていて、。このトラスを一部分をえぐると。一部分えぐっても構造的にはもつように予め計算しておいて・・そこに新しい、。

s:ふけが落ちても 頭は消えないように、ボコって落ちるわけね

  共 笑い

松川:そのえぐった箇所に新しいトラスを自律的に生成させて、3年間かけて全部一新していくと。

s:自分の顔だと毎日洗ったり、髭を剃ったりしてるんだから、建築も手入れ栽培してくれーっていうことだね

    佐 藤 わらう  

松川:そのコンセプトは面白いと言われたんですけど、じゃお前は3年間ここに通うのか〜と言われて。 

   共に大笑い 

s:自動的に更新される、樹皮が生え替わるような、そこまで行くと面白いかもしれない。あくまでも建築は作って終わりみたいな条件設定が欠点なんだろうね。そいう意味では挑戦しがいがありそうですよね〜。

松川:作って終わりじゃなくって建築をデザインするじゃなくって、建築を栽培するというか

s:そうだな〜

松川:栽培って手を掛けることじゃないですか。

s:所有するとか物とかいう考えから建築が脱出 出来れば、多分違う人間との関係が生まれる。その時には建物と言わないと思うんだけど。 そういう事態が成立する。建物じゃないけど その内で生活が出来るというのはいいね。、地球を手入れする なんてだれも言わないし、空気を手入れする 栽培するとはだれも言わない。 そいう意味 とらえかたにすれば 建築という言葉も無くなってしまうでしょう。

そいいう事態の内で人間が将来生活出来るために、多分その時には建築家という職能も必用がなくなっていて、建築という言葉も無くなってしまい。過去の歴史の中に建築家という言葉か固定され残るだけだと思うんだけれども


松川違う呼び名になるほうがいいですよね、。

s:そのほうがいいね。おれは思うケンド 建築家っていう名はなくって。日本ではお坊さんや武士や大工さんだったわけでしょう。 お坊さんと言って 千年とか二千年経って。今はこの人は建築家ですね〜 と言っているわけだから。 

 違う名称の人間が、今建築というような状況を全て無くして、空気と言われているような 樹木と言われている様な事態と 一体となっていた。 その事態 全てが 「建築と言われていたよな〜」・・そんな ことも既に忘れていしまっている時代がやって来る と いいと。

松川:いいでですね〜

s:なんかすごいな〜。自分が血眼になって格闘し作っていたことが、突き進んでいったら、結局 自分の作った事態の名称を 自分が忘れていた・・。 というような、超名人芸 みたいな・超仙人芸になっていて、御本人は芸であることすら忘れてしまって取り組んでいると

  松川 笑う 

コンペテションやると時に 平面とかボリュームを与えたと言うことは、やっぱりコンペテイションを主催側へのジジ 臭さというか、無効さなのね。 松川さんから言わせると。 コンペ条件にあたる 部屋の面積や条件を与えること自体、超 古くさいと・・松川さんは 言いたいわけですよね〜。

松川:そうですね。逆に望むものなんでもこれでつくれますよ〜ということですよね。敷地が違ってもいいです〜

:その時 建築家を無にかえした人間が現れたと・・。 これむずかしいな〜、インタビューを始めて思うんだけれど。、文章にしたり画像で伝えようとすると、流通している言葉や過去の経過などを使って まとめようとしたり、聞き出そうとする態度が あり・・ あるんだな〜。

コンペテションの審査員や主催者が条件を提示するときも、同じような困難が起きていると思うのですけど、。すこしずつ 練習していくしか ないな〜って感じです。素晴らしい結果になていますね


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