業務日誌(2004年7月その1)

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7月14日 ネットにおける加害者と被害者

 というタイトルで、本日、とある女子校で講演をしてきました。

 偶々、この学校出身の知り合いの弁護士から頼まれたからなのですが、予めこのタイトルで講演してくれとの依頼でしたので、一体どのような話を期待されているのか事前に聞いたところ、どうも2ちゃんねる上でその学校の生徒が自校の内部事情や教師、友人のプライバシーに関わることを投稿しているスレッドができてしまっているため、何とかしたいということらしいです。

 依頼の趣旨からすると、何となくあれもしちゃいけない、これもしちゃいけないという道徳の授業みたいな講演になっちゃいそうなので、2ちゃんねる上の用語解説や有名弁護士の名誉毀損事件の判決の解説等、興味を引きそうな話題を取り混ぜてみましたが、果たしてそのような部分は大受けだったものの、本題では予想通り眠そうな生徒が結構いました。




7月13日 黒船襲来?

 参院選の結果で埋め尽くされた新聞紙面で、結構私がギョッとした記事がありました。 

【英大手弁護士事務所、三井安田を吸収】     http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20040712AT2D1000A11072004.html
英弁護士事務所のリンクレーターズ(ロンドン)が来年4月、金融などの渉外業務で知られる三井安田法律事務所(東京・港)を事実上、吸収する。

 三井安田は私の知り合いも在籍する大手渉外事務所ですが、ここが外国法律事務所に吸収される第1号になるとはびっくりです。しかも報道を見る限り、全面吸収ではなく、おいしいところだけ取られて後は放り出されるような感じ(70人中残るのは20から30人ということですから)。後の弁護士は可哀想ですねぇ。

 欧米では会計事務所の寡占化が進み、特に欧州では法律事務所が巨大会計事務所の配下になってしまう傾向が進んでいると聞きます。本来、弁護士と会計士では役割も気風も全く異なります(金融庁の顔色をうかがって、顧客企業に対し掌を返すという対応は、弁護士の場合あまり考えられません)。日本も欧州のようになっていくのか、それがいいことなのか、見定める必要があります。




7月12日 一票の格差はどうなった?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040712-00000025-san-pol
参院選で選挙区当選者のうち得票が最も少なかったのは、鳥取選挙区の田村耕太郎氏(自民)の15万1737票だった。これに対し、大阪選挙区の辻元清美氏(無所属)は71万8125票を獲得しながら落選。

 上記倍率は、得票数による倍率で、単純に有権者の数を定数で割った一票の価値の格差は5倍を超えています。

 前回参院選の時点から既に格差は5.06倍で、この際の一票の格差について、最高裁は本年1月に判決を出しています。結論的には合憲ですが、実は「違憲判決を出すべき」という反対意見が裁判官15人中6人もいたきわどい判決です。

 にもかかわらず、一票の格差の是正について何の手当もされずに漫然と実施された今回の参院選、今度こそ違憲判決が出るかも。




7月8日 法律相談強化週間再び

 02年9月6日の日誌以来ですが、今週もなぜか法律相談の当番が集中してしまいました。
 火曜日が北千住の扶助協会相談、水曜日が池袋の夜間相談、今日が北千住の一般相談(相談者がいなくて中止になったけれど)、明日が上野の扶助協会相談。何がどう間違えるとこんなに集中するのか聞いてみたいものです。




7月7日 プチ日誌
 
 本日、1月30日に申し立てた例の民事再生申立事件で、再生計画案の決議を行う債権者集会が行われ、圧倒的多数の賛成で、無事再生計画案が可決され、その場で認可されました。
 この半年、本当にいろいろな勉強になり、裁判所書記官、監督委員の方を始め、会社関係者、債権者の方にも大変お世話になりました。
 それにしても、その場で集計するばかりでなく、その場で認可決定まで出してしまう東京地裁の運用には改めてびっくり。




7月6日 野球というベンチャー
 
丸沼 本日事務所のPCが突然ネットにつながらなくなってしまいまして、というか、つながっているようだがメールは送れないし、HP表示も異様に遅い。最初はPC側の設定を疑っていろいろやって時間を食ってしまったが、結局ADSLモデムあたりの不調ではないかという疑惑が深まっただけで無為に一日が終わってしまいました。トホホ。
*後日、この不調は実はe-accessのサーバダウンが原因と言うことが判明。

 という前フリとは全く関係ありませんが、ライブドアの近鉄買収話関連は、もうあまりにもいろんな人がコメントしてるでしょうが、私も非常に面白く見ています。

 一番感じるのが、プロ野球業界というのは、ファンや選手とは全く別次元の不可思議な力学で動いている旧世界なのだなあということ。しばらく前に、選手の代理人を務めた知り合いの弁護士も「球団のフロントというのはあたりまえの議論が通じない」と嘆いていましたが、今回それを実感できます。

 一番謎なのが当事者たる近鉄の反応。どうしてあそこまで徹底的に逃げますかね。

 プロスポーツ企業なのに、ファンや選手の立場を無視していいのか、という点はさておいても、身売りをしようという民間企業だったら、まずは自企業を最大価値に評価する相手を探すことが経済合理性から考えて第一のはずです。

 ところが合併契約が既に締結されてしまったわけではないのに、ライブドアについてはひたすら無視という態度は解せません。何か球界の改革を後戻りさせるべきでないなどというコメントも発したようですが、身売りして経営の主導権を失っちゃおうという企業がそんなこと言っても戯言でしかないでしょう。何か別な力学で動いているようです。

 ま、ライブドアという企業は、合併吸収先企業とのトラブルもあったりして、将来にわたって生き残る企業なのかどうかという点は私も?ですが、これを見る限り社長はまだまだ意気軒昂なようです。そいうえばプロスポーツという分野自体、選手も企業も常にベンチャーではないかという気がします。案外ベンチャー企業にスポンサーを任せてもいいのでは?少なくともお騒がせのライブドアの名前さえ知らなかった方たちが牛耳る世界よりはマシでは。




7月5日 プチ日誌

 4月26日の日誌で書いた事件で、本日ようやく全ての被告に対して送達が修了し、審理が終結しました。
 書記官も「こんなに送達に苦労した事件は初めてです」と苦笑していました。ま、こちらは判決の確定を待って、異議申立預託金を積んである銀行から預託金を取り戻すまで肩の荷が下りませんので、まだ苦笑もできないのですが、とりあえずやれやれというところです。




7月4日 プチ日誌

 ご無沙汰してます。。。実は2日から病に倒れてます(笑)。
 本来なら、3月に続いて2日から八丈島相談に出かけるはずでした。
 しかも今回は私が幹事役で飛行機のチケットも現地の宿も手配したのに、1日深夜から猛烈な腹痛、2日早朝からトイレとベッドの往復状態………熱まで出てきました。仕方なく八丈島行きをキャンセルして(私が持って行くはずだったチケットは嫁さんに頼んで空港に届けてもらいました)、医者に行って点滴を打ってもらう状態に。
 お医者さん曰く「焼き肉とか食べませんでしたぁ?」と、明らかに食中毒を疑われましたが、食ってない食ってない。最近の食生活は質素なもんです(^^;
 そんなこんなで週末をふいにして寝込んでます。
 2年半ぶりの闘病日誌になってしまいましたが、ようやくパソコンに迎えるまで回復したってことで。体重も3キロ減っていいダイエットか!?