業務日誌(2002年11月その3)

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11月29日 仕事にならない日

マギー司郎
 タイトルの意味、別に業務妨害を受けたわけではありませんが(笑)。

 本日、偶然午前中の予定が空いたので、11月18日の日誌にも書いたとおり懸案だった散髪を敢行。
というわけで、事務所に着いたのはお昼過ぎ。
 
 それでもって、午後3時からは、事務所のインターネット環境をADSL化するので費やされました。

 2月の時点では、当面ISDNで十分、なんて言っていたのですが、ビジネス回線だからなのか、NTTにフレッツISDNを断られ、ものすごい電話代金がかかっていることが判明。結局アナログで残していたファクス用回線を利用してADSL導入となりました。

 おかげでこの間買ったばかり、しかも故障して無償交換したばかりのISDN用ルータはまたもお蔵入り。新しいルータを探すことになりまして、アッカのADSL用モデムがNEC製だからなのでしょうが、推奨無線LANルータもNECなので、結局こいつを買いました。

 今までのISDN用回線ではなくて、ファクスにつながっていた回線を使うため、モデム、ルータの置き場所探しにも一苦労した後、設定開始。しかし、パソコン側ではNECではなくて従来どおりのメルコの無線LANカードを使うため、設定にまたまた苦労する(メルコのクライアントマネージャでESS-IDを設定し直す必要があることを思い出すのに10分ほどかかったので)。

 ま、とはいいながら、1時間強で何とかすべてのパソコンの環境移行に成功しました。ADSL、12MBサービスを申し込んだはずですが、事務局が計ったところによると2MBそこそことか。まあ、そもそも無線LAN経由ですからしかたないでしょう。

 そしてさらに、本日は所属派閥、春秋会のファミリーパーティ(忘年会の拡大バージョンのようなもの)があったため、5時過ぎに事務所を退出。というわけで、全く仕事になりませんでした。




11月28日 雑感(ストックオプション判決、懲役14年と15年)

(その1)

 利益は「一時所得」 給与所得とする課税処分取り消し判決

 海外本社のストックオプションで得た利益について、国税局は一時は「一時所得」として申告するよう指導していながら、後に一方的に「給与所得」と解釈を変更し、過去にさかのぼって課税処分を行い、多くの外資系役員・従業員に混乱を巻き起こしました。

 上がるかわからない株価に左右されるストックオプションを「給与」とみなすことも無理がありますし、何より問題なのは一片の通達で法解釈を変更して済ませられると思いこんでいる国税局の感覚です。

【憲法84条 租税法律主義】あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

 まあ、現在の東京地裁行政部の裁判長は非常にドラスティックな判断をしてくれる方で、これが控訴審でひっくり返らないとは限りませんが、非常にまっとうな判決だと思います。


(その2)

 「お受験」が動機か?とマスコミで騒がれた文京区の女子殺害事件で、控訴審が1審の懲役14年の判決を破棄して懲役15年の判決だそうです。

 ???14年と15年の差は刑期にして7%。この程度の差で「量刑不当」による下級審の刑の破棄はしません。この程度の差なら、普通は1審の判決を尊重するものです。控訴審の裁判官が、マスコミの目を意識して、検察官に迎合したとしか思えない変な判決です。

 こういうところだけ世論に迎合しないでほしいですね。裁判官の独立はなんのためにあるのでしょうか。




11月26日 合併

 「ドラクエ」のエニックスと「FF」のスクウェアが合併するそうです

 業界大手同士の合併が多く、寡占化の進む昨今ですが、ゲーム業界ではどうでしょうか。

 私も昔はドラクエはTからXまで、FFもTからXまで遊び倒した口でした。司法試験の合格の前年の10月にドラクエXが、12月にはFFXが立て続けに発売されてしまい、勉強どころの話ではなくなってしまった記憶があります。さすがにその後はなかなかクリアするほどの時間が取れませんが。

 そのころからの感覚で言うと、寡作で新ハードや新技術への進出は極力慎重、現在持つ技術を極限までブラッシュアップして完成度で勝負するエニックスと、多作で新ハード、新技術の導入に積極的、多少荒削りでもタイムリーに意欲作を連発するスクウェアは、企業風土が正反対であったような気がするのですが、合併しちゃって大丈夫なんでしょうか。お互いの長所が相殺されないようにしてほしいものです。

 ここで終わってしまうと、弁護士の業務日誌としては全く意味がないので、多少蛇足。

 最近は法律事務所の合併も増えているようです。例えば、日本最大級の森総合と浜田松本の合併話とか。

 でも大きな事務所の合併ですと、元々大企業の顧問先をいくつも抱えているだけに、コンフリクト(利益相反)の処理が大変になります。

 また、やはり事務所の雰囲気が融合できるのかが結構問題になるようです。国内事件の大手と渉外事件の大手が合併してみたが、結局融合できずに事務局もバラバラのまま、という事務所もあると聞いています。

 規模さえ大きければいい、というものではなさそうです。