2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 魚谷繁礼さん編 8月02日pm5時〜 雨上がり 晴れ その 01 02 03 04 (雑談 05 06) 07 08 09 10 その01 (生い立ちなど) 佐藤:どうも今回はお世話になりました 魚谷:はい 佐藤:インタビューしましょうね、一応。よろしくお願いします。名刺の文字で魚谷さんと表記できないのですがお許しください。魚谷さんの基礎的な情報をお願いします。どこで生まれたとか、学校どうしたとか、どこで産まれたんですか? (高瀬川の川面を背に 右 魚谷繁礼 佐藤敏宏が片手で撮る) 魚谷:産まれたんは神奈川県です。 佐藤:神奈川県! 魚谷:はい。なんでびっくりするんですか? 佐藤:京都弁だから、神奈川県はどこですか 魚谷:母親の出身が神奈川県、大和市って分かります 佐藤:知っている小田急線の 魚谷:神奈川県の病院で産まれたんですね。で病院、母が病院を出るとすぐに伊丹に来たんですよ。だから居たのは病院だけで。 佐藤:1週間ぐらいでね 魚谷:覚えてないから分かんないですけど。 佐藤:魚谷さん名刺ください 魚谷:お渡ししてますけど 佐藤:今もらった 魚谷:前に 佐藤:いいから 魚谷:はははは 佐藤:あるでしょう何枚も、伊丹って飛行場のある伊丹ですか 魚谷:そうです 佐藤:大阪じゃないんですか 魚谷:兵庫県です 佐藤:ああそうか兵庫県かあそこは 魚谷:はい。 佐藤:じゃー伊丹で小中高と 魚谷:いや、違いますね。幼稚園の途中までかな。でその後ドイツに。 佐藤:ドイツに!! 魚谷:かっこいい〜でしょう〜。 ガヤガヤ それも幼稚園の時ですねそれも。 佐藤:じゃ、今でもドイツ語喋るんですか 魚谷:そのとき喋れたけど今はむりですよ。覚えてないですね。子供だから覚えるの早いじゃないですか。そんときドイツ語覚えたから、今日本語・・ 佐藤:ふふふふふふ 魚谷:ははははははは 佐藤:しょうがないんじゃない 魚谷:へへへへへへ 佐藤:それでいつまでドイツにいたんですか 魚谷:ドイツは幼稚園の間だけなんで1年半ぐらいですね。 佐藤:ドイツどこですか 魚谷:アーヘンって分かります 佐藤:分かりません 魚谷:ミースが生まれた町らしいです。ベルギーとドイツオ、ランダの 佐藤:行ったことはありません。アーヘンに行って 魚谷:それが1年半ぐらいして、で帰ってきて尼崎 佐藤:兵庫県尼崎 魚谷:それが高校卒業までです。 佐藤:まわりはダーティーな感じでしたか、高級住宅街ですか 魚谷:品の良い、育ちの好い 佐藤:うふふふふふ、本当かな 魚谷:車は神戸ナンバーで 佐藤:大学は 魚谷:京大 佐藤:京大に来て下宿ですか 魚谷:そうです。大学入ってから親ずーっとアメリカやったんですよ。だから日本には 佐藤:一人暮らし 魚谷:ああ間違えた、大学入ってからや。大学入ってから親もう日本に居なかったんで僕はずーっと一人で。 佐藤:仕送りしてもらった。 魚谷:4年生までしてもらったんですね。で僕大学5年行っているですよ。5年目から無し。 佐藤:きぶしい親やね 魚谷:厳しいんですよ あははあはあは 佐藤:ケチヤね 魚谷:妹がね、ちょうど帰国してたまたま医学部受かってしまったんですよ。親が投資先を変更したんですよ 佐藤:うわ〜可愛そうに 魚谷:ふふふふふふ 佐藤:可愛そうなお兄さん 魚谷:妹に投資した方がいいんじゃないかと。親も思って 佐藤:何歳違うんですか 魚谷:3つ下です 佐藤:実利的だね、そうですか、へ〜。お医者さんになっちゃって 魚谷:なっちゃいましたね。 佐藤:鬼に金棒、魚谷に妹 じゃないですか 魚谷:何で、ですか 佐藤:困った時に妹に泣きつけばいい 魚谷:ふふふふふ 佐藤:助けてくれーってうふふふふ、アンチャンしっかりしなさいってお小遣いくれるじゃん 魚谷:いえ。この前マンションこうたんですよ。 佐藤:魚谷さんが、妹が 魚谷:妹が。それで親もマンションこうたんですよ。僕だから家族ネタ無くなってもうたんですよ。 佐藤:そうか 魚谷:だいたい家族の家作ってって、あるじゃないですか。 佐藤:やらない方がいいよ家族の家なんてのは。おれはやらない血縁主義者じゃない、他人主義者だね 魚谷:薄情な家族なんです 佐藤:薄情でいいよ。妙な期待掛けられると、繁礼になんとか立派な建築家に成って欲しいと。涙物語で親は訣別している、ポストモダンには似つかわしくないね、血縁べとべと話は 魚谷:親がマンションこうて改装するていうたら。「改装するからいい建築士を紹介してくれ!」って。 佐藤:なかなか子離れしてて、 好い親だね。 魚谷:ハハハハは はは 佐藤:いい虎ぶったり、息子の失敗をおたがい一生お互いに背負わない 魚谷:基本的に信用してないんですよ 佐藤:うはあははは 楽しいね〜いい。一番親子愛が激しいのはモズナさんだと思っていたけど。今日まで。反住器って有名建築あるじゃないですか。建築系親子の涙物語の代表だと思っているんだけど。 魚谷:どういうんですか 佐藤:釧路であの建築に暮らすのは大変そうじゃないですか 魚谷:住むのが 佐藤:2重3重に入れ子になっていても、大分頑張って住んでいるようで、周りの人の話や 俺の糞な推測でそう思っているんだけど。見に行って実調査はしてないですよ。モズナさん連れて行くって話だったんだけど。キャンセルになった。 実は僕も親戚の建築は絶対やらないと思って建築の設計をしてたんで 一度もしてないです。 魚谷:失敗したんですか。 佐藤:失敗じゃないよ。来ても受けない、やらない。他人とワイワイして作るのが好い。血縁者とは建築を作らない。俺が好きだとか、お前に惚れてるとか言われれば別だけど。俺が喋っちゃだめだね。京都まで来て。母親が来てもやらなかった。俺の方が薄情だね。親が来ているのにね。 魚谷:ははははは。僕はやるんですけど来てくれなかった 佐藤:うふふふふ 共に はははははは ちょっと違うね 魚谷:全然違いますよ (親に仕送り断たれて もた) 佐藤:それでマンション買っちゃって。大丈夫これから 見直される時が来るかもしれないから。そうか。それで京大に5年居て、修士とか博士課程とかいかれたんですか 魚谷:修士2年行きました。 佐藤:それも自分の銭で 魚谷:そうですね。 佐藤:凄いね。京都は学生でも稼げるんですか 魚谷:家庭教師とか 佐藤:ああそうか、勉強熱心だからね 魚谷:あと布野研やから海外とか行くじゃないですか、海外行ったら日本よりお金掛からないじゃないです。だから 佐藤:旅費とか出してくれるの 魚谷:調査で行ったら出してくれるんですよ、で生活費も掛からないじゃないですか。だからあんまり。 佐藤:ずーっとアジアの島々で暮らしていたら好かったのではない 魚谷:ははははは 佐藤:研究へはどこへ行かれたんですか。アジアだよね 魚谷:アジアは 佐藤:集落調査でしたっけ 魚谷:いや、えーとねカンポン。 佐藤:カンポンって何なですか? 魚谷:カンポンて都市の中に集落みたいなんが在る 佐藤:ああそうかそうか、そういう都市内集落のようなものを実測とかしたんですか 魚谷:そうです、実測とか、どういう人が住んでいるかとか。インドネシアと南アフリカ 佐藤:南アフリカ! 恐そうだね〜 (修論は京都の町家あれころ) 魚谷:恐かったですね。それは先輩の調査手伝ったんですけど。僕は修士は入って結局京都の町家。 佐藤:何々。京都の調査になったっていうこと 魚谷:僕はね。 共に ふはふはふはふはふふふふ 佐藤:海外もでず 魚谷:あっちこっち 先輩に さしてもらって 佐藤:ああそれで、京都の何をテーマにしたんですか 魚谷:一応グリット都市の研究をしようと。で、そんなかで事例としての京都。 佐藤:そうかそうか、そうすると海外の調査はあんまり論文には役に立たなかったと 魚谷:でもあれですね、都市をどうやって観るかっていうのは、やっぱり何となくはやっていたんで。 佐藤:海外の、向こうグリット都市ですかやっぱり 魚谷:多いですね。だから京都の調査をするときも、よくあるような町並みとかそういった処から入らずに、比較的なんか、もう少し違う何て言うんですか 佐藤:切り口は 鳥の目線だと 魚谷なのにね 魚谷:うん、からいけたんは 佐藤:ああそうかそうか。日本の町並みとか 中国の町並みから観ると 全然関係なく 魚谷:町並みじゃなくって、地割りだとか、あるいは寸法体系とか、そういう処から観ると。 佐藤:建築というよりは都市構造だ 魚谷:そうです 佐藤:都市のベースを調査して、そこに茸のように生えてきた建物とか何かを調査する、観察してみたいな感じで 魚谷:建物とか だから あんまり関係ないかもしんない。 佐藤:修論は何ていうタイルですか 魚谷:修論はグリット、ちゃうは。京都のグリットに関する・・ 佐藤:何かぼわーんとしていますね。 魚谷:ふはあはははは 大丈夫ですよ。ははあははは 佐藤:そんなの 当たり前やんか〜 となりそうだ はははは 魚谷:だから京都のね、「アイディンティテーは何か」というときに町家とか町並みとかそんなんじゃなくってグリット こそじゃないかと 佐藤:そうだよね 魚谷:っていうので調査をしたんですね。 佐藤:遷都は何年でしたっけ 魚谷:銭湯? 佐藤:平安京になったのは 魚谷:鳴くよ鶯だから794年 佐藤:800年当たりと、1200年ちょい過ぎていると、今は朱雀大路とか今は無いんでしょう。 魚谷:今は碑だけ在ります。 佐藤:羅生門も無い 魚谷:羅城門が碑だけ在って。朱雀大路は千本通りがそうです 佐藤:突き抜けてないけど千本通りがそうですか 魚谷:はい。 佐藤:羅城門はどこに在るのかな〜って 魚谷:歩いているとあります 碑が 佐藤:そうすると中国にも行ったんですか 魚谷:行ったことないですね。 佐藤:そうか〜どうしてグリットなでしょかね 魚谷:面白いじゃないですか、グリットって。 佐藤:不思議ですね、加嶋章博さんていう、京都繊維工芸大を卒業した、渡辺豊和さんの事務所に居た人が。彼がイタリアだったかポルトガルだったか、スペインかな。海外に植民地を一杯作るときに、そうすると必ずグリットを作る 魚谷:今 まさにそれやってますね 佐藤:加嶋さんがその時の法律をしらべ論文書いたんですよ、法律つくって植民地経営を豊にしようとして法をつくる、細かい当時の法律を調べ書いた博士論文もらったんだけど。 魚谷:何かあります 佐藤:加嶋さんの論文持っているの。 魚谷論文目録を持ってくる 魚谷:これですか 佐藤:何とか法っての、名前忘れちゃいましたけど 魚谷:こういうの忘れたら布野先生に怒られてしまいますわ 佐藤:ふははあははは 魚谷:とにかく布野先生は恐くってしゃーないですよ。僕は。 佐藤:何で恐いの。怒る。酒強いだけじゃないの 魚谷:まあいいや ふふふふ なんかありましたね。法 佐藤:その法律を1条からずーと 魚谷:インデアス法だ 佐藤:この法を総領事みたいな人間が勝手に解釈して懐肥やす。そうすると植民地が栄えないじゃない、そういう問題を研究している。グリッドの大きさも法律で決まっていた。どこの土地に行ってもグリットを敷くんだよね。寸法も決まっているんだよ 魚谷:たぶん法に やりやすいんでしょうね。法ってそのモデルに。 佐藤:なんで丸・円じゃなかったんだろう。 魚谷:たぶんどこにでも作り易いから。だから宗教都市にしても植民都市にしても、「こういうのを作りましょう」というときに、絵として描き易くって。どこでも出来そうじゃないですか。 佐藤:マンハッタンだって、デリリアス・ニューヨークじゃないけど。ニュー・アムステルダムとか呼んで、突端の方だけ作って、根本の方はグリット作って農地割みたいな。そこに資本が投下され空に伸びるみたいな 魚谷:マンハッタンで島の中にグリットが在るから、要は数が限られているじゃないですか。デリリアスニューヨークに書いてありますけど、それでドンドン密度が高くなっていって、 普通は囲いが無いから 佐藤:だらーっと 魚谷:だらーっと成り、で中スカスカで 共にふふふふふ 高さ制限とか 佐藤:広がりを持てないから空に伸びたみたいな 魚谷:ニューヨークはそうですよね、あとやっぱりそんだけ資本が集中してますよね 佐藤:1200年前はキャピタリズムというのは無いわけだからさ、資本集中投下して高密度を求める、高さへの欲望は湧かないわけだからさ。そういう時代差があるから比較出来ないけど 魚谷:でも面白いのは1200年前に違う理念で作られたわけじゃないですか。 佐藤:うんうん 魚谷:京都って。でそこに今も人が住んでいる。んで、一番面白いですよね 佐藤:そうだね 魚谷:グリットは変わってないわけですよね 佐藤:痛んで崩れているところもあるけど、あれは亀の背中の上に四角い大地があってね、宇宙はそうできているという中国の考えたでしょう、元々は 魚谷:天円地方 佐藤:金鶏抱卵などもあり、京都は北を背に西と東が山に囲まれていて、南側が開かれていて、防御しやすい要塞都市だったわけだよね。地形は金鶏抱卵系で、金の鳥が翼を大きく広げ卵都市を抱いているような図式。そこにグリットをはめ込んで。何て言うかな迷信みたいな 祈りみたいなもんや八卦のようなもんで作り、一方からしか出て行けないけど 攻められにくい 魚谷:一番北に都が在って。 佐藤:鞍馬の山のほうは山又山だし東の比叡山越えるの大変そうだし 魚谷:たぶん纏まり易いんでしょうね 15:08秒 その02へ |