2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 浅見俊幸さんに聞きました編 8月05日 pm5時〜 晴れのち曇り (路上にて 01 02 03) (事務所内にて04 05 06 07) その05 佐藤:経済性を無視して 浅見:経済性を無視しながらも、何だろう 佐藤:どこの当たりで経済性を無視しているって感じたんですか 浅見:たぶんスケッチしていくなかとか、でも観ているんですけど。枚数の凄いことと、時間が凄い掛かってるんで。生きた行くために設計しているんであれば、そういう事無理だろうな〜と。あと何か使っている部材とか。材質に関しても、なんかブロンズみたいなものとか。 佐藤:(カルロ)スカルパさんはどこの人でしたっけ 浅見:イタリアの人 (うぇbサイト) 佐藤:イタリアだからな〜ローマ帝国だしな。 ランドスケープなのか建築なのか、彫刻なのか 浅見:で、こんなものがつくれたら佳いな〜と思いながら。 佐藤:今やっていることと随分違うね〜 浅見:違いますね、ふへへへへへ 佐藤:違いすぎますね〜 浅見:うん。 佐藤:ストレス貯まらないですか。 浅見:何時かやってやろうと思って 佐藤;この在り方が理想だとすると、目指すはこれだと。 浅見:お墓作りたいってわけじゃないんですけど。何か用途が有るようで無いようなもので。でも誰かが感動してくれるものが出来たらいいな〜と思うですけど。 佐藤:ブリオン・ヴェガ墓地など スカルパ好きな人多いものね。 浅見:うん。 佐藤:それは最近ですか、学生の時からですか 浅見:大学4年生のときに、初めて思いました。 佐藤:スカルパさんて改修もやってませんでしたっけ 浅見:ほとんど新しいものが無くって、古いものに改修するばっかりですね。 佐藤:ですよね。 浅見:はい。 佐藤:思想の厚みとか素材の扱い方とか、ここの流れ付いている歴史だとか、読み込み方が日本にあるものとは違うよね。 浅見:うん。 佐藤:それを言葉では今なんとも言えないけども。このお墓を発注し設計し建てさせる社会的背景もあるし、職能に対する敬意の表し方も違いそうだ。政治政策じょうは 建築屋、設計業者ですよ、日本のほとんど多くの建築家は ですからね。現実を自覚しましょう 浅見:そうですね。 佐藤:この本は日本の雑誌社から出ているのかな、斎藤裕さんだね。これは文章書いているだけかな。 浅見:写真も撮っているんだと思います 佐藤:この写真も斎藤さんの作品集だと。斎藤さんは建築家でもあると 浅見:そうそう 佐藤:写真が巧いんだ 浅見:巧いですね 佐藤:斎藤さんは料理人だって聞いてるけど 浅見:そうなんですか、 佐藤:板前さんだって、植田實さんから聞いたんだけど事実かどうかは知らない 浅見:へ〜え。 佐藤:斎藤さんはね、まな板と包丁をもって旅してて、プロの料理人なのよって聞かされたな。 写真も撮ってる、バラガンも本作ってなかったですか 浅見:はいありますあります。 佐藤:スカルパのような素材の組み合わせ方は凄いですよねと。こだわりというか何というか、しつこさと言うか。そうですかスカルパンのこの本に感動してしまった。まだこの領域には行ってませんよね 浅見:行けるのかなって、そうそう 佐藤:これは随分大きな目標ですね 浅見:そうですね 佐藤:このような建築の在り方ってのは浅見さんや日本の社会状況とは無縁、無関係じゃないですか。それを目指して出来たとしても。その当たりについてはどう考えて思っていらっしゃるんですか 浅見:そうですよね 社会状況と無関係ですよね、ふふふふふふ 佐藤:ゆずって 浅見さんが反応する精神性は解るような気はするけど。今ここでやならければならない、社会が求めてる、そいう言い方は変だけど。生な社会と無縁に建築はあり得ない、この当たりに暮らす人々の思い。建築に対する支持のしかたはそういうものではない、スカルパの在り方ではない。 浅見:そうです 佐藤:その浅見理想とのずれに対しては、いかが考えているんですか 浅見:この理想型に対しては何か、あんまりずれてても、いいやと。全然思っちゃってて。 佐藤:うんうん。いつかわみたいな感じなのね。 浅見:そうですね 佐藤:遥か遠い目標として霞の中に見えていると。近場の目標にはしてないと。この本をときどき開いては 位置を確認していると。自分の現状を考えて 浅見:ふっ。うんそうなのかもしれない。 佐藤:浅見さんのバイブルになっているわけだ。なるほど。有り金叩いて買ったんだ。幾らしたんですかこの本は。 浅見:当時一万円ちかくしているんで、たしか9500円もしてるんで 佐藤:予想外に安いね 浅見:ふふふっふ 佐藤:3万円ぐらいするかと思ったらけっこう売れたのかな〜 浅見:このでかさからして 佐藤:出版社はどこだろう。 浅見:東陶出版 佐藤:東陶金持ち、安いね〜。これは何年に出たんだ。バブル期か、97年だからそうじゃないね。山一証券つぶれ拓銀・長銀なんか潰れるような時期だ。失われた10年の中だ。この本をださせる、売れたのかな〜。 浅見:そうでしょうね。 佐藤:紙質がちょいと違うかって、この本を日々眺め、町家の壁を剥がしたんだね。 浅見:剥がしましたね〜。 佐藤:門藤さんのメールによるとキャドなんか使わないでね、手で書いている人がいるから、インタビューしてください。だけども 浅見;ふふふふ 佐藤:今時なんでキャド使わないんですか、手で書くのですか。使わないくってもいいんだけど。みんながキャド使いで社会が廻っているから、かえって動きにくいんじゃないの。 浅見:そうですね。今の処デカイ仕事で施工会社と、キャドのデータやりとり出来ないってことは無いので。住宅の形状ぐらいやてますから。 佐藤:工務店もキャドデータくれって言わないんですか 浅見:言うとこありますけど、別に問題ないんじゃないのって。 佐藤:焼いた図面を渡して。今時変わった奴いるな〜と思われている。施工図書くときにはキャドデータがあるほうが楽じゃないのかね。自分で製本して 浅見:自分で製本してふふっふふ。この辺はパソコンで打ってますけど、図面てきには手で描いたりしてます 佐藤:手書き図面だと。手書きは好いですか。文字も手書きだね。スケッチだけしか描かないのかと思って聞いて受けとめてただんで。図面は書かないと思っていた。 浅見:ああ、 佐藤:図面は書いているんだ。 浅見:図面も書いてます。 佐藤:話またずれますけど、今チッチャイから手で描くって言いましたよね。住宅程度だったら。手書きでも充分 工務店の人と対話でやっていけると、 浅見:そうですね。 佐藤:ということは大きくなったら、手書きでは相手にされないってことも感じているんだ。 浅見:うん。あまり大きな規模になって、全てが手書きでいくとたぶんやり取りが出来なくなると。 佐藤:この図面は平凡なシンプルな。これは住宅ですか。 浅見:住宅ですね。今見積もり中です。 佐藤:申請はどうしてるんですか、一級建築士もっていらっしゃる 浅見:一応とりました。 佐藤:一応とりましたと。素晴らしいですね。最近ですか 浅見:ふふふふふ25位のときに。 佐藤:早いね。 浅見:ふふふふっふ 佐藤:押さえるべき つぼはちゃんと押さえてるんだ。ただ生活系を押さえてない、、ようとしてないだけだ。 浅見:ふふふふふふ 佐藤:社会性のつぼだけは押さえていると。 浅見:とらなければまずいかな〜と思って 佐藤:25才でということは一発でとっているってことだよね 浅見:そうですね。とれる年の次の年にとったのかな。さいしょ20の初めで設計やってますっていって。仕事さしてもらっている時に、資格もっているの?って必ず聞かれるんですね。 佐藤:それはそうだよね。資格無しで仕事やっている人一杯いそうだものね。 浅見:資格持っているのって聞かれて「持ってないです」って言って、じゃー勉強中修行中やねって言われて、値切られたりするんですよ。 佐藤:ああなかなか相手が上手だと。値切りかた高度な手を使って人を使うといいね。 浅見:京都はそういう処ドンドン値切る 佐藤:さすが1200年の都に暮らす人々だ。暮らし方が上手 浅見:資格ぐらいとったろと思って 佐藤:ああ資格無いんだね、設計料2%だねって。あんた無資格なでしょう贅沢いうんじゃないのってな感じで 仕事は押しつけ やさせられちゃうと 浅見:そいうそう 佐藤:無資格者が大きな顔して金取るんじゃないよ!と説教して値切ると 浅見:そうなですよ。おばさんとかに掴まって説教されたり 佐藤:散々言い放っておいて、でもやってねでしょけど 浅見:そうなんです、そうなんです。 佐藤:値切る口実はなんでも使うと 浅見:育ててるしと、確かに育ててもらってはいるんですけど。悔しいのは悔しくって本当に。 佐藤:図面の書き方とか自分で開発したり、ディテール集なんか見て、見よう見まねでね。 浅見:そうですね 佐藤:設計まえ 最初から施行もやっているんだから 解るよね。図面とリアルのと関係とか施行の仕方とかね。これ描いたけどうやって押さえようみたいな 浅見:そうそう、そんなことばっかり最初考えて描いてましたね。これは作れないと 佐藤:だから設計内容は自分に合わせるように萎縮するだろうし 建築とは何かとか建築で何が出来るかなんて飛ばして、考える暇は無い。目の前で作らないと事は進展しない。そんな考えてるより、依頼された仕事を納める方が先だぜって。ふふふっふ 浅見:そうかもしれない 佐藤:建築とは何かって腕組んで現場に居たら 発注者怒るよね。 浅見:ふふふふふふ 佐藤:非常に目的合理というか実利的だ。そういう場から建築を始めちゃって。本当に手書きだね。京都に来て手書きで図面を書いている建築家に聞き取りとは思ってもおりませんでした、若い人で手書き図面ですよ。手書き図面で建築を作っている人が居たとは。京都の原野で朱鷺に出会った気分ですね 浅見:同じ年ぐらいでいないんですね 佐藤:今頃居ないでしょう 浅見:絶滅しそうな処は僕が受け持っておかないと ほほほほ 佐藤:手書き図面絶滅しても問題無いと思うけど。なんでそんな手段にこだわるか 浅見:手で作るっていうところで、手で作るっていう事をもって置こうと思って 佐藤:キャドで製図すると早過ぎるからね、図面の出来上がる時間はね。手で描くとアナログ線でじ^っと1本の線かくのに時間が必要だからね、。その感じが作っている場とダイレクトに繋がっているかのように思えると 浅見:絵描いているような気持ちになれたり 佐藤:作っているときもこの部材の線を引いてるとき 現場での気持ちが甦ったりするしね 浅見:ふふふふふふふ 佐藤:そういう物と抽象なる図面とを繋ぐ媒体になった人間の気分 持てるよね 浅見:そうなんですよね〜 佐藤:キャド全然使いないわけじゃないんでしょう。 浅見:いや全然使いないです。 佐藤:あ、そうなの。パソコンは使えるのでしょう 浅見:インターネットしたりすることは出来る、ワードとか出来ますけど。 佐藤:メールは出来るんだ 浅見:メールは出来ます 佐藤:メールアドレス描いてあったっけ 浅見:あると思いますけど 裏面にあるんです 佐藤:もう一枚ください、べったとノートにはったから、裏みえないんで。 eメールできればPCの大方 半分は出来てるじゃないですか、あとやることないじゃないですか。日記ブログ流行ってはいるけど 浅見:はいはい 佐藤:図面はキャドを使わないけどメールは使っているので、いざとなれば 浅見:いつかどうしても必要になったら 佐藤:図面描き キャド外注しようの気分はあるんですか 浅見:今のところ無いです 佐藤:もうかってないんだものね、外注費払えないよね 浅見:むりですね 佐藤:基礎工事は自分で施行するんですか 浅見:やらないです、やらないです、最近は施行やってないんで。もう設計の方に専念してます。 佐藤:設計施工は最初の2つだけですか 浅見:3軒か4軒、それからだんだん分離発注で左官屋さんとかにこう 佐藤:独立したの早いよね最初から独立建築家だものね。武蔵美卒業した年には設計施工したんだからね。設計事務所は開いていたってことだよね 浅見:食えてないけど 同時進行で何か 佐藤:誰にも習ってないけど、目指すべきスカルパさんはいるし。これ以上迷うことはないと。 浅見:そうですね、習っときや好かったなと思いますけど、もちろん 佐藤:何を習うですか 浅見:自分の尊敬する人の事務所で働けたら、それは幸せだったろうなと 佐藤:なんで思うの 浅見:何か思うんですよ。 佐藤:自分で作り始めてみて、自分の至らなさに気付き。そういう欠落部分に気が付いているってことなのかな 浅見:そうですね。設計思想の面であるとか。何かそういう面でお手本に出来る身近な人って。一緒に設計事務所で働いたわけじゃないので。居ないので 佐藤:ただ奴隷になるだけかもしれないよ 浅見:かもしれないですね。 佐藤:外部から見てそう思っている方が幸せかもしれない。解らない。それは無いもんねだりだから。 とも に ふふふふっふ 佐藤:僕も志が高い思想をもった建築家の下で修業したことないので、まったくわからない。どうなのかな〜っ。師匠命みたいな感じもあったらよいのか悪いのか分からない。ましてや巨匠が必要とされている時代はないし。パターナリズムは死に掛かってますよね。 不可能性の時代ですよ。建築家の名前が前面に出て、建築家の思想が社会を作りかえたりして、建築家に敬意が払われてどうなるの?わけでもないし。一人一人が豊に暮らす社会を目指す社会にあって。名前が出張る建築家って、意味あるのかね じゃ実際に設計をやっていて施行をやって、問題に浮かんできたのが設計思想みたいなものが、ちゃんと自分は持ってないやってないな〜っていう事ですね。思想も鍛えておけば佳かったなと、そういう程度の現況で。自分の中では問題が明らかに有ると思っているわけですね 浅見:そうですね。 佐藤:そのほか、設計思想の有無の他には何かありますか、その前に思想があればよいと考える根拠はなんですか 浅見:もちろんそれは自分で捜していくもんだと思うんですけど。誰かについてそいう事を習うということが無かった。でみんなが有るのかな〜と。自分が持ってないやったことない事に対して、純粋に興味を持つんですよ。みんなどういう気持ちでやるんだろうとか。どういう気持ちで習ったんだろうとか。 30:18 その06へ |