2009年12月10〜13日じゅっくりの会in京都 記録     home  

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12日  渡辺菊眞さんに聞く   鼎談 アガカーン賞の王路 (森田一弥・渡辺菊眞・江崎貴洋)
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工繊大3年生・浅野翔さんに聞く

 渡辺菊眞さんに聞く 2009年12月12日 曇り 奈良県西大寺駅そば事務所

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            その01
おいたちなど

佐藤:高知工科大にいるのに奈良でのインタビュー依頼の電話したら大丈夫だと
渡辺:あはははは

佐藤:年中 奈良へは帰って来てるですか?
渡辺:そうですね、月に2回ぐらいは帰って来て
佐藤:子どもいますよね
渡辺:そうですね。はい

佐藤:ではよろしくお願いします。いきなりおみやげのパン 喰いながら どうぞ
渡辺:あはははは
佐藤:お茶のみながらインタビューをします。5年ごとに20年間インタビューしようと!暇だから俺
渡辺:はははは

佐藤:始めて 2年目なんだけど。大体1年50人目標 ぐらいかな、
渡辺:1年50人も!ですか、週に1会ぐらいのペースですか
佐藤:まとめてもらって一気に10数人とか
渡辺:はいはい

佐藤:
聞いたり、文字は起こすけど公開できない人も居る。そういう人を含めて。20〜30人かな、公開できるのは。そんな事やってますんで ひとつよろしくお願いします

渡辺:はいよろしくお願いします
佐藤:今日は第一回目なんで、myHPを時々愛読していただいてるそなので
渡辺はははは
佐藤:myhpの記録にある、あんな感じで始めます 渡辺さんは何年産まれですかね

渡辺:46年生まれです
佐藤:昭和だね、
渡辺:1971年です

佐藤:38才ですか、どこで産まれたんですか
渡辺奈良県の田原本、ここから南の方に10KMぐらいの所ですね。

佐藤:小中高ずーっと田原本ですか
渡辺:小中高ず〜っと奈良です。田原本にずーっとですね。
佐藤:子供の時に特異な行動をしてたとかありますか

渡辺:あんまり家に居るのが好きじゃなかったですから、基本的には外で虫採ったりとかそういう、もっぱら外に居る感じでしたね
佐藤:手塚治虫ですね
渡辺:あはははは、そんな感じでしたね。
佐藤:魚は釣っていたんですか、

渡辺:魚は、採ってました
佐藤:野生してたんだな、それは小学校ぐらい、中学校は
渡辺:中学校は、何か陸上部に入ったんですね
佐藤:砲丸投げですか?

渡辺:いいえいえ その頃は細かったんで、中距離ふふふ本当に 
佐藤:本当かな〜信じられないな〜長距離
渡辺:中距離、
佐藤:中距離って800mぐらいですか

渡辺:800、1500とかですね
佐藤:しんどいね〜全力で走りきんなきゃいけない、長距離だと手抜きしても大丈夫そうだけど、難しそうな距離だね、400は中距離じゃないんですか

渡辺:400はギリギリ短距離なですよギリギリ
佐藤:そうなんだ。あれしんどそう
渡辺:あれシンドイです

佐藤:中学は3年間走っていたんですか
渡辺:やってました。はい。
佐藤:スリムでね
渡辺:スリムでしたよ へへへ

佐藤:高校では何をやってましたか
渡辺:高校は何かいきなり変わって美術部と、あと山岳部に入っていたんですけど。
佐藤:掛け持ちでね、美術って彫刻作ったりですか

渡辺:絵画ですね
佐藤:平面絵画
渡辺:平面です
佐藤:なんでまた絵画を

渡辺:僕は虫採っているか絵を描いているか、だけの人だったので。ずーっと最初は画家になりたかったんですよ。というのもあって。
佐藤:虫採って喰ったりしないの?
渡辺:喰はしなかったですね。

佐藤:食べるために採る人もいる、何でもかんでも喰うって西江雅之さんのように
渡辺:ああ採って観察したり、それを描いたりとかしてましたけど。
佐藤:食料じゃなかったと。
渡辺:はははは、あははは

佐藤:食料の危機を感じて虫採取かと
渡辺:ははは、要は採って見て、またずーっと眺めるのが好きだったので。
佐藤:眺めてから本格的に描くと
渡辺:だから 虫採っていると平行して絵は子供の頃からそれだけは、特技みたいな感じでしたので。で、高校の美術。陸上の方は中3まで頑張りましたけど才能ねーとはっきり分かったので。けど何も部活しないのも手持ちぶさたなこともあって。美術をするために美術部入ったわけじゃなかったんですけど。絵はまだ別に習ってましたので

佐藤:絵はいつごろから習っていたんですか
渡辺:本格的に習ったのは中学校からです
佐藤:駆け足しながら絵も描いていたと
渡辺:そうですね。はい。

佐藤:美術は何をやってたんですか
渡辺:油絵ですね
佐藤:最初に何を描いたですか、虫ですか
渡辺:最初、何か変にませてたのか、ダリの絵みたいなものを、まねごとみたいなものを描いていた
佐藤:シュールリアリズムの絵をね
渡辺:はい
佐藤:世界が曲がったりとか

  (右絵 ネットより)

渡辺:
そうですね、割とだから、
佐藤:夢の絵とかですか
渡辺:夢の絵とか、なんかそういう目玉みたいなものとか空中に浮かんでいるとかそんなやつでしたね
佐藤:気持ち悪いですね

渡辺:気持ち悪い感じの絵を描いてました。はい
佐藤:気持ち悪い絵を描いて驚かそうってわけじゃないのね
渡辺:わけじゃない、そういうのに憧れていたんでしょうね
佐藤:現実に見える世界じゃない、違う世界を描いてみたいと、そういうのにね
渡辺:はい

佐藤:現実が不満があったからとかじゃないんでしょう
渡辺:現実に不満があった訳じゃないですけど、ただ面白くない感じはしてました
佐藤:風景描写とか生物の写実はいやだと
渡辺:そうですね、中一ぐらいまでは普通に風景だとかを描いていたんですけど。何か、中二ぐらいの時からそれも嫌になって来て。そのぐらいからシュールリアリズムのまねごとみたいな絵を描いてて

佐藤:油絵って臭くってたいへんじゃないんですか
渡辺:そうですね、はい。
佐藤:水彩では駄目だった、油絵だと
渡辺:えーと、どちらかと言うと今思えば水彩の方が向いていた感じはするんですけど。何ででしょうね。なぜか油絵で描いて。
佐藤:描きにくいですよね

渡辺:描きにくいです。
佐藤:水彩とか鉛筆画の方が描きやすいよね
渡辺:そうなんですよ 僕も厚塗りをするタイプじゃないですから、どちかというと薄い感じなんです。
佐藤:下地をツルツルに仕上げてから描き出すんですか

渡辺:もうキャンパスそのままやってましたけど
佐藤:直に薄塗り、陰影でるから 分かりにくくなるんじゃないの
渡辺:そうです薄塗りをシツコク重ねて。へんなボコボコは無くなるようにしてましたけど。

佐藤:今でのその作品はあるんですか
渡辺:実家の田原本の方に置き去りにしてますからはははは
佐藤:置き去りって、今 描いてないってことだね

渡辺:そうなんです、それもだから画家を目指していて、建築やっているのはやめたっていうことなので。高校2年ぐらいまでは、芸大に行くか、建築の方もちょっと有ったので。
佐藤:絵描いて めしくったろ〜と思っていたんだ
渡辺:絵でプロになりたかったんですが
佐藤:建築より難しそうだ

渡辺:
建築の方は、何ていうかな環境的にはよく見知っているハズではありましたけど。ただあんまりそんな話もしないので。絵の方は難しのは分かっていたんですけど。ギリギリ芸大ぐらいには入れそうな気配はあったので。それでと思ったんですが、ただなんか
佐藤:この辺で芸大と言うと、どこへ行くんですか

渡辺:京都の市立芸大めざしていたんですけど。で、そいうのやっていたんですが。また陸上の時と似たような話もあって、それもし受かったにしても。例えば僕が憧れるダリみたいに。絵を描ききれるのかと言うとおそらく無いであろうと。あのとき気付きまして。

佐藤:ふふふふ早いね〜気付くの
渡辺:ふふはははは
佐藤:けっこう慎重なんだね
渡辺:そうなんですよ。ただもの凄いショックではあったんですよね勉強ができはじめたのだいぶ後だったので絵の方が誇りだったときに、それやめるのは、かなり何も無くなってしまう・・好きだったけど 絵のことは別だったので。これしか無いと思っていたものが、駄目。僕もう何も無い 馬鹿な人じゃないみたいな事になってしまって。で、そんときにう〜ん。

建築の世界 実は知らなかったですので、けど、芸術とかと無縁じゃないのは知ってましたから。突っ込もうとということで。高二の冬ぐらいから、もう建築の方へ

佐藤:
中途半端な 領域へスライドしていって
渡辺:中途半端なははははは。まだ大学の1,2年の時までは、絵も描き、描いて。かつ建築もやるみたいな事はどうか、みたいな事は思っていたんですけど。やっぱり、一旦もう駄目だと思ってやめてしまった事もあったので趣味として絵を描くのは、ちょっともう絵に向けても失礼だなって思いがあって

佐藤:真面目だね
渡辺:ならば、二度と描かないでおこうとなって。絵は好きなんですけど。だからあえて描かないようにしてまして。だから大学3年生、最後に絵は描いてないんですけど。

佐藤:高校時代は絵ばかり描いてて受験勉強はしてなかったの
渡辺:高二の冬ぐらいまでは 絵はそればっか描いていたりしてましたけれども。勉強まったくしてなかったわけじゃなかったですので。やめると決めてからは、勉強する比重を上げて、してました

佐藤:京大めざしたんですか最初から
渡辺:京大めざすのは建築とまったく関係なくですね。関西にいて、ある流れで進学校の高校にも入ったものだから。やっぱり関西、普通に単にミーハーに京大に行きたいっていうだけだったんですけど

佐藤:はははは
渡辺:ふははははは。京都大学がどうのこうのとか言い訳まるでなく、単に京大に入りたいというだけだったんです。はい。
佐藤:運良くはいれちゃった
渡辺:それは割と頑張りました。ちゃんと勉強して、入って。建築学科入ったからっていう事で、そこまでまあ、そんな感じだったんですけど。


 (京大 築学科に入る

佐藤:建築科に入って建築の勉強してないでしょう。 どうでしたか建築は
渡辺:まず1年生の後半ぐらいにトレースみたいなもをやらされるんですね図面の。平、立、断面そろって。京大の先生が建てた施設かなんかの。けっこうデカイ建物ので。それを単に定規でものすごい丁寧に描くんです

佐藤:その頃は手書きだったんだ
渡辺:手書きでした。定規当てて計って書いて、いっこも面白くなくって何もときめかないような建物だったこともありますし。絵はうまかったですけど、定規当てて綺麗に書くのはそんなうまくない事もあって。何かそれに、7,8時間掛けて一枚仕上げるみたいなことで、いっこも面白くないじゃない!かみたいなことで。

佐藤:先生に文句を言っていた こんなことはやりたかないと
渡辺:ははははは、そうですね。で、その一方で、みんな建築知らないの全員同じなんですけど。そういうのだけ巧い子って居るんですよ。その子はおれは才能あるぜみたいな態度、それも頭に来て 共に ふはははは
佐藤:綺麗に描けるだけじゃないかと

渡辺:そうですね。うん、最初 だから最悪な印象でしたね。だから。こちらも絵をやめて、そんな中途半端にスライドしたので、偉そうな事言える立場じゃないんですけど。もの凄いむかついて
佐藤:一人前にね
渡辺:ははいっちょまえの事を言っていたんですよはははは
佐藤:そうなんだ、それは1年生で
渡辺:1年生の時はトレースを2枚やらさせて、日本建築の古典と、大学の先生が建てた建物と。あと大学の先生が建てた建物のパースを描くみたいなのがあって。その3つはどれもいっこも面白くなくってですね。

で、2年生に入ってからようやく設計みたいなものの、もの凄く簡単なやつを

佐藤:課題かなにか
渡辺:課題がようやく出てきて、休憩所みたいなものでしたね。トイレが一個ぐらいあれば、屋根があれば、屋根と座る所があればいいよというようなもので。
佐藤:形を作るということですか、平面図書くっていうことですか

渡辺:平面図とかを簡単な、平面とかイロハを学ぶみたいなことと、それを模型にして立体で作るみたいなもの。ほんとベーシックなものだったんですけど
佐藤:だたの箱でも良さそうだけどね
渡辺:そんなのでもいいような感じですね

佐藤:一応便所は付けたんだ
 
       共にははははは  15:05

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