2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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      門藤芳樹さん編   8月03日am10時〜 快晴 

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 その06  

佐藤:あれは岩山だったのか。セザンヌが描いたのは
門藤:
佐藤:知らなかったね〜。遠くから観てて刻々と変わる緑の状況を、描いていたのかと思っていた
門藤:これ油絵で描くと
佐藤:これだけが最後の決め
門藤:ふふふふっふ

佐藤:写真集のストーリー出来ている

門藤:
そうですそうです
佐藤:ストーリーが出来てる、フォトエッセーが出来ている
門藤:写真集(ストーリー)あります
佐藤:この表紙を撮ろう、 何となく分かればいいな
門藤:ふふふふふ

  (佐内正史写真集をみながら)

佐藤:次は
門藤:佐内(政史)さん
佐藤:これが佐内さんですか、マップっていう。地図ですか、違うな
門藤:地図じゃないですね
佐藤:さなえさんの写真は (写真集をみはじめる) これはただの看板に描いてある絵だね。なるほど。何歳って言ってましたっけ
門藤:30後半だと思います
佐藤:へえ〜 書いてあるかな。この写真集も日本から出てない
門藤:日本の メイドインジャパンって書いてある

佐藤:どこの出版社から出しているんだろう
門藤:自分で、自費出版
佐藤:自費出版か。
門藤:はいはい。
佐藤:なるほど。逆から観ちゃった
門藤:順番大事ですよ
佐藤:なるほど  何気ない日常を撮っているね
門藤:そうですね

(以下4点写真集より)

佐藤:
被写体を意図しないで
門藤:意味を与えないで
佐藤:意味が発生しそうなのはズラして これは自分かな

門藤:違います
佐藤:友達
門藤:これですね、
佐藤:セルフポートレートになるのかな 何か話している
門藤:お友達

佐藤:これは昔の写真にありそうな
門藤:絵画的な構図
佐藤:そうですね。これはただのファミレスかなにかの、そこで撮った写真みたいな気がするね。音楽と通じてますね。好みがね
門藤う〜ん。普通のも聞きますよ椎名林檎も 
佐藤:椎名林檎 普通じゃないんじゃない
門藤:そうですか。
佐藤:ああいう歌が流行るのが不思議な感じだ

門藤:アーテストだ
佐藤:ね。彼女の言葉はむずかしいじゃないですか
門藤:はいはいはい
佐藤:それが流行っちゃうっていうのが凄いよ、詩集なら それだけ売れないと思うけど、この写真も普通 だれでも 見ているけど、撮らないよね
門藤:撮らない

佐藤:日常の女の子の後ろ姿はいいね。フォトエッセー集って感じだね。
門藤:うんうん。
佐藤:テレビも、バックミラーも撮って
門藤:小説に写真付けたりもするですよ、太宰治の小説に写真付けたりとか。
佐藤:なるほどね。これはよく撮れたな〜 という写真だ
門藤:うんうん
佐藤:撮ってる傍に猫が居る
門藤:ふふふふ
佐藤:どうやって入っていったんだろう。物置になっているけど、そこに猫が暮らしているね
門藤:うん。
佐藤:これは氷か 対比になっている。こういうオブジェの こっちが無いから何か想像しちゃうね
門藤:うふふふふふ

佐藤:これは ゴミ捨て場の 何なんだろう、ゴミかな
門藤:そうですね、燃えないゴミとか
佐藤:凄いね〜ゴミ捨て場をはっきり撮らないで、それで最後を締めるって
門藤:うふふふふふ
佐藤:考えているのか、ズラしているのか、どっちだ〜
門藤:そうそう、いたって真面目ですけどね

佐藤:ね。最初これだからね、これは何のマークだろうな〜
門藤:いや分かんないか
佐藤:こういう写真か〜なるほど


 スティーブン・ショワー写真集をみながら 

門藤:あとはこれが、特にこういう写真の原形というか。アメリカのずーっと前の1960位の。
佐藤:これはアメリカ人
門藤:はいはい
佐藤:何て言う人ですか
門藤:ショワー、スティーブンショワー。ショワー。

佐藤:ショワーさん。
門藤:最初文章が、

佐藤:こういう何気ない風景が歴史的な容貌をもっているんだけど、歴史的記録から落ち ちゃうわけじゃないですか
門藤:はいはい

佐藤:
おおきな歴史から落ちて。記憶されないハズの風景を記録し撮っている気がするね

門藤:
うんうん
佐藤:これ300年ぐらい経ったら、このような風景はどこにもないと思うんだけど。ここでしかない風景なんだけど。一杯あるあから誰も記録しない。そういう処をチャント撮っている。未来からやって来た歴史家みたいな視線だね。(消えてなくなるんですから)ちゃんと撮りましょうと。造花なんだか分からない花も飾っていたよと。

(以下3点写真集より)

門藤:
ふふふふふふ
佐藤:おかしな社会が在ったんだよと。頑張るお母さんとかお婆さんとか。頑張っている感じがするな〜。そういう人達が生きていた町はこういう町だったんだよと。
門藤ふふふふっふふふ
佐藤女性が頑張っているわりには、町が頑張っていないな〜
門藤:こういう車のデザインとか 既に今 走ってないですから
佐藤:ね。このお母さん近代の真っただ中の理想のお母さんみたいな感じがする
門藤:ふふふふふ

佐藤:凄い しゃっきり 立っているじゃない。子供を虐待したりしない感じだね
門藤:ふあははははは
佐藤:これだって、この当時は普通の生活なんだろうからね。こういう配列ね。なんでだろろうな〜 ホテルではないんだろうし、自分の部屋なんだろうね。
門藤:ホテルじゃないですかね〜
佐藤:ホテルなのかね〜、風景に看板をはめ込んで
門藤:うふふふふふ

佐藤:これも面白そうだね。普通はこういう構図で撮らないよね、こっちの方が綺麗に見える。これは日本のホテルみたいだね。プリントベニアを撮っているね
門藤:はい。
佐藤:日本に来た時でも撮ったのかな〜、このマッチング凄いよね。すごいね〜この落差が
門藤:ふふふふ

佐藤:
朝飯こんなの喰っていた〜!記録だ。歴史家的視線だよな〜。こういう風景の中に、こういう町に暮らしている女みたいに見えるね。
門藤:うん。ほとんどカラー写真で表現と言われるものの最初
佐藤:ああそうなんだ

門藤:で、もの凄い若い時に、たぶん20代とかで撮っている。どれくらい何を意識してたか分からないんですけど。
佐藤:1974年、一番最初のやつは
門藤:だいたいそれぐらい
佐藤:74年だから、日本が高度成長期といわれたものが終わって、日本の製品がアメリカには溢れちゃって、アメリカの工業製品が没落して、周辺の田舎町がこんな風な寂れていった。アメリカの郊外の空洞化してるっていう、記録だよね
門藤:うん

佐藤:俺仕事ね〜んだよ 
 共にわらう へはははは
佐藤:日本人め〜ー 俺の仕事奪いやがって〜
門藤:ふふふっふ
佐藤:文句あるか〜 みたいな、そういう顔にも見えなくもないよね。この後10年経 つと 日本の車をみんなで壊したりすると
門藤:ふふふ そうですよね

佐藤:我慢できた、ギリギリの時代って感じだね
門藤:はいはい
佐藤:日本車いないものね。歴史的な記録になっているね、表現的な感じもするけど、観察者の視点だねこれは。
門藤:ふーん
佐藤:そんな感じがするね
門藤:う〜ん

佐藤:こういう立派な家もあるけど、こういう、そこに住んでいる人も居る
門藤:ポンコツ車、みたいな
佐藤:車 これだってね、引っ張って歩いてないよね、草生えているんだから。ここに住んでいるよね、トレーラの中にね。(公開されている映画レスラーの家のようだ)
門藤:うん
佐藤:頑張る叔母さんが歩いている、日本から一杯製品がやって来て仕事が無くなったわよ〜
門藤:ははははあは
佐藤:そうだよね、しょうがないから ジグソーパズルでもやりましょうか
門藤:ふふふふふ

佐藤:途中でムカツイテ 止める。そういう感じだな〜。へーえ〜。テレビもこんなだったんだ。貴重だけどな、ちゃんと撮っているな〜。あんまり当たり前すぎて写真に撮らないよね。こういうのってね。
門藤:うん
佐藤:ふつうじゃんっていう感じ。30年とか50年すぎると。もう74年だから35年以上 経っている。この柄の布地だってもう無いよね。
門藤:佐内さんのやつも日常なんだけど、そのなかでこう、とくに わざわざ撮らないようなものを撮って意識の中にふっと浮かび上がって来るものがあるみたいな

佐藤:批評的な写真なんじゃない、ジャーナリステックな行為。現代を、町を作っていたり、道路を作っていたり、そのことを記録して、それを組み合わせる事によって、批評の言葉や物語が産まれちゃうじゃない。
門藤:うん、この人確か これ撮っているぐらいのときにたぶんウォーホールのスタジオとかに居たから

佐藤:これ表紙だよな、覚えちゃうな〜一回見ると強烈だからな、仕事無いなんて  むさくしてんじゃないわよ〜 はははははは でもな 日本はな強力だそお前へへへへへ そんな感じで、今見るとね。これから10年後はもっと大変なことになるんだから

門藤:遠くを見ている
佐藤:ね。お前そう言うけどよ〜と遠くを見る、製品は性能が良くて安いのがうれるんだぞ〜
門藤:ふふふふ
佐藤:ちょうどアメリカの工業化が空洞化して、脱工業化しはじまる前夜のようだ 30:05

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