和歌と俳句

山中温泉

山中やはたおらぬ湯の匂 芭蕉

桃の木の其葉ちらすな秋の風 芭蕉

けふよりや書付消さん笠の 芭蕉

鷺や来むあやめふきたる湯の茂り 支考

いづくにかたふれ臥とも萩の原 曾良

子を抱て湯の月のぞくましら哉 北枝

北国のしぐるる汽車の混み合ひて 虚子

流水や落鮎しげき嵐あと 秋櫻子