北勢地方、とりわけ桑名を中心とした地域は、他に比べて考古遺跡が少ないとよくいわれます。しかし、それでも市内の丘陵上には北勢地方最大の高塚山古墳があり、ふもとには東海地方最大の古墳時代の貝塚中縄遺跡が拡がっています。

 隣の多度町の柚井遺跡では昭和3年に日本で最初に木簡が見つかっています。また朝日町では20年ほど前に山林から倒壊した塔が発見され、縄生廃寺と名付けられて博物館が設けられました。

 また最近では第2名神高速道路や、北勢バイパスの建設に伴う緊急発掘調査によって、この地方の古代の様相がかなり明らかになってきています。
 (なお、ここでの北勢の範囲は、とりあえず主として四日市市の海蔵川以北ということに致します。)

それでは祖先が残してくれた遺跡や遺物を手掛かりに、いにしえの北伊勢へご案内しましょう。

●北勢古墳巡り

高塚山古墳(桑名市) 桑名、四日市地域で最大の前方後円墳
岡古墳群(いなべ市員弁町) 前方後円墳と円墳、石室の残骸
麻績塚古墳群(いなべ市北勢町) 前方後方墳、麻績氏、句奴国?
城ノ広遺跡古墳(朝日町) 縄生廃寺の地に新発見の前方後円墳
志で神社古墳(四日市市) 前方後円墳?前方後方墳?
八幡古墳(四日市市) 石室が見える円墳

●北勢の古代寺院巡り 

額田廃寺(桑名市) 法隆寺式伽藍配置、川原寺と同笵の軒丸瓦が出土
西方廃寺(桑名市) 聖武天皇行幸の際に建立?天平瓦が出土
縄生廃寺(朝日町) 塔の瓦列が残る倒壊屋根、塔心礎に舎利容器(重文指定)
南小山廃寺(桑名市多度町) 天平瓦、鴟尾、三重県下では珍しい型押廉状文軒平瓦が出土
智積廃寺(四日市市) 基壇を伴った南北に並ぶ建物、川原寺式軒丸瓦が出土

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