名護屋に入道の程風吟ス 狂句木枯の身は竹齋に似たる哉 草枕犬も時雨ゝかよるのこゑ 雪見にありきて 市人よ此笠うらう雪の傘 旅人をみる 馬をさへながむる雪の朝哉 海邊に日暮して 海くれて鴨のこゑほのかに白し 爰に草鞋をとき かしこに杖を捨て 旅寝ながらに年の暮ければ 年暮ぬ笠きて草鞋はきながら といひいひも 山家に年を越て 誰が聟ぞ歯朶に餅おふうしの年