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2003年 6月21日 太田浩史さんと建築あそび記録
「太田を呼んでやってください」と南泰裕さん・・6ヒルズ打ち上げ宴会の時に酔っぱらいながら講師依頼をしたら、トントン話が進んだ。講演前にDUETを案内いただいき、体験記とDUETフォトコラを手に入れることができた。二つの体験は太田浩史さんを理解する上でとてもよい出来事だった。特にフォトコラは写真資料など多数提供していただき理想に近いフォトコラとなった。以後「体験記・フォトコラ・建築あそび記録」はセツトになりそうだが出会いがあるかな・・。この記録に触れ豊かな太田浩史さんを体験し、今後の彼の活躍に注目いただければ嬉しいかぎりです。
DUET話
01 02 03 04 05 夜間飛行
06
デザインヌーブの話
07 08 ピクニックの話
09 10
各種提案図など 番外編へ
当日は20人ほどあつまり大盛況 太田浩史さん伊藤香織さん御夫妻は秋田から南下され、夕方6時頃到着。宴会が始まり自己紹介など盛り上がり私はすっかり酔っぱらいジジイになっている。8時頃 太田語りが始まり、途中休憩などを挟み11時頃まで続いたのであるよ・ では当日の会場へようこそ!
s(佐藤) 困ったな・・息子・・my長男はどうした 今日は・・
記録保存用ビデオの調子が悪くて手間取っている
s 大丈夫です・・もういきましょう。入ってなかったらお前達が悪いって
初参加の学生k ゲホゴホと笑う
これは2時間は入るはずだから、イヤホーンで声が聞こえれば大丈夫だとおもう。
学生k 換えを用意しておきますねー
s なかなか始まれないねー・・コレで声が聞こえたら大丈夫だとおもいます・・お前・・寝るなよ〜・・
宴会後の満腹記録係学生kをうたがう佐藤
学生k はい聞こえました
s 聞こえた・・じゃやってもらいましょう
y これでok このセッテイング
s じゃお願いします・・みんなでブーイングしてもいいからね・・
会場笑い
じゃ太田さんよろしくお願いします
会場 拍手 パチパチ (注フォトコラを見るためには専用ソフトが必要です・・ここから)
お招きいただきありがとうございます。実はこの頃・
やっていることが分裂的になってきちゃいまして・・「
これはヤバイ!」と思ったので、最初にみっちり建築の話をやるのがいいかと思っています。ということで佐藤さんに
フォトコラ を作っていただいた
DUETからプレゼンテーションしていきたいな、と思っています。
旧ソフト・DUETへ (自動で移動します)
みなさんには
フォトコラとか
体験記とか見ていただいているんで、情報がもう一度出てくるような感じになりますけど、
設計者はどういう意図で作ったのかをお伝え出来たら・・・と思います。
この建物は
DUETというふうに名前を付けたんですけれど、二世帯の賃貸住宅なんですね 。二世帯というプログラムがお施主さんから頂いたんですが、その時に
「二世帯の間の遮音をちゃんとやろう」ということになりました。
それを聞いたときに「
RCにしなくちゃいけないだろうな」と思っていて、RC造で考えはじめたんですが、2世帯のボリュームをいろいろスタディーしていくと、どうしてもうまく階で分かれませんで、二つの世帯が貫入するカタチになってしまう。そうこう試行錯誤しているうちに、「
世帯の違いを混構造で表現するのがいいんじゃないか」と思いはじめたわけでです。
今から思えば、最初のころから左の絵みたいに、二つの世帯を空間としてぐじゃっと付けたようになっています。「
とにかく混構造にしよう、それで世帯と組成を一致させよう」とおもったんですね。
そういうイメージが最初からあって、それは・どう説明していいか分かんないんですけど昔・・
人造人間キカイダーというのがあったんですけど。
会場 笑い
僕子供のころ大好きで・・右側が人造人間で左が人間で・・
一体なんだが左と右が違っていてしかもそれがちょっとずれている。そんな
矛盾を抱えたヒーローでして・・そういうのがいいなーと思ったんですね。
戸堺をコンクリートにすればいいって話だから一戸がコンクリートであればそこで音は伝わらないだろうと・・・・「
残りは軽くいていいんだろう」と思ったんです。で「
ゴチャーット重いものと軽いものが一体化してるのがいいんじゃないか」と・・考えたわけです。そう思ったらあとは自動的に決まっていったんですけど・・・・。
例えば隣の家の破風が左の模型みたいに敷地に向いていまして、ならばその破風に合わせようということで、DUETも破風をつけることしました。2mの私道をつけることが決まっていたので、私道越しに2つの破風がお見合いした感じにもなっています。
また唐突なんですが・・・イランの
イスファハーンのアリ・カプー宮殿というのがありまして。いつもこの建物が頭をよぎってしまうんですね。
すごい軽い部分と重い部分が同居している感じとか都市に開いている感じとかが好きでして開いてる感じとか好きでして・・・
そういうイスラミックな雰囲気をだしたかったのもあります。
イスラム建築には透かし格子のモチーフがありますけれど、それも
絶対使いたいと思ってまして。後で出てきますけど、2階のエントランスのところにメッシュを付けてます。
本当は住宅の防犯用に付いている、
鋳物の趣味のワルーイやつなんですけど、あれを「
一面に貼りたい」と思いまして、
「こってりと面格子を付けるのがいい」と思いましたけど、金額等ありまして・・・アルミのハニカムのようなエクスパンション板を貼っています。
というのは素材をいろいろと研究していたこともあって、
「素材を定義しよう」と思いながら設計していたんです。左にあるのが
RM断熱ブロック・・これは空気層を両側に持った断熱ブロックなんですね。太陽セメントというところから出しておりまして、まだ市販はされていない。
太陽セメントさんに事務所に来てもらった時に、空気層が片面だけというのは市販されてるんですけど、両面というのはない。でも話が盛り上がっているうちに「
実は両側に空気層があるのを開発中なんです」と教えてくれたんです。「
開発中の素材を是非とも使わせてくれ」とお願いして実現したわけです 。断熱ブロックを使った施工例は太陽セメントの工場の事務所か一軒あったそおうなのですが、はじめて事例として使ったのは
DUETが最初になります
それから
H鋼ですね。西側の面は垂直性の強い柱があったのですが、なるべく細い柱を使いたいと思いました。一番細いメンバーの50×100mmという柱を使っています。こう考えると、H鋼も断熱ブロックもアルミエクスパンションもみんな押し出し成形の技術を使っていますね。
一回の操作でいろんな機能がインデグレードできる成形の技術は、実にパフォーマンスが高い。それを
いかに評価して取り込んでいくかがとても重要だとおもって
います。
素材に関しては2001年に「
30×100マティリアル」という展覧会がありましたので、この模型を作りつつ、自分なりの素材論の建築への応用というのを考えていました。
話すと長くなってしまうので省略してしまいますが、私は素材マニアでもありまして、
1999年にSDという雑誌「挑発するマティリアル」という特集を
寺田真理子さんや
今井公太郎さん、
丸橋浩さん、
三好隆之さんとやりました。そこで見聞した
現代素材の圧倒的な魅力と、その利用法の幅と面白さが設計のベースにあるんです。
この模型が分かりやすいので、構造的な話をしてしまうと、下のブロックが剛性が高いので3階の水平耐力も受け持つようになっています。横揺れはブロックから持ち出しているスラブで受け持つわけですから、2階、3階のH鋼にかかっているのは全部垂直力だけなんですね。ですからブレースも無いし、部材も一番細い材料50×100で済むわけなんです・・・
なんか・一人で喋り続けていますねー・合いの手とか入いってませんでしたっけ・・
会場に合いの手を催促する太田に 会場 大笑い
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