2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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  浅見俊幸さんに聞きました編   8月05日 pm5時〜  晴れのち曇り 

  (路上にて 01 02 03) (事務所内にて04 05 06 07)  

 その01

 出町柳駅 am5時待ち合わせる 浅見さん家へ そして駐車場へ歩きながら  

佐藤:音入ってますから、歩きながら音採りしますから、メモリ動いているでしょう
浅見:はい
佐藤:しゃべりながら、行きましょう。時間がもったいないので
浅見:分かりました。

 (比叡山電鉄 出町柳駅 )

佐藤
よろしくお願いします
浅見よろしくお願いします。
佐藤門藤芳樹さんからの紹介なんですけども。どういう関係ですか

浅見
:あの〜、門藤さんと知り合ったのは知り合いの構造設計の人から紹介してもらったんですけど。それでまだ仕事は一緒にしたことは実は無くって。いま頼んでいる処です。

佐藤:浅見さんは京都の人ですか
浅見:元々は群馬県が出身地で、東京が大学で。その後京都に
佐藤:何年生まれですか
浅見:1975年です。

佐藤:とういうことは34才
浅見:今年34です
佐藤:群馬県のどこですか
浅見桐生市です

佐藤:桐生市ね、絹織物の盛んな
浅見:そうです、そうです。ずいぶん機音(はたおと)もしなくなっちゃいましたね
佐藤:中高はどこですか、群馬県
浅見:中高まで群馬県 

佐藤:大学は東京って言ってましたよね。
浅見:武蔵野美術大学っていう美大の建築学科にいったんですけど。そこで4年間すごして。その後 京都

佐藤:4年間 武蔵美で過ごして、武蔵美って建築科あるんですか
浅見:ありますね。
佐藤:はあはあ。なんで武蔵美の建築へ行かれたんですか。
浅見:あの〜ずーとを描いたり、するのが好きで。で、そうですね。何か美術に関係する大学に行こうと思って。で、高校ときに自分が好きな、やりたいことは何だろうと思ったら、町の絵を描いたりするのが好きだったので。短絡的に建築は面白そうだなと思ったっていうのが。

佐藤:都市計画じゃなくて建築ですか
浅見:そうですね。何でも出来るんじゃないかというふふふ。気がしてたんですけど。
佐藤:そういう動機で武蔵美に入って。4年間。武蔵美はどんな勉強されるんですか。
浅見:まあ あんまり、放任。放任主義
佐藤:ほったらかし!
浅見:ほったらかしですね
佐藤:教えない。
浅見:教えないですね。
佐藤:自分で勉強しろと
浅見:そうですね

佐藤:学費は取るぞと。
浅見:そうそうそう。とくに何を教わったという・・気はするんです。
佐藤:それ、いいね。それで学生時代は何やってらっしたんですか。
浅見:普通に遊んでいて、勉強もしながら。そうですね。普通の学生でしたね。
佐藤:普通の美大生の生活ってどんな感じなんですか

浅見:あの〜。
佐藤:大学行ってないので分からないんですが
浅見:そうですね〜
佐藤:美大生の日常というのを簡単に

浅見:日常っていうのもまあ、美大っていうその括りのせいかどうか分からないですけど、毎日お酒を呑んで
佐藤:毎日ね
浅見:ふふふふふふ
佐藤:美大と酒飲みのは関係ね〜じゃないの
浅見:ははははははは
佐藤:毎日酒を呑むと。とりあえず

浅見:とりあえずそういう感じです
佐藤:美術に耐え 絵を描くには肝臓が強くなければならない
浅見:そうですね
佐藤:肝臓弱いやつは駄目だと。まずは
浅見:そうですね

佐藤:それが美大生・人間の基本だと
浅見:そうですね ふふふふ
佐藤:毎日酒飲みしていると
浅見:毎日 酒飲みしてました

佐藤:黙って呑んでいるわけにはいかないから。
浅見:まあ色々しゃべりながら呑みましたけどね。
佐藤:もっぱら女の話ですか
浅見:そうですね。時には建築の話しもしながら、ほとんど女の話だったのかもしれない

佐藤:健全で よろしい
浅見:はい
佐藤:ああそうなんだ。
浅見:そうなんです。
佐藤:4年間だけですか

浅見:4年間だけです僕は、はい。
佐藤:それでいきなり 自分で始めた
浅見:えと、大学が終わるときに、それまで学生の間に、好きな建築というのもを見付けられなかったんですよ。
佐藤:えええ。

見:
好きな建築家っていうのも。凄いなと思う人は居ても。心に
佐藤:何が凄いか判らなかったですか
浅見:こころに迫って来るものがない

佐藤:
凄いなと思うのはあったんですか
浅見:ありましたけれど。
佐藤:心に迫って来るってむずかしいこと言うな
浅見:ふふふふふ。無くって
佐藤:無くってね
浅見:で、建築でも、ちょっと美術のような建築の見せ方、建てない。アンビルドの事で何か出来ないかな〜と思って。
佐藤:ああそうかそうか、アンビルドね
浅見:はい。で一杯作品を作ろうと思って。で京都の町中にけっこう廃校になった小学校が在ったんですけど。

佐藤:京都に目を付けたのは大学生のときですか
浅見:ふふふ美術手帳にね募集が載っていたんです。京都に来ませんかって。
佐藤:ああそうなの
浅見:ふふふふ

佐藤:凄い安直でいいね〜
浅見:そうです。
佐藤:美術手帳はまめに読んでいたんだ。
浅見:まあ一応美術手帳は ふふふふ。身近にあるんですけど。

佐藤:雑誌をみてたら「京都に来ませんか」とお誘いが
浅見:そうそう
佐藤:それは、誰が誘っていたんですか
浅見:あの
佐藤:可愛い女の人がおいでおいでですか おいでやすですか
浅見:残念ながらそうじゃなかったんですけど
佐藤:役所か何かですか

浅見:そうですね、京都市がやっていて。その廃校の小学校をアトリエに貸しますよ。で、審査して通ればそこで制作して発表して。まあ何かの足掛かりにしてよって感じの。
佐藤:まちづくりしながら、人間も育ていこうという。
浅見:何なんでしょうね。今はそこは京都の芸術センターという建物になってるんですけど。作家が泊まって制作して、みたいな感じの建物。僕の時は実験段階人寄せだった

佐藤:ああ、でも泊まって制作やっちゃうという。
浅見:はい。
佐藤:酒飲みもしちゃうと
浅見:ははふふふ。古い小学校だったんで、凄くそういう教室の雰囲気とかも好きで楽しく物は作ったんです
佐藤:生活費はくれないんでしょう

浅見:全然 そういうのは無しですね
佐藤:家賃はただ
浅見:家賃はただ
佐藤:電気代ただ
浅見:電気代もただですね

佐藤:水道光熱費はただ なんだ。それはおいしい京都だし
浅見:そうです、そうです
佐藤:釣られるよね。
浅見そうですよね

佐藤:建築は心に迫らないしなんだから、 分からんし〜
浅見:そうです。
佐藤:それですんなり大学卒業して、すんなり京都に来ちゃったんだ
浅見:もう その年の7月。4月に出て7月に来ましたね。

佐藤:良いですね他力本願で
浅見:ふふふっふははははは
佐藤:そこで勝手な絵を描いたんでしょう アンビルド
浅見:そうですね〜絵を描いたり、何か物つくったり、しながらふふふ
佐藤:生活費は
浅見:その時は最初は、貯金とか有った、親にお願いして「どうか半年間でもお願いします」と。いうことで

佐藤:親にたかったわけね
浅見:たかりましたね。その後はバイトをして今日になるんですけどもふふっふう
佐藤:バイトって要するに、親はもう!呆れるね
浅見:そうですね。こいつは何をやりたいんだと。

佐藤:廃校に住んじゃって、座敷童みたいな息子になって、ようわけわからんと。
浅見:そうですね
佐藤:給料もらっているわけでもないし
浅見:そうなんですよ。

佐藤:そうか それは呆れるよね
浅見:呆れますね へへへ
佐藤:おれは呆れないけど、普通の人はね。お父さんお母さん何をやってらっしゃるんですか
浅見:教員ですね二人とも。公務員なんで
佐藤:それはますます呆れるは
浅見:そう そう そう
佐藤:尋常な道じゃないねあんた!。
浅見:そう、なんです

佐藤:美術の先生とかじゃないですか。
浅見:普通に
佐藤:何を教えているんですか
浅見:母親は何だろう、言語治療って。言葉
佐藤:すごいね〜!
浅見:(息子とは) 喋れない ふっ
佐藤:父親は
浅見:は商業科ですね。

佐藤:そうは両親はお堅い職業で。よりによって何か出来損ない息子がってなもんだね
浅見:そうそう、出来てしまった
佐藤:何やっとるか分からん!!と

浅見:京都の方へ行って 何をしてるんやと。
佐藤:それは親が 悩むだろうね、キット
浅見:そうでしょうね、悩んだんでしょうね。
佐藤:それでも半年は金をあげようと。
浅見:そうです半年 はい。後にボチボチ返していかなければいけないことですけど、とりあえずは。
佐藤:とりあえずあげると。
浅見:うんうん。

佐藤:そうい事情で京都に来ちゃったと
浅見:そうです。
佐藤:すごい面白い 京都への来かたですねあんたの人生おもろそですね。京都に何の憧れも期待もなかったけど
浅見:ふは はあは
佐藤:廃校に釣られて来てしまうという。不純で いいですね
浅見:そうですね
佐藤:ふふふふふ、そうか。それでいきなり始めたときはどうでしたか制作は、生活は

浅見:そうですね。まず京都が面白くって
佐藤:町、自体(事態)がね
浅見:まあ暑いけど、
佐藤:最初の半年は借金したし金もあるし、
浅見:ふふふふ全然 裕福じゃないですけど
佐藤:時間はタップル有るし
浅見:はい

佐藤:その半年間で何をやっていたんですか
浅見:あの〜京都の町に入って、京都の町で感じたようなことを何か建築物のような立体を作って見せたいと思ってた。
佐藤:ああアンビルドでね
浅見:はい
佐藤:絵画表現が主ですか
浅見:いや、絵もちょっとは描いたんですけど。立体で表現しました。木造の何か。僕の身長ぐらいあるような変な

佐藤:模型を作ったわけじゃないんでしょう
浅見:模型って言うか、そうい立体的なもの
佐藤:彫刻
浅見:彫刻と呼んでいいのか分からないですけど

佐藤:なんやら立体を、高さもあり、ボリュームもあるものを
浅見:そうなんです。ちょっと待ってくださいね。今住んでる所はここなんですけど
佐藤:写真撮りましょう
浅見:はい

佐藤:じゃ待ってます。ここのどこ
浅見:これです
佐藤:こういう作りは何て呼んでるですか
浅見:長家です

佐藤:あ、これが長家か。そのまえで。共同生活。シェアしてるんですか
浅見:シェアしてるんで
佐藤:ここからこちらと、2人でね。路地は共有地で。そうかそうか。ここは家賃は幾らなんですか。
浅見:そこで2万9千円ですね
佐藤:二人で6万円っていうこと
浅見:一部屋で

佐藤:随分安いね、2人で 一人14500円の家賃と
浅見:風呂ないですけどね。14500円
佐藤:風呂はどうしてるんですか。鴨川ですか
浅見:ふふふっふ、風呂はそこに銭湯が在るんですけど。あそこの「」って書いてある所。

佐藤:ゆって温泉マークじゃないですか
浅見:ふふふふふ。普通の銭湯ですけど
佐藤:ときどきはいると
浅見:はい。
佐藤:便所はあるですか

浅見:便所はあります、さすがに
佐藤:さすがにね。
浅見:はい
佐藤:ぽっちゃん!!じゃないでしょう
浅見:じゃないですね、水洗ですね
佐藤:風呂無いだけだ

浅見:そうです。風呂無いだけです
佐藤:事務所で浴びればいいじゃないですか
浅見:事務所シャワーないですよ。
佐藤:飯はどうされているですか

浅見:飯はほとんど自炊とかしながらやってます最近はコンビニが多いですけど
佐藤:学生時代は群馬から来たからもちろん、自炊だよね。そういう一人人間として暮らせるスキルは
浅見:18のときから自炊はしている
佐藤:それだったら、全然問題ないね
浅見:ははは

佐藤:廃校に住み込んで立体作って。個展か何かやったんですか
浅見:はいやりました
佐藤:大不評で
浅見:そうですね
佐藤:ふふふふふ

浅見:好評が得られるわけもない
佐藤:これは 何じじゃ??
浅見:フフフ ふふふ
佐藤:こんなものは見たくもないと 言われちゃって
浅見:ふふふふ
佐藤:お前の 勝手仏!でしょうって言われちゃって
浅見:そうそう、そうかもしれない

佐藤:言われて。それじゃ今日まで続かないよね、大逆転がないとね
浅見:そうですね。まあ、そこから本物の、それは建築じゃないんで。たまたまそれを発表して
佐藤:活動領域が建築なのか美術なのかも分からないままに、曖昧だよね
浅見:そうなんです

佐藤;だれが見に来るか???
浅見:まさにそうなです
佐藤:ターゲットが分からないという
浅見:そうそう
佐藤:確かに新しいけどさ〜 鑑賞するべき人が誰が居ない。
浅見:そう なんです

佐藤:新しくっても どうしようもなく。そんな感じだよね
浅見:そうです、そうです
佐藤:そのことに半年で気が付いたと
浅見:そうですね

佐藤:これ 自由ってのはいかん
浅見:ふふふっふ へへへへ
佐藤:あ、そうですか〜
浅見:それでその後に

佐藤:都第一回個展大失敗
浅見:失敗ですね〜
佐藤:一人ぐらい来たんですか
浅見:一人ぐらいは、あはあはははあは

佐藤:友達は来ましたね、市役所の人が来なければだめじゃない
浅見:ああ。そういう人は来ました。一応こなくちゃいけないと思うんで
佐藤:義務でね、浅見仏には興味もないのに。お仕事だからね。
浅見:そうそう

佐藤:この道歩いてて大丈夫なんですか、今俺たちはどこへ向かって歩いてるんですか
浅見:駐車場まで向かってます

佐藤:
浅見勝手仏を見に来た人は 京都仕事の人は見え見えなわけね。
浅見:そうですね
佐藤:家賃も、水道光熱費もたただし、京都市民の皆さん感謝ってことで、愛想笑いなどを振りまきながら応対をしつつ、くそ〜誰も解ってくれない!!
浅見:あはははは

佐藤:いいね〜
浅見:そうなんです
佐藤:いきなり挫折する したってのが! いいね〜
浅見:そうなんです

佐藤:こっち渡ろう、車が激しい、危ない
ごーごーゴー
浅見:こっち渡ります
ごーごーゴー
浅見:駐車場ちょっと遠くって
佐藤:ああ いいですよ、聞き取っているので、歩きながらでも
浅見:はい
佐藤:路上を歩きながら聞き取りってものいいです
浅見:はい
佐藤:雑音入って、起こせるかどうか分からないけど
浅見:はい

佐藤:事務所へ行ってから ちゃんと聞けばね、いいと思うけど。メモ振れてるから入っていると思う
 ガーガーガゴーーゴーゴー
バスが通過していきました、何を話しているのか分からないです

 がーゴーがーゴー
それで大失敗で。戦略練り直しだよね。

浅見:そうですね〜
佐藤:資金尽きちゃったんでしょう、金はない困った
浅見:尽きたうふふふへへへ
佐藤:それは困る
ゴーゴーゴーゴオー

浅見:その時に知り合った、っていうか発表さしてもらった場所が。ケンチクショウネン って言う。建築家の何かグループ。倉庫というか、まあ広い織物屋さんの跡地だったんですけど。そこで発表さしてもらって。その人が町家の改修をしてみないかと。
佐藤:絵しか描いたことないのにね、いきなりですか
浅見:ふふふふふ
佐藤:改修って言われても〜?? それ ヤッタ!
浅見:そうそう

佐藤:貧乏は 人を大胆にさせる!!胆なやつやな〜 15:02

  イ ンスタレーション立体作品を作っていたからね


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