2009年8月2~9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 門藤芳樹さん編 8月03日am10時~ 快晴 その 01 02 03 04 05 06 07 08 その01 (生い立ちなど) 佐藤:よろしくお願いします 門藤:はい。お願いします 佐藤:門藤さんの神楽岡工作公司のホームページのメンバー情報から基本的なデータは拾って来たのですけれども、これをなぞるように順にお聞かせ お願いしたいんですが。 生まれは京都1976年ということは33才っていうことですよね。 ![]() 門藤:そうですすね。はい。 佐藤:生まれも育ちも京都ですか? 門藤:母が京都の人だったので、京都で生まれたんでけれども。生まれて、すぐ転勤とかで、東京とか。あまりずーっとは知らないんですけれど。京都いて東京へ行って、直ぐ兵庫県の西宮というところへ戻って来て。そこで高校まで。 佐藤:西宮にて、高校生まで暮らしていたと 門藤:はい 佐藤:大学に来て 門藤:大学で京都に来てそれからずーっと京都に 佐藤:京都工芸繊維大学に入って、そこからずーっと京都に居座っちゃったみたいな。 門藤:居座っちゃったみたいな感じ うふふふ 佐藤:それでいいわけですね。高校時代とか、何ていうのかな、差し支えない範囲で、こんな少年でしたとか。そういうのが有れば 山登りばかりしていたとか 門藤:はははははは。 佐藤:西宮当たりだと、子供は何をして遊んでいたしょうか 門藤:何しているんだろう 佐藤:甲子園に 野球を見にしか行かないとか、そうでもないですか 門藤:うち家族だれも野球を見ないっていう。野球場すごく近いんですけど。今の実家も、野球 だれも見に行かなくって。武庫川って川が在って、川沿いでずっと遊んでいたのはありますけど。 佐藤:昆虫 捕まえたりとか 門藤:本当の子供の頃はその竹籤(ひご)をろうそくで炙って、曲げて和紙貼って。 ![]() 佐藤:手作り飛行機をね、飛行機倶楽部ね 門藤:ちょっとやってましたね。それとか模型倶楽部みたいなもの、もっと ちっちゃいときですけれども。 佐藤:中学生の時分には何かスポーツとかはやっていたんですか 門藤:中学から 軟式テニス 佐藤:テニスですか、へーえ。またそれは何で始めたんですか 門藤:なんででしょうね~打感が楽しかったんじゃないですかね。 佐藤:打った時の感じね 門藤:はいはい、ぜんぜん巧くなかったですけど。 佐藤:それは3年間高校でもびっちり 門藤:高校あがっても1年目まで、高校になると硬式テニスに代えたんですけど。でも1年目までで、あとはそんなクラブ活動に熱心ではなく。 佐藤:勉強だけではなく、運動もほどほどやって、京都工芸繊維大学の建築科に入られたんですか、 門藤:そうですね、造形工学科という建築やるところです 佐藤:それはまたどうしてですか 門藤:え~と~。最初はその建築じゃなかったんですよ。プロダクトデザインというか。何かそういうのに興味があって。 佐藤:プロダクトデザインはカメラとかですか、何の製品ですか 門藤:当時はこんぽとか 佐藤:ああ梱包ね ダンボールの箱とか 門藤:うはははははは。違うけど 佐藤:何か包むことね 門藤:いやいや、コンポ。 ![]() 佐藤:あ、コンポ ラジオやステレオなどね 門藤:そうです。 佐藤:オーディオか 門藤:オーディオですね。 佐藤:梱包じゃないのね 門藤:うへへへへへ 佐藤:そうか そうか 門藤:音って 別に目に見えるもんじゃない。それがカタチになっている。 佐藤:大学は建築もプロダクトデザインも一緒で入るわけですか 門藤:最初はそうですね。建築とかデザインになるのは3年生からなので。それまでは一緒に。 佐藤:工業デザインも、建築も、デザインと名がつけば何でも、一色に学ぶと 門藤:造形工学という 佐藤:3年生で建築科に別れるわけですね、またなんで建築へと。コンポと全然違いますね 門藤:へへへへへ。人間工学から興味を持って、コントローラーとか、何か操作系の人間工学の中でも操作系の話に興味持って。その次に椅子とかに興味を持って。椅子が建築との接点になったみたいな。 佐藤:コントローラーの興味があったというのは、どういうことですか? 門藤:コンピューターを使うときに、 佐藤:高校生のときコンピューター無かったでしょう、大学のときはあったでしょうけど 門藤:どういう道になるのかな~。ファミコンとかでもそうですけど。キーでA・Bって凄い画期的だなって。 佐藤:任天堂のファミコン、何だっけマリオ、スーパーマリオやって 門藤:そう そ う そう。 佐藤:こどものときに盛り上がっていたわけだ。 門藤:はいはい。 佐藤:それが工業製品との出会いであったと 門藤:そうですね。 佐藤:プログラムするとかじゃなくって。 門藤:違いますね 佐藤:操作する、その 人が直に触れるキーの方に興味がね 門藤:はい はい 佐藤:人間が入力する部分に興味が引かれた 門藤:はい はい、操作系です 佐藤:その部分のデザインにね(興味ひかれね) 門藤:はいはい。 (建築構造を生業となす) 佐藤:椅子とはまたちょっと違いますよね。椅子は毎日使っていたからですか 門藤:椅子、でも もの凄く工学的じゃないですか。デザインもあれば、座りやすさもあるし。 佐藤:座面が10mの高さだったら、大変ですよね~ 門藤:うははははは。 佐藤:そういう身体の拘束から逃れて、デザインはなかなか成り立たない 門藤:そうですね。 佐藤:椅子のデザインをやっていたら建築とどうも関係あるから、で意匠デザインに行ったんですか少し。 門藤:最初から構造ですね。 佐藤:それはまた何ででしょうか。マイナーな。何で構造へ行かれたんですか、竹籤曲げて 門藤:分かんないですけど。 佐藤:偶然ですか 門藤:いまからだと当然のように構造の方に進んでいったんですけど。建築をやるときに、その。 佐藤:建築の構造ってそもそも何ですか?おれも昔 建築の設計やっていたんだけど、何なんですか構造って、普通に考えると法律があるじゃないですか。法律を外して、構造って何、どういうふうなものなんですか 門藤:目的と手段で言うと、手段ですよね。目的が建築で。 佐藤:分けで語るから取りあえず手段なんでしょう、動物とか鳥の羽とか 門藤:分けてっていうか、最終的には何か一つの結晶を作るって話があったとしても、あくまでも手段っていうか。われわれを目的にすると何か変な事になるじゃないですか。 佐藤:それはわかんない 門藤:分かんないですけど、ふははははは 佐藤:構造が目的である建築を見たことがないので分からない。廃墟や遺跡はあるけど。これが構造だって言い切る物を見たことがないから。建築でもない、何か間 空間というような総体になちゃうんだろうね。構造家が作った造形っていうの。純粋な構造造形っていうのも見たこともないし。想像してもいなかった。ので思いつかない。カタチは意匠デザイナーが居て、それを構造的にサポートする、計算して安全であろうということを、確かめるために専門職 ![]() 門藤:ふふふふふ 佐藤:そういう造形がありうるのかどうか、考えたこと無かったな~、もっとも合理的で、フラードームじゃないけれども。そのまま浮いちゃうんだよみたいな。 門藤:ふふふふふふ 佐藤:もっと言えば宇宙に浮いている地球そのものみたいな 構造。球形で浮いているわけだから。そういう絶対構造建築、零度の建築みたいな。何かそういうの、考えた事がないんですけども。そいう構造を考えたことはありますか 門藤:たぶん(声が裏返っている)、そういうとこじゃないというか。どういうのかな。あんまりその建築、何か自分のカラーが入っているのは 何か変な感じがして、それだったら僕が建築家としてやればいいと思っているので。あくまでも建築を作りたいという人が居たら、構造、手段だと思ってるから。それを最大化するようなイメージ。 佐藤:手段を最大化するっていうこと 門藤:そうですね 佐藤:そうかそうか。そうするとどういうことになるんだろうな~例えば人間て、建築が人間だとするじゃないですか、それを最大化するっていうことは、人間に喩えればどんな事になるんでしょうか 門藤:何か病気か 病か何か解らないけど、なった時に。カウンセラーです。 佐藤:ああそうかそうか、君はこういう処が、ちょと病んでいるから 門藤:僕が腕を付けたりはしなくって、あくまでもその貴方の実力で完治してくださいという。 佐藤:治療しないで口だけでサポートして、ちょっとむずかしい計算もして、こんなもんで何とか一人で生きいけるね~みたいな 門藤:一人の自分だけの力で完治したのが、やっぱり最高の状態というか。僕が思うような。僕が腕付けたり、目入れたり、目 この方がカッコイイですよとやっていると、ちょっと何か僕のイメージではない。 佐藤:カウンセラーとしてはやり過ぎと 門藤:うふふふふふふ 佐藤:門藤構造のカテゴリーからは外れてしまうと、ということは意匠デザイナーを診て、門藤さんは、どういう感じに見えますか。カタチを作ってる。皆さん病のような様になっているわけで、そう喩えてですね。 門藤:うはははは 佐藤:みなさんにカウセリングしてあげてるわけじゃないですか。病の重い、門藤さんの手間がすごく掛かるものと、病が軽くって。軽い症状と重い症状で来る人がいるわけじゃないですか。それはどう違うんですか。これはちょっと重症だな~というのはどんな建築ですか。 門藤:うははははは。単純に物理的に成立していないみたいな話とか。もっと 重症なのに自覚が無いとか。貴方が作りたい建築はこういうことなんですか?みたいなことで、はいはい 佐藤:盲目的に自分の病気を愛しちゃって寵愛しているから、自分が病気であることすら気づいていないって様が、重病だと 門藤:うはははははは 佐藤:本当に病気になっている人も居るわけだね。建築っていう物体も門藤ふうに言えば病気だけども、それを取り扱いデザインしている、その本人も病気そのものであると。いう感じ あはははは 門藤:うはははは 佐藤:両方治さなきゃいけないから、治療費2倍!請求したくなるね 門藤:うははははは 佐藤:構造設計料2倍いただかないと割に合わないね ふふふふ 門藤:うははははは。中には全然病気じゃない人いますけど (前日近所の食堂で呑む 割り勘2000円) ![]() 門藤:単にモノが建ち上がっていく姿で僕も楽しいので、まあ重症だったらその、自分が仕事したって実感が出るかもしれないんですけど。軽傷の人が来ても、どんどんど面白いモノが建ち上がって。僕はずーっと単純に、うふふふはは 佐藤:そういう状況に一緒に立ち会って、「ああこんなに元気に回復していく」っていうか、リアル化実現していくっていうかね。 門藤:そうです。 佐藤:それが楽しいと。建築は場をつくりだす、場の状況そのものが楽しいから 門藤:そうですね 佐藤:治ろうが、治るまいがふふふふふ トリプルスタンダーとというか 門藤:そうです 佐藤:非常に複雑に入り組み、重なった感情があり、どうような立ち位置でもがあり、その場その場で、立ち位置を代えて楽しめるような、職能のかたちになっているから、構造という姿のカウセリングが出来るわけだ。 門藤:そうかもしれない。同時に色んな人と会って、みんな建築家って、全然、違うわけだから、それがわーっと一緒に動き出すっていうのは、何か面白いですよね。 佐藤:施工会社ってもの違うじゃないですか。 門藤:違いますね。 佐藤:読み方が、色々、図面診て読解の仕方っていうのが。具現化するときに違うから。不思議な人間(欲望)の交流が起きた場所に立ち、上がって、立ち会っていかなければならないじゃないですか。そういう面は、すごく事態としては、不思議な事ですよね。 門藤:うんうん。 佐藤:そうすると、だれも全体を創り上げていく、プロデュースする人もいないし、何か偶然が 集まって来て、社会に潜在してる偶然の 技術を持った人の重なり合い、異能者が人が集まった来て「作ろう」というモチベーションだけで作り上がっていく、偶然という在り方ってのはとても不思議な状景ですよね。だからそこ事態の観察者としての目も持っているという話ですよね。 門藤:そうなるんですかね 佐藤:観察記録をし続けているかどうか判らないど 門藤:ふふふふふふふ 佐藤:それは、構造計算だけの記録は残っているんですよね。そのような立ち位置で診ている(見ている)ということですよね。そうすると次に法律があるじゃないですか 門藤:はい 佐藤:法律ってのは、どういう立ち位置、そういう構え方で観ると、基準法で作られている法律というのは、どういうモノなんですか 15:09 その02へ |