僕は精一杯の笑顔で いつもの様に ・
そのころの記憶が僕には ほとんどない ・ ・
僕に見えるように 大きく円を描く様にまわしていた
その大きな ひかり の環(リング) は
あ た た か く て
涙 で 涙 で にじんで
涙 で 涙 で にじんで
僕にはいくつにも見える
や さ し く て
と て も あ た た か く て
世界で 一番 綺麗な 夜 景
・
友に 明るい声で 言った
「 よ う ひさしぶりだな 」
あいつが返事をしなかったのは 初めての事だった
でも あいつの顔が少し笑った様に見えた
ただ ワールドカップで日本中が マスコミが ネットの中までが
歓喜熱狂していた事を憶えている そんな6月の夜9時を過ぎた時だった
携帯が鳴り話してみるとそれは中学時代からの親友「J」の妻からの電話だった
次の瞬間 信じられない言葉が
J が 亡くなった
Jは、僕にとって13歳の時から一番の親友で理解者だ
僕の言葉に シュウジちゃんの発想っておもしろいね とか
シュウジちゃんってやさしいな などと
僕のこころを誰よりも先に認めてくれた人だった
彼が僕のこころを認めてくれていなければ このHPは間違いなくなかった
この先も僕に幸せな事がおこると誰よりも喜んでくれるであろう人だった
連絡を受けた時 僕は酒を飲んでいた 泥酔していた
でも とにかく 彼のとこに直ぐ行きたかった
そのまま車で 200km離れたJの家に向かった
涙が涙がとまらない あいつの子供 まだ小さいじゃないか
自分が かわれるものなら かわりたいと思った
そんな時こころの中に Jの声が聞こえてくる
「シュウちゃん あわてないで、珈琲でも飲んで一息つこうよ」と
僕が思い出す彼の言葉は今そこにJがいたら間違い無く言いそうな言葉ばかりだった
おまえってやさしすぎるからさ 僕のこころの中のおまえもこんな時でもやさしすぎるんだよ
今迄 あいつの家に行くのに迷った事なんてなかった
でも 僕は 道に迷ってしまった 冷静な判断力を無くしていた
Jの家に電話をしたところ
Jの親父さんがマンションの家の前まで懐中電灯を持って出てきてくれる事になった
でも 今迄 僕が見たどんな夜景よりも綺麗な灯かりが見えてきた
丘の上にあるマンション そこに綺麗な光のリングが
その綺麗で暖かい光はJの親父さんの懐中電灯だった
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