和歌と俳句
短歌
歌枕
俳句
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
古事記の中の和歌
懐風藻
万葉集
伊勢物語
古今集
後撰集
拾遺集
源氏物語の中の短歌
後拾遺集
金葉集
詞花集
千載集
新古今集
新勅撰集
続後撰集
おくのほそ道
野ざらし紀行
鹿島詣
伊勢物語
むかし、おとこ、うゐかうぶりして、平城の京、春日の里に
むかし、おとこ有けり。ならの京は離れ、
むかし 東の五条に大后の宮おはしましける
むかし おとこ有けり 東の五条わたりにいと忍びていきけり
むかし おとこありけり 女のえ得まじかりけるを
むかし おとこありけり 京にありわびて あづまにいきけるに
むかし おとこありけり そのおとこ 身をえうなき物に思なして
むかし おとこ 武蔵の国までまどひありきけり
むかし おとこ有けり 人のむすめをぬすみて
むかし おとこ みちの国にすゞろに行きいたりにけり
むかし 紀の有常といふ人有けり
年ごろをとづれざりける人の 桜のさかりに見に来たりければ
昔 おとこ 宮仕へしける女の方に
むかし おとこ女 いとかしこく思ひかはして
むかし はかなくて絶えにけるなか
むかし 田舎わたらひしける人の子ども
むかし おとこ 片田舎に住みけり
むかし おとこ有けり あはじともいはざりける女の
昔 をとこ 女のもとに一夜いきて 又も行かずなりにければ
むかし 宮の内にて ある御達の局の前を渡りけるに
むかし おとこ つれなかりける人のもとに
むかし 西院の帝と申す帝おはしましけり
昔 若きおとこ 異しうはあらぬ女を思ひけり
昔 女はらから二人ありけり
昔 おとこ 色好みと知る知る 女をあひいへりけり
むかし 県へゆく人に 馬のはなむけせむとて
むかし おとこ いとうるはしき友ありけり
昔 おとこ有けり 馬のはなむけせんとて
昔 をとこありけり 恨むる人を恨みて
むかし をとこ 逢ひがたき女にあひて
むかし 心つきて色好みなるをとこ
むかし をとこ 京をいかが思ひけむ
昔 をとこ 筑紫までいきたりけるに
むかし 世心つける女
むかし おほやけおぼして使う給ふ女の
むかし をとこ 津の國にしる所ありけるに
むかし をとこありけり そのをとこ 伊勢の國に狩の使にいきけるに
むかし をとこ 狩の使より帰りきけるに
昔 をとこ 伊勢の國に率ていきてあらむ といひければ