桑名本統寺にて 冬牡丹千鳥よ雪のほとゝぎす 草の枕に寝あきて まだほのぐらきうちに濱のかたに出て 明ぼのやしら魚しろきこと一寸 熱田に詣 社頭大イニ破れ 築地はたふれて叢村にかくる かしこに縄をはりて小社の跡をしるし 爰に石をすえて其神と名のる よもぎ しのぶ こゝろのまゝに生たるぞ 中々にめでたきよりも心とゞまりける しのぶさへ枯て餅かふやどり哉