2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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      門藤芳樹さん編   8月03日am10時〜 快晴 

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 その03  

佐藤:ラサに行かれたんですか
門藤ラサはもう僕らの頃は漢人が入っていて、近代化されているというか。中国人街になっていたので。もっと田舎のほうでリタンという所ですけど
佐藤:リタンですか、高山病になっちゃうじゃないですか。何日も居たんですか

門藤:3,4日です。
佐藤:バスで行くとどのぐらい掛かるんですか。
門藤:ちょっとずつ行ったんで、よく判らないですけど。四川省の何でしたっけ
佐藤成都かな

門藤:成都から、まず10時間ぐらいでカンリンという所に行って。それから高さ1800ぐらいか、そっからリタンというところも10何時間で、そこで3900mか800mぐらい。
佐藤:凄い高い処ですよね、1日掛けて行くわけだ。

門藤:体は慣らそうと思ってちょっとずつ行ったんですけど、行ったら結局 高山病になりましたけれど
佐藤ははははは 共に はははははは やっぱり1週間ぐらい掛けて徐々に上らないと、1日では慣れない、高山病になっちゃった
門藤:成りましたね〜。

佐藤:ちょっと動くのも大変ですよね〜
門藤:大変ですね〜
佐藤:そいう状況で野ションベンしているお祖母ちゃんに遭遇し観て、精神的なショックも受けて、幻覚症状に陥っるのか、不思議な感覚が湧いてきたんですか
門藤:ああそうかもしんないですね。水呑まなきゃいけないと思って。水を買い求めるじゃないですか。ペットボトルがあるんですけどね。買って呑むと凄く! お腹が下したんですよね。なんでかなと思ってペットボトルの中を見たら、白いモヤモヤが浮いていて。
佐藤腐っていた
門藤:見たら期限とか余裕で越えている
佐藤はははははは
門藤:腐ってたって。全然僕みたいなのが来ちゃ駄目なんだと思って。

佐藤:それで水はどうしたんですか。
門藤水は果物系ですかね
佐藤ヤクバター茶ってのがお坊さんとか呑んでいるじゃないですか。
門藤:はいはいはい
佐藤:それを呑まなかったですか。

門藤:そこまで元気なかったですね
佐藤:ああそうなんだ。
門藤はいはい
佐藤:ヤクバター茶だとかお湯をホテルでもらって持ち歩く、御茶だとか、がぼがぼ呑むといいじゃないですか。高山病対策に、血液薄めるためには。
門藤ああそうですね

佐藤:一応御茶葉っぱを入れて、お湯をもらって
門藤:バター茶みたいんなんですか
佐藤:そうですよ。それを呑むと腹壊さないしゃないですか。ペットボトルは流通してない、日常でだれも使ってないから、それが拙かった
門藤そこへ逃げた 現代人の弱さみたいな はははは
佐藤:地者のみんなが呑んでいるものを呑んでると、大ジョブなんじゃないですか。そんな気がするな、確かに高山病対策と水の確保はむずかしそうだな。僕もラサへは行ったんですけども。高山病たいへんでしたけど。ヤクバター茶っていうのをガバガバ呑んだら、呑んでも呑んでも小便でないで呑めるんじゃないですか。

門藤:
ふんふん

佐藤:高度が高くって乾燥しきっているから。いくらでものめる
門藤:凄い乾燥してますよね
佐藤:ひっきりなしにのんで、これだけのんだら小便したくなるだろうと思ってガバガバ呑んでも、小便に行きたくならないほど乾燥しきっている。で血液濃厚になるのを予防していた。そうか門藤さんは腹も頭も痛くなって、3,4日そこの村に居て。食いものはどうしたんですかそのときは。
門藤食いものは普通に食ってましたね。食堂みたいなのあります

佐藤:食堂はあったんだ。
門藤:かろうじて中国人村みたいなのが在って、宿らしきものはそこしか無かったので、本当のチベット宿なのかどうか判らないので。うふふふふふふ
佐藤:野宿でもよかったのではないですか、テントは持って行ったんですか
門藤:無いですね。
佐藤:チベット なめていったんだ

門藤;いやいや、ああそうなのかな〜
佐藤:山登りする、ヒマラヤ山脈に登山するような覚悟で、どこでもテント張ってさ、ねるような気合でいかないと大変そうだね、チベットのむらむらは。観光出来るようなインフラが整ってないようだから旅そのものになる。
門藤:一応ガイドブックみたいなのありましたよ。
佐藤:あるんだ。だれか行ってるから。
門藤:行っている
佐藤:でも書いてあることと 門藤現実と 当然違う
門藤;ああそうかもしれないですね。最初のホテルの位置が全然判らなかったです。バスで着いても。どこに着いたのかよく判らない。

佐藤;何かに出会うたびに事件が起きているような
門藤: ふふふふふ、そうですね。
佐藤:ペットボトル見てガバッと一気の呑んだら中身が腐ってたように

門藤;  ははははは
佐藤:こりゃ一筋縄じゃいかんわい と
門藤:全然駄目
佐藤:現代日本の社会に飼い慣らされてるか 暴露されちゃう、野生性から。野生の人間から離れている かって事を思いきって下痢で知ったわけね。
門藤:そう

佐藤:下痢はしてるけど、ここから戻るわけにも行かないと。よく下痢続かないで戻れましたね。
門藤:うん。ご飯食べてたら治ったんじゃないですかね
佐藤:一人で行ったんですか。
門藤:一人です
佐藤:そりゃ辛いね
門藤:行ったときに、ツーリスト一人も居なかったですからね

佐藤:チベット語喋れないんでしょう。
門藤:喋れないです
佐藤:どうやって、英語だって通じないでしょう
門藤:通じるわけないですね へへへへへ
佐藤:やっぱりボディーラゲージで 何か呑ませろ〜って身体表現で
門藤:そうそう

佐藤:五体倒地とかやったんですか
門藤:ふふふふふやんない
佐藤:アレは凄いよね、俺たちやったら死んじゃうでしょう、高山病の下で、あんな苛酷な労働を、凄い運動量じゃないですか
門藤:はい

佐藤:
おれ2,3回 五体倒地したら、死んじゃいそうだ
門藤:はいはいはい
佐藤:道を延々行って進んでいる人居ますよね
門藤:はいはい結構いますよね
佐藤:凄いよね〜、4〜5000mの高所ですからね
門藤:凄いですよね

佐藤:不思議な世界が在るよね。旅すると体験できるよね。
門藤:はいはい

(門藤さんの老後とは)

佐藤:
それで道で野ションベンしてるお祖母ちゃん出て来たんで、老後ってキーワードが出て来たんですか

門藤:うははははは

佐藤:
この神楽岡工作公司のWEBに表明している「老後」ってなんですか
門藤:何かな〜、えーと〜
佐藤:建築の老後、建物の老後っていうこと
門藤:いや

佐藤:人間の老後っていうことですか
門藤:そうですね。
佐藤:若者なのに不思議な キーワード書いてますよね、老後って介護問題で悩んでいるとか、みんなで語りましょうってそういう事ですか

門藤
いやいや、う〜と今構造設計やっていますけれども。死ぬまで出来るわけじゃないし。そういう意味でいくと、仕事って生きていくための手段でしかない。でしかないっていうのがあって。 どうやって生きていけばいいのでしょう?!みたいな。どうやって老後に備えて

佐藤:仕事から離れて
門藤:その後ですね〜
佐藤:人間として。今日する仕事がなくなっちゃったと。そうした場合おれはどうやって生きていこうかって、まず誇りとか希望とか一般的に言われているものを、ただ淡々と日常、3食飯喰って、部屋掃除して、髭剃って、風呂はいって、歯磨いて寝るっていう。それだけで良い。老後って書いたけども、日々どうやって生き行くかっていう、極普通の問いだね

門藤:仕事の後のね
佐藤:毎日仕事の後にやってくる 5時から老後しているわけですよね
門藤:ふふふふふっふ
佐藤:夕べの老後は佐藤と魚谷と呑んじゃったみたいな、その老後ね
門藤:うふはははははは
佐藤:そういう感じなんだ。それは仕事を完全に抜いた門藤さんの現代人としての生活そのものがあぶり出されると思うんですけども。そこではどういう暮らし方が好いな〜て今の処考えていらっしゃるんですか

門藤:老後の
佐藤:そうそう。5時から老後にでもいいですけれど
門藤:はいはい

佐藤:
週末、老後でもなんでもいいんですけど
門藤:はいはいはい。いまだどときどき田舎へ行って農業みたいな始めてみたいなのあるじゃないですか。たぶん無理だと思うですよ。都市の中でずーっと老後生活を過ごすんだろうとなと。感じる。
佐藤:野菜作って、野菜が育ち収穫するのをみてね。自分がイヤされて、また世話し過ぎちゃうみたいな、そいう疲れる、頑張る老人 居るよね、疲れたい!系の老人達ね女の子かまえよ生野菜じゃなくって 生人間をね って思うけど

門藤:うははははは
佐藤:なんで野菜と動物なんかかまってんだ〜と思うけどさ。そんな暇があったらもっと若者い人間 かまえやって思うけど。そういう事はしないで。禅問答みたいな話になるけど、明日死ぬかもしれないんで。他者を介入させずに大都市の中で老後を過ごそうと、いい事なのかな、詰まるところは。
門藤:そうですかね
佐藤:都市の状況を観察してブラブラ〜と逍遙し観察したり
門藤:うんうんうん
佐藤:一人で頷いたりして、永井荷風もどきだね ぼんやり鴨川の川面を眺め
門藤:ぼんやりして

佐藤:これやんなきゃいけないなんて肩に力入れ 考えず暮らす。構え方が随分ゆったりしてますよね
門藤:そうですかね
佐藤:そうですよ。普通の青年は目的主義的に これをあれをやりましょうみたいに暮らしている
門藤ああああ

(博士号のテーマ)

佐藤:その老後を表明してる割には博士号まで取得してますよね。
門藤はいはいはい
佐藤:ぼんやりしてたら博士号とれちゃったんですか
門藤:うへへへへ
佐藤:やっぱり老後の成果として。博士号とれちゃったよみたいな。これは不思議ですよね。といいならがも博士号とっているから。老後が重要だと思う人は博士号はとらないと思うんだけど

門藤:そうですかね。
佐藤:学生の時分から老後暮らし やっていたら博士号とれちゃったという生き方は好いですよね
門藤:ふふふふ分かんないですけど。

佐藤:博士号のテーマは表題っていうかタイトルは博士論文書くじゃないですか
門藤;はいはい
佐藤:博士論文ここに有るんですか
門藤:どっかに有ると思います
佐藤:間だ2年しか経ってないのに老後にはいってもう何処かって話ですか!
門藤:はははははは、いや。やっと出たってのが2年前ですからね。

佐藤:博士課程に何年居たんですか。そもそも博士課程はチベットに居たんですか
門藤:いないです。卒業して
佐藤:で事務所設立したんですよね。
門藤:1年もいなかったですけれども、一回東京へ出てちょっとバイトみたいな、設計事務所。構造設計事務所 バイトみたいな感じで、1年足らずに戻って来て。
佐藤:じぶ 始めたのは

門藤:博士課程で 戻って来たときに
佐藤:東京バイトで出て、戻り博士課程にはいったときに事務所も立ち上げた
門藤:はい

佐藤:博士課程に入るために、研究しつつ、ついでに構造事務所つくっておこうみたいな
門藤:そうです
佐藤:でつくったわけね。
門藤:はい
佐藤:学校の老後!その生活が構造事務所だった
門藤:いや分かんないふふふふふ はは

佐藤:そんな感じで、手の抜き方が上手だよね。
門藤:それはあると思います
佐藤:ということは5年か掛かってないんじゃないですか。5年で論文書けちゃったんでしょう。テーマが見付かったんだから5年で
門藤:いやテーマは最初から有りました
佐藤:だから5年で出来たんだ。
門藤;そうですかね〜

佐藤:論文のテーマを捜すのがむずかしいんじゃないですか・論文は感情を書くわけじゃないから。過去の研究者の書いた論文を読み込んで、ほぼ調べて
門藤:そうです そうです

佐藤
:そこに積み重ねるために
門藤:一個乗せるみたいな
佐藤:モザイク状に自分がそこに填っていくみたいな作業じゃないですか。膨大な時間を費やして他者の論文読んで理解して、そこにちょっとしか参加出来ないから。データを読み込む作業、それが凄く大変じゃないですか

門藤:でも研究って一応続いてますから、3回生で構造入ってから大学にたぶん全部10年ぐらい居たと思うですけども3回生の時からの積み重ねですから。

佐藤;老後しつつもテーマは老後してない。3回生の時からテーマが出来ていて、学生終えた老後で博士論文仕上げたわけたって 話じゃないですか
門藤:いやそれはないな。どうなんだろう。
佐藤:三回生のときに博士課程まで卒業しようって思ってないでしょう
門藤:思ってない思ってない

佐藤:何で博士課程なのか、チベットでお婆さんのションベン・ショックですかやっぱり「こりゃいかん」と糞力が出た。もうちょっと現代的な場所で糞力爆発と

門藤:そうなのかな〜
佐藤:それを俺が聴いてるんだから

門藤:
もうちょっと真剣にやろうと思ったのかもしんないですけどね
佐藤:ションベンショック受けて、おれはそういう野生がタップルの場所には戻れないと

門藤:
博士でやったのは、要するに仕事を始めるうえで。建築基準法とか色んなルールがありますけれども。その物理的な背景ってよく解かってなかったんですよ。大学に居るときには。それで設計するのって 凄い恐いじゃないですか。結局その建築の構造って経験工学なので。起きた事しか判らないんですよね
佐藤;哲学じゃないの、関係ないの数学とは

門藤:構造に関しては違いますね
佐藤:数学と関係ないの構造計算って
門藤;こういうとあれですけど後付ですよね
佐藤:後付!?
門藤;基本は経験工学で、起きた内容しか解らなし、今でも実験の方が絶対上上位っていうか、色んな実験の中で上位で。あると思うんですけども。
佐藤;理論より実験の方が上位で
門藤:はいはいはい

佐藤:それを、まげたり折ったり色々やってみて
門藤:こういう仮説だとこれに合うなみたいんで。ようやく式として成立するみたいな処があって。
佐藤仮説の上に成り立ってる治療法なんだ
門藤:構造計算はそうですね。
佐藤:だから本当に治療になっているかどうかは怪しい処もあるね

門藤元気になったらそれでいいじゃないですか〜はははははふふふふ
佐藤:そうか元気になったらいいな〜 一本とられたって感じだな
門藤:いやいや
佐藤:本人が元気になっているから、まあ治ったことしておこう〜みたいなところあるわけね
門藤:ふふふふふ

佐藤:そうかそうか。突然地震が来たけれども、揺れて倒れなかったし、これでいいんじゃないかみたいな、経験工学的な治療でね。タイトルはどいう研究ですか。論文の。

門藤:興味もっていたのは経験工学という話と、それから実際に式がありますよって話と、実際に式があるというので、その間を僕なりにキチンと埋めて置きたいなと みたいな話があって、でタイトルは数値解析みたいな話なんですよね
佐藤:こういうふうに仮説の式が出来たんだけど
門藤:そっからもう一回全部入力して実験の方やるとどうなるか?みたいな。ずーっと最後の方は神戸の地震波をモデルに入れて、どういうふうに揺れるか
佐藤:逆に起きた現実から理論的な数式を辿り確かめようと。いろいろやってみたわけね
門藤:はい。

佐藤:それで構造計算の式が、出来たときの仮説というのは正しいか、今有効かどうか、ということを確かめたわけね。やっぱり正しかった有効だったですか 45:04


  その04