いろんな事情

<病気事情>

ミルのカルテ4:骨折 運命の選択


二人のためのおはなし


ミルがあんまりいいお顔を見せてくれたので、ケージのお掃除の時はミルをお外に出してあげるコトにしました。
だ か ら ・・・

そのためのバリアフリー
ミルちゃんの新しいおうちです。
って、下をはずしただけだけどね。
カバーがナイだけで、風がすーすーして寒そうだなと思いました。
冬が来る前に囲ってあげなきゃ!

散らかるのは、ま、気にしなきゃいいだけのこととして・・・・(^^;;
プーさんの橋
バスマット一枚の厚さ(薄さ)にさえ、足を引っかけます。
出てくるときはいいけれど、入るときはケージの中のバスマットと同じ高さが欲しい
そして足下は高級ムートン!
なんて言うのは大ウソです(笑)
安〜い、ベットパットを買いました。ボロくなったら切って使えるし、このままミルちゃんの横で寝れるし?(^^)

天井が低くなっちゃったので、
念のために、サークルの周りをサークルで囲ってます。うっとうしい(^^;;;
まさかとは思うけど・・・ね(;^^A


何となく慣れないせいか変な感じ

ミルが外に出てきたら、ケージのお掃除です。
私の背中の向こうで、ミルはパタパタ・・・ その足音で、ミルの居場所が分かります。
時々のぞき込んでくれたり、背中にちょこんと足をかけてくれたり、
忘れていたささやかな幸せを噛みしめました。
うさぎも健気だけど、飼い主も健気だ(笑)
私の隣で、こんなにゆったりしているミルを処置のために抱き上げるのは、
だましているみたいでものすごくツライ・・・・
こんなコトなら、ブーブー怒られても、お互いファイティングポーズの方が、思い切り行けるかな(苦笑)
なんとも、心とは身勝手でうまくいかないモノです(^^;;
けれど、私もミルも精神的に穏やかな時間が出来たのは確か。ものすごく嬉しいことです。
しかも、この散歩タイムを作ったその日から、抱き上げたとき膝の上でされる怒りのホリホリがピタリと無くなりました。


ミルは、ホンの一分くらい遊び回ると、もう休憩モード。
自らケージに入って休むあたりが体力の低下を感じさせます。
あるいは、足がじんじん耐えられなくなるのでしょうか???
それでも、精神的安らぎと、プロポリスも役立っているのか、美味しそうにごはんを食べるお顔が見られるようになりました。
日持ちするように乾燥させたPちゃんビワ。
パリパリ音をさせて進んで食べるようになり、活力が甦りつつある様な気がします。
ペレットの音に、耳を立てて微弱ながら頂戴光線発射させます(笑)


お医者さんのおはなし


これは、右足。元気な足の裏です。さらに広がってきました。
先生からも、アドバイスを頂いていたので、こちらも包帯をすることにしました。


こんな感じになってます(^^;;  →
歩きにくくないかと、それだけが心配です。
心配は尽きないどころか、広がる一方です(T.T)




ところで・・・・・

いいお医者さんって・・・
皆さんにとって、どんなお医者さんのことでしょう・・・?
性格的相性はちょっと置いておくとして・・・

私が思うことは、まず第一に話をよく聞いてくれること。そして自分の力量を見極めていること。です。
とにかくまずは話を聞いてくれなければ、信頼は生まれないし安心もできません。
そのやり取りで、勝手に技量を推察し、自分の尺度で信頼を深めていくことが出来る(あるいは出来ない)のではと思います。
そして、医師自身、範疇を越えたら、素直に、信頼できる知識・技術を持つ医師、あるいは病院を紹介できること、です。
信頼している医師が紹介してくれたのなら信頼できるだろうと思いたいし、もし、信頼してない医師からだったら、次を探せてラッキーですよね?(笑)

最近は、情報の氾濫から、知識だけが先行しがちだし、曲がった解釈もしちゃったりするし、マニュアル道理ではないとわかっていながら、混乱は避けられないと思います。
一番ツライのは、信じていたと思っていたことが、実は逆効果だったり、筋違いだったと後から知ってしまうことだと思います。。。
その時は、でも、これがあのときの全てだったと自分を慰めるしかありません。
そして、それは責める必要のない事実です・・・  ただただ、非常にツライだけで・・・・

その「全て」と言えるために、私は自分の中に生まれた信頼の揺らぎを是正しなければ行けません。
この次の診察に、私はある決意をしていました。
ずっと信頼していた先生ですが、このまま保存療法を続けるのみであれば、自ら穿刺or切開をお願いしてみようかと思います。
躊躇しているようなら、別の病院を訪ねてみようと、これまた検索叩きまくり目星をつけていました。
実は、私はこういうことにすごく臆病です。あえて理由を述べても仕方ないですが・・・
けれど、医師が断脚というあの足は、このままでは良くならないわけだから・・・(涙)





09/10/07(水) 受傷二ヶ月と三週間
そして受診の日が来ました。
先生は、いつもの通り、まずミルの足を診ると思っていました。そしたら、バンテージを巻く前にお願いするつもりでした。

・・・・・

この日、先生は処置より前にこう切り出しました。

私も、どの方法がいいのかいろいろ考えて、院長初めいろんな先生にも相談し・・・・
・・・・ミルちゃんはトシだけど、見た目はすごく若いし・・ 見た目って大事だと思うんです・・・・
・・・・よければ、断脚も何例もしている先生を紹介しますが・・・・
・・・・断脚も含めて、どの方法がベストなのか、聞いてみてから決める方がいいのでは・・・・
・・・・セカンドオピニオンを聞いてみようと思うのなら紹介します・・・・・


私は、先生がミルのことを考えてくれていたことが嬉しかった。
セカンドオピニオンを、先生から提案していただいたことが嬉しかった。
たとえば、もしこの先生が未熟だったとしても、またきっと相談できるだろうと思いました。
紹介状を書いていただき、予約も先生が取って私に連絡をくれることになりました。

私は先生に言いました。

このままの保存療法と断脚の間にある、別の方法を見つけたい・・・・と。

先生の表情は、それは厳しい道だと語っていました。そしていつも通りの処置を始めました。
体重は1.98kgと、減少にはストップがかかりました。ホラね、ミルはスゴイでしょ?(^^)



せんせ〜 
どうして、お靴の色を変えたの??
間違って履いたみたいだね(笑)




セカンドオピニオンを聞きに行くというコトは、外科領域に足を踏み入れるという覚悟です。穿刺や切開を含め、傷を付けると言うことです。その覚悟がなければ、行く意味も生まれないし、保存療法の他(たとえば東洋医学とか漢方とか)を求めるなら、病院選びの方向が変わります。
もちろん、行ったからといって、帰ってきてもいいわけで、どちらにしてもミルを診てくれる獣医さんがいると言うことはありがたいことだと思いました。

今のミルの状態で、もし断脚を選ぶとしたらメリットはナンなのかと問うと・・
「少なくとも、日々の痛みやジンジンした感じからは解放されます」と。。。。。
この言葉は、ちょっと私の心臓をえぐりました。
誰でも、毎日頭痛が続いたり、いつもアレルギーや喘息発作に悩まされることが、どんなに不快か経験したことはあるでしょう。
そんな不快感と、毎日のツライ処置が永遠に続いたとしても、五体満足を維持する意味を私は考えなければなりません。
こんなに小さなうさぎが、毎日我慢してでも四本足で生きる意味を・・・・・

待合室に戻ったとたん、涙が出てきて恥ずかしかった(^^;;
ミルは、どっちが楽になるんだろう・・・ どっちのつらさが軽いんだろう・・・・・(T.T)

              

夜、先生から明後日予約が取れたと連絡を頂きました。少しでもお役に立てればと・・・・
ミルの意見を聞けないまま、ひとつ船を漕ぎだしていく気分です。。。。



09/10/09(金) 青の戦慄
今日の病院は完全予約制。エキゾチックの専門病院です。
主治医からの紹介状と、レントゲンはもうここの院長の手にありました。呼ばれたときは、いろいろ検討された後なのでしょう。
まず、ミルの体重を診た後に、ミルがどんな歩き方をするのかキャリーに戻る姿をじっと見ていました。

それが終わった後、創部を診させて下さいとミルを連れていきました。
しばらく待合室で待ち、再び呼ばれ、セカンドオピニオンを聞くことになりました。

                      

レントゲンを見ながら、骨の再生がないこと、そして、骨が熔けて来ていると説明されました。
“えっ??”と、思わず悲鳴に近い声を上げたかも知れません(^^;; 慌てて先生もナニか言い替えたけど、なんて言ったのか聞きとれませんでした。
また、ミルの創部をデジカメで撮ってきて、これは、膿瘍(のうよう)化しているだろうと言いました。
恐れていた内容物の正体です。穿刺をして確かめて欲しいと言いましたが、うさぎの膿瘍は、チーズのように濃度が高く、針では引き出せないと言われました(後で本を調べてみると、写真はホントに白いチーズ状)
それでは、切開してそれだけ出すということは???と食い下がりましたが、一時的に排膿したとしても、化膿が消えることはないので、今よりツライ処置が始まるだけだろうと想像されました。
敗血症は、突然来るもの、今元気でも急にグッタリしてそのまま終わることもあると言われ、そこにある物が膿瘍であれば、それはそんなに遠い日ではないのかと、苦しくなりました。
抗生剤が、この足に勝つことは無いときっぱり言われました。

断脚は・・・
一か八かの手術ではないので、うさぎの全身状態に問題がなければ難しい手術ではありません。
動物は意外と三本足でも不自由なく暮らしますよ。
きっと、毎日だるいと思います。

毎日だるい・・・ 再び心臓がえぐられます。
ミルちゃん、毎日ツライの・・・ やっぱり・・・ 
普通でいられるはずがないのはわかっているんだけれど、それを改めて感じることは、このままではいけないんだよと次の言葉に襲われるような恐怖です。

骨が熔けている??? もしそれが事実なら・・・ このままでは、敗血症を起こすのは時間の問題???
それでも、このままその日を迎える方が楽なの???

先生なら、どうなさいますか・・・

断脚した方がいいと思います。。。。。

そうですか・・・
私は、先生の足ならば・・と言う意味だったのですが、もう聞き返しませんでした。

もし、よければ、今日採血や全身のレントゲンを撮って行かれますか?

は・・い・・と、ここで答えれば、ミルの足を切る準備に踏み出すことになる。もちろん、検査してもムシすることはできる。
けれど、少しでも気持ちが断脚への準備にうなずくことが耐えられなくて、
「もう少し・・・時間を下さい・・・」と、お願いした。。。

待合室に戻って、ミル、お疲れ!とキャリー越しに労った。そしてミルを置いてそのまま外に出た。
こらえてもこらえても、止めることがもう出来なかった。
それでも、何とか会計だけ済ませ、ミルと一緒に外へ出た。
秋の日の釣瓶落とし・・・ 外はすでに真っ暗で、誰も気にしない。
近くの公園の石段に座って、しばらく息が出来ないほどに泣いた。
だって、切った方がいいっていうんだもん・・・・・
その方がミルは楽になるって・・・ そう言うんだモン・・・・




誕生月のおはなし

友人がミルに会いに来てくれる予定がありました。さすがに弱り切ってナニもしたくない日々。ミルのことしか考えられない日々。
私はしっかりしているから大丈夫だよ。だけど、ミルのことを思うとかわいそうで切なくて・・・・・
こんな私じゃ、不愉快な思いをさせてしまうかと悩みましたが、もしかしたら、元気なミルに会って貰うのは最後かも知れないと、ミルと楽しみに待ちました。
そんな日の朝・・・


ぎゃ〜〜〜!!
内側のサークルから、にょっきり出ているミルの足。
心臓が止まるほどビックリした。
あるある、こーゆーことある!
冬なんか待っちゃ〜いられません!!一刻も早くガードしなくちゃ!!

両足骨折なんて、シャレにならないよ(TOT)
みるちん、勘弁してよね〜〜〜
私の心臓は弱り切って、もう瀕死の状態です。
でも大丈夫。今日いっぱい来るから(笑)


100均で必要物品を購入後、号令と共に作業開始!
今日、私は棟梁。現場監督です(笑)

てきぱきてきぱき

みんなありがとありがとありがと〜〜〜(TOT)
ミルのトイレですよ。
そのひと穴ひと穴に心込めるよーにね(^^)



ったくもー 言ってくれればさぁ・・・・
あ、そこそこ
隅っこ、ていねいにね(^^)



そーだよ、道具持ってきたのに・・・・
ミルちんもチェックチェック
あたちのおうちだからね。しっかりね。


はさみ一本、メジャー一個で完璧仕上げ
どーよ・・・


すごーい!
もう、手も足も出ないね。風もよけて暖かいね。
気の利いた道具もナシで、スバラシイ!!お疲れさま!
お茶にしよ〜〜〜って、厨房も今日は監督(^^;;;
黙っていてもお茶が出てきて、超うれし〜〜〜♪(ちゃっかり)

なんか〜 みるちんかくれんぼみたいでつまんないな〜

”ウチのママは、ホントにナニもしないずぼらで困ります”
                             *プライバシー保護のため、音声は変えてあります

RUMIさん、こしおさん、ぱやぱやさん、みかさん
お土産と共に、たっっっっっくさんのパワーをありがとうございました。
もしかしたら、元気に四本足のミルは最後かも知れない。
よく見てってね。。。。。
あの接待下手なミルがあんなにはしゃいで・・・
作業中のみんなにツンツンしたり、邪魔したり・・・
ミルもすっごくうれしくて、元気な足を見て欲しかったのかもしれません。

私がどんな決断をしても、ミルは受け入れるよっ
て言ってくれたこと。。。
ありがとう。。そうかな。。そう思っていいのかな・・・・(涙)
今月は私の誕生月。
ナニか動くなら、一生忘れないこの月と、どこかに秘めている私です。。。


後日、げんちゃんの形見分けが届きました。
足のためのクッション性を生かしたマット数々と、ペットヒーター
げんちゃんの食べっぷり飛びっぷり出しっぷり?
そして、最後の踏ん張りぶりを、しっかりミルも受け継ぎます!!
ホントにどうもありがとーーーーー!!!!!


そのまた後日、里美さんからアルファルファ牧草が届きました。
ミルは買ってもらったことないね〜(笑)
うれしいうれしい♪よかったね(^^)
ミルの体をしんぱいしてくれてありがとうございます!!
頑張っていまーす!!


読んで頂いた方からの、思い思いの工夫やヒント、提案、経験、
様々な角度・形で応援して下さり、本当に本当にありがとうございます。




生きるというおなはし


きっと殆どの人が、自分の足を切ってまで生きたくないと思うでしょう。
それでは親兄弟、大切な家族、愛する人だったらどうでしょう・・・
このままでは、ただ死ぬのを待つばかり・・  
足は無くなるけれど、それでまた元気に生きていける。そのために、
私があなたの足になりましょう、立ち直る日までずっと一緒に・・
それに、あなたはきっと乗り越えていける人だと信じている・・・
悩み葛藤を繰り返した果てに、そんな風に思い、支えようと決意する人もいるのではないでしょうか・・・



お部屋を嬉しそうにひょこたんするミルを見ていると、その足が、切らなければならないほど悪いとはとても思えません。
けれど、包帯を取った足を見ると、断脚の意味を悟らずにいられない温度と形相を呈しています。
どうして・・どうして・・ミルの足が・・・
かわいそうでかわいそうで、朝な夕なその足に泣かされます。朝は、ホントに困ります。うさぎのお目目で出勤です。。。
私の心の奥底で、ミルの足を奪う芽生えを感じます。
ケージレストのストレスから解放したことで、まだこんなにパワーがあるとミルは見せてくれました。
もしかしたら、ミルはホントに三本足でも元気になれるのかもしれない・・・
もしかしたら、ミルは、今よりもずっと楽しく跳ねるのかも知れない・・・・
もしかしたら・・・・

ミルの元気を持ってしたら、きっと乗り越えてくれると信じている。でも勝手に信じられるミルは迷惑だ。
それでも、ペットの世界に来たミルは、私と医学の世界にイヤでも入り込み、そこに生きる道があるならば、ただ死を待つ生活は希望を捨てて安住だけを求めるときだ。
もう高齢のミルは、そうなるべきだったのかも知れないけれど、彼女の生きる力は、私に希望を捨てさせない・・・・
それが、苦しくて悲しくて辛くて、ミルの気持ちを知りたくて・・・・・
もうこのままではいられない自分でいいのかどうかと・・・・・

そういえば・・・
先日、行った病院では、自分がこらえることだけが必死で、現実的情報をナニも聞いてこなかったなと気づきました。
入院手術となれば、私の予定も組まなければならないし、いったい何日必要で、その後はどう通院や処置の準備をすればいいのか・・
そして、どうしても確かめたいことがあり、病院へ電話をしました。

それは
手術に立ち会えるかどうかと言うこと。これは否ということでした。そうだろうなと受け入れました。。
次は、断脚した足の解剖の立ち会い。その、膿瘍はどれほどの物で、骨の実体はどうなっていたのか・・・・
どうしても、私が奪ってしまうミルの足ならば、正しかったのかどうか、確かめる義務を背負いたい。
足が抱えている熱の強さは、感染以外考えられないけれど、膿瘍というわりには、血行がよすぎる。。。。。
感染して二ヶ月も過ぎ、膿を持っている塊と言うだけでは、私の中に納得が生まれない、この一点。
本当は、決めたら後悔しないためにも、もう振り返らない方がいいのはわかっているんだけど、この曇った一点があるために、
もしも違っていたのならば、私は後悔を背負うために、現実を直視したい。
院長が不在で代理の人だったためか、返事はクリアな物ではありませんでした。
きっと腕はいいのだと思いますが、事実が闇に消えていくことは本意ではありませんでした。


私の決断のためのおはなし


ネットで探した病院は、電話での相談も出来るとあったので、問い合わせてみました。
ポイントはただ一つ。私が断脚を選択するために、
この足は感染していて菌が骨を融解しいずれ全身に回る危険があると言う事実。の確定。
オペ前に確定がムリであるのなら、オペ後に実証。の可能性。

この病院を選んだのは、血気盛んな獣医師が、熱く動物に対して外科処置に挑戦している姿をブログで見ることが出来たからです。
もしも、ミルの手術をすることになれば、俺が何とかしてやるくらいの情熱を傾けてくれるような気がしたからです。
何例も経験していることも大切だけれど、この勢いが今欲しいと思いました。だから、きっと解剖もじっくり見せてくれるだろうと思いました。
それよりもナニよりも、断脚の前にもう一手段、まずは局部に直接挑めないモノか・・・・・・・・・・・


経過をかいつまんで話し、断脚の淵に立っていることetcを全て可能な限り説明すると
どこの先生ですか?その先生がそう言うのであれば、そうでしょう。
と、その口調には信頼の意が伺えました。 状況を聞く限り、やはり断脚は仕方ないことかと・・・と・・・

骨が熔けているのは確かですか?レントゲンで説明して貰いましたか?
と言う問いに、
驚いて聞き直すと何か言われたけれど聞き取れなかったこと。レントゲンはあったけれど、それを使って詳しい説明は受けてないこと。少しぼけていたこと。
を、話しました。

熔けているかどうかは、レントゲンで明らかにわかりますが、ボケていれば難しいかも。

膿瘍というのは調べたのですか?
と言う問いに、
お願いしたけれど、穿刺では引けないと言われたこと。
を答えました。

そ〜かな〜・・・
来てもらえれば・・・ 

い、行きます!!
私は即答した。初めて、初めてミルの足の塊を調べてくれる人がいた!
これできっと、私は決断できる。
それを見れば、きっと気が済む。それでいい。それが欲しい。
私自身が迷わないために、もう一度だけ、ミル、付き合ってね。。。。。




出かける前に鉢を割った。 ものすごく不吉な予感が走った。
けれど、同じサイズの鉢の買い置きがあった。すぐ入れ替えて、仲間と並ぶことが出来た。
これは、きっと治るという意味なのではないかと、努めてポジティブに考えた。
どちらにしても、心は決まっていた。治るというのは、ミルはとにかく元気になるという意味だった。




09/10/12(月) 急転直下!!
ミルを連れて電車を乗り継ぎ、駅から15分近く歩いてそこに着いた。
あの夏の日から、何度こうしてミルと歩いただろう。けれど、これは決断のための受診なんだと、固い決意に歯を食いしばった。
ドロリとした膿を見て、他に手段がないと言うことを聞けば、それで進むべき道を確定できる。振り返る必要もなくなる。

呼ばれて診察室へ入った。
いろいろ事前の会話などから、話は早かった。
それでは診せていただきます・・と、ミルのテーピングを切り取り、穿刺のための注射器の針を刺した。
いきなり三回も・・・@@ あんなに慎重だった日々はナニ???
吸引できる量は微々たるモノだけど、それをプレパラートに乗せる。
そして・・「これは膿じゃないですね・・・」・・・と・・・・
へ???

レントゲンも撮らせていただいていいですか?の申し出に「よろしくお願いします」と依頼し、再び待合室に。

待っている間、膿じゃない? じゃナニ?と思考を巡らせた。
見た感じは、関節液??それにしては濃度も強い。日が経過しすぎているから??血腫じゃない透明粘調性。
ナゼ骨が熔ける?なぜ熱が引かない?? 
私がどうしても曇っていた一点は、膿じゃないと言われることの方が納得できる。
けれど、私の決断を確固たるモノにするためには、それは膿じゃなくちゃいけないのに〜〜
混乱するので、深呼吸して冷静に待つことにした・・・(^^;;;


そして、運命の結果説明です。

結論から言って、骨は確実に熔けています。と、いきなりジャブ。
レントゲンを見ながら、熔けている部位を説明してくれましたが、熔けていると言われれば、そうと思うしかない。
あの、短骨がばらけている部分だけれど、私としてはその数をきっちり数えてこの骨が熔けていると知りたいくらいだった。
そして・・
こちらの組織ですが・・・と、穿刺した内容物の顕微鏡画像を説明してくれた。

腫瘍ですね。

えっ????今なんて・・・・・????

これは腫瘍です。
膿ではありません。発症したときは、音に惑わされ骨折だけに目が行ってしまったのかも知れませんね。以前から腫れていませんでしたか?

はぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜あ????

あ、あの(;^^A  足首に於いては、普段触るチャンスも見るつもりもなかったわけで、なんとも言えませんが、足そのものが腫れてきたのは、明らかに事故直後からで、それまではスッキリスマートでしたが・・・・

腫瘍で弱ってきた足が、折れやすくなっていたのかも知れませんね・・・・・

は、はぁ・・・ あの元気印のミルが弱っていた??毎朝恒例の大運動会に翳りがあったかな???

あの・・感染は・・・

していません!(きっぱり)

だって熱が・・・

腫瘍でも熱は出ますよ。

あいや、それはわかるけど、え??だって・・・まってまって、着いていけないーーーーー!!!!

あまりの急展開に、涙も決意も引っ込む驚きの事態。気を確かに保つだけで精一杯。
ノックアウトに頭は真っ白になった。

良性か悪性かは、調べてみなければわかりません。

あ、あの・・・
それでは、悪性であった場合、転移していなければ切断した方がいいわけですね??

そういうことです。今のところ全身の画像では転移は認められません。

良性ならば、腫瘍だけ取ることは出来ないのですか?

腫瘍を取れば、かえって足がブラブラになってしまうかも知れません。腫瘍で固められているようなモノです。

は・・ぁ・・・・・
つまりぃ・・ 良性でも状況は全く変わらないわけだよね???????????????



とにかく、病理結果が出たらご連絡します。


ミルの足は、感染もしていない。化膿もしていない。骨は腫瘍に支えられている。。。。?
テーピングも不要と、ミルはマルハダカで返された(^^;;;;
足の甲の腫れは、浮腫ではないかと言われた。。。
けれど、あれだけ熱を持っている足だ。ミルにとって、症状が変わったわけではない。
変わった訳じゃないけど・・・
断脚する意味がない場合も出てきたわけで・・・・・・
悪性腫瘍で転移があった場合・・・・・

混乱はピーク!気持ちは複雑!
ナニがホントかわからない。あまりに、診断結果が違いすぎる!こんなコトでいいのか、獣医師界!!
ただ・・・ 一番解明したかったコトに、初めて近づいたことは確か・・・だけど・・

あまりの混乱に熱でそ・・・・

とりあえず、結果が出るまでに、頭を整理して、どんな結果にも対応できるように戻さねば・・・(^^;;;
悪性腫瘍とか言われても、全然凹めない。それほど今は、別のことに動転している。
ナニより一番心配なことは、もし断脚が正しい選択としても、再び気持ちをここまで持ち上げられるだろうか・・・
すっかり戦意消失・・・・
それはそれで、ミルの足が繋がる運命なのだろうか????
そしてナニより、日に日に悪化する左足(患足)はもちろん、右足(健足)をも食い止めるコトは出来るのだろうか??

全てが白紙に戻ったような混乱の中で、ミルの赤い足だけが、現実を帯びて光り続けている。。。
マルハダカで返されたので、ミルは、それはそれはキレイになめあげた。
全貌が見えてくる。足の甲の腫れが浮腫というのはムリがあるのではないか?毛も半分以上抜け落ちている・・・
穿刺の跡は、まだ血が滲んでいた。
ミルの主治医が、ずっと心配してくれていた感染が起こらないように、私はミルの足をまた優しく包んだ。。。。。。














09/10/17(土) 受傷三ヶ月目の悪夢

奇しくも、その電話がかかってきたのは、ミルが怪我をして丁度三ヶ月目の今日でした。


初めて診察していただいた時は、三ヶ月経ったら元どおり!ま、ちょっと、曲がっちゃうかも知れないけどね・・(^^;;
10月は快気祝いをしなくっちゃ♪と、本気で思っていました。
確かに腫れ方が異様で、尋常ではないにしても、ミルが骨折ごときに負けるはずナイ。折れるほどに遊び回った元気な証。
ただ、足首付近なので、安静が殆ど守られていないことが怪訝され、キッチリくっつくのは時間がかかるな・・とは思いました。
もうすぐ二ヶ月になろうとしている頃、自宅で包帯交換をするようになり、初めてミルの足を見たときの衝撃は今も忘れられません。これが二ヶ月経つ足なのか???けれど、獣医師も含め、骨折が原因を作っていると言うことからは離れることが出来ませんでした。

骨折に関して学んだことは、
ナニもないところでも折れてしまう、それがうさぎ。。。。
つきそうでつかない骨、それがうさぎ。。。。
治癒する前に生涯の幕が下りる・・・・・それがうさぎ。。。。

結果は全て当てはまりますが、その原因は骨折に由来するモノではなかった!と言うことが大きな誤診でした。
最後の最後に、納得できなかった自分の疑問を解明できたことが、果たしてよかったのかどうかわかりません。けれど、疑問を持ってしまったら、不信感を抱えたまま進むことは出来ませんでした。だからといって、主治医の先生を恨むような気持ちは微塵もありません。








その電話は病理の結果を伝えるモノでした。

病理の結果が出たのでお知らせします。
非上皮性の悪性腫瘍・・ガンと言うことになります。






なんだか断脚の思いに精魂注ぎすぎて、この事態をどう受け止めて対処すべきかまだ整理が着いていませんでした。
いったい私は自分の中でどうまとめればいいのでしょう・・・
たった一度しか会ったことのない獣医師にそう尋ねていました。
先生は言葉を選ぶように
・・・ひとつには、ガンで死なせたくないと言う考えもあるでしょう。
と言って下さいましたが、その意味を考えること自体もう疲れていました。涙は一粒も落ちませんでした。
最後、どんな言葉を交わして電話を切ったのかさえ覚えていませんが、引導を渡され整形外科としての治療は終了となりました。

だらしない放心状態から自分を呼び起こし、思ったことは
ただただミルが少しでも楽に、残された時間少しでも楽に生きることだけを考えて暮らしていこう。と言うこと。
残された寿命の長さなんてどーでもいい!!
生きている時間の全てが、少しでもわずかでも安楽な生活、穏やかな生活であるように考えてあげたい・・・

ただその一語に尽きました。

そのために動き出すひとつひとつが、たとえどんな結果になろうとも、その一語に沿った時間でありますように・・・


The END


←ミル全治三ヶ月   ←受傷一週間〜   ←飼い主の飛躍   ←〜受傷一ヶ月  ←〜受傷二ヶ月  ←治療方針



カルテを書き綴ることで自分を奮い立たせてきました。
後から書くのではなく、その日の感情をなるべくそのまま日記のように書いてきました。
長いカルテを読んで頂き応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
私はまだまだ、ミルが安楽な日々を過ごすべく全力で頑張ります。
カルテがこんなに厚くなり、まだまだ続くとは思いませんでした。。。。。。(^^;;
どうか、これからもミルをたくさん褒めてあげて下さいね(^^)




Introduction