きのふけふ繭ごもるとの便りかな
常磐木の落葉踏みうき別かな
海を見つ松の落葉の欄に倚る
和田村で合羽買ひけり五月雨
蝸牛の妻も籠れり杓の中
湖をめぐりて雨の田植かな
さはさはと真菰動くや鎌の音
引網の夕汐時やほととぎす
夏草や古井の底の水の音
夕立やぬれて戻りて欄に倚る
手も足もおしうづむ砂の清水かな
涼しさや雨吹き下す空の闇
行夏や彌陀の後ろの蚊のうなり