山中や菊はたおらぬ湯の匂 芭蕉
桃の木の其葉ちらすな秋の風 芭蕉
けふよりや書付消さん笠の露 芭蕉
鷺や来むあやめふきたる湯の茂り 支考
いづくにかたふれ臥とも萩の原 曾良
子を抱て湯の月のぞくましら哉 北枝
北国のしぐるる汽車の混み合ひて 虚子
流水や落鮎しげき嵐あと 秋櫻子