TopNovel>指先に雨音・2




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「遅いぞ、莉子」
 ようやく今日のノルマを仕上げたのはそれから四十分後。慌てて待ち合わせ場所に向かうと、相手はすでに到着していた。週末にカットしたばかりだという髪が夏らしくていい感じ。控えめにウエーブを描く毛先が、やんちゃな性格をほのめかしているみたいだ。
  昇降口を出てすぐ、大きな木の下で雨を避けながら待っていてくれたのかな。ああー、ようやく現実の世界に戻ったって実感できる瞬間。魔物の巣食う異界はもうたくさんだわ。
「ゴメンね、シゲル! 思ったよりも手間取っちゃった」
 身体がくっつくギリギリのところで寄り添うと、ふんわりコロンのいい香り。この蒸し暑くジメジメした夕暮れに、彼の周りだけ涼しげな風が吹いているみたいだ。ああ、何て爽やか。全身から清潔感が溢れている。
「まあ、江川の命令じゃ逆らえないだろ。何言われても大人しく従っとくのが一番だ」
 ふふ、前髪をかき上げる仕草もたまらなくかっこいい。
 悪ぶった台詞をさりげなく呟いて、薄い唇の口端がちらっと上がる。何度も同じような説明しちゃうけど、ウチの制服って時代遅れのひどい代物だし、かなりのルックスの人が着てもイマイチに見えちゃうの。それなのに、シゲルはおじさん臭いワイシャツとこれまたじじ臭いスラックスをこの上なく上品に着こなしてる。
  地元では名の知れたスーパーチェーンの息子との噂なのに、本人がそれを鼻に掛けてないところがスマートね。まあ元からウチの学校って「○○の」って肩書きの付くちょっとした有名人だらけなんだけど。やっぱ血筋は争えないんだろうなあー、一緒にいると荒んだ心がみるみるうちに浄化されていくみたい。
「だけど莉子も災難だよな、あんな奴に取り憑かれて。奴も大人げないよなー、入学間もない下級生を虐めて何が楽しいんだろ」
 うんうん、もっと言って。けちょんけちょんに言ってくれていいよ。シゲルは大王と同級生、と言うことは私より一学年先輩だ。去年は同じクラスだったんだって。意外にも意外、大王が同級生のクラスでは別人みたいに大人しく過ごしてたとか信じられない事実も暴露してくれる。どんよりした日常、全てがモノクロームだった日々が、シゲルと出会ってからようやっと色づいて見えるようになった。
「ホント、ホント。電卓叩くなんて誰でも出来るのに、あたしばっかり。全く、人使い荒いんだから!」
 つられて、お腹の中に溜まった鬱憤を吐き出してた。あー、気持ちいい。
 何しろ入学早々「閻魔大王」という仮の名を持つ風紀委員長に目を付けられたお陰で未だにクラスにもあまり馴染むことが出来ないまま。中学時代の悪友であったみつわの知り合いで幸運にも同じクラスになった早紀以外は向こうから話しかけてくれる友達もいないという寂しさよ。夢見てた花の高校ライフが総崩れで、それはそれは嘆かわしい現状だった。
  けど、そんな風に落ち込んでたある日、シゲルが声を掛けてくれて。初対面なのが信じられないくらい、すぐに意気投合した。それまで知ってたのって、腰抜けの同級生ばかりでしょ。大王の存在を少しも恐れていない清々しさが、とても素敵だった。もう出会った瞬間に、ビビッと運命を感じたわ。
  程よく日焼けした肌、乙女心をくすぐる甘いマスク。嫌みなく中肉中背、身長は若者の標準よりも少し高いくらい。けどね、何も無駄に上背があるだけが男じゃないよ。どっかの黒ずくめカラス野郎のように威圧感が増すだけだと思う。
「ま、これでも江川には感謝しているんだよ。アイツのお陰で莉子みたいな可愛い子がフリーでいてくれたんだから」
 ううう、敵に花を持たせるなんて大人の余裕だわ。そうよ、シゲルは言ってくれた。大王が毛嫌いしているこのくるんくるん巻き毛がすごくいいって。「触っていい?」って訊ねられたときは、さすがに心臓が飛び出しそうだったけど、でもでもとても嬉しかったんだ。
  入学してからこっち、全校生徒の中でひとりだけ浮きまくってる自分の外見がとてつもないコンプレックスになってる。別に髪を染めているわけでも、パーマをあててるわけでもない。マスカラはもちろんビューラーだって使ってないし、リップは無色無香料のものだけ。それなのに四方八方からの視線の冷たいこと。これもみんな大王が仕組んだことだと思うと、はらわたが煮えくりかえりそうだ。
 そうよ、あいつさえ。あいつさえ、あんな風に権力を振りかざしてあたしを呼び出さなかったら。もっと穏便なやり方でこちらの無実を証明してくれたなら。もうちょっとはマシな毎日を送れていたと思うのは甘い?
 ま、それでもね。あたしだって捨てたもんじゃないんだから。正面切って近づいてくれた男子はシゲルが初めてだったけど、それまでだって「もしかして、脈アリ?」と思っちゃう視線は時折り感じていた。
「一年桜組の苑田さんって、可愛いよね?」―― なあああんって噂話が偶然耳に飛び込んで来たことだって何度もある。ええーっ、そうなの〜とか最初は信じられなかった。中学の頃はイロコイとは無縁の毎日を送ってたし、自分がどれくらいのレベルかなんて考えたこともなかったもの。そりゃ、パパやママやキヨさんミヨさんは「可愛い可愛い」って言ってくれたけど、そんなの身内の欲目だし。
  入学早々に厄介な事件に人知れず巻き込まれたりしたわけよ。だからどうやったって立ち直れないほどの深い傷を心に負っている。もしも、もしもよ。包容力のある優しい人が現れたら、それだけで救われるなーとか思ってた。それなのに、結局だーれも直接アクション起こしてくれないんだもんね。天下の「私立緑皇(りょくおう)高校」、百年以上の歴史なんてとんでもないハリボテだわとかやさぐれてた。
 もちろん、そんな心の葛藤もシゲルとのラブラブ・ハッピーのことも大王には絶対内緒。もしもばれたら、私たちの愛はあの悪党に儚くも引き裂かれてしまうに決まってる。察しのいい楓さまはもう勘付いているのかも、何度か探りを入れられてヒヤッとした場面もあった。
  けどさー、これくらい大目に見てくれたってバチは当たらないと思うよ? 楓さまは大王とらぶらぶなわけでしょ。誰が見てもお似合いのカップルなわけでしょ。だったら、いいじゃない。私にだってちょっとくらい普通のジョシコーセーさせてよっ!
「莉子、どーした。急に黙りこくって」
 ……は、やばやば。また思い出したくない記憶が蘇って来ちゃったわ。せっかくシゲルと一緒にいられる貴重な時間なのに、こんなんじゃ駄目駄目。「今」を思い切り楽しまなくてどうするの。
「う、ううん。ゴメン、何か色々思い出しちゃって」
 もしもシゲルに巡り会えなかったら、あたしは今も薄暗い気分でいたのかしら。もう絶対、あの頃には戻りたくない。だから大王に睨まれるようなことは極力避けて、穏便に穏便に過ごしたいと思ってる。理不尽を積み重ねた命令に屈してるのもそのためよ。
「そっかー、でもひとりで抱え込むことないんだぞ。何のために俺がいるんだよ」
 ううー、シゲルってほんっと優しいな。傘を片手に歩いているとなかなかラブな感じにはなれないけど、あたしのこと気遣ってくれるのはすっごくよく伝わってくる。
「よし、どっかで休んでくか? 駅向こうにあるローズカフェのチョコパ、今日半額だってよ。莉子、あーゆうの好きだろ?」
 ばらばらばら。また雨が激しくなってくる。半歩置き去りになった傘の下、あたしはシゲルに気付かれないように小さく溜息をついた。
「……ゴメン、無理。これ以上遅くなると、お祖母ちゃんたちがバス停まで迎えに来るの危ないから」
 誘ってくれたの、すごく嬉しいよ。あたしも出来ることならシゲルともっと一緒にいたい。お茶したりウインドショッピングしたり楽しみたいのは山々。だけど、悲しいかな。あたしは門限破りの許されないシンデレラ。最強のお祖母ちゃんズ「キヨさんミヨさん」が相手じゃ、どーしても勝ち目がないのよ。
  マジで来るんだよ、自宅から徒歩で20分のバス停まで。お揃いの着物をびしっと着込んで、レースの縁取りが付いた日傘なんて差しちゃって。緑皇の制服を着たあたしと一緒に歩くのが楽しくて仕方ないんだって言う。嬉しそうなふたりを見ていると無碍に断れないでしょう。でも薄暗くなってから出歩くのは車の通りも激しくなるし危険だよ。これでもかなり気を遣ってるのよ、あたし。
 シゲルも部活や他の用事があるから、こうして一緒に下校できるのは週に一度か二度。忙しいスケジュールの合間を縫って、それでもあたしとの時間を大切にしてくれるんだよ。
  それなのに、あのにっくき大王め。まるでギネスに挑戦するように、山盛りのノルマを出してくれちゃって。こっちが必死でクリアすれば、翌日にはまたも山の高さが増えてるし。あたしだって今日は死ぬ気で頑張ったわよ、だけど途中で美味しいお菓子は出てくるし楓さまはなかなか解放してくれないしでなかなか思うようにいかなかった。
「うーん、莉子は相変わらずガードが堅いなあ。まあそういう真面目なところがいいんだけど」
 ううう、ホントにゴメンっ。頼むから嫌いにならないで。祈るような気持ちで見上げると、シゲルは「大丈夫だよ」って微笑んでくれる。
「こうやって一緒に帰れるだけで、幸せだと思わなくちゃあな。莉子が隣にいてくれれば、憂鬱な天気も全然気にならなくなるよ。俺、かなり本気みたいだ」
 うわぁ、胸がじーんとしちゃう。シゲルの言葉には迷いがない。真っ直ぐに気持ちを伝えてもらえるあたしって、何て幸せなんだろう。毎日毎日大王に顎で使われて二言目には「馬鹿」とか「間抜け」とか言われて、すっかり気が滅入ってるのよ。もしもシゲルがいなかったら、一体何を支えに学校に来ればいいの?
「あ、あたしも! あたしも、シゲルと一緒にいられて嬉しい!」
 真っ直ぐな気持ちには真っ直ぐに応えたくなる。あたし、シゲルと一緒にいるとどんどん可愛くて素敵になれる気がするの。だって、シゲルが誉めてくれるのだものね。
「そーか、そーか。……おっ?」
 やっぱ、傘が邪魔だな。お天気の日なら、頭を撫で撫でしてもらえるのに。そう思ってたら、シゲルの携帯がカバンの中で騒ぎ始めた。この着信音はメールだな。一応画面で相手の名前は確認したみたい、けどその場では返信とかしないですぐに元に戻す。ちょっとしたことだけど、そうやってあたしとの時間を優先してくれるのが「特別」ってことよね。
「……いいの?」
 あたしのことなんて気にしなくてもいいんだよ、友達づきあいも大切にして欲しいな。あたしがシゲルのことを必要としているのと同じくらい、シゲルの友達もシゲルのことを頼りにしているんじゃないかなあ。あんまり冷たくしたら可哀想だよ、いいよメールくらい。待ってるから。
「ううん、どうせたいした用でもないんだろ。気にするな」
 うーん、いいなあ。どうして次から次からあたしが嬉しくなっちゃうような台詞ばかり言ってくれるんだろ。そりゃシゲルくらい素敵なら今までだって彼女が何人もいただろうし、きっと女の扱いも心得てるよね。でもでも、それだって構わない。今はあたしが彼女だもの、一番近くにいるんだもの。
「さ、大降りになる前に行こうか」
 全国各地、どこにでもありそうな駅前商店街。しかもこの「西町商店街」一角は、昔ながらの和菓子屋さんやら呉服屋さんやらそんなのばっかり並んでいるんだ。唯一イマドキのものと言えば、数字の看板が目印のコンビニ一軒だけ。しかもそこも品揃えが、心なしかレトロチックなのね。
  南町や北町の通りはこんなじゃないよ。周りを畑と田んぼで囲まれた中学に通ってた私としては、あっちエリアは長いこと「夢の世界」だったんだ。あー、シゲルとオシャレなカフェでお茶したいな。けど、こんな風に時間に縛られてちゃ、絶対無理だもの。
 まー、どんな場所だってシゲルと一緒にいられたらそれだけでハッピー。次に会えるときは雨は降らないで欲しいな、だってやっぱり手を繋いで歩きたいでしょ?

 放課後の作法室はひんやりとして水の底にいるみたい。外界と隔離された静寂の中、聞こえてくるのはパチンパチンというハサミの音だけ。あたしのと、もうひとりのと。
「あら素敵、思い切って短くしてみるのもいいわね。なかなかいいわよ、莉子ちゃん。それぞれの枝に動きがあって自由に伸びてる感じなのに、全体はとてもまとまっているわ」
 右隣から、もうお馴染みになった声がしてくる。今日は大王が他校との合同会議とかで出掛けてしまったらしい。だけど早紀は日本舞踊のお稽古でさっさと帰っちゃうし、シゲルも予備校なんだって。このまま真っ直ぐ帰るのも面白くないなーとか思ってたら、昇降口前で楓さまに声を掛けられた。
「そ、そうですか。……ありがとうございます」
 適当に短くしてこれまた適当に挿していっただけだから、思い切り誉められると恥ずかしくて仕方ない。神妙に頭を下げてから隣を見れば、楓さまの水盤には同じ素材を使ったとは思えないほどのしっとりとした作品ができあがっていた。そりゃ、さる家元のお嬢様だって言うしね。キャリアが全然違うもん、比べる方が間違いよ。
「そうね、ここの小手毬をもう少し前に持ってきてみる? その方がもっと良くなるわよ」
 すごいんだよね、楓さまはお稽古の最中でも否定的な言葉を絶対に使わない。ちゃんとこっちの努力を評価してくれた上で的確なアドバイスをしてくれるの。どっかの誰かさんとは対照的。アイツ、人を落ち込ませることにしか生き甲斐を感じてないんじゃないかしら。
「あ……本当だ」
 へー、びっくり。たったひと枝を挿し変えるだけで全体のイメージが全然違って見える。素直に感激していると、楓さまは早くも机の上を片付け始めた。
「さ、私の方は職員玄関前に飾ることになっているの。莉子ちゃんのはそうねえ……今回は指導室に持って行く? あそこ殺風景だものね」
 ―― え、やだ。
 何気なく言ってくれちゃうけど、何で一時間も掛かった大作をよりによって大王のプライベートルームに飾らなくちゃならないの。そりゃ、ど素人の活けたものじゃ人通りのある公の場所には難しいかも知れないよ? だからと言ってさー。大王にあげるくらいなら、教室に置いた方がずっとマシ。……そんなこと、楓さまには言えないけどね。
 で。何であたしが楓さまとふたりで花を活けてるかって?
 うーん、自分でもよく分からないんだけど。気がついたら華道部の幽霊部員になってたのよ、あたし。あれよあれよという間に楓さまに乗せられてた。部活動そのものは月水金の週三日。でも他の部員の皆様とご一緒に、っていうのはひと月以上たった今でも気後れしちゃって駄目なの。
  何しろ、天下の私立緑皇高校。数ある部活動の中でも伝統と実績で他を圧倒すると言われている華道部よ。それこそ物心つく前から活けてました、なんて人がごろごろしていて時々飛び出す専門用語もあたしには宇宙語にしか聞こえてこない。散々ごねたら、何と楓さまが個人指導を申し出てくれたのね。
  お忙しい方だから不定期になっちゃうけど、ちょっとずつお稽古を重ねてきた。上達したかって? そんなの、どうでもいいでしょっ。
「ほら、早く運んじゃいましょ。そうしたら、戻ってきてお茶にしましょうね。今日も莉子ちゃんのためにとっておきのお茶菓子が待っているわよ」
 あたしがぼーっとしているうちに、机の上は水盤以外のものが全てなくなっていた。すごいなー、いつものことながら何たる早業。楓さま、見た目はヤマトナデシコにおっとりでも仕事は的確で早いのよね。やっぱこの辺なんだろうな、大王が惚れ込む理由。
「はーい」
 
 作法室は特別棟の一階左奥。
 楓さまの提案で、中央階段から一度二階に上がって同じ特別棟の指導室を経由して行くルートを選んだ。まあ、仕方ないか。花代は実費だけど、楓さまの計らいで半値以下にしてもらってるし。間違っても大王なんかのために頑張ったわけじゃないわ、置く場所に困るから押しつけるだけ。
 さらさらと美しい黒髪ストレートが揺れるのをすぐ後ろから眺めつつ、後に続く。学園中の憧れの彼女に個人指導してもらえるってすごいことなんだろうなー。そりゃね、あたしだってこの人が大王とグルじゃなかったら普通に憧れていたと思うよ? 出会い方がとにかく最悪だったから、どーにも軌道修正がきかなくなってるのだ。
「さ、この辺がいいでしょう。ふふ、明日の朝に衛がどんなに驚くでしょうね。楽しみだわ」
 ふわーっと背後から後光が差してくるような、慈悲深い微笑み。ごめんなさい、楓さま。あたしはまだあなたの好意を百パーセント信じることが出来ません。こんなに良くしてもらっているのに、すぐに疑っちゃって申し訳ないです。そんなはずないのに、でもやっぱり駄目。
「じゃあ、次は私に付き合ってね。……あら?」
 廊下に出たあと、手の空いたあたしが指導室の鍵を閉めていた。窓の側で待っていてくれてた楓さまが何かに気付いたみたい。
「あの……向こうのフェンスの近くにいるの、私のクラスの本居君だわ。他校の生徒も一緒みたい、あんな人目に付かない隅の方で何をしているのかしら?」
 その言葉につられて、あたしも楓さまの視線の先を見ていた。「本居君」という名前に内心ドキッとしたのも事実。だって、……それはシゲルの名字だもん。でも彼、今日は予備校だよ。直接言われたもの、こんなところにいるわけない。
「あの制服、南高校だわ。大丈夫かしら、本居君」
 もちろん楓さまはあたしとシゲルのことを知らない。だから、今の言葉は何らかの返答を求めて問いかけられたものではなく独り言のつもりだったのだろう。
  一瞬だけ眉間に皺を寄せて、すぐに何事もなかったかのように歩き出す。だから、私も無言のまま後に従った。
 けど……楓さまの言葉通り。数名の南高の男子生徒に囲まれていたのは間違いなくシゲル、あたしの大好きな彼だったのだ。

 

つづく♪ (070914)

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