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工繊大3年生・浅野翔さんに聞く

 渡辺菊眞さんに聞く 2009年12月12日 曇り 奈良県西大寺駅そば事務所

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 その03

渡辺:300、400mあります

佐藤:何かが 自殺の名称なのに産まれてくるような感じもするね、皮が剥がれてね
渡辺:そうですね
佐藤:ドームが腐っていくのか、両方か 

渡辺:これもパンティオンみたいなもんなんですけど。たぶんメンタマみたいなものが在るのが

佐藤:なるほど、デカイんだ。卒業設計みせたくれた人初めてかもしれない。持ってないっていうか、外で話したりするからそうなもかもしれないが。マメに記録をつくったり写真は撮っているんだ

渡辺:いやこれだけは、なんかスタート地点になったので、とってあるんですよ。写真しか逆に言うと無いですけど。

佐藤:繰り返しとかターワーみたいなのが、600mとかそんな感じ
渡辺:そんな感じですね〜
佐藤:自分が当時したかったであろう要素が複雑に入っているね

渡辺:はいこれでようやく何か自分自身がやりたいテーマみたいなものと、
佐藤:これは!
渡辺:これいこう 僕がしているわけじゃないんですけど。

佐藤:貴重な物を拝見 あ 本当に 東尋坊に行ったんだ
渡辺:はい行きました。これ紆余曲折があるって言いましたけれども。最初は単なるダリの絵じゃないですけど、敷地も無く空中に浮かんでいる幻想城みたいなのを設計しようと思っていたんだんですね。そしたら布野先生にそれは 駄目だ!と言われまして。何が駄目かと言うと敷地というものは結局宿命的に付いて来ると。だからそれを幻想的な物をしてもいいけど、どっかの場所に置けるようにしてくれって言われまして。

というときに何か、う〜ん、風景に関して思っていた事はさっき言っていたような事はありましたので。となると東尋坊をむしょうに見たくなってですね11月まで別な物を作っていたんですよ。でデッカイ模型も出来ていたんですけど。何かピント来てなかったった事は確かで。でもその模型はもう東尋坊に行くと決めたときに、けっこう2ヶ月ぐらい作っていたんですけど。ぶっ壊してしまってですね。

とりあえず全部無くなってしまったので。東尋坊見に行こうと。見にいったときに、やっぱり風景を観て何か考えるっていうことはけっこうあるなーと思って。一気に方向変えてこれを。

佐藤:夢の中の風景じゃだめだと、リアルな場所がない建築設計はいかんと。けっこうシビアに言われて

渡辺:宿命なのだからって言われまして
佐藤:場所から離れては建築はじゃない、ありえないと
渡辺:はい
佐藤:具体的などこに建つかが建築なんだと
渡辺:そうですね、

佐藤:それで無性に見にいきたくなって 夢のお城から飛び下りた
渡辺:うははははは
佐藤:それで 一気に作り上げたと 
渡辺:そうですね。だから、あまり一つずつの意味は吟味した訳じゃなくって一気に作ってしまったんです。
佐藤:体内にある作りたい形が 一気に ここに吐き出させてあるんだ
渡辺:はい



     個展を 催す


佐藤:
これでは中途半端にやめるわけにはいかないね
渡辺:そうんなです、大学院に行こうというのがあるのと、もう一つはあんまり、分かってない世界が、研究して何かそれを論文にするっていう世界に関しても何もやってなかったので、それに関しては何かをまとめたいと思って

佐藤:論文も書こうと思っていたんだ
渡辺:それと あともう一つは、この亡霊みたいなものの後処理もチャントしたかったので。で、本当は何か、院の間に自分の展覧会を、卒業制作のけりをつけて。これじゃなくって別な作品を何点か作って似たテーマで。で個展をしたいと思ったんですね。4年生の終わりぐらいの時に。

佐藤:生意気だね 個展ですか?
渡辺:それもアホみたいな話で、当時大島哲蔵さんやっておられた英訳かなんかの勉強会に参加してたときに、あの頃はまだちょっと関西の学生もやや元気でグループ展とかやる人が多かったんですよ。院生達が。

で大島さんはああいう方ですので、「最近まあ、元気があって二人展までってのよく観たことあるだけど、一人でやる奴いないね〜」って、それそれにふふふふはははは単にそれだけで。

    共に はははははははは

佐藤:乗せられ易いんじゃないか
渡辺:乗せられやすいですね、それで個展をしようって、そういうふうに言わなかったですけど、心に決めてまして
佐藤:大島さんをぎゃふんと言わしたろうと。
渡辺:一人でやるやつは実は居るんですけどね〜みたいなことぼんゃり、だいたいこう
佐藤:呟きながら
渡辺:つぶやきながら。院で論文も書きたかったとなると、2年しかないので、結局個展で作るための物を途中までは作っていたんですが、個展するまで材料集まらなくって。論文は論文で書きまして。今度は論文の方もこんな状態になって

佐藤:読んでも解らない文章になってる、詩集じゃないだよと論文は
渡辺:そうなんですよ。というのもあったから、今度またドクターに進まなくなくちゃならない
佐藤:どこへいってもまとまらず、それでも不安にならず進みと。個展はどうだっあの?

渡辺:その時はできなくってドクターの1年生でようやく1年間を布野先生ももらって。最初ドクター来るかぎりこういう論文を書けよって言われたんですけど。年間はなんも研究しなくって、個展をするためだけに時間をもらっていいですか?って言ったら。勝手にしろ馬鹿!みたいなこと言われて、ははあはっははは

佐藤:それは言うはな
渡辺:ただ布野先生はよく理解して、あれは奇跡的な事だとおもいますけど、そういうの理解してくれて。ただ一個条件有ると。個展はしても良いけれども、それやっている光景は後輩達にとっても何らかの良い影響出すだろうから、家でやるのはやめてくれ。自分の家で模型作ったりするのはやめてくれと。だからやっている姿をちゃんと見えるように研究室でやる限りは1年間じゃあ没頭していいよと言われたんで。よく分かんない条件なので

佐藤:布野先生に強制的に公開個展制作過程を、オープンにさせられちゃったと
渡辺それやったら許すという話、じゃ〜わかりました
佐藤:個展の作り方、後輩に見せてね、失敗するぞあれ〜と陰口を叩かれながらな〜
渡辺はははは、だから基本的にパソコンに並んでワープロ打っている研究室に一角だけスチレンボードが鬼のように有って。そこで僕一人もくもく作って。その時岩崎泰とか手伝ってくれてたです。

佐藤:あそうなの、へ〜
渡辺:はい、で、その博士の1年の3月に個展、出来たと。
佐藤:ドクターの2年に成る春ね
渡辺:2年になる直前ですね

佐藤:大島さん来た?
渡辺:大島さん来ましたね。
佐藤:つぶやきましたか、

渡辺:それはけっこうやるね〜みたいな事でふふふふ
佐藤:テーマはなんでしたか
渡辺:テーマはこれと同じ、風景みたいなものの欺瞞を建築でもって暴くみたいなことで
佐藤:なんだ その正義感みたいな、暴くってのは
渡辺:あははははは
佐藤:本当かよ〜

渡辺:それはほんまに、そうで。、京都がまた欺瞞だらけの町なので
佐藤:ただ ややっこしくなるだけじゃないか〜 そんなの作って
渡辺:ははあははは、たしかに全然 京都的には、そんなこと言われてもっていうような。まあ適当にあしらわれるような感じではありましたけれども。 

ただ仮想のプロジェクトみたいなの勝手に組んで。5作品ぐらい出していたですけど。それを一人でまたやって 展示するっていうこと自体あんまり無かったので
佐藤:彫刻家だからそういのちょろいよね
渡辺:ふはあははははは
佐藤:絵画と建築と彫刻のあいまいな状態がずーっと続いているよね。
渡辺:はい。ここら辺(室内)に有るのがその時のやったやつですよこれ。

佐藤:じゃついでに写真を撮りながら、聞いてますので話を続けてください。これなですか用途は焼却炉みたいなのは
渡辺:おっしゃる通りで、図書館という設定ですけど。実は古書を焼く施設
佐藤:焚書じゃないか
渡辺:ははははは、普通に児童公園みたいな所の地下に埋まっている施設で。だから一番上がGLなんですけど。

佐藤:地底に隠れているわけね。
渡辺:はい、で、公園にポストみたいなものが置いてまして、そこへみんなそれぞれ、要らなくなって本を投げ入れ、それが筒に下りていって。最後ベルトコンベアーでグルグル回って。最後焼却炉に、

佐藤:物語lこ 今度は 小説家ふうになってきましたね、起承転結があるんだ
渡辺:そうですね
佐藤:物語が出来てますね
渡辺:この中にある押し入れ、みたいな付いている所に管理人さんが住んでいて
佐藤:ははははは、管理人さんは何をする人なですか?

渡辺:管理人さんは流れて来る本を焼く係りなですけれでども。自分の気に入った本があれば勝手に頂戴してこっちの本棚に入れるみたいな話なんです。
佐藤:本は焼くけど気に入れば保存すると
渡辺:管理人さんの好みによってそこが決まるみたいな。まず本に対する批判もあって、

佐藤:本を燃したろうなんて!学問の世界に入ったのに
渡辺:いえいえ、本の批判っていうか、割と建築家の方でも他の方でも本棚に、本を並べて喜んでいる方が多いという思いがあって。

で、それでここのやつは近隣住民の人がポストに自分の要らなくなった本を入れるので、まあ例えばお爺ちゃんが亡くなって変な古文書、若い奥さんが要らなくなってほかす。 古文書もあれば、単にあんちゃんが要らなくなったエロ本をほかしたりする事も。古文書とエロ本が並んでベルトコンベアーに流れるようは風景が有るのとかで。いわゆるある似たような本が並んでいて格好付けることが成り立てないルトコンベアーみたいになっているっていう状態を。 ベルトコンベアー自体は見て回れますので、そういうの並べて良いけど取っちゃだめルールになっていて。最後は管理人さんの趣味主体で活きる本と、死ぬ本が分けられていくみたいな。

佐藤:自分で物語を作ることによって欺瞞を暴くという、気になるキーワードで建築や絵や彫刻を繋げることが出来たと

渡辺:はい
佐藤:一応コンテキストがないと建築になりにくいと いう事だよね
渡辺:そうですね〜

佐藤:形じゃなくってまず物語を作って、それに合わせて建築が獲得されていくと、テーマは欺瞞を暴くなんだけど。ふふふふ
渡辺:だから本を巡ることと、あと公園みたいなものっていうのは子供とか遊ばせるときに、辺になんか親御さん安心しりするのは僕は公園大嫌いで何も面白くないので。のっぺりしてて。 というのもあったので。

のっぺりした公園に屋根がGLにこう在って、ただ本焼くから煙たいんですね公園が。ふふふ、凄い嫌な感じ
佐藤:もう出来ちゃっている気分で話ているじゃないですか
渡辺:はははは
佐藤:公園の中から煙もこもこ嫌な臭いプンプンと エロ本だとほどほどな臭いで 古文書だと良い香りとか 本の質によって臭いが変わる とね〜
渡辺:うはははは、それ仮想のプロジェクトですけど、割とそれは妄想的にリアルに想像するのも好きで

だから個展の時に地図を付けて。いかにもありそうな左京区立なんとか古書改修所とか言う名前を付けておくことで、展示会したところ。人が行く施設のロビーかなんかでやったので。そしたら割と面白がってですね〜こんな施設が在るの知らなかった!とか言われて見にいって来ますとか言われて
佐藤:ははははは

渡辺:どうぞ、とか言ってはははは
佐藤:本当。凄いね〜反響
渡辺:それが面白かったですね。また図面もあえて青焼きとかで出したたんですよ。よう分かんない施設なのに。青焼きって変なリアリティーが在るじゃないですか。
佐藤:もう出来てる昔の施設だ

渡辺:こんな施設があるのは知らなかったです。
佐藤:それは凄かったね、でも今の話だと、かなり複雑だから、建築のつながりと物語の繋がりと 造形が 相互に越境しているので、何それみたいな周りから言われるんじゃないの。
渡辺:えーとそれは、文章一枚まず付けてあるのと。
佐藤:売り語、7行から成長してもう一枚の文章になったわけだ
渡辺:一枚だけにして、後はこれ1/50の模型なんですけど。それが在ると、それとの絡みで見る人もあれば、子供とかも来てたので。

型の1/50って丁度いいスケールでデティールは要らないけれども。中に入っているのが気になるような、そういうスケールですから。まあそれを見て、勝手に楽しんでいる人も居たりとかあったので。割と様々な反応があって。

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