Road to FRANCE(その4)

[        ↓        ]

■■ 日本vsカザフスタン(アウェイ) ■■

  10/4  カザフスタン 1−1 日本  [アルマトイ/セントラル]

試合前日の10/3に東京出張。試合当日は第一土曜日だが休みを取った。
妻は韓国戦後そのまま埼玉へ残っていたので南葛へ戻らず埼玉へ宿泊。
カザフスタン戦はカオリちゃん、妻と高田馬場サッカーパブ『フットニッ
ク』での観戦となった。
入店したときは既に大画面前は占領されていたので、反対側の小さいTV
の前に陣取った。(翌日の新聞報道ではあの狭い店内に150人集まった
そうだ)

俺の前にデカイ外人二人が立ちふさがっていて見にくい。でもこの二人は
日本を応援してるらしいので良しとしよう(笑)
狭い店内で換気が悪く息苦しい。サッカーに興味のない人間だったらすぐ
にでも外へ出ていくだろう。

肝心の試合内容だが・・・
書きたくない。最低だ。前半秋田のヘッドで先制するも、その後は覇気の
ない試合展開で後半ロスタイムに追いつかれ1−1のドロー。
追いつかれた瞬間、後方から気鋭をあげる外人約1名。いい気分はしない
がこの中で観戦するなんて大したものだと感心。
それとも日本人が舐められているのか?

『フットニック』は思っていたより大人しいという印象を受けた。
精鋭ばかり集まるのかと思いきや、意外とそうでもないようだ・・・
確かに応援はしているが不甲斐ない展開に対する不満は余り聞かれなかっ
たように感じる。
後半まだリードしている段階でやる気があるのかないのか判らない選手の
動き。またもや逃げ切りを計ろうとする監督采配・・・
思わず俺は叫んだ

  「なにやってんだぁ」

振り向く他の客。アレッ!?君達は不満はないのか?
俺の見る目がおかしいのか?と迷ってしまった。
それとも今の若い連中はどんな試合展開でも応援しなければいけないと思
っているのだろうか?(そんな事はないと思うが)
案の定、ロスタイムに追いつかれた・・・絶句・・・

帰路3人で茶店へ入る。頭が痛い。風邪が悪化してきたようだ・・・
エミちゃんから携帯にTEL。

  「もうだめなんですか?」
  「1位突破は苦しいなぁ。でも2位狙いなら充分。大丈夫だよ。」

自分を慰めるかのように電話を切った。


■■ 加茂監督更迭 ■■

カザフ戦後。加茂監督が更迭、岡田コーチが監督へ昇格となった。
アウェイで監督解任という日本サッカー史上でも異例の人事が協会を含め
たドタバタ劇を物語っている。もっと早くに手を打てなかったのか?
昨年末のアジア杯敗退の段階では?練習試合でタイに惨敗した時は?
もっとさかのぼって3年前。

  『加茂監督ではW杯出場は無理。ネルシーニョを監督へ』

と判断を下した強化委員会。その強化委員会を鶴の一声で解散させ加茂監
督続投を決定した長沼会長。会長はその時言った。

  「もし加茂監督でW杯に行けなかったら私が責任を取る」と

加茂さんが更迭された今、あなたも辞任すべきではないのか?


■■ 韓国独走 ■■

  10/4  韓      国 3−0 U  A  E  [ソウル/蚕室]

日本を破った韓国はそのままの勢いでUAEも撃破。4連勝で勝ち点12。
独走態勢に入った。
日本は1勝1敗2分けで勝ち点5。UAEは2勝1敗1分けで勝ち点6。

  10/11 カザフスタン  1−1 韓国  [アルマトイ/セントラル]

韓国は4勝1分で勝ち点13。
カザフはアウェイ2連敗の後、ホームで3連続引き分け。0勝3分2敗で
勝ち点3。


■■ 日本vsウズベキスタン(アウェイ) ■■

  10/11 ウズベキスタン  1−1 日本  [タシケント/パフタコール]

今予選では初めて自分のアパートでTV観戦となったウズベキスタン戦。
またしても中東(バーレーン)の審判の判定に泣かされる。
山口のミドルシュートをGKが弾き城が押し込んだゴールをオフサイドで
取り消されたのだ。
おかしい。どう見てもシュートした瞬間にはオフサイドポジションに日本
の選手はいない。しかも線審はその瞬間、フラッグを挙げなかった。
主審の笛であわててフラッグを挙げたのだ・・・

中東の審判ならUAEに有利なように(この試合においてはウズベクに有
利に)、つまり2位争いで当面の敵となる日本に不利となるように笛を吹
くに違いない。

押し気味の展開だったがポストに当たる見事なミドルシュートで先制点を
奪われた。この得点は致し方ない。前半は0−1で終了。
後半、この試合が初采配となる岡田監督が動いた。斉藤→呂比須。森島→
中田。名波→中西。リスクを負って怒濤の攻撃を仕掛けるが得点に至らない。

迎えたロスタイム。
井原から出たロングボールを呂比須がヘッドで流すと誰も触れずそのまま
ゴールイン。1−1で引き分け最悪の結果だけは免れた。


■■ 自力2位消滅 ■■

最後の5分間、やっと見られたひたむきさ。何故最初から出来ないんだろう?
引き分けたとは言えこれで自力2位が消滅。1試合少ないUAEは勝ち点1
日本を上回っている。次のカザフ戦で勝てば勝ち点差4となり絶望的になる。
苦しい。やりきれない。どうにかしてくれぇぇぇ。

新聞報道によるとカザフ戦後、選手ミーティングからカズだけ外れたらしい。
不協和音が吹いているのか?
そんな場合じゃぁないぞ。一体どうしたっていうんだ。


■■ 自力2位復活 ■■

  10/18 ウズベキスタン  1−5 韓国  [タシケント/パフタコール]

  10/18 カザフスタン    3−0 UAE  [アルマトイ/セントラル]

UAEが負けた。これで再び自力2位の可能性が出てきた。
最後まで信じるつもりでいたが、正直なところここ数日間は気分がすぐれな
かった。10/4フットニックで観戦したカザフ戦(アウェイ)以降長引い
ていた風邪もこれで完治するだろう。病は気からだ(笑)

取り合えず目先の敵である10/23の資格試験をやっつけてから再びアク
セル全開だ。間違いなく奇跡は起こる。いや既にもう起こり始めている。
前節ウズベク戦での同点ゴール。そして今日のUAE大敗。

4年前ドーハの悲劇イラク戦。NHKBSで解説をしていた岡田新監督。
岡田さんがあの時流した涙を俺はけっして忘れない。
誰よりも深く熱く代表を愛している岡田監督に全てたくそう。代表選手の選
考でマスコミに何を言われようが、協会幹部に何を押しつけられようが思う
とおりやってくれればいい。協会の派閥闘争の思惑だけには巻き込まれるな。

あなたが主役だ。自信を持てばいい。己を信じて!
そして今度流す涙はきっと感動の涙です。
ありがとうカザフスタン。でも最終戦の日本には負けてくれよ(笑)

   

■■ 中央アジアの雄 ■■

  10/25 ウズベキスタン  4−0 カザフスタン     [タシケント/パフタコール]

ウズベクがホームでカザフを撃破。中央アジアの雄の面目を保った。
両チームとも既に予選突破は絶望的。経済的に苦しい両チームはアウェイ
遠征でコンディショニングに悩まされてきた。
本来ならばもっと力のあるチームだうろうに・・・


■■ 日本vsUAE(国立競技場) (1) ■■

  10/26 日      本 1−1 U A E  [東京/国立]

10/26(日)国立競技場第3戦(通算第6戦)対UAE。
5戦を終了し日本は勝ち点6の3位、一方UAEは勝ち点7の2位。この
試合に勝てば2位へ浮上する。逆に負ければW杯出場はほぼ絶望、引き分
けでも自力2位が再び消え苦しい状況に追い込まれる。 2位争いの直接
対決、大一番だ!

初戦のウズベキスタン戦と同じく日曜日PM7時キックオッフ。
ウズベク戦では11時に出発して早く着きすぎたため12時に南葛を出発。
ヒロのアコードワゴンでオージと3人。カズを含む東南葛3人組は翌日休
みを取ったため電車で移動。

出発早々、オージがチケットを忘れたために一旦出直し。

  「何やってんのぉ(笑)」

途中、ヒロお薦めのビックリドンキーで昼食を済ませて15時。試合開始
2時間前には着くかな?とこの時点ではまだまだ余裕。
しか〜し東名にのった瞬間、一同絶句、いきなりの渋滞。なんと集中工事
に巻き込まれてしまったのだ・・・

  「なんで工事なんかやってんだよ」
  「日曜日に工事なんかするなよぉ」

それでも大丈夫だろうとタカをくくっていたのだが、一向に渋滞は収まら
ない。時間がどんどん過ぎていく。中央道の方がいいんじゃないのか?
途中で車を乗り捨てた方がいいんじゃぁないか? と試行錯誤。

試合開始1時間前の18時、まだ海老名にいる。間に合わないかも・・・
何故、東名の道路情報を聞いておかなかったんだろう。(後悔、先に立たず)

  「あぁ、くっそ〜道路公団のバカヤロ〜」

チャカポコからTEL。

  「川崎の人(ミナナさん)の携帯番号を教えてくれ」との事。
  「こっちはそれどころじゃぁ無いんだよ(苦笑)」

渋滞の最中、俺達の目の前の車が2台前のポルシェへ追突。即座にヒロが
車線変更。この期に及んで事故渋滞じゃシャレんならん。危ねぇ危ねぇ・・
ラジオから会場の盛り上がっている様子が伝わってくる。

  「何で俺達はまだ車の中なんだよぉ」

18時45分やっと渋谷で首都高を下りる。すぐにパーキングの看板を見
つけて駐車しタクシーを捕まえる。

  「運転手さん国立の青山門まで」
  「どこの入り口でもいいや一番早く行ける所へお願い・・・」

やっと国立到着。走る走る。既にUAEの国歌が聞こえている。オージの
席は運良く入った入り口から近かったのだが、俺とヒロの席までは500m
位あるだろうか? とにかく走る、ダッシュだぁ!
SA36入口M列13番席やっとの思いでたどり着いた。チャカポコとチャ
カポコ妹と並びの席。

  「間に合ったぞぉぉ(笑)」

休む間もなく君が代斉唱。

  「きぃ〜(ハァ)みぃ〜(ハァ)・・がぁぁ(ハァハァ)・・・」

苦しい、息が続かない(苦笑)


■■ 日本vsUAE(国立競技場) (2) ■■

キックオフ。
持参した紙吹雪をばらまく。開始早々呂比須のゴール。

  「やったぁぁ」

いきなり場内総立ちとなるが俺はまだ息が上がって足下がふらついている。
前席の女性のバックを踏みつけてしまった(申し訳ない)

この試合、井原が警告累積で出場停止、替わってエスパの斉藤がDFライ
ンを統率する。特にDF陣の混乱は見られないが斉藤自身の足が地に着か
ない。単純なクリアボールをキックミス。
UAEは引いて来ることが予想されたが日本が先制したことにより攻撃的
になる事を余儀なくされる。

日本にとってはもってこいの展開だ。この試合は大勝するだろう。
と思ったのも束の間、FKからヘッドで押し込まれ1−1の同点とされる。
斉藤が高さの競り合いで負けたのだ。またもや先制して追いつかれる展開。
嫌な予感がする。

ハーフタイム、前方の輩が盛り上げる。

  「もっと声を出しましょう。ニッポン!ニッポン!」

確かにこの辺のSA席は大人しいようだ。
なんとしても突き放したい後半戦、日本の思惑とは逆に押し込まれる。
いつものスタミナ切れか? ラインが間延びする、プレスが効かない。
決定的なピンチを幾度か迎える。あまりに不甲斐ない展開・・・

俺達の前方には立ちっぱなしで祈っている女性二人。右隣には無言で立ち
つくす年輩の男性、しかしその目はグランドをしっかりと見据えている。
サポーターとの思惑とは逆に時間は過ぎるだけ・・・
タイムアップが近づく。UAEの選手が倒れ込み時間稼ぎ。

  「ブゥゥ〜。早くたて〜」

ロスタイム突入。
5分近くはあるだろう。まだまだいける頑張れ。と思った瞬間にタイムア
ップの笛が吹かれた。

  「えぇっ、早すぎない?」

カズ、マリオが主審に詰め寄る。サポーターも不満な試合内容を主審にぶ
つけるかのようなブーイング。
なんと審判団は試合後の挨拶もせずに引き上げてしまった。今回は第6戦
にして始めてアジア以外の審判が笛を吹いた。コスタリカの審判だったの
で期待していたのだが・・・

日本選手がグランドを一周して挨拶に回る。アウェイゴール裏ウルトラス
からは概ね拍手が送られたようだ。我々のバックスタンド側も拍手が多か
ったようだが、俺は拍手などしなかった。憤慨極まりない・・・
ホーム側ゴール裏からは発煙筒が投げ込まれた。グランドへなだれ込んだ
サポーターもいるようだ。

後で知ったのだが、我々のいた36入口でも乱入しようとするサポーター
と警備員との間で小競り合いがあったそうだ。競技場の外でもバスの上に
乗ってイスを投げつけたり、カズの車がボコボコにされたり、卵を投げつ
けられたり・・・ついに暴動が起こった。
気持ちは分かる、起こるべくして起きた暴動。しかし怒りを選手に向けて
はいけない。

帰路はヒロ、オージ、チャカポコ妹と4人。渋谷で焼肉店に入った。愚痴
をこぼしたいのは山々だったがチャカポコ妹の手前、控えめに・・・
顔で笑って心で泣いている。
悔しい、情けない、辛い、本当にこのまま終わってしまうのだろうか・・

   
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