恵那に雪吊柿あまくなりにけり 櫻坡子
恵那晴れて囮さへづるばかりなり 爽雨
恵那山のふもとの夏野恵下と云ふ たかし
鮎釣と乗りし渡舟や恵那の秋 たかし
雲深く恵那山の大ある昼寝かな たかし
片陰の街の往来に恵那聳ゆ 蕪城
我が鳥屋と恵那山の間の虚空かな たかし
大恵那の屋根や端山や鳥渡る たかし
恵那颪一日すべなき炬燵かな たかし
花の昼恵那の古町水を打つ 蕪城
畑の梅そちこし白し恵那曇る 蕪城
雪嶺の赤恵那として夕日中 多佳子
恵那山は雲被ぐとも梅雨の晴 悌二郎