2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
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「たかぎ み江さん エア人生を語る」 全4章 聞き手・文責:佐藤敏宏 第1章 ■ 夕飯 食作って食べよう 01 02 03 04 第2章 ■ 生い立ち 01 02 03 04 第3章 ■ 学問卒業後のエア人生 01 02 03 第4章 ■ みやげなら→ 建築模型ケーキを作ろう 01 02 03 04 05 06 |
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第4章 みやげなら→ 建築模型ケーキを作ろう 03 |
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佐藤:10年ぐらい身近な大学病など 言い続けていたんだけど、最近は俺 どこへ行ってもポスト毒があふれているんで 言えんけど まいいか とうことで み江:ああ、そうですか 佐藤:まだ まだだね み江:そのうち分かりますよ 佐藤:本当にどく毒が回り 病気になっちゃうよ 疲れすぎて み江:ふふふ 病気になんないのが一番良い 佐藤:病になるまえに 疲れて ぐわーっと寝ちゃう 寝たきり青年 み江:それが一番良いって 佐藤:ズーット寝てられるって、そうとう凄いよね、そうとう疲れ切っていたんだよね。ご苦労様でした。 み江:そうですね。や でもね、そこですっかり引きこもりは板に付いたんだけど。 佐藤:そういう状態なんていんだすか み江:寝たきり 佐藤:寝たきり若者 み江:あんとき 寝たきりだったよ本当に。 佐藤:ニートと言うなっていう本はあったけど ひきこもの寝たきり若者に関する言説は無かったよね み江:働いていたからね。ただの引きこもりで、ただの寝たきりでした。 佐藤:働けたんだから 不思議だよね み江:仕事だけは 辛うじて行ける。でもなんか騙し騙しみたいな、やり過ごしていたですね 佐藤:建築で飯くっていこうとは一切思っていなかったんだ み江:その頃は、とにかく喰う仕事だけで精一杯だから、建築のこと私 一切シャットアウトして。全く考えた無かったです。 佐藤:シャットアウトしなくっても良さそうだけど み江:シャットアウトしようとしてたわけじゃなくって、考えてなかった。 佐藤:忘れちゃうぐらい 人間の真ん中当たりが大変だったんだ み江:忘れてた。忘れてたし見たくもなかった、何かね、人の作ったもの見るって、凄いシンドイ作業だと思うんですよ。1日中なか 色々見られる人ってのが私信じられない、凄いと思う 佐藤:鈍いんですよ 、形式決めて見ないと何個も見ることは出来ない、じっと観ると夢にうなされるじゃん すいすい変だよ。 み江:いやいや凄い タフなんだと思うそれ。 佐藤:そうかな〜 み江:何か見られる、見る作法 自分の中で整理できて 佐藤:おれはちゃんと見てないと思うよ み江:そうかな〜 佐藤:都合のいいとこしか見てないよ 観たいように観たいところだけをみているだけ み江:そうかな 佐藤: 役立つとこだけしか見てない み江:それって重要なことじゃないですか、役立つとこだけみるって 佐藤:そかな。 おれ色々な人に建築を観てもらったけど俺の意図を暴く人は誰も居なかったよ、当たり前だけど ふふふふふ み江:あははは ははははは 佐藤:当たり前だけどね。 ほとんど皆 俺の意図を外して見てるよね、ここしかワカランのだな〜と。俺教える義務ないし勝手にみればいいと思うのでそこで 教える必要もないので 黙っているけど。観られるって残酷なもんです、批評する行為ってのは。 み江:でも作った人の思うとおりに 見ることはない。 桂:ビール 佐藤:じゃ なんで作った人に群れるのか まいいや。 そうね、桂さん呑みますか 桂:呑むと死んでしまう み江:ふふふふふふ |
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絵文章とも らくたび文庫サイトより
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佐藤:そうか 建築評論はしないと み江:全然その仕事やっていなかったんだけども。2008年ぐらいですかね。ちょっとボチボチとね。息を吹き返してきたのは 佐藤:最近だね み江:最近です。やや世界が明るくってね、今ね目の前が 佐藤:いいね〜 み江:ほ〜。 佐藤:誰か好きな男が出来たとか、追っ掛けるような奴が出てきたとかじゃないんでしょう、急に明るくなっちゃった み江 : ・・・・沈黙・・・・ 佐藤:黙っているということは好きな男が現れたんだ、もしかして、いいね あははは何 もしもし もしもし み江:いやいや、いやいや 佐藤:世界が明るくなるのは 心にいいですよ。追っ掛けする熱情をもっていた 女性に 好きな男が現れないのはもったいないよね 本当にもったいないから。男好きになった方がいいですよ。いいな〜。余計なことを聞きましたね。 み江:いやいや 佐藤:急に目覚めて明るくなって、最初の建築談議はなんだったんですか。 み江:えとね寝起きの一発が、執筆の仕事があったんですよ。ちっちゃいガイドブックを一冊、らくたび文庫っていう京都なんですね。ちっちゃいガイドブックシリーズが有って。500円とかで買える。でワンテーマ。例えば京都の豆腐で一冊とか。路地で一冊みたいな。それで近代建築編っていうのがありまして。 佐藤:沢山ありそうでいいね み江:沢山ある、その近代建築編の執筆を頼まれて。することになって。なんか自分にとっては久しぶりの建築仕事だったんですよ。 佐藤:きちんとしたお金ももらえたんだ み江:はい、凄いしんどかったけど、正直も〜。何ていうの、今まで寝たきりだったのがいきなり 佐藤:リハビリしないで 富士登山みたい かな み江:そうそう。そんな感じだった、凄いしんどかったんだけど。しばらく建築離れているから、なんも知らないし。そもそも何もしらないし。凄いしんどかったんだけど。何かあれで ちょっと起きましたかね。とりあえずね 佐藤:建築君 お早うございますと。建築外の領域から発注されたんだよね み江:ああそうですね 佐藤:み江さんは建築勉強してきたので、ちょいとやらせてみようかと み江:そうですね。 佐藤:500円でカラーなんでしょう み江:そう 凄いリーズナブルですよ 佐藤:500円でオールカラーで売って採算乗せるんだから相当部数刷っているんだろうね み江:ぎゃら 安いですけどね。 佐藤:3ヶ月ぐらい掛かったんですか み江:実際そんなないです、1ヶ月ぐらい 見開きで一個みたいな感じなんだけど。全部で幾つぐらいかな20個ぐらいかな。まあちっちゃい本です 佐藤:写真も撮るですか み江:写真はカメラマン。プロの方が、撮っていただいて。 佐藤:企画会議して 場所決めて み江:そうですね、何を選ぶかっていうところがちょっと。自分が勉強しながらなので辛い。なんでもそうだけど。一回目って辛いですね。勉強しながら 佐藤:最初に候補はあったですか。 み江:いや全然なかったですよ。私も不勉強だし。 佐藤:その時に思い出に残ってるのは何ですか。自分で記事を書いてて面白かったのは。気持ちいいな〜物件は み江:考えている 難しい質問ですね、何だろう。 佐藤:難しく考えないで、これちょっと良かったなというのは み江:様式のキャラを説明するのに、どうしようかって結構知恵を絞った。要するにプロ向けの説明じゃないから。 佐藤:専門的な蘊蓄細かく語られても、分からないのかな み江:それは私の疑問でもあったんだけども。近代建築の説明ってどうしても様式の説明になるじゃないですか。アールデコ調とか。昔からそれがあれだな〜と思ってたのはアールデコって言われても共有するイメージが無いんですよ。そこが何とか出来れば良いなっていうのは思っていて。だから例えば様式を説明するときに、ドリックだからがっりししてて、ガツンとしてて重いよとか。 佐藤:決まり切った文句で面白くない み江:決まり切った文句すら共有できてないから、そこは言うべきだと思います。はい。私は自分がそのイメージを作るのに結構苦労したから。とにかくお手軽だけでもいいから一個目の何か情報入れて欲しいと。いうのは前からけっう思っていた。 佐藤:なるほど、決めぜりふを言ったわけですか。作品ごとに。これを書いたらみん理解出来ちゃうよね。言語ゲイムみたいなもじゃないですか解説って み江:そうですねキャッチコピーを作るっていうことで 佐藤:言葉で建築を説明するのは難しそうだ、写真で見て分かることを分かるように説明するわけですか。 み江:むしろ写真を見て分からない人に説明する。物を見て、物だけで判断できる人ってそんなに多くない。それに対して何かしらストーリーを与えるっていう役目かな。キャラを立てるというか。他と違うところは 佐藤:キャラ立てしてくれる建築系の言葉使い手が少なすぎますよね。建築家は物に情報を与えて、情報によって組み立てて完成させているんだが。目の前の物から解説してくれる人が少なすぎる からかな。訳が分からん 少数の解説が流れている状態がずーっと今でも続いているんでしょうかね。 建築の専門家と、一般の人と人をつなぐ。建築ことばを他の言葉と橋渡しするプロが居ない。言葉に転換できたり言葉を物に変えたりするプロが居ないといけないと 見渡す限り建築で埋め尽くされているんだから ね。 誰かいそうなものだが、居ないし食えないし。困ったもんだ問題が相変わらず続いている。 少数の建築言葉が 決めてしまう貧困な状況はまだまだ変わらないんだろね。建築を作る側の 実建築家サイドにいたときには不満がありました。そういう仕事で食えないので こんない多数の建築があるにも関わらず、建築言葉では人の生活が成り立たないね。 その様な架橋の位置に み江さんは フックが出来たんでしょう、オメデトウございました。そこで本を作って、そこで寝覚めたっていうか。また建築再開して み江:そうですね |
昔の断食の 引き籠もりのような姿 webより |
佐藤:それは結構おもろいじゃない み江:で久しぶりに建築と再会したんだけれども。何かね〜景色が違って見えるんですよ。ああ私こんなことまで見えたかな〜みたいな。 意外に自分が昔よりもものの見方が違ってるなっていうのは一寸びっくりした。違っているし。前よりもまえよりも見えてます。見えている気になっているだけかも知れないけど。 佐藤:実際に見えてきたんじゃないでようかね み江:わからない。例えば断食して、で断食3日なりして、最初からだが吸収やすい状態になってるから何食べても消化するみたいな、そういう感じかなみたいな。 佐藤:建築断食、それはいいですね み江:うん。 佐藤:情報過多の社会にあっては情報断食しないと ニンゲンは 寝病に罹るとね み江:断食世 佐藤:情報断食 み江:そうですね、情報断食 いけますね 佐藤:具体的には引きも籠もる 玄関から出ない 建築的な情報断食して、忘れていい 新たに建築と再会・対面すると み江:あ それ良いですね 佐藤:学校卒業して ダラダラと続いちゃうからね。建築的情報断食をしたあとではスイスイと吸収できちゃったような気分になれると、それいいよね み江:そんな感じはしますね 佐藤:ということは建築あんまし嫌いじゃないんじゃないですか み江:あんまり嫌いじゃないです、ただ大好きでもないです、無くっても全然生きていけます 佐藤:それはそうだよ ふふふふふふ。京都大学の建築科を出てね、建築系で飯を喰ってないと、要するに負け組みたいなさ、脱落者みたいの気分はないんですか み江:あ、それは常にありますよ 佐藤:人間に脱落じゃなくってよかったよ。 制度からの脱落気分ね、そうか。 み江:私はもう何にも成れなかったらって思いながら 佐藤:人間に成っているじゃないですか〜 み江:あ そうか 佐藤:ふふふふ、マジで脱落者に成ったような、そんな気分になってしまうんだ、そこの部分が 最初から 底辺に居続ける 俺には 分からないところだね み江:そうですか 佐藤:それは 何か目的主義者てきに、自分が何かに回収され過ぎているというか、何も成んなくてて み江さん個人で良いという構えがすくなかったのかもしれないね み江:そこは 自分の中では、何かね〜 佐藤:何かイメージがあったんですか人間の成長みたいな、自分の考えたイメージどおりに達成していくものだという 目的至上主義的なものが み江:別に人間は、生まれたときから人間ですよ。 佐藤:何にも成らずに そのままでいいじゃないですか 近代って異常な時期だよね、教育されちゃうからね。自分はそのカテゴリーの中で生きていくしか出来ない と思い込む。特異な才能を持ったりね、周囲より特別な部分があることによって、アイデンティテーとか自分を認識できるみいたな構えは、近代の病気だと思うんですけども。そんなふうに考える必要がないよ。 み江:あそうですねそうです、その意味では私は何も成れなかった。 佐藤:何にもならなくって良いのに、何かに成らなきゃいけないと思わされて生きて来た、高度成長期イズム・時代の状況から生まれた構えだよね み江:でも、そういう時代に生きているから、何かに成らなきゃいけないってね、凄いありますよそれは。それ捨てられたら凄い楽ですよ 佐藤:ふふふふ 早く年取りなさい ふふふふ み江:そんなの 簡単にすてられないから 大変なんですよ 佐藤:ふふふふふ、若い自分を寝たきり暮らしに追い込むイズムなんて 分かるけど 同意できない ふふふふふ 46:06 第4章 その04へ |