Road to FRANCE(その3)



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■■ チケット争奪戦(5)国立第3戦、第4戦 ■■

9/22、ホーム第3戦、4戦のチケット発売日。既に予選が始まり前回
よりチケット争奪が困難な事が予想される。横浜のチャカポコには休みを
取って南葛へ帰って貰い、俺、オージ、ヒロ、カズと並ぶ頭数を揃え万全
の体制を取った。前日の夜8時頃から並ぶ予定でいた・・・

念のため前日の昼休みにチケットポアへ行ったのだが予想外にも既に一人
並んでいた・・・しかももうひとつイスが置いてある。
一番手は公務員の五島さんで朝9時から並んでいるとのこと。前回の韓国
戦発売日にも来たが既に4人並んでいたので帰ったらしい。
なんとしてもSS席を確保したいと言ってた。
もうひとつのイスの持ち主は判らない・・・

  「やられたぁ」

急遽、チャカポコを迎えに行き並んでもらい、オージへも連絡。
俺は仕事のため妻も呼び寄せた。ヒロにも連絡を取るがすぐには並べない
らしい。オージは午後から休みを取り駆けつけてくれた。なんとか3人が
並び最低予定数は確保。(3×4枚)

仕事が終わり17時過ぎに駆けつけるとヒロ、ケンもいた。ウーさんも様
子を見に来ており、我々の後ろには藤沢のカップル2人組。
イスの持ち主は依然現れない・・・。

22時頃だろうか8人目が到着。前回韓国戦発売の時の3番手のミナナさ
ん(川崎の人)。我々の宴会の輪に加わり再び情報交換。
その後すぐに9人目が到着。男4人で旅行に来ていたが1人だけ宿を抜け
だして並びに来たそうだ。
前回韓国戦発売の時の4番手の女の子も姿を現すが、列を見てかなり悩ん
でいたようだが結局帰ってしまった。

23時頃だろうかエミちゃんからTELがあった。差し入れを持ってくる
というTELだったが、ちょうど電話中にヤツが来た。ついにイスの持主
登場である!
こっちが電話をしている最中に一番手の人に対し

  「俺のほうが早く来ている一番だ。いいだろ。」

などと言い放った・・・
即座に電話を切り開口一番

  「だめだぁ。最後だ」

イスの主:「昨日の夜1時からイスを置いてるんだよ!」
 俺 達:「みんなちゃんと並んでるだろ、1〜2時間抜けるなら判るが
      20時間もいないじゃぁないか、そんなの無効だ!」
イスの主:「イスを置いとかねぇ方が悪りぃんだよ!」
 俺 達:「そんなんで良ければ一週間前から置いとくっつうの。
      とにかく最後だ!」

トイレから帰ってきたオージがさらに火を注ぐ。

 「ふざけるなぁコノヤロー。最後だぁ最後」

酔っぱらいオージは心強い(笑)
イスの主は一旦引き上げたが開場の8時30分には現れるだろう・・・

エミちゃんが持って来てくれたナシを頬張り、一旦アパートへ戻る。
作業着のままだったのでシャワーを浴びて着替えTVニュースで代表選手
のチェック。新たに呂比須が加わった。韓国としては驚異だろう。

1時間ほどで再び出向くヒロがいた。←でも既に寝てる(笑)
行列はさらに伸び、宴会の輪も広がり見知らぬ人たちが沢山いた。
最後まで起きていたのはやはりサッカー狂。俺、チャカポコ、ミナナさん
三島の人、中学の先生、カズ。みなサッカーに対する想いは熱い。代表を
サポートしようという気持ちが嬉しいじゃぁないか。是非みんなで国立へ
行きたいものだ。

開場はイスの主の件もあったので5分ほど早まって8時25分。
申し込み予約券を受け取る。ついにイスの主は現れなかった。
10時チケット発行。一番手の人はSS席を狙ったが取れずにS席。
我々2〜5番手は4戦はS席16枚。3戦はSA席12枚をゲット。

6〜7番手のカップルの途中で完売となる。旅行中に宿を抜け出した人、
三島の人、中学の先生・・・残念・・・
ミナナさんだけは呼び止めて分けてあげることができた。


■■ UAE快勝 ■■

  9/27   ウズベキスタン  2−3 U A E  [タシケント/パフタコール]

UAEがアウェーでウズベクを撃破。UAEは3戦を終えて2勝1分の勝
ち点7。日本は2戦を終えて1勝1分の勝ち点4。
日本にとって韓国戦は落とせない状況になってきた。


■■ 日韓決戦前日 ■■

明日9/28(日)いよいよ日韓決戦。妻と義父も一緒に行くため前日は
埼玉へ宿泊。埼玉への車中のBGMは4年前のサポーターズソング。
モチベーションを高めるにはもってこいだ。ドーハで韓国を撃破した一戦
を思い起こす。
初戦の時と同じファミレスで昼食。店員さんに勧められた席を断り初戦と
同じ席に座る。げんを担いで同じくネギトロ丼(マグロたたき丼)を注文。
藁にもすがる想いだ(笑)


■■ 日本vs韓国(国立競技場)(1) ■■

  9/28   日      本 1−2 韓      国  [東京/国立]

9/28(日)11時に妻、義父とともに埼玉を車で発つ。今日は国立で
日韓戦。神宮でヤクルトの優勝戦、六大学野球、さらに秩父宮ラグビー場
でも試合があるとの事。
渋滞が心配されたが12時過ぎには駐車場着。駐車場近くの地下街で昼食
にするが店の様子がどうもおかしい。店員さんは東洋系だが明らかに日本
人ではない。しかもメニューにはビビンバ、クッパ・・・
どわぁ〜何たること、韓国系の店ではないか(汗)

  「しまったぁぁ」
  「もうこうなったら、韓国を食ってやれぇ」

とカルビ丼3つを注文。これがなかなか旨い(笑)
我々が食べ終わる頃にジャパンブルーのレプリカを来た2人組も入って
きた。

  「応援頑張りましょう、先に行ってます」

と声をかけ徒歩で国立へ向かう。
途中チャカポコからTEL。電車組のオージ、カズとともに渋谷で鯨を
食っているとの事。何故鯨なのかは不明だ(笑)
   

■■ 日本vs韓国(国立競技場)(2) ■■

13時20分国立到着。
この時間では入場の混雑はなかった。鯨を食って先に入場している酔っ
ぱらい達は既にボルテージが上がっている。レッズ命夫妻も到着していた。

試合開始前にチャカポコと自由席を見学。
今回は韓国サポーターとのトラブルを避けウルトラスもホーム側ゴール裏
へ陣取っている。拡声器を使って応援を仕切るウルトラスの精鋭たち。
常に観客席を観ているようだが、果たして試合を観れるのだろうか? と
疑問を感じてしまう。

ホーム側ゴール裏からメイン・バックスタンド両方向にウェーブが流れる。
初戦では何周もしたウェーブが途切れてしまう。
韓国サポーターは5千〜6千人程らしいがレッドデビルなる赤が映える。
彼らは勿論ウェーブには反応しない。白い棒状のグッズを2つ持って打ち
鳴らしているのがハッキリと確認できる。

対する日本は青いゴミ袋作戦。第2戦のアウェイUAE戦から始まったよ
うだがインターネットやニュースステーション等のメディアでも告知され
ていたためかなりの人達が手にしている。
我々はオージの会社から頂いた青いゴミ袋を手にしている。
ついでに周りの人にも押しつけがましく配布(笑)

今回は聖火台真下のSA最前列。この付近に陣取っているのは窓口1〜2
番でチケットを手に入れた人達。初戦に比べても回りはかなりヒートアッ
プしている。我々の後ろの連中も紙吹雪持参で声を荒げる。
左側の必勝鉢巻きをした40前後の人も気合いが入っている(笑)

  「FW呂比須ワグナー」

のスタメン発表でさらに国立が沸き返る。
そして選手入場。後ろの連中から貰った紙吹雪を撒く。

  「ウォォオ。ニッポン!ニッポン!」

宿敵韓国を迎え場内はヒートアップ。
国歌斉唱。今回は布施明だ。

  「きぃ〜み〜が〜あぁ〜よぉ〜は〜」

初戦のSA席では浮いていた感のあった俺の君が代が目立たない(笑)
周りの連中が皆、大声を出しているのだ。妻の親父さんも大声で唄っている。
今回はオージも思いっきり唄っている。

  「こ〜け〜の〜」

とここまでは良かったのだが・・・・

  「む・む・む・むぅす〜ま〜あぁで〜」

コッコラ〜布施明。
国歌をアレンジするとは何事。フライングしちまったじゃぁないか(笑)


■■ 日本vs韓国(国立競技場)(3) ■■

試合開始。
開始早々から韓国の厳しいチェックを受けるがレフリーの笛は吹かれない。
レフリーの死角ではさらに激しいつばぜり合いが行われている。
韓国寄りとも思えるレフリングにブーイングが起こる。
今回のレフリーはクウェート人。 往々にして中東のレフリーは笛の基準が
甘い。 現行ルールでは後ろからの反則は即イエローの対象となるはずだが
笛さえ吹かれないことがよくある。
欧州から優秀な審判を呼ぶことはできないのだろうか?
アジア全体のレベルアップの妨げにもなるだろうに・・・

すぐ近くで、寝てしまった子供を抱きかかえた母親が右往左往している。
後ろから罵声が飛ぶ。

  「どけよぉ〜見えねぇだろ〜」

ん〜熱い!殺気立っている。
日韓戦でなければその母親も怒鳴られなかっただろうに・・・
前半は終始、小競り合いという展開で双方とも決定的なチャンスはなく無
得点に終わる。



■■ 日本vs韓国(国立競技場)(4) ■■

後半戦、日本が中盤を支配し幾度かチャンスを迎える。
韓国も時折カウンターで攻勢に出るが明らかに日本のペース。こぼれ玉を
相馬がシュート!(惜しくも右ポストを直撃)

  「惜しい。次だぁ。行け、行けぇ」

そしてついに均衡が破られる。
山口がコ・ジョンウンからボールを奪い、そのまま持ち込んでのループシ
ュート。見事な弧を描いてゴールに吸い込まれるのがスローモーションの
ようにはっきりと確認できた。

  「ゴォォ〜ル」
  「やったぁ。うぉぉぉぉ」

場内総立ち。日本がリードしたことを確認するように俺は誰彼構わず握手
を求める。この瞬間を何と表現したら良いのだろうか?適当な言葉が見つ
からない。とにかく最高だ。オージも興奮して携帯を落としている(笑)

実はシュートが入ったのは確認できたが誰の得点かすぐには判らなかった。
あのひらめきからすると呂比須だろうと思ったが、なんと得点者は山口。
山口があんなこと(ループシュート)をするなんて・・・意外

さらに日本の攻勢が続くが選手交代。
呂比須に替え秋田を投入。4−4−2から3−5−2へシステムを変更し
逃げ切りを計る。一番リズムの良い時に日本から動いてしまった。
結果的にこの選手交代が裏目に出る。マークがずれ中盤に穴が空き守勢に
回る。歯車の狂った日本をあざ笑うかのように韓国の同点弾。
そして終了間際ついに逆転され1−2で試合終了。

つい30分程前に歓喜の瞬間を迎えたのがまるで嘘のようだ。
信じられない光景を目の前にして頭を抱える。発する言葉が見あたらない。
国立も凍りつく。レッドデビルの一角だけが歓喜の雄叫びをあげている。
全てが夢であって欲しいが現実を知らしめるように降り出した雨が頬を叩く。
悲しく辛い雨だ。

  「これじゃぁ12年前と何も変わっていない!
   なぜ最後まで戦えない。 何を恐れているんだ・・・」

あまりのショックにレッズ命夫妻、妻&親父さんへまともに挨拶をしない
まま国立を出てしまった。妻と親父さんは電車で埼玉へ、俺はカズとオージと
3人で南葛への帰路についた。帰りの車中、空気が重い。
4年前のサポーターズソングのBGMがむなしく響く、ため息ばかり・・・

しかし4年前に比べたら状況は全然ましだ。
あの時は2戦を終えた段階で6チーム中最下位。悲観することはない。
B組1位が遠のいたとしても2位でA組との決定戦に勝てば良いんだから。
もしそれに破れてもオーストラリアに勝てば出場できるのだから。
   
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