和歌と俳句

伊勢物語

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 むかし おとこありけり 京にありわびて あづまにいきけるに  伊勢 おはりのあはひの海づらを行くに 浪のいと白く立つを見て 

  いとゞしく過ぎゆくかたの恋しきにうらやましくもかへる浪かな 

となむよめりける

 むかし おとこ有けり  京や住み憂かりけん あづまの方に行きて住み所求むとて  友とする人ひとりふたりして行きけり  信濃の国 浅間の嶽にけぶりの立つを見て 

  信濃なる浅間の嶽にたつ煙をちこち人の見やはとがめぬ