大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

  新田正樹 さん ことば紀行 2008年 5月13日 雨  夜 高麗橋の新田事務所  
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その10

佐藤:大学の講義の文字起こし40コマ60時間の文字起こしバイトをして稼いだ
新田:講義に行ったわけ
佐藤:違う おれ暇やから 文字起こしないですか?って電話したんだ
水野:資料化したっていうことですか

新田:そのギャラで来たわけや
佐藤:そう 講師が喋っているのを文字にしただけや
水野:誰かが喋っておられる講演を
新田:それを文字化するのな

佐藤:それ
水野:3ヶ月かかるんですか
佐藤:朝から晩までやって1時間起こすのが精一杯やな
水野はははははは

佐藤:建築のデザイン考えているほうがずーっと楽だ
水野:はははははは
佐藤:やることないからしょうがない
新田:ふーん 金が入ったわけやな
佐藤:そう 何しようかと
新田:インタビューへ行こう

佐藤:そうそうそう 、自由に使えるお金が少し入ったんでさてなにしようかと、もう半分使っちゃったら、来年は大阪に来る見通しないんだけどさ
新田:ふふふふふふふ
佐藤:柳原さんが電話掛けてきてな、講演してほしいと交通費付きでな
新田:ああそうなの

水野:柳原さんが交通費だしてくれたの 凄い〜
佐藤: 俺の講義聞きに参加すると1500円じゃない
新田:ああそれで
佐藤:100人来ると15万円や

水野:良い商売してはんな〜
佐藤:100人来るわけ無いじゃない 
新田:100人もはいらへんもん
佐藤:40人ぐらいしか入らないらしいから6万円だな 500円店に。2万円支払うから 4万円交通費ギリギリヤンか それでも迎えてくれるのでありがたいですよ

新田:あいつ売れっ子やからな
佐藤:彼の家庭の事情はようわからないから 
新田:家庭はしらんけど、儲かっているからさ〜、
佐藤:とにかく俺を呼んでくれたと

新田:呼んでくれたと
水野それで来られたんですか
佐藤:呼ばれて 話するだけでは嫌だと
新田:それはそうだ

佐藤:あんたに呼ばれたんなら 他の人とも交流すると、話してただ帰るだけじゃ面白くないよな。濡れ手に泡人生だから 他の人と出会って遊んで帰ろうと。人にインタビューしようと。まだ会ったこと無い人にな。新田さんに会ってもしょうがないし〜、俺の知っている人にメール出すな〜!と言ってたんだよけど

新田:狭いやな 関西は
佐藤:日本全国建築の世界は狭いな〜。それで30代ね 
新田:30代はなんで30代なんや、若い奴がいいと

佐藤:繰り返しになるけど 井戸さんには。インタネット95年じゃん、
新田:う?
佐藤:Win95出たの、その時18才だと 13年足すと31才じゃないかい。
新田:18才という設定はなんやの
佐藤:建築の大学には日常的にPCが在るという

井戸:大学1年と言うことですね
佐藤;大学にはなかったかもしれないけども PCというのが一般社会に出現して
新田:パソコンな 、パソコンがテーマっていうか基準に成っているわけやな
佐藤:車が出来たら社会は変わるし、印刷機が出来たら宗教革命が起きたでしょう 道具が新しくなると社会は激変すると思うんだ 

新田:それは確かにある、あのな
佐藤:あるだけじゃなくって変わるんだよ

新田
:デザイだけしとった、建築科か出て、デザインだけしとったんや。それこそ今の売れっ子のやつらはな。

戦後生まれの100人とかってやっとったや。その時はパソコンって無かったんや。難波さんなかがなもうじきコンピュータで書くようになると言っておった。ぼくめっちゃ反対した。それあり得ないって言った

佐藤:反対した新田がPC使って図面書いてるはははは
新田:そうそう というのはな 直線は出来ると、自由曲線はできへんと言いおつたんや、そんならな彼らは出来る言いおったんや。それで対決してったんだけどな

佐藤:それは
新田:負けとんのや
佐藤はははは ただものが判ってなかっただけや 
新田:でもな その当時は僕だけじゃなかった 他の建築家もなそこまで出来ると思ってなかったんや、そういう意味では変わったんや

佐藤:変わったって判っているんだから力説しなくってもいいよ
新田:違う だからそれをツールとしてなテーマとしたのは正と思うのや、変わったもの

佐藤:おれの想定としてはね、概念とかも変化してるね。作業として、PCを日常として使えるって言うことは当たり前に成ったというのは 13年前だよね。オヤジたちは使いこなすの難しと思うんだけど 15〜18才の時に出会うと全然世界の見え方が違うからね〜
新田:それは違う

水野:佐藤さんはPCいつからバリバリ使いこなしているんですか
新田:使いこなしてないやん
佐藤:バリバリってどういう意味 毎日使っているからね
新田:違うちがうCAD使っているかどうか

佐藤:ほとんど注文こないから PC使い始めて図面書いたの2件ぐらいしかないね
水野:でも書けるん
佐藤:数年ごとにしか注文こないからCADの使いかたは忘れてしまうけど、作りたい建築はPCと関係なく想い描けるからね
水野:コンピューターに抵抗があるとかはない

佐藤:全然ない 注文がくればガゼン思い出す CADの使い方 はははは
新田:変なやつ、手書きの拘っているやつオンのや
佐藤:そういう拘りは無いから俺は。 そういう人の考え方は判らない、手書きに拘って建築が進化するならわかるがPC使ったほうが変わるよ
水野うん

新田:yさんとかな
佐藤:それは自分が使えないから、思い込も暮らそうてんじゃないかな。図面はCADで書いた方が使い勝手がいいよ 図面をCADで書くことは全くなにも建築が出来上がる質に障害がまったくない、それより便利だよ

新田:僕もそう思う。かたくなにな手書きに拘ってるやつがおる
水野:スケッチをCADではじめるのと、手で書くのは違うって
新田:今の30代のやつは、まだエスキースをなCADでやっているやつ多いよ

水野:学生とかCGでスケッチはじめるんですよ
佐藤:それは手だろうが3DCGだろうが どちらでもよいと 思うな、自分がアウトプットしやすい道具で使いやすいのでやればいい
新田:95年以降のやつらは、そういうやつが多いよ
佐藤:Win95出て13年だから 大学1年生でも31才だし 

新田:そいつらがどういうやつに成るか興味があると
佐藤:それで尚かつさ〜 今回の縛りはそのうえに独立系だからさ〜、組織事務所内建築家もあるし 企業内建築家もあるんだけども それは外しているの、企業内建築家の問題はなんですかと聞いても喋らないからね
新田:それはそうやな
佐藤:プロフェッサー建築家はいるけども
新田:核心はな
佐藤:答えないので、アカデミズムの境界内に取り込まれているからね。コンピュータを使い出した 独立に 30代の根も葉もない、根をはわせる土壌も無いのに何で独立するのか?っていう事が おれにとっては尽きない興味の対象なんだよね。判らないことはちゃんと観察して記録しておくと。20年観察するよと宣言してんですよ

水野:うんうん
佐藤:5年おきに 
水野:5年起きに5回
新田:国の国勢調査みたいなもんや あれも5年起きヤン

佐藤:調査したからって俺が銭もらえるわけでもないし、税金でやる調査じゃないから、資金手当はなにも無いですけども 新田はどういう人間になっているのか?と観察して記録するよと宣言する事によって、待っててくれるかもしれないし

新田:待っててくれるってどういう言うこと

佐藤:
今日話した事にたいして、違ってたとそうだったとか〜と 明日から考え始めるじゃないか、聞かれた方は
水野:ああそうか
新田:答えた人がな

佐藤:今日の話はロックする、家に帰ったら文字起こしするけども、新田正樹を5年ご取材するって言ったわけだから、もうこの瞬間から話した人じゃなく 違う人間になっちゃうんだけどね。今日の言葉を文字にしても新田さんの実態じゃないのねで。あんまり意味が無いんだけども、それを5年毎に5回繰り返せばですよ なんらかのベクトルとかさ 何らかの臭いとかさ、判るんじゃないかと

新田:中曽根さんと比べたらまだ若いな
佐藤:今57才なので
新田:まだ生きているやんか

佐藤:平均寿命が俺の命ではないから判らないけど。水野さんは女性だから
新田;聞いたらあかん ははははは 生きてる生きてる どうみても僕らより若いから
水野:ははははは
新田:それは生きているよ 井戸君がアブナイヨ
井戸:何で ははははは
新田:顔つきがさ 井戸君なストレスが溜まってんねん
佐藤:かってなこ事言ってるよ ははははは

新田:ストレスが溜まっている 建築的な意味で
佐藤;こういう困ったオジサンがいるからね〜
井戸:ふははあはは
佐藤:そんな事は他人には判らんことだ 
水野:井戸さんのテーマカラーオレンジですよ〜
新田:おれよりハッピーだ

佐藤:井戸さんの話は日中散々聞いたので 今夜は新田節や 新田節ながいな〜こうそろろ3時間だよ 
新田:きりがない なのも意味がない

佐藤:意味を求めて聞いているわけではない 話に山も求めてない。あるがままで始め 終わりのなく続いていくのがいいと思っているんだけど
新田:何かが なくってもな、佐藤さんとはな〜
水野:何時知り合われたんですか

新田:メキシコの時や
水野:メキシコの旅行でですか
新田:違う違うメキシコの旅行へ行く前や 
佐藤:20数年ぐらい前だよ

新田;:渡辺さんの飛龍館の 
佐藤:水くれますか 飛龍館であったのかな〜そのまえの布野さ京大着任祝いの2次会
新田:朝日新聞の記者つれてな カッコヨクなにか。来とったんや 渡辺さんとそこへ蟹喰いに行っててたんだ

佐藤;おれその当時も暇だったから、京都に来るようじあって 友達と福井県の渡辺建築を見に行こうと。偶然出会った。 たまたま琵琶湖の水が綺麗かどうかって、当時水をテーマに調べていたので 環境問題の活動を20年前にやって、朝日の記者と来たんだよ琵琶湖に。
新田:凄いな

佐藤;琵琶湖生協の人達の交流して琵琶湖のな現実とか浄化槽の問題とか調べていたんだよ。琵琶湖の水の汚れは何かとかね。食用油を洗剤にかえるとか合併浄化槽を普及活動とか。生活排水の問題を調べていたんだ。そればっかりだと退屈だか 福井の水上勉さんの越前竹人形浄瑠璃館を尋ね、飛龍館にも近いから寄ったの、そしたら偶然 渡辺さんと新田さんが蟹くってたんだな。あれはなんで行っていたの?

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