2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 番外編  名古屋 小林聖明  東京 太田浩史 松島潤平

   榊原充大さん編   8月06日pm6:30〜 曇り 川勝家の食堂にて

 その 01 02 03 04  

 その02  

(話の内容 間違う)

榊原:実はインタナショナルスタイル展っていう、その展覧会の記録自体が今でもSD選書にのぼっていて、版を重ねているんですけど。インターナショナルスタイル展で第三版まで、バルセロナパビリオンっていうのが。今では掲載されているんですけど。第三版までは掲載されていなかったっていう記録があって。

佐藤:
第三版っていうのは1950年頃になるわけですか
榊原:う〜ん結構近いぐらいの時代にはなっているので。

佐藤;だれかが意図的に戦後、意図的に載っけたという事なんでしょうかね
榊原:まあ断言は出来ないんですけど、しかもこれでなかなか面白い話があって。最近というか、まあ3,4年ぐらい前に出た、ギオルグロッツという人の「ビルデングデザイヤー」っていうのがあって、その中でミースのバルセロナパビリオンオリン、ジナルで撮った写真が全部掲載されているんですけど。実はバルセロナパビリオンオリジナルで撮られた写真というのが16枚しかなくって。で要するに再建。バルセロナパビリオン再建されるんですよ1980代に。再建されるまで、実はその16枚の写真しか資料として残っていなかった。

佐藤:図面も無かった
榊原:図面は掘り出されてあったけど。実際にどういうものかっていうのをみんなが観る機会がその16枚の写真しか無かった。だから何かその16枚の写真っていうのが一つの切っ掛けになって、で16枚、14箇所の視点から撮られた16枚の写真なんですけど。
佐藤:14箇所の視点から16枚撮ったと
榊原:その重複した何枚かっていうのは加工された写真で。
佐藤:ネガを加工してるですか
榊原:実物を加工してのもあったのかな〜。で加工された写真で、それがくしくもMOMAの所有になっている。で、MOMAっていうのはインタナショナルスタイル展っていうのが開催された場所であるっていうことから考えると。やっぱり誰かがそのバルセロナパビリオンっていうのを、ひとつ何か意図的に押し込んだ可能性が無くもない。
佐藤:それは学問的にはっきりしてないのね
榊原:う〜ん
佐藤:あるのは16枚の写真しかなくって、三版にむりやり誰かが押し込んだという事実はあるわけだ。
榊原:いや押し込んだかもしれない。

佐藤:1、2版には入ってない
榊原:入ってないらしい。
佐藤:らしいか?
榊原:あごめんなさい。インターナショナルスタイル展じゃなかった。御免なさい。話がややこしくなるんですけど。ちょっと撤回します。

 ★ 以上ここまで間違い


佐藤:そのままいって、続けてください
榊原:実は第三版から入ったというのは、ジークフリードギーディオンの「空間時間建築」っていう本でした。の第三版からミースのバルセロナパビリオンが入っている

佐藤:空間時間建築ね、の第三版に。インターナショナルスタイル展の図録ではなくってね。
榊原:じゃなかったです。

佐藤:
書名が違っていたと
榊原:御免なさい

佐藤:ギーディオンの本 これだと。1、2版には入ってなかったと。年代としては第二次世界大戦終わる当たりだとうということで。その当たりはチャントしてないのね
榊原:ごめんなさい。今凄くあやふやなことを言ってしまって。

佐藤:なにその事も違うの。
榊原:あんまり断定的なことは言えない
佐藤:でも三版に入っているんだ
榊原:第三版からは入っているのは事実

佐藤:だからそのことをどういうふうに解釈するか、批判するか分からないけども。最初から入ってないのは。意図的に編集してるから
榊原:そうですね、第三版当たりの書き直しでギーディオン自身がそのパビリオンの重要性に気付いたんじゃないか

佐藤:そういうことはよくあよね。再建されるまでに25年ぐらい掛かっているよね
榊原:29年に作られて再建されたのは80何年
佐藤:そうじゃなくって重要性が発見される
榊原:そうですね

佐藤:とりあえず万博終わって壊しちゃって忘れちゃったと

榊原:そうです
佐藤:それで、ギーディオンも初版が いつだか分からないけど。版を重ねていて、ふと考えてみたらバルセロナパビリオンが気になって入れたと。っていうとですかね。入ったのは、気が付いたときから25年ぐらい経って、ようやく再建されたと。正しく再建(復元)されたかどうかは分からないけど。16枚の写真を元にカラーじゃないわけでしょう。
榊原:カラーじゃないです
佐藤:それを観て、こうであろうと。本当にオリジナルなスタイルなのか? も実は分からないと。
榊原:そうです
佐藤:だから 遺跡を観て、昔〜しの建物こうでしたみたいなものになるので、(再建されたあと)観た人はこうだったのか?と思うけど、結構曖昧な部分があるのではないかと。
榊原:個人的に興味があったのは16枚の写真と言説だけで、再建にまでこぎ着けてしまったという

佐藤:それは暴力的かもしれませんね、復元っていう視点でみると
榊原:そうなの。だから何か、それがちょっと面白いな〜というか。そういう処に興味があったかなと。

佐藤:そんな(少ない)手掛かりで作っていいのかと。もうちょっと文系の視点でいえばね。それが世界的なものだと言われているのは、どうもそこまで言い切っていいかどうかと
榊原:いや批判ではないんですけど。その建築っていうのを再建する、何というか欲望というか、それを喚起するのに16枚の写真と言説っていう。もちろんミースの有名性みたいなのはあったと思うんですけど。そういうもので再建させてしまうっていう。なんか現象として面白いと思って

佐藤:そうかそうか。これからは推測の域とか、文学の領域、批評の領域とか、勝手な事いう領域だと思うんだけども。榊原さんはその当たりを。法螺話でいいですけど、作り話でいいんですが、どんなふうに思われていますか。
榊原:どんなふうにとは

佐藤:1980年当たりに急に再建するということは何か?どんな動機でそれをつくったのか?これは実際 誰が再建したんですか?
榊原:再建のリーダーになったのはイグナシオデソロモラレス
佐藤:その人は何人ですか

榊原:その人はスペインかポルトガルの人だと
佐藤:何のために また
榊原:ふふふふ ですから分かんないんですよ
佐藤:書いてないの。 イグナシオさんは文章も何も残していないですか
榊原:残してます。はいチャント図面もこういうのを見付かりましたという

佐藤:研究者なのかな
榊原:研究者でもあり建築家でもあるのかな
佐藤:そうですか。真面目にミースのことを調べたりして
榊原:と思いますけど

佐藤:政治的な活動とか しないと建ちそうもないよね
榊原:そうですね
佐藤:スペインが近代建築の発祥の地だみたいに伝えるためにやったのか、アメリカで有名になっちゃったから。実はスペインだぜみたいな何かあるのかね?その当たりを調べたら面白そうだね。調べて報告してください

榊原ちょっと資料捜すのがむずかしですけど
佐藤:むずかしいですか
榊原:けっこう
佐藤:再建に尽力した建築家の資料を読み込んでも書いてないんですか?
榊原:う〜ん。やっぱり政治的な動きとか、何かそういう処に
佐藤:裏話書いてない
榊原:裏話っていうのがなかなか

佐藤:ここだけの話がない。その当時の新聞記事を漁って読むとか。膨大な徒労になるだろけんどね。一応謎として残っていて面白そうだと。
榊原:何か 個人的に一方で興味がある
佐藤:これをネットで挙げると これは「こういう事です」って教えてくれる人がいるかもしれないな〜 
榊原:あそうですね。

佐藤:とりあえずミースに焦点を当てて、世界的建築家が作られていく一つのプロセスを追ってみたけどはっきり分からない
榊原:分かんなかった
佐藤:そうですか。それが大学時代ですか。それで大学時代は終わってしまったと。
榊原:終わっちゃいましたね



(建築の専門学校へ入る)

佐藤:その次に修士課程はいかれたんですか
榊原:いや専門学校へ行きました
佐藤:専門学校っていうのはどういうこと
榊原:実際に建築家になるには、どういう その

佐藤:じゃー文学で建築を研究するんじゃなくって、本当に建築をしてしまおうという話に成って来たわけね
榊原:そうです、そうです。何か現場に入って、みたいな〜というのが。

佐藤:専門学校というのはどこに在るんですか
榊原:京都の山奥にある
佐藤:なんていう
榊原:京都建築大学校っていう処なですけど
佐藤:名前はデカイけど専門学校と
榊原:そうです

佐藤:それは何年ですか
榊原:2年行きました
佐藤:入ったのは何年ですか
榊原:専門学校へ入ったのは3年前かな 2006年か7年

佐藤:神戸大学を卒業して直ぐに専門学校に入ると
榊原:そうです。はい。
佐藤:2年間。どんな勉強をされたんですか、製図ひたすら書いたとか、キャドですよね
榊原:でも製図もやってましたよ。手で書いて。あとは2級の建築士資格をとるための詰め込みの学習みたなのを
佐藤:そこを卒業すると2級建築士が受けられるんだ
榊原:そうです

佐藤:2級はもっているんだ
榊原:2級 学科をとったところで
佐藤:今年初めて受けたわけだ、2年経ったからね。
榊原:そうです。
佐藤:製図の試験は夏ですか
榊原:来月(9月)

佐藤:来月だと。ちょっと涼しいからいいよね、製図の試験があると。修行中と
榊原:修行中です
佐藤:食い扶持はどうしているですか
榊原:バイトしています。終わったのが2009年の3月なんで

佐藤:終わったばっかりだ。
榊原:終わったばっかり
佐藤:携帯電話が鳴ったのでちょっと待ってくださいね。違いました
榊原:え いえ何か鳴りましたね

 (体感としての建築 を伝える)

佐藤:ここ(台所)にあるやつか。本当に建築家になってみようと。始まったと
榊原:そうですね。でもまあ建てるつもりはないんですけど
佐藤:ああそうなの。建てるつもりはないけど、何で資格なんか取るんですか?
榊原:なんて言うか、建築を残したりとか。今ある建物の内側を操作したりとか。そういうのをしたいな〜というか。

佐藤:残すっていうことは歴史的、文化財といて残すって事ですか
榊原:それももちろんあるんですけど。それだけじゃなくって自分たちが日々生活している空間みたいなものって いうものを価値観というか。こういう空間の体感の仕方があるんじゃないの?っていうのを 色んな方法で伝えて行きたいな〜というのがあって。
佐藤:映画なんかで 復元しても
  
   30:15

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