和歌と俳句

古事記の中の和歌

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八千矛神
奴婆多麻能 久路岐美祁斯遠 麻都夫佐尓 登理與曾比  淤岐都登理 牟那美流登岐 波多多藝母 許禮婆布佐波受  幣都那美 曾迩奴岐宇弖 蘇迩杼理能 阿遠岐美祁斯遠  麻都夫佐迩 登理與曾比 於岐都登理 牟那美流登岐  波多多藝母 許母布佐波受 幣都那美 曾迩奴棄宇弖  夜麻賀多尓 麻岐斯 阿多尼都岐 曾米紀賀斯流迩  斯米許呂母遠 麻都夫佐迩 登理與曾比 淤岐都登理  牟那美流登岐 波多多藝母 許斯與呂志 伊刀古夜能  伊毛能美許等 牟良登理能 和賀牟禮伊那婆 比氣登理能  和賀比氣伊那婆 那迦士登波 那波伊布登母 夜麻登能  比登母登須須岐 宇那加夫斯 那賀那加佐麻久 阿佐阿米能  佐疑理迩多多牟敍 和加久佐能 都麻能美許登  許登能 加多理碁登母 許遠婆

ぬばたまの 黒き御衣を まつぶさに 取り装ひ  奥つ鳥 胸見る時 羽たたきも これは宣はず  辺つ浪 そこ脱ぎ棄て そに鳥の 青き御衣を  まつぶさに 取り装ひ 奥つ鳥 胸見る時  羽たたきも こも宣はず 辺つ浪 そこ脱ぎ棄て  山県に 蒔きし あたねつき 染木が汁に  染衣を まつぶさに 取り装ひ 奥つ鳥  胸見る時 羽たたぎも 此しよろし いとこやの  妹の命 群鳥の 吾が群れ往なば 引け鳥の  吾が引け往なば 泣かじとは 汝は言ふとも 山跡の  一本すすき 項傾し 汝が泣かさまく 朝雨の  さ霧に立たむぞ 若草の 嬬の命  事の 語りごとも こをば

須勢理毘賣命
夜知富許能 加尾能美許登夜 阿賀淤富久迩奴斯  那許曾波 遠迩伊麻世婆 宇知尾流 斯麻能佐岐耶岐  加岐尾流 伊蘇能佐岐淤知受 和加久佐能 都麻母多勢良米  阿波母與 賣迩斯阿礼婆 那遠岐弖 遠波那志  那遠岐弖 都麻波那斯 阿夜加岐能 布波夜賀斯多尓  牟斯夫須麻 尓古夜賀斯多尓 多久夫須麻 佐夜具賀斯多尓  阿和由岐能 和加夜流牟泥遠 多久豆怒能 斯路岐多陀牟岐  曾陀多岐 多多岐麻那賀理 麻多麻傳 多麻傳佐斯麻岐  毛毛那賀迩 伊遠斯那世 登與美岐 多弖麻都良世

八千矛の 神の命や 吾が大国主  汝こそは 男にいませば うち廻る 島の埼々  かき廻る 磯の埼おちて 若草の 嬬持たせらめ  吾はもよ 女にしあれば 汝を除て 男は無し  汝を除て 夫は無し  文垣の ふはやが下に  蒸被 柔が下に 袴被 さやぐが下に  沫雪の わかやる胸を 楮綱の 白き臂  そ叩き 叩きまながり ま玉手 玉手差し纏き  股長に 寝をしなせ 豊御酒 たてまつらせ

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