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03年 6月21日 太田浩史さんと建築あそび記録

      

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クリマティック・ステージの機能としてはカイロは水の問題が一番深刻なんで、まず水を供給すること、それから都市を道を造ってベンチレーション、ドイツでは都市風道ともいったりしますが、風が流れ込むよ空地を供給すること。それから交通ですね。
そういつた機能の統合体を都市の中心とペリフェリーを結ぶように、作れやしないかと。
   
断面図でいうと日本だとパッジブは冬と夏なんですけど、カイロは砂漠性気候なので昼夜の気候変動が大きいんですよね。昼は暑くなって夜が凄く冷えるんですよね。
 昼と夜のピークを軽減して平準化させるために断面の中に水で蓄熱体を作りまして、昼の熱射を貯めるようにして、屋根が開閉式になってまして風が下から上がってきて、ここに水を張ってクーリングの涼しげな空気を上へと導こうと・・夜は放射で熱が下から発するようにできないかと・・まそう考えたわけです。住居のフローティングキャラバンなんですが、ここで考えたクーングの空気と暖かめの空気に合わせて、高床式の住居を考えています。

まず屋根有るんで雨仕舞が簡単でいいと思っています。なんであそこにMacのG4CUBEがあるかというと、あれは高床のPCで下から自然換気が下から入った空気が煙突で抜けるようになっています

。CPUの熱でも、上昇気流さらに促進される・・・これと同じ機能です
y おつさん五月蠅いナー今日は・・

  と会場隅で騒いでいる佐藤を叱る八重樫 

o・・それから素材はフリースがいいんじゃないかと思ってまして、というのは、断熱ブロックじゃないですが、プラスチックのように金型を使って成形するオブジェクトはもっともっとパフォーマンスが高くなるだろうと、思っているからです。断熱性の高いフリースはその一例じゃないかと。紡績産業は世界中にあるので、技術文化としてもありえるでしょう。、フリースを持ってきてですね。プラスチックシートを敷いて、パイプを並べて、丸めてジッパーで閉め、フリースですからいろんな色の住宅ができるんじゃないかと、かん考えました。
         

 映像が切り替わり模型写真となる
これがクリマタイザー2002です。去年ギャラ間の「「この先の建築」という展覧会に出したので。東北工大に巡回で来ています。「クリマタイザーってなにか」ってまた言われるんですけど、これも造語です。フランス語でエヤコンのことクリマテゼールって言うんですよね。クリマディゼという動詞になっていまして、いいなーと思いまして。英語ではクリマタイザーという言葉がないので、クルリマタイザー = 環境気候調整装置みたいなのは概念として提起可能だろうと。

高密度住戸を考えたときに、各戸にエヤコンがあるのは違うんじゃないかと思ってまして、みんながエヤコンをつけてドンドン外部が暑くなって、外部が暑くなるから、今度は車をみんなエヤコンしてさらにヒートアイランドが激しくなる。・・なんか個人・個人で解くんじゃないのでは・・と思ってまして、集合性という概念を環境コントロールにもってこれないかと思いって、こういう物を提案したわけです。

個別の気候制御じゃなく都市全体のアンビエントな気候環境を創ることをわれわれはクリマタイザーと呼んでます。
 
これはまだモデルなので。正方形の敷地に緑地、低層の建物そして高層の建物を配置しまして、それを連続させる大屋根をかけている。既存の省エネ技術のどれが使えるかを分析して、それをズラーッとダラーっと連続させようとしてます。

たとえば低層の建物だと、基本的には割と開放になるかと思っています。屋根に穴が開いていて、まずは自然換気、それからパッシブソーラーを使おうと思っています。OMソーラーみたいなものを一戸一戸やるわけですね。考えを詰めていくと低層は個別制御に向かっていくような感じはします。それから中層の建物になると、一番今普及している手法はアトリュームだと思うんですね。オープンアトリュームになっていて、ここで気候制御をする。アトリュームの頂部が閉じたり開いたり・・そういうクリマタイザーになるんじゃないかと。

高層部分のクリマタイザーはどうなるかというと・・どうも密閉型の空間になるようなんですね。ダブルスキンになっていて、わりと強制的に空気を循環させないと、熱が上に貯まり過ぎたりしますので、アクティブ・ベンチレーションになるのではないかと思います。ここは上から空気を逃がしてしまいますが、壁が動いて側面から入れないと成立しないんじゃないかと思うので・・・

都市全体の気候を変えると何がおきるか・・・というと
 絵をみて 会場 笑い
ファッションやライフスタイルが変わるだろうと思うわけです。みんな傘を持たなくて良いし、働くのもTシャッでいいと。たとえば裸でもいいし、いつでもピクニックができる。そういう生活局面の変化が一番大事だと思っています。月曜日から東北工大でみれますので、是非ともご覧下さい。

y 工大に行くと見れるの・・
o はいちゃんとアトリュームの屋根と高層棟の壁も動きます。キャノンの世界最小のステッピングモーター(米粒2つほどか)をプログラムを使って動かしているので、結構難しかったですよ。


o これは樫原徹のプロジェクトなんですけど・・彼は内堀通りのトラムをやっています。東京の交通はかなり効率的ではあるんですが、特徴が一つありまして、他の都市に比べて圧倒的に電車に頼っているJR地下鉄に頼っている。で他の交通手段はほとんど機能していない状況なんですね。

ニューヨークなりロンドンを見ていくと、例えばバスとかですね・・自転車とか、そういうものに頼っているですね。東京は選択肢がとても少ないという状況になっている。 

結果なにが起きているかというと、場所と場所が分節されちゃっているんですね。たとえば皇居の廻りには55ヶ所地下鉄の駅があるんですけど、地下鉄もJRの駅もみんな断片化しちゃって、全然リンクされていないんですね。編集されていない

たとえば、新橋駅から九段まで内堀通りですから、行けそうなものなんですが・・乗り換えないと行けないという状況になって、バスすら通ってない。距離的にとても近いのに全くつながっていない。それは地下鉄に頼り過ぎた弊害なのだろうと思っています。

もっと具体的に言うと たとえば 日曜日、九段の古本やをあさって、三宅坂の国立劇場を冷やかして、丸の内でショッピングをして、帝国ホテルでデナーをすると・・それがあり得るんですけど、想像することも出来ない。それは貧しいんじゃないかと我々は思う。

 会場 すみませんテープを代えさせてください・・2時間用テープを交換し始める
 中断する・・


場所が全然分断されている。そういう状況の中で内堀にトラムを導入するとどうなるか・・ちょうど内堀通りには300mごとに都市センターがあることが分かってくる。内堀の廻りに300mごとに駅をつくるとちょうどうまく場所と交通が対応してくるんですね。たとえば武道館前・・古書街とか・・ビジネス街とか・・つまり分断化されている場所トラムを使って編集できるのではないかと思うんです。

ストラスブールなり、ミラノなり、ヨーロッパのトラム復活の動きがありますけれど、充分に効果を上げている手法ですね。トラムの導入は都市の空間の再編であるということです。

で、ここでは駅だけではなくて自転車、無料自転車貸し出しのステーションであるとか、キオスクとかATMの組み込みだとか、いろいろ統合できるようになっています。

トラムもタダ走るだけではなくて、いろんなタイプがあると思っていまして、単純に通勤する為のものだとか、貸し切りのクルージングタイプとか、ゴミをセッセと集めるものとか・・これがせっかくお濠がありますので、ホバークラフトになっているのが良いんじゃないかと、お濠降りれるようになっている。・・ということです

システム的にもカードを作って乗り換えの管理をしてもらって、それで神保町まで自転車で行って、東京駅動いてここから帰って・・とか、いろいろ出来るんじゃないかと思っています。そういう都市空間の編集をトラムを例にとってできないか、と考えているわけです。

デザインヌーブは誰にも頼まれてない仕事をなぜだかまだまだ沢山 創ってまして、はたから見ると狂気沙汰だけど思うんですが、それだけ、「都市省エネをベースにした建築論をつくる」のにエネルギーをかけています。ですけど、将来、きつとこういったことが常識になると思っていますので、投資のつもりでアンビルドのプロジェクトをやっています。

 結論なんですが、こういう話は、まとめて言ってしまうと、都市とか素材とか、オブジェクトのパフォーマンスをとにかく向上させる、というデザイン手法なのではないかと思います。レス・エナジーとか単なる高密度住居とかいうことじゃなくて、むしろ効率を上げる話を延々としているのではないか・・と思っていて、それが無いと 省エネとか言っても辛いだけですし、あんまり面白くないので。

MORE PERFORMANCE、withMORE GROWTH」と最後に上げましたが、建築なり、都市なり、オブジェクトのパフォーマンスを上げることを中心に提案し続けたいなーとおもっています。

  会場 拍手パトパチ

sカッコイイね・・分かったかー・・・・・じゃーかたづけて呑みましょう

o あともう 一個・・
s あ、まだヤンの・・

  会場  笑い

s おれが解説する暇が無いじゃないかー
  会場 笑い

せっかくですから・・やります。これは伊藤が来てますから・・

s 出たばかりの10+1 31号の・・内容でしたよねー・買って読めー!

o 今のはそうですね。このあと・・ヌーブとは関係ない話で趣味で


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