2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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  魚谷繁礼さん編   8月02日pm5時〜 雨上がり 晴れ 

 その 01 02 03 04  (雑談 05 06)  07 08  09 10 

 その04

魚谷:住んでいる人の心の状況によってドンドン変わって恣意的な揺らぎの中で、佐藤:活動をやっていかなきゃいけないのです。だからう〜ん。恣意的なものを許しながら、かつ制御誘導できるっていう一段階高度に進んだ手法を用いなきゃいけないわけよね。近代の手法だと「これが佳いからこれでやっちまえ〜」と押し付けて勧めていけたんだけど、ポストモダンな状況下でそれをすると、不協和音になり良い演奏解にならない。インターネットを使って色々な情報を手に入れられるし、知ることができるから。

今やっらせられる事違うジャン。すぐ検索され比較されちゃうからさ。俺が良いからと押し付けるとうまくすすまない。ので、両面作戦、多面作戦で誘導する多様な政策を打ち出しながら多様な戦略を練ってそこに誘導していって。それを体験し、作りつつ参加者が感動を持てる。「ああ自分も京都に住んで暮らして町つくして佳かったな〜」という感動を体内から湧かせるような工夫が要る。建築家がいきなり作って、「どうです皆さん良いでしょう」ではだめ。

プロセスと体験させつつ学習もしつつじゃないと、納得できない。プロセスを共に楽しみつつ創り上げるような作戦に換えていかなければ、魚谷さんの勝手でしょうで、うまく事が進展しない。そういう事だって気がするな〜。それは好い仕事だとおもいますけれども。

従来的な表象的な派でな建築家像とは違う、魚谷さんが研究していたグリット概念みたいなもので、見せることは出来ない。グリットなによ!それみたいなもだから ふふふふふ

今、話を聞いていると魚谷さんの社会生活と学生時代の思いに齟齬がないというのはとてもよく理解できましたよね。あせってはいけないと思います

魚谷:はい。
佐藤グリット黒子のような人になるか だから。そういう立ち位置は自覚されているんでしょう?おれは表にバンバン出てさ、スーター建築家にならなくってもいいと思っているわけでしょう。
魚谷:あんまり特に考えてない。自分が楽しければいいですよね。やりがえがあれば。

佐藤:魚谷さんが楽しいっていうのは、自分の考え方を町の人に押し付け実現するのが楽しいっていうことなのか?
魚谷いやそれはね、逆に無いんすよ。だからね、そこら辺ですよね。役割分担があると思うので。さっきの話に戻るんですけど。それはもっとやらなきゃいけないっていう話は解るんですね。でもどこまで出来るか?ですよね。どこから先って、押しつけと変わんないじゃないです。べつにこうなればいいな〜って言うのはあるんですね。そういう成ればいいな〜というものあるし、それが全体が出来なくっても個々でも意味が有ると思うので、じゃー自分が作るときにはそういうものを作るし、こうなればいいな〜と思うのは。これは最低限人には言わないといけないんで。好きじゃないんですけども、なるべく言うようには努力している。

でも、こうなれば好いな〜っていうのはあるけど。こうでなければならないってのは

佐藤:ないわけね

魚谷今僕の考えている限りでは、これが一番良いと思っている。もっと好いのあるかもしんないですよ。
佐藤:今の話を聞いての感想だけど、まずは本を書くと。本を作ると。この論文と、修士論文書いたわけじゃない。
魚谷:はい。

佐藤その論文と、最優秀の実作実践が在るじゃない。これとの繋がりが薄くみえてしまうので、繋がった魚谷冊子を作る。それでよいと思うというのは、魚谷が良いと考えるのはこうだと、それでこれはたたき台であると。これをベースにしてね話し合っていきましょう。とうプレゼン資料がありプレゼンする、続けるのが一番好ましいんじゃない。かならず打ち合わせして、練っていったときのワイワイ記録をちゃんと作って、積み重ねていく。非常に手間も掛かるんだけど。記録を残さない限り、私はこうやって来たんだよね、と聴衆に語っても誰も知らない、調べようとしない。 そういう手間の掛かる仕事は絶対手抜きしてはいけないやらなければならない。魚谷さんのテーマはそういうことだと思う。それを作って提示し続けないかぎり、他者は魚谷さんのマインドを理解できない、記憶されない、分からない。

佐藤:おれが今日来て説明されて、なんとなく魚谷マインドは分かったけど。具体的にどういう進展して結末があり課題は何なの?っていうことは可視化され共有しやすい物や情報が無いので分かんない。くどいけど、修士論文と最優秀の完成物の具体的に言葉なり図なり、

魚谷:あともう一つ。こういうふうなようは配置の問題じゃないですか。こういうふうな配置を促すような、条例とかなんなりを出来るというのは良いですよね。
佐藤:そうだよ。それは政策問題だから。日本の国全体が路上的な、両側町てき公共スペースと、もうちょっと小さい意味での誰でもじゃないけれども、顔見知りの公共スペースが要る。言い換えれば路上公共のようなハードやダーティー・パブリックスペースと にう一つ 顔見知りで共有する 親密な公共スペース、インテメートパブリックスペースの2つ要るんだと。人々の暮らしの中には。こいうふうにみんなの頭の中に概念が芽生え共有できるようになれば、具現化する。そういう2つのハード アンド・インテメートパブリックスペースを2つを内包した町を作ろうと。それを足早に強制的に実現させるのは政策だから。魚谷概念を共有できるうまい言葉は発明できてないけど、魚谷さんの脳内にはある、もう出来ている。言葉をつくり、魚谷概念をみなで共有できるようにするのは、魚谷さんしかできない

魚谷概念で作られた町の構えのほうが暮らしやすいと、その地に暮らす人も思わなければ、政策で誘導していかなければならない。インセンティブの方法や 政策は後の順位に来ると思うけど、政治的な活動と重なるだろう。尚かつ具体的に、リアルな人間の存在が実現するためには要るわけで、大人のコミュニケーションがなければならない。二重三重に活動しなければ実現はしない。

一番大切なのは今魚谷さんが言われた、これの方がベターじゃないのっていう魚谷概念をまず作り可視化することですよ。おれが来て「ああなるほどなるほど」って直ぐ見て解れば。今の話だと直ぐ分からなかったじゃない。

魚谷:え、分かんないですか。あはははははは
佐藤:冊子が無いじゃん、言葉だけでは伝達感染力が弱いじゃない
魚谷:はい。冊子を用意しておけばよかったんですね

佐藤:そうですよ
魚谷:有りますよ。
佐藤:最初に言ってよ
魚谷うふふふ一寸待ってください、直ぐに出るようにね。分かりましたふふふふふ
佐藤:そうすると、魚谷さん活動や実践の経過が非常に分かりやすい。今解ったのはやる気は満々だけど、人に伝えるために記録が少ないっていう。餓鬼のダダ状態だ。そこを追求してしまったと

魚谷:より細かいところをね、ふふふふふ
佐藤:魚谷さんはやる夫!まんまんだけれども伝える工夫は未熟、コミュニケーションの能力を磨いてない、コミュニケーションを円滑に膨らませるための要材料が整ってない、道具が少なかったって話だけだから。どうってことないんだけど。今、印刷して頂戴
魚谷:終わってからね。

 (清家清先生に学びたかった)

佐藤:それでだいたい50分経ちましたけれども。けっこう時間が経つのが早いですね。ということでじゃー建築よりはまず、最初の方にもどりますけれども。京都大学の建築科に入ったんすよね。それはどうしてですか?

魚谷:何で?!なんとなくですね。
佐藤:近所に超有名建築家が暮らしていたとかないですか
魚谷安藤先生の名前は高校のときから知ってましたけれども。あれなんですよ。高3の12月ぐらいに東工大に行ったですね。清家清先生って居たじゃないですか。建築学というのはこういう学問だって書いてるのが有って。これは面白いな〜これは凄くいいな〜と思って。これ勉強したいな〜と思ったんですよ。んで東京工大に行こうと思って行って。名誉教授って書いたあったんですよ。高校生のとき知んないじゃないですか。行って、「清家清先生に会いに来ました」と事務に言ったら「退官されましたよ、名誉教授」って説明されて。「え〜」と思って。

佐藤:篠原一男だったんじゃないの
魚谷:たぶんそんときに、篠原先生が話をしてくれたんですよ。たまたまですけれど
佐藤:篠原一男に会ったっていうことですね
魚谷:たまたまですね。そのときは存知あげなかったんですけど。
佐藤:関西から会いに来た若者がいるぞ〜ってもんで、篠原一男だったと

魚谷:で、いはらんなくって。困ったな〜と思って。もう12月やったんですよ。まずセンター試験。しゃーないから京大にした。
佐藤:本ちゃんはセンター試験終わってからじゃない
魚谷:そうですね、その時間は無いから。特に理由無く東京工大行くつもりだったんが、そういう理由で清家清先生居なければ行っても、あれかな〜と思って。

佐藤:今の話聞いていると魚谷さんは手抜きしているんだよ
魚谷うははははは
佐藤:清家清先生の論文読んで感動したのにさ〜二次媒体で感動したのに、自分が他者に伝えるために、本を作ってない、論文まとめる冊子書いてないって。清家先生に近づくだめにしたような 努力ない 手抜きだぜ〜。
魚谷攻められているな

佐藤ふふふふ そう気にしないでいこう
魚谷ふはあはははは
佐藤:ちょっと見せた みたいな論文、概要を書いた、論文のはしがきみたいなものさえ無い。初めましてわたしこんなの研究したんですけど、ぱっと渡してくれるか置いてあれば、貰えるし、他の人にも渡せるし。それみて若い魚谷さん状態で感動する者がいるかもしれない。清家先生の著書に共振した魚谷さんのように。感動したように。他者に伝えるための基礎的な行為を行っていなかったという話だけですよ。

魚谷:話もどったね今ね。
佐藤:そうそう
魚谷:うはははは
佐藤:それで。もどったけど、京大受けちゃったと。1,2年は教養なんか学ぶんでしょう。いきなり建築勉強じゃないんでしょう。
魚谷:一応建築学科に入るんですけど、1,2年は教養がメーン。
佐藤:土木と建築混じってるんですか
魚谷:別です

佐藤:建築を勉強しながら、教養もちょっと半分の時間をさいて学んで。3,4年で住宅設計かなにかするんですか?
魚谷:えーとね。設計演習だしたり出さなかったりしていたんで。たぶん2年生は住宅で、3年生が美術館とか
佐藤:公共建築とかいわれるような建築物ですね
魚谷:4年生がスタジオコース、先生一人選んで設計演習と製図
佐藤:卒業設計の日本一展なんてのはなかったですか。


(鳥人間になりたかった)

魚谷:あったかもしれないけど覚えてない。鳥人間って知ってます?
佐藤:え!
魚谷:あのね飛行機を作っていたんですよ
佐藤:ああ鳥人間ねそういう飛ぶね屋さんがね。飛行機を作っていたということ?倶楽部でね。
魚谷:はい
佐藤:飛行機倶楽部?

(テスト飛行鳥人間になった魚谷さん)

魚谷:人力飛行機研究会そればっかやっていたんで。
佐藤:人力飛行機を作ろうと。空想の話?
魚谷:いや違います。本物ですよ
佐藤:具体的に漕いで飛ぶと。

佐藤魚やさんがなんでまた飛ぶんですか?飛びたかったんですか。地上から抑圧された、因はなんですか
魚谷飛んだら気持ちよさそうじゃないですか
佐藤:人間は羽根を持たないから、飛ばなくってもいいじゃない。
魚谷:飛べたらいいじゃないですか
佐藤家族に 抑圧されていて鳥になりたかったのかな

魚谷飛びたかった!
佐藤:飛びたかったと

魚谷:それをずーとやていたので。あまり
佐藤:建築の勉強しなかったと
魚谷:しなかった
佐藤:機械の設計をしていたということですか
魚谷:機械っていうか飛行機の、設計は航空学科のやつらがやっていたので。僕は乗る人やったんで

佐藤:ああ魚谷さんはひたすら漕ぎ手ね
魚谷:漕ぎ手
佐藤:人間航空機エンジンね エンジンだふふふふふふ
魚谷頭よくなかったんで
佐藤:体力も要る

魚谷:頭いい人が設計をする、僕はひたすら
佐藤:人間エンジンに徹し、エンジンになりきろうと、体力がないとね、頭よくても人間飛行機にはなれず、飛べない、その機は魚谷エンジンしか乗れないんでしょう。魚谷さんしか飛べない飛行機なんでしょう、設計した人は体力無いんで地上で指くわえて、ただ魚谷鳥人間を口開けて見る人になると

魚谷そうです
佐藤:飛べたんですか、何秒かは
魚谷:う〜ん   あんまり飛べなかった
佐藤:地上何メートルぐらい浮いたんですか?
魚谷:10mからスータートするんですよ。200m

佐藤:その当時の写真かなにか絵がないの
魚谷サービス悪いですね
佐藤:悪い 悪い
魚谷あはははははは

佐藤:知らない人間にちゃんと説明できるようにしてちょうだいよ
魚谷:写真ね 家に有ります、
佐藤:後でいいや メールで送ってもらって、いいよ。すこしは浮いたんでしょう
魚谷:試験飛行ってのはしょっちゅうやりますよ。それで800mの滑走路で端から端まで飛ばすんですよ。
佐藤:炭素繊維とか無かったかな

魚谷:カーボン使ってます
佐藤:総重量は片手で持ち上がるぐらいだった
魚谷:重量は凄く軽いですね。両翼で30mあるんですよ。
佐藤:長さは
魚谷:だから30m
佐藤:だから全長は
魚谷:こっちは15mぐら

佐藤:そうかそうか翼の長さの方が2倍ほど デカイんだ
魚谷:デカイです
佐藤:えらい風の影響受けそうだね
魚谷:風の影響受けないと飛ばないですからね

佐藤:うふふふふ
魚谷:ふふふふふふ
佐藤:シーンと無風の方が飛ぶんじゃないの
魚谷:いや風が多少あった方が飛

佐藤:そうか、魚谷さんは鳥人間になりたかったのか〜。珍しい人に出会ったな〜それは面白いな〜。へー。ひたすら鳥人間してたんだ。体力鍛えて
魚谷そうですね。3年生ぐらいまで。

佐藤:浮いたんでしょう。
魚谷:浮きましたよ。
佐藤:拍手チパチパチぱちは

魚谷うふふふふふふ
佐藤:凄いね〜
魚谷:今すごいですよもっと
佐藤:今はどのぐらい飛べちゃうの
魚谷:ぼく200mじゃないですか。今20kmとか飛んでいるところありますもん。
佐藤何々??

魚谷:20kmとか
佐藤:今200mと言わなかった
魚谷:ぼく200m飛んだんですよ。今20km飛んでいるチームがあるんですよ
佐藤:20KM!!! 足で漕いで
魚谷:はい

佐藤:凄いね〜人エンジン、これからは人力とか天然エネルギーの時代だねふふふふふ
魚谷:凄いですよね〜
佐藤:ライト兄弟も真っ青だね。
魚谷:そうですよね、人力ですもんね〜
佐藤:すごいよそれ。エッフェル塔から、布のツバサバタバタさせて落下した映像みたことあるけど、100年ぐらいで人間力で20KM飛べるんだ〜。チャップリンかな〜とおもったけど

魚谷:チャップリンやってましたね自分で。
佐藤:凄いよ、20KM人力で飛べるんだ〜これから化石燃料じゃなくって
魚谷:ははははははは みんなですか?無理でしょう
佐藤:21世紀は 人力の時代

魚谷:めっちゃ 体力要りますよ

佐藤
この無駄、がいい。体力の差によって 飛べないもんもでる
魚谷:プロペラ、普通の人は回らないでしょう
佐藤:だって環境汚染で死んじゃうから、必死で体力鍛え回すよ、どっちか選択しなければならないなら、死にたくないじゃない、みんな体力鍛えるようになったりするかもしれん 
魚谷:それは面白いですね


      
(1998年8月01日琵琶湖湖上を飛ぶ鳥人間)

佐藤:
食いもの無くなりそうになれば、車乗らずに捨てて道は瞬間的に畑に変わるよ、車より食いものだ
魚谷:はははははは それは良いですね〜
佐藤:そうするに決まっているよ 飢え死にし死ぬのいやだもん
魚谷:決まっているんですか〜

佐藤:飢え死にいやじゃない はははははそんなの
魚谷:畑とか人力飛行場にね
佐藤:人力飛行機使って隣町まで食材を求め、鳥の目線で町を見ながら暮らす、虫の目線で路上に出来た畑を耕す。と。ヘリコプターのよに垂直に上がって飛ぶのはむずかしいんですか。

魚谷:ヘリコプターは安定させるのがむずかしいんでしょうねキット。一方向の方が設計が簡単ですね。
佐藤:人力飛行機人生の ある瞬間鳥人間だった魚谷さんは良い感じに ニュートランスフォーむ する 人間になるかもしれないな〜

魚谷:ならないです ふふふふふ
佐藤:なるなる。変身!ふふふ 色々な人に会ったけど、建築しかやってない人は個性が一つしかないようだから、これからの激変する社会に適応できないように感じるワン個性ではね。鳥人間は飛べる、飛ぶ体験をしたという事実が、一人の人生の中で 多数の人間経験が誤配され同居するの、そんな人が、危機の時代には、優れた時代に要求された異能・能力を発揮するそうおもいます

魚谷;僕ね大学出るときに就職活動してなかった
佐藤:ああ 電池無くなってきた
魚谷:話全然聞いてない はや ははは
佐藤:電池入れ換えて二部ですね 続きは二部で 
魚谷:人の話 全然聞かない〜 うはははははは 

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 2009年8月02日の聞き取りの魚谷繁礼さん言葉文字化記録
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     文字起こし・文責 佐藤敏宏

  1時間01分08秒  残り音声80分 続く 2009年9月28日公開しました